リュブリャナ拠点にスロベニア満喫<5> ～小さな国の巨大な洞窟

2016/05/02 - 2016/05/02

　この日も朝からパッとしないお天気。
　午前中は、前日のガイドツアーで気になったところを中心に、リュブリャナを街歩き。午後からはプレジャマ城（洞窟城）とポストイナ洞窟の半日ツアーに参加。
　プレジャマ城の、岩に飲み込まれているかのような異様な容貌、ポストイナ洞窟の、想像の斜め上を行く設備と想像もしなかった規模と質。ある程度の予備知識があっても驚きの連続でした。

エリア ポストイナ(スロベニア)

• 旅行の満足度: 5.0
• 観光: 5.0
• ホテル: 3.5
• グルメ: 4.0
• ショッピング: 4.0
• 交通: 4.0

• 同行者: 一人旅
• 交通手段: 高速・路線バス 観光バス 自転車 徒歩
• 航空会社: アドリア航空 (運航停止) ANA
• 旅行の手配内容: 個別手配

連休２日目も小雨。市庁舎前にあるロッバの泉のオリジナルがあるという国立美術館に向かいましたが閉館。ガラス越しにそれがホールにあるのを確認し、国立博物館へ向かいます。
この辺りには大使館が集まっています。黄色い壁のこれはアメリカ大使館。そして右手に見えるのはロシア大使館。同一区画に冷戦時代の敵対国の大使館があるのは、世界でも珍しいこと。今回の旅で出会ったすべてのガイドさんが話していました。

国立博物館の前はひっそりとしています。大きな扉は閉まっていましたが、押してみたら開きました。普通に開館していて、すでに来館者もそこそこいました。ローマ時代〜中世の隆盛を物語る遺物が中心。
同じ建物に自然史博物館が入っています。こちらは小学生が遠足で見るような展示です。
建物の前庭は気持ちの良さそうな芝生ですが、この天気ではそれを楽しむ余裕もなく、街の中心へ。

国立博物館 博物館・美術館・ギャラリー

緑豊かな博物館の区画からすぐのところにある、いかにも共産主義の遺物といった感じの無味乾燥な建物とがらんとした広場。現在は「共和国広場」ですが、独立とともに名前が替えられたであろうことは容易に想像できます。

共和国広場 広場・公園

この広場に面した没個性的な建物は国会議事堂。これも近代史を物語る遺物。

共和国広場 広場・公園

ズヴェズダ公園。リュブリャナ大学の本部に面しています。

ズヴェズダ公園 (コングレスニ広場) 広場・公園

昨日ボートから見た、プレチェニク作品の屋根がない円柱の橋（Cobbler's Bridge）。
ギリシア建築のような円柱が並ぶデザインに見せかけて屋根がない…図書館の窓もそうでしたが、そこに意味があるのか無いのか…不思議な人だなあ。

シューメイカーズ橋 (コブラーズ橋) 建造物

市庁舎の壁にあったリュブリャナ市の紋章。丘の上に立つ城と竜。まんまや〜。

市庁舎 (リュブリアナ) 建造物

市庁舎前の通りと三本橋から続く通りの交わるところにあるロッバの泉。かつては交通量が多い通りだったため、オリジナルはこれ以上のダメージを防ぐために屋内で保存されています。朝見はぐってしまったのがそれ。

市庁舎 (リュブリアナ) 建造物

お天気が悪いとおどろおどろしく写る竜の橋のオブジェ。
連休２日目でこの日もお休みのお店が多い。この橋の近くのパン屋さんでお昼を入手し、ホテルへ。

竜の橋 建造物

パン屋さんで買ったのはユーゴ圏の定番ファストフード、Burek 。葱餅よろしく巻いたものが多いようですが、ここのお店のものは長さ40cmくらいある１本うどんのような細長〜いパイ。チーズ入りとポテト入りのハーフサイズを１つずつ買ってみました。
ショーケースの中の鉄板が温かいらしく、温め直さなくてもホカホカ。パイといっても透けるほど薄い、パートフィロに近い感じの生地。
フィリングはチーズ味はシンプルなカッテージチーズ、ポテトは胡椒が効いてスパイシー。どちらもコーヒーにとても良く合います。
お昼をホテルでとったのは、午後いちで半日ツアーのピックアップがあるから。
時間通りに合流、カルスト地方へ向かいます。

リュブリャナから車で１時間ちょっと、最初のポイントは洞窟城。
突然目の前に現れた、渓谷に覆いかぶさるような岩山から生まれたかのような質実剛健な城。ものすごいインパクトです。
一番の特徴がこの異様な立地という「出オチ」ではあるのですが、百聞は一見に如かずを地で行っています。

プレジャマ城 城・宮殿

増築を重ねた城のため、城内には様々な構造があります。

プレジャマ城 城・宮殿

これも城内。洞穴に階段が続いていて、まるで原始の時代の遺跡のよう。

プレジャマ城 城・宮殿

この洞穴にはモンスターがいるのだそう。
天井を見ると…イーブイ（ポケモン）の進化系みたいな鼻の尖った何かが。

プレジャマ城 城・宮殿

さらに城内。中世の武器防具の展示があったり、当時の部屋や働く人々を再現していたり。
展示としてはヨーロッパの要塞系の城の中でも簡素な方です。

今回ツアーを選んだ理由は、メインのポストイナ鍾乳洞だけならば自力でも行けなくはないけれど、アクセスは良くないため、自力だとここに来るのがかなり難しいからでした。
外観は本当に一見の価値があります。が、苦労をしてここを訪れたら、正直なところちょっとガッカリするだろうと思います。
ツアーで訪れて丁度良い加減のスポットでした。

プレジャマ城 城・宮殿

次はスロベニア最大級の観光スポット、ポストイナ鍾乳洞。
洞窟城とは真逆の意味で、まずエントランスに驚かされました。鍾乳洞の入り口というよりも万博公園のような広大で整備された広場です。ガラス張りのカフェや売店も大規模。
言語別にグループが組まれ、順番に入場していきます。

ポストイナ鍾乳洞 洞穴・鍾乳洞

入場するとそこにはトロッコというか、ユルめのコースターに近い乗り物が待っています。モニターに流れる安全ビデオは「ス＊ー・ツアーズ」みたい。
トロッコのコースは約２Km。実際走り出すとそこそこスピードはあるし、蛇行しているし、ところどころ天井が低い。ダウンコートを着ていても風で寒く感じます。そして時々悲鳴が聞こえてきます。

トロッコ列車 (ポストイナ鍾乳洞) 鉄道系（地下鉄・モノレールなど）

トロッコを降りて、洞窟内の1.6Km のコースを歩きます。

ポストイナ鍾乳洞 洞穴・鍾乳洞

鍾乳洞には国内外何箇所も行った事がありますが、桁違いです。
まぁ、鍾乳洞内をトロッコで疾走するって時点ですでにレベルが違うのですが。

ポストイナ鍾乳洞 洞穴・鍾乳洞

整備されたコースはアップダウンがあり、狭いトンネルあり、奥行きのある広間があり、様々な色や形の鍾乳石が見られ飽きません。

延々続く洞窟。こんなに人がたくさんいるのに神秘的。

華厳の滝のような石柱。

スパゲッティと呼ばれる、糸状に垂れ下がった鍾乳石。

何重にも折り重なる赤い鍾乳石。

この鍾乳洞を代表する巨大でユニークな形のな石筍と石柱。
この先に続くホールでは、本当にコンサートが行われていたそうです。そしてここで発見された両生類ホライモリも展示されています。

帰りもトロッコで。
とんでもない規模の鍾乳洞を満喫しておきながら、こんなアトラクション作っちゃって、鍾乳洞の環境保存は大丈夫なのかな…？と後ろめたい気持ちになりました。

トロッコ降り場から見えた、古いトロッコのレール。
鍾乳洞が公開された19世紀初頭からトロッコはあったそうで、当時は見学者を乗せたそれをガイドが手動で動かしていたそうです。
200年弱そうして見学者を受け入れてきたのだなあ。その結果が立派なエントランスやクレイジーなトロッコになっているのか…。
ちょっと複雑な気持ちになりながらも、鍾乳洞の見応えはスロベニア最大級のツーリスト・アトラクションに相応しいものでした。