フィリピンのイロイロはどんなところ？　その２　意地悪ホテル

2015/04/10 - 2015/04/24

　空港建物の外に出てきました。
　一緒に乗ってきた人たちは、いつの間にか姿を消しています。
　迎えが来ているようです。
　迎えの来ない一人ぼっちの私は、町への乗り物を探さなくてはなりません。

エリア パナイ島(フィリピン)

• 同行者: 一人旅
• 交通手段: 徒歩

　さてさて、この後どうしよう・・・　
　とキョロキョロとミニバンを探します。
　タクシーの客引きがうるさく声をかけてきますが、市内まで５００ペソ（１２５０円）の看板があっちこっちに。
　高い！
　ミニバンで行けば１００ペソ（250円）以下のはず。

　あっちこっちとうろついていると、親切な空港の職員が、少し離れた場所に停まっているミニバンまで案内してくれました。
　ミニバンの中はすでに満員状態で、乗り込める余地なし。
　しかし何のその、その中に強引に押し込められて、私が乗って出発となりました。
　料金は５０ペソ（１２５円）です。
　タクシーの１０分の１。
　やったぁ！

イロイロ国際空港 (ILO) 空港

　危険なほど積載重量オーバーなミニバンは、１００km以上のスピードで他の車をかきわけて走ります。
　ブレーキが正常に効くのか怪しいもの。
　こんな所で死にたくはない・・・と走ること２０分。
　窓の外に色とりどりのジプニーが増えてきて、その中に通勤通学の人々が乗っています。
　町に近づいてきたようです。

　ＳＭモールの前で止まりました。
　６時半です。
　街の中心から離れていますが、ここが終点？

　人影もなく、シーンと静まり返っているＳＭモール。
　開店までにはまだまだ時間があります。
　目の前には立派な中央分離帯のある幹線道路が、イロイロ市内へと続いています。

SM シティー (イロイロ店) ショッピングセンター

　空港からSMモールまでの距離は、およそ１８Km。

　ＳＭモールを後にして、歩き出します。
　フィリピンのホテルのチェックイン時間はおおむね午後１時だと、フィリピン経験者から聞きました。
　いい加減な国柄ですが、なぜかチェックイン時間だけにはきびしいとのこと。
　アメリカ人がチェンクインという概念を教えたのでしょうか。
　
　
　

　その昔、タイにはチェンクインやチェックアウトという概念が薄く、何時にやって来ようと、また何時に宿を離れようと、気にする者などいなかったそうです。
　そこへ欧米人たちがやって来て、「チェックアウトは何時だ？」「何時だ？」と聞くものだから、チェックアウト時間というものがあることを、タイ人は知ったというのです。
　いつしかチェックアウト時間は決められたものの、それでもチェックインは、部屋さえ空いていれば、何時でも許してくれるのが普通です。
　私が利用する格安ゲストハウスに限るのかも知れませんが。

　この田舎町でもチェックイン時間が厳しいのか、それは分かりませんが、なるべくゆっくりと歩いて行くことにします。
　こんなに立派な道路なのに、この時間、ほとんど車は走りません。
　もちろん歩く人など、いるはずがありません。

　東の空から登ってきた太陽が、真横から熱線を放ってきます。
　水が欲しくなりますが、あるはずの商店は、どこにもなし。
　周囲は正体不明の建物と資材置き場ばかり。
　人が住んでいる気配もありません。
　通り過ぎていくジプニーが、私に向かって警笛を鳴らして誘います。
　でも、乗りません。

　大きな橋に差し掛かりました。
　イロイロ川です。
　これを超えると、いよいよホテルのある旧市街。
　もっとゆっくり歩かなくては、すぐにホテルに着いてしまいます。

　川を渡ると、車も人通りも激しくなり、食べ物が焦げる匂いも漂いはじめました。
　ガードをくぐり、汗まみれになって歩きます。
　歩道には椅子やテーブルや荷物が置いてあり、あちこち陥没していたり、水溜りがあったりします。
　バッグを転がしながら歩くには苦難の歩道で、危険を承知で車道を歩くこともたびたび。
　シャツが背中に張り付きます。
　それでも疲れを忘れさせる楽しさがあります。
　初めての町は、不安と嬉しさが同居しています。

　目指すホテルの看板を見つけました。
　７時３０分・・ゆっくり歩いたつもりなのに早すぎます。
　アゴダで調べたホテルですが、予約はしていません。
　しかしどこがホテルの入り口？
　シャッターの中をのぞくと、穀物倉庫ではないか。
　ビルの横に通路があって、まさかと思いつつ入り込んでみます。

　ありました。
　『OneLourdes Dormitel』の玄関は、日当たりの悪い場所に、ひっそりと隠れていました。
　1泊８６０ペソ（２１００円）と、フィリピンの物価としては割高です。
　アゴダの予約料金とほぼ同じ。
　フィリピンのホテルは安いものでも２０００円はしています。

　空き部屋はあるのに、チェックインは１４時だとけちなことを言いはって、早めに入れてくれません。
　はるばる一昼夜かけてジャパンからやって来たというのに、つれない返事です。
　他を当たってもいいけれど、それもめんどう。
　荷物を預けて外をぶらつくことにしました。

　アーリーチェックインがあるではないか・・・
　と旅慣れた人は言うでしょう。
　でも私のポリシーは、いかに安く旅を続けるかの一点で、快適さや便利さには目をつむり、ひたすら頑張るのです。
　貧乏旅行オタクなのです。

　ぶらつくと言っても土地勘がなく、あてずっぽうで歩くだけ。
　のどがカラカラで、いますぐ水分補給をしないと倒れそう。
　ホテルから南に３００ｍほど歩くと市場がありました。
　市場はタイやラオスと同じ臭い。
　並べられている物もほとんど同じ。
　水を探します。

　しかし市場の内外をぐるぐる回ってみても、水を売っている店はありません。
　市場周辺を探してみますが、おかしなことに雑貨店というものがないのです。
　コンビにもない。
　ファーストフード店も、大衆食堂も、両替所もありません。
　レンタルバイクなんああるはずがありません。　
　とんでもない町に来てしまったものだ！

　疲れ果てました。
　観光客のいない町はこんなものなのか・・・
　太陽の高度が増してきて、じりじりと肌を焦がします。
　暑さがこたえます。

　ホテルの東にショッピングセンター『ロビンソン』がありました。
　まだ開店していません。
　入り口近くの路上に開店を待つ人が座り込んでいます。

ロビンソン プレイス (イロイロ店) ショッピングセンター

　開店までにはまだ１時間以上もありますが、ここで休憩することにしました。
　リュックの中から食べ残しの菓子パンを取り出します。
　水なしで、かぶりつき、日陰に座っていると、それでも何とかなってきました。

　１０時になってやっと開店。
　クーラーが効いていて、汗がすっとひいていきます。
　スーパーで水を買い、フードコートで焼き飯を食べ、スマホショップでSIMを買ったりしながら時間つぶしをします。
　睡眠不足で頭がボーとなりながら、ここで４時間も待つのです。
　貧乏旅行オタクも大変なんです。

　３０分前にホテルに戻ると、おまけしてチェックインさせてくれました。
　清潔度ではまずまずですが、狭くて荷物を拡げる場所がありません。
　全てベッドの上で行うことになります。
　これで２０００円？
　タイの田舎だったら１０００円だろう。

　フィリピンのホテルはなぜこんなに高いのだろう。
　ボロ儲けをしているのか？
　それでも冷蔵庫があることに満足します。
　コンビニや雑貨屋が見当たらないこの町では、飲み物や食料を買いだめしておく必要があるからです。
　狭くても、安眠でき、雨露をしのげれば、文句は言いません。
　何しろ貧乏旅行オタクなんですから。

　狭いながらもお湯はしっかり出ます。
　さっそくシャワーで汗だらけの身体をすっきりさせ、ベッドに寝転ぶと、すぐに寝入ってしまいました。

　すっかり眠り込んでしまって、目覚めると部屋の中は真っ暗で、時計を見ると１９時過ぎ。
　それほど空腹ではないけれど、夕食を探しに外出します。
　ホテル周辺に食堂がないことは、昼間確かめてあります。
　簡単に食べるとしたら、ロビンソンくらいか・・・
　しかしロビンソンは、閉店の準備の真っ最中。
　上の階は明かりも消えています。

　この時間、歩いている人はポツリポツリで、ほとんどの店はシャッターを閉めかけています。
　何ということだ。
　このあたりの商店街は、夜の８時には終わってしまうのです。
　夜遊びなどしない健全な町。
　食いっぱぐれたと思うと、余計に食べたくなりますが、どうにもなりません。
　昼間ロビンソンで買い込んできた、トマトを食べて寝ます。
　みじめです。

　この日の行動範囲でした。

この旅行記へのコメント （1）

• trat baldさん 2016/06/09 18:30:56

  多くの国で多くの地獄を見てるね(^o^)

  基本的に日本で売られている旅行関連の本は信用出来ない、1.リアルタイムじゃ無い、2.時間をかけない(又聞きも有る)、3.雑誌記者の取材にはお店は最大のサービスで応える。
  フィッリピンでも国際の名が付く空港にはジープニーは入場出来ないので表通りで待機ですね、ASEAN全域が市民の足を空港に入れない仕組みを華僑が作っちゃった。
  水分不足は深刻だねぇ、、、、果物が一番手っ取り早いかもね。
  ホテルは滅多に客が泊まらないから逆に高いんだよね、だからマニラなんか200〜300ペソでも独立したトイレの有るGHが存在する(今は知らない)事が出来るのかも。
  Ps.英語の使える奴はヤバイ、更にタガログも、イロンゴ語の奴は素朴だけど役に立たない(^o^)