2016年盆　道南の旅(5)　函館　市街散策

2016/08/18 - 2016/08/18

2016年盆休みは8月13日から18日まで6日間取れた．
親との青森周遊のあとの残りの3日は北海道新幹線が開通したので2008年以来函館を訪問した．
最終日は8月18日は朝から函館山の山麓沿いに船見町から元町方面を散策．

エリア 函館(北海道)

• 旅行の満足度: 5.0
• 観光: 5.0
• 交通: 4.0

• 同行者: 一人旅
• 交通手段: 私鉄 徒歩
• 旅行の手配内容: 個別手配

ホテルをチェックアウトし函館駅のコインロッカーに荷物を入れた後，市電の函館駅前停留所に．函館どつく前に向かう．この日も市電の1日券(\600)を利用．

函館市電 函館駅前停留場 駅

所要12分程で函館どつく前停留所に．前日とはうって変わっての快晴である．

函館市電 函館どつく前停留場 駅

停留所前の厳島神社．
江戸前期に弁天社として創建，主祭神は市杵島姫命．
現在の社殿は1915(T4)年に建てられたもの．
かつては境内の前が海だったそうだ．

厳島神社 寺・神社・教会

厳島神社裏に建っていた石造りの蔵．

船見坂を上がっていく．途中にある蕎麦屋．
散策後に来ようかと思ったが，この日は定休日(水･木)だった．

蕎麦屋の向かいには銭湯の大正湯．
営業時間15:00〜21:00，入浴料\440，月金休業．
建物は1928(S3)年建造，木造2階建，函館市景観形成指定建築物．

大正湯 温泉

船見坂の上りきるとＴ字路になっているので寺町通へ出る．
そこには廃墟となっている校舎．
旧函館市立西小学校の校舎である．中華会館の前の弥生小学校と統合したとのことである．弥生小学校が改築中に校舎は利用されていたようである．
使っていないようなら荒廃しないうちに校舎の解体を望む．

寺町通の坂を上っていくと煉瓦塀が見えてくる．
高龍寺の防火塀である．
1910(M43)年建造，煉瓦造，瓦葺，総延長154m，国登録有形文化財，函館市景観形成指定建築物．
写真の面はフランス積，坂をさらに上って通りに面した箇所はイギリス積となっている．

高龍寺 寺・神社・教会

高龍寺の境内を防火塀とともに囲うのが土塀．
1917(T6)年頃の建造，土塀，瓦葺，総延長53m，国登録有形文化財，函館市景観形成指定建築物．

高龍寺 寺・神社・教会

高龍寺山門．
1910(M43)年頃の建造，木造八脚門，入母屋造，桟瓦葺．
袖塀ともども国登録有形文化財で函館市景観形成指定建築物．

高龍寺 寺・神社・教会

高龍寺山門に彫られている五三桐の紋．
高龍寺は1633年の建造，本尊は釈迦三尊の曹洞宗寺院．
箱館戦争の兵火に遭っている．
所在地船見町21-1．境内拝観自由．

高龍寺 寺・神社・教会

高龍寺鐘楼．山門入って右側に建つ．
1922(T11)年建造，入母屋造，銅板葺，国登録有形文化財，函館市景観形成指定建築物．

高龍寺 寺・神社・教会

高龍寺宝蔵．鐘楼奥，寺町通沿い土塀裏に建つ．
1916(T5)年建造，煉瓦造2階建，切妻造，桟瓦葺，外壁漆喰塗，腰簓子下見張，国登録有形文化財，函館市景観形成指定建築物．

高龍寺 寺・神社・教会

高龍寺水盤舎．山門入って左側に建つ．
1915(T4)年建造，入母屋造，銅板葺，東西面軒唐破風，国登録有形文化財，函館市景観形成指定建築物．

高龍寺 寺・神社・教会

高龍寺水盤舎軒唐破風の彫刻．

高龍寺 寺・神社・教会

高龍寺金比羅堂．水盤舎後方通りに面し建つ．
1915(T4)年建造，木造一重，入母屋造平入，桟瓦葺，正面軒唐破風向拝･千鳥破風付，国登録有形文化財，函館市景観形成指定建築物．

高龍寺 寺・神社・教会

高龍寺金比羅堂正面木鼻の彫刻．

高龍寺 寺・神社・教会

高龍寺位牌堂．水盤舎背後，金毘羅堂隣に建つ．
1933(S8)年建造，入母屋造，向拝一間付，桟瓦葺，左右回廊付，国登録有形文化財，函館市景観形成指定建築物．

高龍寺 寺・神社・教会

高龍寺位牌堂向拝下の彫刻．

高龍寺 寺・神社・教会

高龍寺開山堂．位牌堂奥に並び建つ．
1899(M32)年建造，煉瓦造平屋建，寄棟造，桟瓦葺，唐破風向拝付，国登録有形文化財，函館市景観形成指定建築物．

高龍寺 寺・神社・教会

高龍寺本堂．山門奥正面に建つ．
1900(M33)年建造，入母屋造，正面向拝付，桟瓦葺，左右回廊付，国登録有形文化財，函館市景観形成指定建築物．

高龍寺 寺・神社・教会

高龍寺本堂に掛かる扁額「高龍寺」．

高龍寺 寺・神社・教会

高龍寺本堂向拝下の彫刻．

高龍寺 寺・神社・教会

高龍寺本堂向拝下木鼻の彫刻．

高龍寺 寺・神社・教会

高龍寺から300m程歩き称名寺に．
1644年創建，現在地には1881(M14)年に移転．
本尊は阿弥陀如来．所在地船見町18-14，境内拝観自由．
写真は山門．

称名寺 寺・神社・教会

称名寺本堂．
1929(S4)年建造，鉄筋コンクリート造平屋建，函館市景観形成指定建築物．
境内には土方歳三の供養碑もある．

称名寺 寺・神社・教会

称名寺門前にて．近寄っても逃げないが触らせてはくれなかった．

称名寺 寺・神社・教会

もう1匹称名寺門前にて．タイミング悪くマーキングしていた．失礼！

称名寺 寺・神社・教会

称名寺の東隣の実行寺．
1655年創建の日蓮宗寺院，境内拝観自由．
所在地は船見町18-18．

実行寺 寺・神社・教会

実行寺本堂．
1918(T7)年建造，木土蔵造平屋建，入母屋造，桟瓦葺，函館市景観形成指定建築物．

実行寺 寺・神社・教会

実行寺前を東に進むと千歳坂上に．船見坂と幸坂の間の坂になる．
奥に函館港が見える．

千歳坂上で振り返ると東本願寺函館別院船見支院．
函館別院の墓地管理のために創建された支院．
写真山門は門柱の上に建っているように見える．珍しい造りだ．

東本願寺函館別院船見支院 寺・神社・教会

東本願寺函館別院船見支院本堂．
1926(T15)年建造，入母屋造，向拝一間付，桟瓦葺，函館市景観形成指定建築物．所在地船見町18-20．

東本願寺函館別院船見支院 寺・神社・教会

東進を続け幸坂に当たり坂を上る．
坂の途中にあるのが旧ロシア領事館．
1908(M41)年建造，煉瓦造2階建，函館市景観形成指定建築物．
1945(S20)年まで使われた．
所在地船見町17-3．敷地内には立ち入れない．2008年に来た際は門扉が開いていて敷地内には入れた．

旧ロシア領事館 名所・史跡

旧ロシア領事館案内板．

旧ロシア領事館 名所・史跡

旧ロシア領事館付近に集まる烏．
近隣で餌をあげている人がいるようだ．

旧ロシア領事館 名所・史跡

旧ロシア領事館前から幸坂坂上の望む．
上に行くほど勾配がきつくなる．上りきった箇所に山上大神宮があるが，これ以上上るのはしんどいのでここまでにした．

ズームで山上大神宮の鳥居．
神社の創建は南北朝時代と伝わる(社伝)．主祭神は天照皇大神･豊受大神．
坂本龍馬の従兄が神職を務めたことがあるそうだ．
本殿は1930(S5)年の建造で函館市景観形成指定建築物．

山上大神宮 寺・神社・教会

旧ロシア領事館前から幸坂下を望む．

散策を再開し幸坂の1本東側の姿見坂．
街路樹，高い建物が少なく見晴らしが良い．

姿見坂 名所・史跡

続いて常盤坂．街路樹多し．

常盤坂途中の角地に建つ山内家住宅．
1922(T11)年建造，木造2階建，函館市景観形成指定建築物．
所在地船見町9-9．

東進を続け，次の坂は弥生坂．
ここも街路樹が多い．

元町界隈まで歩き旧函館区公会堂に到着．
1907(M40)年の大火後に建てられた公会堂．
現相馬（株）の初代が多額の資金を提供し建設されている．
所在地元町11-13．

旧函館区公会堂 名所・史跡

旧函館区公会堂の内部．2階への階段．
開館時間9:00〜19:00(夏季)，入館料\300(他施設との共通券あり)，不定休館あり．
この日は旧イギリス領事館にも行く予定だったので2館共通券(\500)にて入館．

旧函館区公会堂 名所・史跡

旧函館区公会堂内部の様子，御寝室．
1911(M44)年の行幸の際に皇太子(後の大正天皇)が使用した寝室の様子を再現している．

旧函館区公会堂 名所・史跡

旧函館区公会堂内部の様子，御座所．
こちらも1911(M44)年皇太子行幸時に御座所を家具･調度品などを含め再現している．

旧函館区公会堂 名所・史跡

旧函館区公会堂内部の様子，大広間．
開館当時唯一の公共集会所として音楽会･舞踏会等の各種行事催事に使用されていた．

旧函館区公会堂 名所・史跡

旧函館区公会堂2階バルコニー．

旧函館区公会堂 名所・史跡

旧函館区公会堂2階バルコニーからの景色．
函館駅方面．

旧函館区公会堂 名所・史跡

旧函館区公会堂2階バルコニーからの景色．
函館どつく造船所方面．いい天気だ．
手前には元町公園が広がる．

旧函館区公会堂 名所・史跡

旧函館区公会堂2階バルコニーへの出入口．

旧函館区公会堂 名所・史跡

旧函館区公会堂．最後にもう1枚．
本館，1910(M43)年建造，木造2階建，桟瓦葺，国重要文化財．
東側に建つ附属棟も国重文．

旧函館区公会堂 名所・史跡

旧函館区公会堂下には元町公園．
1454年河野氏が居館を置き，函館の名の由来となっている．
明治以降は函館の行政の中心地であった．

元町公園 公園・植物園

旧北海道庁函館支庁庁舎．元町公園内に建つ．
1909(M42)年建造，木造2階建，北海道指定文化財，函館市伝統的建造物．
現在は観光案内所として利用されている．

元町公園 公園・植物園

旧北海道庁函館支庁庁舎の説明板．

元町公園 公園・植物園

旧開拓使函館支庁書籍庫．こちらも元町公園内．
1880(M13)年建造，煉瓦造2階建，桟瓦葺，北海道指定文化財，函館市伝統的建造物．
煉瓦はフランス積．

元町公園 公園・植物園

元町公園前の基坂．

基坂 名所・史跡

基坂上東角の旧イギリス領事館へ．
1859年開設，1934(S9)年閉鎖．
函館市旧イギリス領事館(開港記念館)として公開されている．
開館時間9:00〜19:00(夏季)，入館料\300(他施設との共通券あり)，年末年始休館．所在地元町33-14．

函館市旧イギリス領事館 名所・史跡

旧イギリス領事館．
1913(T2)年建造，煉瓦造2階建，函館市指定文化財，函館市伝統的建造物．
庭園側より．

函館市旧イギリス領事館 名所・史跡

旧イギリス領事館庭園からの函館市街．

函館市旧イギリス領事館 名所・史跡

旧イギリス領事館内部の様子，こちらは研修室として開放されている．

函館市旧イギリス領事館 名所・史跡

旧イギリス領事館内部の様子，領事執務室．
函館市街を双眼鏡で望む領事の姿もある．

函館市旧イギリス領事館 名所・史跡

旧イギリス領事館内部の様子，展示されている領事館の模型．

函館市旧イギリス領事館 名所・史跡

旧イギリス領事館内部の様子，箱館開港にまつわる資料が展示されている．
写真は絨毯に描かれている開港当時の箱館を表した世界地図の鳥瞰図．
窓からの明かりが函館山に当たっている．

函館市旧イギリス領事館 名所・史跡

旧イギリス領事館玄関前のユニオンジャック．

函館市旧イギリス領事館 名所・史跡

旧イギリス領事館に続き，元町公園東の旧相馬邸へ．
函館屈指の豪商で函館区公会堂の建設に多額の寄付をした相馬哲平の邸宅である．
開館時間9:30〜17:00，入館料\800，毎週木曜及び冬季休館．
所在地元町33-2．この日はあいにく休館日．

旧相馬邸 名所・史跡

旧相馬邸，元町公園側の入口．
ブラタモリでタモリが訪問している様子の写真が掲示されていた．

旧相馬邸 名所・史跡

旧相馬邸．イギリス領事館庭園から．
1908(M41)年建造，木造平屋一部2階建，桟瓦葺，外壁簓子下見板張，函館市伝統的建造物．

旧相馬邸 名所・史跡

相馬邸北向かいに建つ茶房．
平屋建ての住居と2階建の土蔵からなる．
住居(母屋)は昭和初期，蔵は明治期の建造の模様．

茶房 無垢里 グルメ・レストラン

旧相馬邸(写真左側の植木部分)の東側は日和坂．
坂下の函館港までよく見える．

日和坂 名所・史跡

日和坂を弁天末広通付近まで下ると高橋病院天使寮がある．
1928(S3)年建造，木造2階建，函館市伝統的建造物．
所在地元町32-13．

日和坂を上り，路地を入るとプレイリーハウスがある．
1928(S3)年建造，木造2階建，鉄板葺，国登録有形文化財，函館市景観形成指定建築物．設計はF.L.ライトの弟子田上義也．
2015年11月までカフェとして利用されていたが閉店している．
所在地元町32-10．

プレイリーハウスの表札．住所の32-10である．
散策は続き，教会群を目指す．