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 国宝 迎賓館赤坂離宮本館は例年真夏に一般公開されていたために酷暑を嫌って申し込みに応募する気にはなれないでいて数年経った。今般、急遽一般公開されることになった。これは官房長官の強い要望で実現したようだ。ただし、首相は何も言ってはいないと聞かされても、官房長官が首相に相談もなく、何かをやらかすことなど考えられないことだ。当初はクラブツーリズムのツアー募集(迎賓館赤坂離宮の前庭だけの見学)を見てカレンダーにその期間を記載し、当初は初日に行くつもりでいたが、風邪を引いてしまったためにTVニュースの後になってしまった。公開が始まって、TVニュースでは夏のように本館内部も公開されていることを報じていた。慌てて内閣府のWebを見ると、3コース(前庭、本館及び主庭、和風別館(游心亭)(ただし、事前申し込みで受付は終了済))が設定されていて、風邪が治って入場時間が指定された整理券が配られている8日(月)に行くことにした。今回は平成28年度からの通年公開に向けた事前調査のためで、9日(火)から13日(土)は整理券に時間指定がなく、1日の入場者数も1.5倍となる。これが一番の事前調査事項であろうか?皇居乾通りの一般公開では入場者数を1桁少なく読み違えて大変なことになった。そうした他の都心での一般公開の事例を踏まえてのことであろうか?<br /> 内部は撮影禁止で、それでいて例年の夏なら業者がポストガードを販売しているということだが、今回は間に合わなかったそうだ。これも俄かには信じがたいことだ。<br /> 「迎賓館は、かつて紀州徳川家の江戸中屋敷があった広大な敷地の一部に、明治42年(1909)に東宮御所(後に赤坂離宮となる。)として建設されたものです。構造は鉄骨補強煉瓦造りで、地上2階、地下1階の耐震・耐火構造となっており、明治時代の建築家片山東熊の総指揮の下に、当時の一流建築家や美術工芸家が総力を挙げて建設した、日本における唯一のネオ・バロック様式の西洋風宮殿建築です。」<br /> 「平成18年から3年間、大規模な改修工事を行い、平成21年(2009)4月から迎賓施設としての運用を開始しました。同年12月、創建当時の建物である旧東宮御所(迎賓館赤坂離宮)本館、正門、主庭噴水池等が国宝に指定されました。」<br /> 迎賓館赤坂離宮本館は1階が白の大理石、2階にはねずみ色の大理石で造られた暖炉にはサーベルと日本刀がデザインされており、「彩鸞(さいらん)の間」入口の上部には鎧兜がデザインされており、菊のご紋の他にも日本古来の家紋などの模様がデザインに盛り込まれている。あるいは、ライオンの上に兜、両脇に鎧がデザインされた向かい合った紋章などもある。しかし、全体としては全くの洋風建築や意匠だ。国土交通省から出向してきている内閣府の職員にこうしたことを聞かなければ、気が付かなかった可能性も否定できない。建設費は当時で510万円で現在なら1,000億〜1,500億円程度の貨幣価値があるのだという。修繕するにも今では部材が手に入らないものが多いのだという。所謂、金に糸目を付けないで建設したパレスである。ピンクの大理石のエンタシスがあるようにも見える大理石16本はスウェーデンから輸入したものだという。鉄骨はアメリカから輸入し、組み立てる技術がなかったために職人が来日して組み立てたのだという。当時は尺貫法で図面を起し、インチ単位を変換していたので、中心がずれたりもしているのだという。<br /> 猿島の要塞や京都南禅寺の水路閣のように煉瓦造りが導入された時期からは少し時代が遅れてはいるが、内装等には金に糸目を付けなかったのは、ある意味、明治政府の西洋技術や西洋様式を導入する際の基本だったのかも知れない。国宝建築物は東京都に2棟、千葉を除く関東各県にはそれぞれ1件づつあるが、その中でも最も年代が下がる国宝 迎賓館赤坂離宮本館を見学できて十分に満足できた。外国人に受けるのかは不明ではあるが、日本人なら誰もが一目見てみたい建物内部である。<br />(表紙写真は迎賓館赤坂離宮本館と主庭噴水)

迎賓館赤坂離宮の一般公開

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2016/02/08 - 2016/02/08

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ドクターキムル

ドクターキムルさん

 国宝 迎賓館赤坂離宮本館は例年真夏に一般公開されていたために酷暑を嫌って申し込みに応募する気にはなれないでいて数年経った。今般、急遽一般公開されることになった。これは官房長官の強い要望で実現したようだ。ただし、首相は何も言ってはいないと聞かされても、官房長官が首相に相談もなく、何かをやらかすことなど考えられないことだ。当初はクラブツーリズムのツアー募集(迎賓館赤坂離宮の前庭だけの見学)を見てカレンダーにその期間を記載し、当初は初日に行くつもりでいたが、風邪を引いてしまったためにTVニュースの後になってしまった。公開が始まって、TVニュースでは夏のように本館内部も公開されていることを報じていた。慌てて内閣府のWebを見ると、3コース(前庭、本館及び主庭、和風別館(游心亭)(ただし、事前申し込みで受付は終了済))が設定されていて、風邪が治って入場時間が指定された整理券が配られている8日(月)に行くことにした。今回は平成28年度からの通年公開に向けた事前調査のためで、9日(火)から13日(土)は整理券に時間指定がなく、1日の入場者数も1.5倍となる。これが一番の事前調査事項であろうか?皇居乾通りの一般公開では入場者数を1桁少なく読み違えて大変なことになった。そうした他の都心での一般公開の事例を踏まえてのことであろうか?
 内部は撮影禁止で、それでいて例年の夏なら業者がポストガードを販売しているということだが、今回は間に合わなかったそうだ。これも俄かには信じがたいことだ。
 「迎賓館は、かつて紀州徳川家の江戸中屋敷があった広大な敷地の一部に、明治42年(1909)に東宮御所(後に赤坂離宮となる。)として建設されたものです。構造は鉄骨補強煉瓦造りで、地上2階、地下1階の耐震・耐火構造となっており、明治時代の建築家片山東熊の総指揮の下に、当時の一流建築家や美術工芸家が総力を挙げて建設した、日本における唯一のネオ・バロック様式の西洋風宮殿建築です。」
 「平成18年から3年間、大規模な改修工事を行い、平成21年(2009)4月から迎賓施設としての運用を開始しました。同年12月、創建当時の建物である旧東宮御所(迎賓館赤坂離宮)本館、正門、主庭噴水池等が国宝に指定されました。」
 迎賓館赤坂離宮本館は1階が白の大理石、2階にはねずみ色の大理石で造られた暖炉にはサーベルと日本刀がデザインされており、「彩鸞(さいらん)の間」入口の上部には鎧兜がデザインされており、菊のご紋の他にも日本古来の家紋などの模様がデザインに盛り込まれている。あるいは、ライオンの上に兜、両脇に鎧がデザインされた向かい合った紋章などもある。しかし、全体としては全くの洋風建築や意匠だ。国土交通省から出向してきている内閣府の職員にこうしたことを聞かなければ、気が付かなかった可能性も否定できない。建設費は当時で510万円で現在なら1,000億〜1,500億円程度の貨幣価値があるのだという。修繕するにも今では部材が手に入らないものが多いのだという。所謂、金に糸目を付けないで建設したパレスである。ピンクの大理石のエンタシスがあるようにも見える大理石16本はスウェーデンから輸入したものだという。鉄骨はアメリカから輸入し、組み立てる技術がなかったために職人が来日して組み立てたのだという。当時は尺貫法で図面を起し、インチ単位を変換していたので、中心がずれたりもしているのだという。
 猿島の要塞や京都南禅寺の水路閣のように煉瓦造りが導入された時期からは少し時代が遅れてはいるが、内装等には金に糸目を付けなかったのは、ある意味、明治政府の西洋技術や西洋様式を導入する際の基本だったのかも知れない。国宝建築物は東京都に2棟、千葉を除く関東各県にはそれぞれ1件づつあるが、その中でも最も年代が下がる国宝 迎賓館赤坂離宮本館を見学できて十分に満足できた。外国人に受けるのかは不明ではあるが、日本人なら誰もが一目見てみたい建物内部である。
(表紙写真は迎賓館赤坂離宮本館と主庭噴水)

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  • 学習院初頭科校門。

    学習院初頭科校門。

  • 「迎賓館赤坂離宮一般公開」ポスター。

    「迎賓館赤坂離宮一般公開」ポスター。

  • 迎賓館赤坂離宮西門。

    迎賓館赤坂離宮西門。

  • 首都高。

    首都高。

  • 迎賓館赤坂離宮入口。

    迎賓館赤坂離宮入口。

  • 迎賓館赤坂離宮入口。この内部は撮影禁止だ。

    迎賓館赤坂離宮入口。この内部は撮影禁止だ。

  • 迎賓館赤坂離宮本館と主庭噴水。

    迎賓館赤坂離宮本館と主庭噴水。

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