2016/07/17 - 2016/07/17
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たびたびさん
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すみよしさんは、とうかさん、えべっさんと並ぶ広島市の三大祭りの一つ。
管絃祭の船を見に行ったつもりだったのですが、境内では盛り上がっていたのは広島県北部の戸河内からやってきた神楽の公演。鐘馗、葛城山、恵比寿舞い、人気のヤマタノオロチなどの熱演が二時間たっぷり。子供たちにも大受けで、楽しい夏休みの思い出になったのではないかと思います。
ところで、中国地方の神楽と言えば、島根県の石見神楽が有名ですが、広島県も神楽が盛ん。県内には300以上の神楽団があって、地域で分けると以下の5つ。今回の神楽は芸北神楽。島根の石見に隣接していることもあって、当たり前のように石見神楽が伝わってきて、それがしっかりと根付いたようですね。この日に拝見した神楽も本格的で、地域芸能の伝統がまざまざと感じられる。夏の夜長の楽しみとして、これ以上のものはちょっとなかったかもしれません。
1.安芸十二神祇
2.芸北神楽
3.芸予諸島の神楽
4.比婆荒神神楽
5.備後神楽
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鷹野橋商店街を抜けた太田川沿い。
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とうかさんに比べれば、やっぱり本当にちっちゃな祭りなんですが、このローカルな感じがまた魅力のひとつでしょう。
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さて、境内に入ると神楽の舞台。これは予想外でしたが、その熱演に引き込まれて、今日はここでじっくり神楽を拝見することにしました。
この演目は、「鍾馗(しょうき)」です。 -
もともとの話は中国のもの。唐の玄宗皇帝がマラリアのようですが、病の床に伏せていました。
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その時、玄宗皇帝の夢の中に1人の神が現われて、鬼を退治します。
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皇帝が夢からさめると急に病が癒えたので、画人を呼んでその神の像を描かせます。
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その神は、長く豊かな髭を蓄え、中国の官人の衣装を着て剣を持ち、大きな眼で何かを睨みつけている姿。
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それこそが「鍾馗」であり、この故事により中国では疫神を退け魔を除くと信じられるようになったのです。
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さて、この鬼は、ありとあらゆる病を引き起こす鬼。そのことを自慢しての大口上です。あの病気もこの病気もみんな俺様のせいだ。ざまあみろとでも言う感じ。まったく、とんでもない。困ったやつです。
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これを懲らしめるべく、立ち向かうのが鍾馗。
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なら町や京都の町家なんかでも、あちこちの屋根の上に飾られている守り神ですよね。
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病の原因の疫病神を
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鍾馗さんが
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やっつけます。
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最後は退治されるんですが、そこはそうやすやすとは退治されない。
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鬼もあらん限りの抵抗を見せて、
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必死に食い下がります。
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しかし。。
えい、おー -
えい、おー
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さすがの鬼も参ってしまいます。
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無事に鬼を退散させて、鍾馗さんの任務完了。お疲れ様でした。
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次の演目は、葛城山。
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大和の国の葛城山に太古の昔より住み着いている土蜘蛛の精魂が、
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侍女胡蝶に化け、
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典薬の守からの使いと偽って
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源頼光に毒を盛ります。
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ついに念願を果たしたとばかりに
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本性を現した土蜘蛛。
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恐ろしい形相は、この世のものとは思えません。
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飛びかかる土蜘蛛に必死で対抗する頼光。
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さすがに、そんなに簡単にやられる頼光ではありません。
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頼光は、「名刀髭切り丸」で斬りつけ深手を負わせるのですが、
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正体を見破られた土蜘蛛の精魂は、糸を吐きながら逃げ帰ってしまいます。
ここは、いったん引き分けというところでしょうか。 -
源頼光は改めて四天王を集め、土蜘蛛退治を命じます。
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四天王は主人の危機を救うためと知り、
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いつもにも増してやる気満々。力がみなぎっていますよ~
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頼光は、髭切り丸の太刀を「蜘蛛切り丸」と改めて四天王に授けます。
ははー、必ずや土蜘蛛を退治してまいります。 -
葛城山の岩屋に向かう一行。
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こちらは、土蜘蛛。
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頼光を殺し損ねて、悔しくてたまらない。
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なんとしても、頼光を殺してしまいたい。
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イチオシ
うおー、うおー。吠える土蜘蛛です。
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気が付くと、川の方では管弦祭の船が帰ってきたようですね。
本当はこれがメインのはずだったんですが。。 -
舞台では、
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葛城山に到着した四天王の前に、
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現れた土蜘蛛です。
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岩屋に蜘蛛の巣を張って、
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イチオシ
四天王を待ち受けていました。
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得意の妖術を使って、容赦なく四天王に襲い掛かります。
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どうだあ。
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今度は、火も吐きながらの攻撃。
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土蜘蛛の攻撃はますます激しくなるばかり。
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イチオシ
土蜘蛛の勢いはすごいんですが、しかし、こんなことでひるんでいる四天王ではない。
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太刀「蜘蛛切り丸」を振りかざし、
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敢然と土蜘蛛に挑みます。
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イチオシ
えいやー、えいやー。
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土蜘蛛の妖術に悩まされながらも、大激戦の末、
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なんとか蜘蛛切り丸をもって、これを退治する。
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うー、無念じゃあ。土蜘蛛はとうとう力尽き、討ち滅ぼされてしまいました。
めでたし、めでたし。 -
今度は、めでたいえびす舞。
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えびすさんは美保神社の御祭神で、漁業、商業の祖神として崇拝されている神様です。
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イチオシ
舞いはえびすさんの鯛釣りの様子を舞うもの。
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ちなみに、えびすさんは大国主命の第一の皇子。とても釣りの好きな神様なんです。
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やや、えびすさんは鯛を釣るはずですが、
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なにやら大きな袋をごそごそし始めましたよ。
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子供たちにお菓子のプレゼント。ちょっと退屈気味になっていた子供たちが一気に活気付いてえらいことに。私も、私もー。舞台の周りは大賑わいです。
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落ち着いたところで、
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本来の鯛釣りですね。
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客席の方に糸を垂らしていましたが、
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見事、ピチピチの鯛を釣りあげて。おめでたい恵比寿舞いが完了です。
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最後の演目は、ご存知、ヤマタノオロチ。
悪業のため高天原を追われた須佐之男命が出雲の国、斐川にさしかかると、老夫婦が嘆き悲しんでいた。訳を尋ねると、夫婦には八人の娘がいたが、大蛇が毎年あらわれて、七年に七人の娘をとられ、最後の一人も取られる運命にあるという。命は、大蛇退治を約束し、毒酒を作らせ、これを大蛇が飲んで酔った所を退治した。この時、大蛇の尾から出た剣は、天の村雲の剣(のちの草薙の剣)として天照皇大神に献上され、三種の神器の一つとして熱田神宮に祀られる。そして、須佐之男命は助けた娘、奇稲田姫と結婚したという物語です。 -
さて、まずは美しい娘の登場。
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これはいけにえにされる娘のようですね。
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煙の中から、大蛇が現れて、
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シューシューと煙を吐きながら、
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娘を見て、舌なめずり。
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恐怖におびえる娘ですが、抗うすべはない。
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イチオシ
あっという間に大蛇に巻きつかれて、
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ずるずると引きこまれていく。あーれー。
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静かになって、
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もそもそっと動き出すと、
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さっきの娘の着物が口から出ています。くっそー。丸呑みにしたのかあ。憎らしい大蛇です。
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腹がいっぱいになって満足した大蛇は、
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とぐろを巻いて喜んでいます。
本当に悪い奴です。あったまきますねえ~ -
そこに登場したのはスサノオノミコト。待ってましたー
お前が仇をとってくれー -
と、よぼよぼとおじいさんが登場。
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娘を連れたおばあさんも出てきました。この娘もいけにえにされる運命なのでしょうか。
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スサノオノミコトは事情を聴くと、老夫婦たちに酒造りを命じます。
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よいしょ、よいしょ。
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イチオシ
動かぬからだですが、
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娘を助けるため。必死に酒造りをする二人です。
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と、その作業が終わるか終らないうちに、
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もう大蛇が現れました。それも、一匹、二匹。
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酒なんかあると思っていなかった、大蛇は火を吐いて大喜び。
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ぐびぐび、ぐびー。
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狂ったように酒を飲み始めます。
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ぐび、ぐび、ぐびー。
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ぐび、ぐび、ぐびー。
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娘も食べたいけど、
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まずは酒。
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酔いも回ってきて、
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イチオシ
大蛇の本性を
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思いっきり現して
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暴れています。
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とぐろを巻いて
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どんなもんだあ。
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イチオシ
今度はぐるぐるまわしになって、
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思う存分の
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絡み合い。
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もうやりたい放題の大蛇です。
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そして、おー。
なんと勢い余って、観客席まではみ出します。子供が飲まれそうになってますけど、大丈夫ですかあ。 -
そして、大蛇に十分酒が回ったことを見極めて、やおらスサノオノミコトが登場。
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もう、お前らの思い通りにはさせないぞ。
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悪行の限りを尽くした大蛇には
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鉄槌を下すしかない。
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酔った勢いにも任せて、スサノオノミコトに反撃する大蛇ですが、
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冷静に
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一匹、一匹を
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退治して行くスサノオノミコト。
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イチオシ
大蛇がギャーと上から襲い掛かっても、
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えいやー。
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トー。ヤマタノオロチはすべて退治されてしまったのでした。めでたし、めでたし。
そして、スサノオノミコトは、助けたクシナダヒメを妻にします。妻を守った喜びの歌がこれ。日本最初の和歌と言われる歌ですね。
八雲立つ(やぐもたつ) 出雲八重垣(いずもやえがき) 妻ごみに 八重垣(やえがき)作る その八重垣(やえがき)を -
さて、公演の方は気がつけばもう二時間以上。すっかり日も落ちてしまって、真っ暗ですよ~
子供たちももう早く帰らないといけませんね。お疲れ様でした。 -
最後に本殿を確認して、
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私もここらで退散です。
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鷹野橋商店街ももうお店は閉まっていました。
あー、楽しかったっと。おしまい。
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この旅行記へのコメント (2)
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- 世界遺産のアンコールのチュムチュムさん 2017/01/13 09:05:35
- とても綺麗な写真
- とても綺麗ですねぇ。この写真を見て楽しそうですから、参加してみたいです。何月に行いますか。
- たびたびさん からの返信 2017/01/13 16:41:44
- RE: とても綺麗な写真
- 8月ですが、広島市内で神楽を見るのならこちらがお勧めです。
http://www.rccbc.co.jp/event/kagura/
日本全国で神楽はあるんですが、有名なのは高千穂の夜神楽。石見神楽、早池峰神楽でしょうか。
参考まで。
石見神楽
http://4travel.jp/travelogue/11064748
早池峰神楽
http://4travel.jp/travelogue/11022428
高千穂の夜神楽も見たことはありますが、暗い中を手探りみたいにして神社にたどり着くのが面白かったですね。
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