田圃で落穂を食べる白鳥

2015/10/31 - 2015/10/31

　新潟発秋田行のいなほ1号の車窓からJR村上駅まで白鳥が来ていないか見ながら来たのだが、1羽もいなかった。しかし、車で国道345号線を南下し、瀬波温泉からトンネルを抜けるとJR岩船町駅の西の田圃には白鳥が数10羽ほどたむろって落穂をついばんでいる。もう10月末日であるのだから白鳥が飛来していて当然のことだ。この白鳥は大池に飛来して来ている白鳥たちだが、昼は周りの果てしなく広がる新潟平野の田圃で落穂をついばんでいるのだ。コンバインで刈る稲刈りでは稲穂が籾（殻付）の米粒にされるために、どうしても落穂、正確には落籾が多くなってしまう。昼は田圃を餌場にし、夜になるとねぐらの大池に戻るのだ。その田圃を一冬掛けて白鳥が落籾を綺麗に食い尽くしてしまう。羽越本線が白鳥路線と呼ばれ、沿線に多くの白鳥が飛来するのは白鳥がこの稲刈りの機械化による恩恵を甘受しているからだろう。
　その後、松喜和を過ぎると大池だが、ここには2、3羽が残っているだけだ。昼は田圃を餌場として落籾をついばんでいるのだから大池に残っている白鳥は体調不良なのかも知れない。あるいは、子供を連れて餌さ（食バン）を白鳥に手越しでやっているのでずぼらな白鳥は餌場まで行かなくても餌さにありつけるから心配はいならいだろうか。
　福田を過ぎると荒川の架かる架設されたばかりの旭橋を渡る。上流側の脇で古い橋を解体中だ。水面から高さのない橋が欄干が外され、まるで四万十川の沈下橋のようだ。新しい橋は水面から高く、左岸の上流へ向かう道路は立体交差して橋の下を通っている。
　高速道路（日本海東北自動車道）が通り、年々、周辺の道路が整備されてゆく。そして、年々、飛来して来る白鳥も増えてきている。
（表紙写真は周辺の田圃を餌場にする大池に飛来した白鳥）

エリア 村上・岩船(新潟)

周辺の田圃を餌場にする大池に飛来した白鳥。