フィリピンのイロイロはどんなところ？　その６　ハロ教会

2015/04/10 - 2015/04/24

　イロイロ博物館に続いて、ハロ教会に出かけます。
　ジプニーに乗ってみるのも、ねらいの一つ。
　これに乗らなきゃ、フィリピンに来たかいがありません。
　乗り方については、アロヨ屋台のお兄ちゃんに教えてもらいました。

エリア パナイ島(フィリピン)

• 同行者: 一人旅
• 交通手段: 徒歩

　博物館を出て、ハロ教会方面に行くジプニーを探します。
　ハロ教会は博物館よりさらに北にあります。

　ハロ教会方面に行くジプニーは『JARO CPU』と書いてあるとのこと。
　あっ、これだ、これだ！
　しかし文字を確かめている間に、ジプニーは走り去ってしまいました。

　あっ、これもそうだ。
　しかしカメラを構えてジプニーを止めるのは難しく、乗るタイミングを逃します。

　よし、今度こそ！
　渋滞でのろのろしているジプニーに、やっと乗り込めました。

市内を走るジプニーはどこまで行っても１回７ペソ（１６円）。
　料金は運転手に渡すのですが、前に座っている人に手渡すと順繰りに送ってくれ、おつりの場合はその逆方向に送り返されてきます。
　そんな姿を見ていると、この町の人々は、たとえ見ず知らずの間柄であっても、互いに助け合って生きていることが感じられます。

　どこで降りたらよいか心配になってきました。
　隣の学生のお兄ちゃんに「ハロ・チャーチはどこ？」と聞いてみると、「まだ先・・」と言います。
　「降りる場所に来たら教えてあげる・・」とも言ってくれます。
　私の耳にはそう聞こえましたが、自信はありません。
　きょろきょろと周囲を見ながら、不安をかかえて乗っていました。

　「ここだよ。ここで降りるんだよ。」
　お兄ちゃんが停車ボタンを押して、ジプニーペを停めてくれました。
　道路の先に塔が見えています。
　急いで飛び降りると、ジプニーは左折して去っていきました。

ハロ公園 広場・公園

　道路を挟んで東側にベルタワー、西側に礼拝堂があります。
　ハロ教会は1864年に建立されたもので、この島では最も歴史ある教会の一つ。
　ハロメトロポリタン大聖堂｣とも呼ばれ、西ビサヤ諸島を管轄するハロ大司教の居座る教会です。
　町中のあちこちで見る教会とは違って厳かです。

ハロ教会 寺院・教会

　なるほど、ガイドブックに載る価値はある。
　これまでのアジアではなく、西欧に来たような感覚さえしてきます。

　礼拝堂に入ってみました。
　賛美歌が静かに響き渡っています。
　音量は密やかなのに、この響きの美しさは何と表現したらいいのか。　
　ヨーロッパ建築の偉大さを肌身に感じます。
　この雰囲気は、これまで行ったアジアの仏教国とは明らかに違います。
　柱や壁の上部に飾られているのは、男性の聖人の像で、それがハロ教会の特徴なんだそうですが、この日は紫の布で覆われていました。

　点々と信者たちが座っています。
　前方では牧師さんが聖書を読み上げています。
　
　若かりし頃、友だちに誘われて教会に出かけたことがあります。
　「可愛い娘たちがいるから、ナンパしに行こう！」などと不謹慎な言葉に心を動かされたのです。
　しかしノアの箱舟やアダムとイブの話、天地創造の話を聞かされて、それを真から信じている牧師や信者たちに不審感を覚え、二度と行くことはありませんでした。
　神話や経典は便宜上のもので、作り話と分かりながら信じたふりを装うのなら理解できますが、それを真実そのものだと信じ込む人々には嫌悪感さえ感じてしまったのです。

　疫病が病原菌やヴィールスが原因だと分からなかった時代、季節や災害の要因を天体の運動と関連させて考えることかてきなかった時代、物質が原子や分子、はたまた素粒子でできていることが解明されていなかった時代、人々が神や精霊の支配する世界観や自然観を基に生きていたことは充分に納得できます。
　でもスマホや探査衛星やDNA解析の今日の時代に、アダムとイブはないでしょう。
　宇宙に神が存在しているとしても、それは人間の頭で想像できるレベルのものとは、完全にかけ離れたものでしょう。

　と思いながらも、日本から脱出してこんな光景を目にすると、微笑ましくなってしまいます。
　これはこれでいいんだ・・・
　こんな世界があってもいいんだ・・・と思えてきます。
　高校生くらいのお兄ちゃんが、学校帰りに、先ほどからずっとお祈りをしています。

　まだ少女のような女子学生までもが、神様を信じてお祈りを続けているのです。
　かってペギー葉山が歌った『学生時代』の清純な空気が、フィリピンには残っています。
　どぎついて化粧でかっ歩している、日本の高校生とは違います。
　いいなぁ！
　私の汚れた心にも、遠い昔の清々しい風が吹き込んできました。
　外に出ようとする、外は雨が降っています。
　少女と一緒にしばらくここで待機です。

　雨があがりました。
　玄関の外に二階に上る階段があります。
　登っていくとガラスケースの中に｢ロウソクの聖母｣と呼ばれている像がありました。
　赤ちゃんのキリストを抱き、ロウソクを持った聖母です。
　この像は成長し、少しずつ大きくなっているそうで、奇跡の像だと言われているとか・・・
　まさか？

　雨上がりのベルタワーを見て、帰ります。
　残念ながらこのタワーの中には入れません。

　通りかかったジプニーに乗ります。
　行く先はわかりませんが、どうにかなるでしょう。
　たった７ペソなので、間違ったら乗り直せばいいのです。

　ホテル近くまで帰って来れました。
　ジプニーに乗れたことで満足です。
　ホテルの近くには卵の問屋（？）があって、店の中から歩道まで、毎日卵だらけです。

　機械販売や修理の店も多く、この店は圧縮空気を作るコンプレッサーの店みたい。
　
　

　この店には、エンジンというよりも、発動機とよぶ方がふさわしいものが並べられています。　

　この店にもエンジンが大量に。
　いったいどんな人が買いに来て、何に使うエンジンやコンプレッサーなんだろう。
　この島の人たちの生活がまだ見えてきません。

　歩道では靴を修理する職人が腕をふるっています。

　バイクの修理も歩道で行っていて、ここは車道に出ないと通れません。

　その隣では、孵化寸前の卵をぱくついている人。
　町中は、先ほどの教会とはまた違った、人間臭い世界です。
　ここはアジアです。　

この旅行記へのコメント （2）

• trat baldさん 2016/06/16 16:53:41

  会話できてるじゃん！

  この地域のジープニーは造りが良いね、本当の市民レベルまで来るとインチキは無いねフィッリピンでも。
  マラテ(マニラ)の教会には毎朝2〜3人の餓死者が芝生に運ばれていたのを思い出すなぁ〜、彼らは神に祈る以外の手段を持たない上に想像を絶する苦難を抱えているもんね。
  車の中古エンジンは漁船に転用だと思う、イロイロだけに、、、、コンプレッサーは知らない、ポンプ無かった？水を送るポンプ。
  タトー兄ちゃんが食べてるバロットは強烈で素人にはハードルが高い！
  

  motogenさん からの返信 2016/06/16 19:37:25

  RE: 会話できてるじゃん！

  　あの孵化寸前の卵、バロットと言うですか・・・
  　見ていたら、私にも差し出してくれましたが、ぞっとして手が出ません。
  　旅行記に「大好物」と言って食べていた日本人の方がいましたが、尊敬してしまいます。
  　こういう人こそ、旅の楽しさを満喫できるんでしょうね。