暮らすように歩く　NY初物語③

2016/03/03 - 2016/03/12

　ニューヨークは６回目という連れ合いに背中を押されて、初めて訪れた。定年１年後の記念旅行。どうせなら長逗留をと８泊も。キッチン付きのホテルに泊まり、料理も洗濯もし、街をぶらついた。はたしてニューヨーカー気分になれたかどうか‥。写真は９・１１メモリアル広場の慰霊の滝
　
　

エリア ニューヨーク(アメリカ)

• 旅行の満足度: 4.0
• 観光: 4.0
• ホテル: 4.5
• グルメ: 4.0
• 交通: 4.0

• 同行者: 家族旅行
• 一人あたり費用: 20万円 - 25万円
• 交通手段: 鉄道 タクシー 徒歩
• 旅行の手配内容: 個別手配

　【４日目　３／６】
　今日も朝の散歩。戻ったら朝食を準備する間に地下の洗濯機に入れてきてとビニール袋いっぱいの洗濯物を渡された。結局、勝手が分らず夫婦で３度往復した。
　小箱１ドルの洗剤を自販機からどうやって買うか。２５セント硬貨４枚を縦に並べてガチャンとレバーを押すと、ポトンと小箱が落ちてきた。硬化を溝に入れて縦に並べる。こんなの分るわけない。最初に地下に下りたときはお手上げ。早々に引き揚げ、連れ合いにバトンタッチした。
　そんなこんなでホテルを出たのは午前１１時前。南のグランドゼロに向おうと近くの地下鉄駅に下りた。日本のようにホームを挟んで上り下りがあると思っていたら、下りた駅はアップダウンのみ。駅員も仕方ないネーといった仕草で一駅先のグランドセントラルターミナルまで行けばダウンタウン行きに乗り換えられると指示した。３０分で行けるところが１時間近く掛かってしまった。
　それにしてもグランドセントラルターミナルの地下鉄駅構内は小便臭いこと。こんな悪臭を放置して、市交通局は何してるかと言いたい気分だった。

グランドゼロ。日本語で爆心地。かつては広島、長崎の原爆惨禍をさす言葉だったが、２００１年の９・１１同時テロ以降、この地がアメリカにとっての爆心地となった。崩壊したツインタワー跡地には同じサイズで巨大プールの慰霊碑が設けられ、高さ９メートルの滝が犠牲者を慰霊するかのように静かに永久に流れ続けていた。
　縁石には同時テロで倒れた２９７７人と１９９３年の爆破テロの犠牲者６人、計２９８３人の名前が一人一人刻まれている。長い長い墓石であらためて追悼の念が沸き起こってきた。
　同時テロから１５年もたったが、テロはいっこうに鎮まらず、むしろ世界各地で頻発している。武力、暴力に頼らない新たな思考、政治哲学がいまこそ必要なのではと慰霊碑を前に切に思った。

　ブルックリンに渡り、オーガニックレストラン「ＪＡＭＥＳ」で遅いランチをとった。人気店らしく３０分ほど待たされた。とてもいい味。雰囲気とあわせ，この旅一番の思い出に残る店となった。
　食後は次男が行きたいと言ったフリーマーケットに同行した。地下鉄を乗り換えてちょっと別方向の遠くまで行った。ブルックリンの名物だそうで、広い倉庫の２階を活用して毎週末に開かれていた。夏は屋外だが、冬は寒いので屋内開催だそうで、雨に濡れないところもいい。屋台村もあり、大勢の人でにぎわっていた。
　連れ合いは創作指輪と孫の服を、次男は格安だったブランドメガネをそれぞれ買い、ぶらぶらしていると夕方になった。地元の人は皆、車で来ているらしく、夕暮れの寂しい倉庫街を地下鉄駅まで戻った。
　帰りは一気にタイムズスクエアまで戻り、夜の賑わいを感じた後は連れ合いがおいしかったという韓国焼肉店「ＭＡＤＡＮＧＳＵＩ」へ。味はまあまあだったが、アメリカらしく肉が大きかった。
　ただソウルなら３００円程度で買える焼酎がいくら店とはいえ１０００円を超えていた。「ソウルの３倍。ニューヨークは税金が高い」と店のお兄さんもグチっていた。

　

ワンワールドトレードセンター

9・11メモリアル広場

ブルックリンの住宅街。高いビルがなく視界が開けるところがいい

オーガニックレストラン「ＪＡＭＥＳ」

オーガニックレストラン「JAMES」

手前はベーコンとスクランブルエッグ。ちょっと淡泊だが、うまかった

バークレイズセンター。NBAブルックリン・ネッツのホームアリーナ

ブルックリンのフリーマーケット。屋台村も併設され、大にぎわいだった

夜のタイムズスクエア。ものすごい人出だった