とびしま海道・山と龍馬と戦跡とロケ地:5日目(4)

2012/12/31 - 2013/01/04

天満神社参道口に戻ると、北西のＹ字路を歩道の方へ右折する。この道は三軒過ぎると十字路に出る。ここから西方の後述する旧柴屋住宅までは、よく観光ガイド書等の写真に写る場所であり、道の両側には旧家がずらっと並んでいる。
十字路北東隅の町屋・北川家住宅(醤油醸造所とは別家)は、表側の部分が宝暦9年(1759)の大火直後の建設。その西向かいの高田家住宅は安永6年(1777)建築の町屋。その西隣が、呉市豊町観光協会が入る潮待ち館。

潮待ち館の対角線にある川崎家住宅は天保年間(1830〜44)の建築。主屋と蔵が連続した珍しい構造。
その二軒西の突き当たりにある旧柴屋住宅(菊本家住宅)は、文化3年(1806)2月30日より3月3日まで、伊能忠敬がとびしま海道の各島を測量時、滞在した旧柴屋本宅。柴屋の高橋家は御手洗の初代町年寄で、文化7年には、広島藩8代藩主・浅野斎賢公の本陣にもなっていた。当時は東隣の家や南向かいの家、前述の川崎家も家地だった。

現在の家屋は文化年間初期位の建物で、 奥座敷は藩政時代後期に増築されている。内部は資料館のようになっており、近代の生活道具等が展示され、無料で見学できる。
蔵のような建物は伊能忠敬のミニ資料館になっており、藩政期から近代の測量関係の道具等が展示されている。
柴屋西隣の今崎家住宅は18世紀前半の町屋。切妻造平入りで本瓦葺屋根の厨子二階をもった二軒長屋。
今崎家西の三差路は右折し、一軒過ぎた先の三差路も右折して海岸沿いの県道に出るとまた右折する。

海岸沿いの県道を東に進んだ最初の三差路を右折した右角、「仕出し村吉」は、「旅の贈りもの」で太平シローと若い鉄道マニアが泊まった旅館として撮影されたが、実際、かつて旅館(木村旅館)だった。シローが泊まった(設定)部屋は二階北側の路地沿いの部屋。
県道に戻るとすぐ東に御手洗港の赤い桟橋が見えている。その前辺りは「ももへの手紙」で、ももが妖怪に追い掛け回された挙句、陽太に助けられ、陽太がももに「島ん中で道に迷ったら海を探すんじゃ。」と言った場所。

そこから右手に三軒ほど過ぎると「江戸みなとまち展示館」があるので、島の歴史を学ぶことができる。入館料は玄関の料金箱へ。
展示物では、薩摩や大洲藩等の船旗や藩政期の富くじ箱、おちょろ舟の大型模型、琉球使節団奉納の掛け軸等がある。
展示館の南裏手には昭和12年から40年頃 まで、映画館や劇場として使用されていた乙女座がある。「旅の贈りもの」で櫻井淳子が古い映画ポスターを眺めながら、猫をなでるシーン等が撮影された。尚、館名は建設当時の町長の母の名「とめ」に因んだもので、現在の建物は平成14年に復元されたもの。

乙女座から県道に戻り、東進を再開すると、蛭子神社の鳥居があり、その県道を挟んだ向かいには藩政期の船着き場「蛭子雁木(えびすがんぎ)」がある。「旅の贈りもの」ではこの雁木に徳永英明と櫻井淳子が腰を掛け、スイカを食べた。
余談だが、映画後半の徳永と櫻井のキスシーンは、実際には唇を触れておらず、顔さえ近づけていない。徳永ファンを気遣ってのことだろうか、それとも徳永がシャイだからか。
そんな恥ずかしがり屋(?)の徳永英明のロケ地はまだ複数あるが、それは次回。

エリア 大崎下島・豊島・下蒲刈島(広島)

• 旅行の満足度: 4.5
• 観光: 4.5
• ホテル: 5.0
• 交通: 3.5

• 交通手段: 自家用車

天満神社入口北西の三叉路を右折した、観光客の通らない超狭い路地

街歩き客は多い

観光ガイドブックやパンフに掲載される通り。突き当りが旧柴屋住宅

潮待ち館

潮待ち館 グルメ・レストラン

旧柴屋住宅の蔵にある古い望遠鏡や測量器具

子連れ狼も一休み

「ももへの手紙」に描かれた御手洗港付近の桟橋

右が太平シロー等が泊まったロケ地、旧木村旅館

ロケ時には旅館の木製看板が張り付けられていた

蛭子雁木