紺碧の海。クロアチア、スロベニア、ボスニアヘルツェゴビナ９日間④（スプリット）

2015/06/18 - 2015/06/26

シベニクを跡にして一路スプリットを目指します。スプリットまでバスで１時間３０分の予定ですので一眠りしたら着きそうです。
スプリットは世界遺産です。ここにはローマ皇帝ディオクレティアヌス帝が皇帝を退位し隠居の身となって余生を送る場所として建てたディオクレティアヌス宮殿があります。
ディオクレティアヌス帝は弱体化し異民族の侵入や攻撃に悩まされていた広大な帝国を１人の皇帝が統治するのは難しいと考え自らを含めた正帝２人と副帝２人が担当領土を分かち合い統治することにしました。世にいう「ローマ帝国の四分割統治」です。
皇帝自らは異民族対策で最も難題が多かったトルコ、シリア、エジプトなど、帝国東部の統治にあたりました。そしてローマ帝国全体の最高権威者として君臨しました。
彼の治世下、統治が緩んでいたガリア、ブリタニア、エジプト、アルメニアなどが再びローマ皇帝の権力下に組み込まれ、２９８年にはササン朝ペルシアとの戦争に勝利しメソポタミア北部奪還、戦線後退を余儀なくされていたローマ帝国はこの皇帝の強い指導の下で再び領土と国力の回復を実現しました。
また、キリスト教を弾圧した最後の皇帝でもあります。そのためキリスト教徒には大変評判が悪い皇帝です。
宮殿の南半分が皇帝の私邸でその地下には上部の建物を支えるための地下室が造られました。これが地下宮殿です。ここはロマ時代の建築物がそのまま現代に残っており、地下室を調べることでローマ時代の上部の構造を知ることができるそうです。
スプリットはこの宮殿の上の築かれた街です。
私達は今から時を遡ってローマ時代と同じ空間に入る事が出来ると考えたら胸がわくわくしてきます。私は遺跡とかそういう古い物が大好きなんです。
日本でも古墳とか、古い神社・仏閣・城とか大好きですね。
期待を胸に秘めて一眠りしましょう。

エリア スプリット(クロアチア)

• 旅行の満足度: 4.5
• 観光: 4.5

• 同行者: 一人旅
• 一人あたり費用: 30万円 - 50万円
• 交通手段: 観光バス 徒歩
• 旅行の手配内容: ツアー（添乗員同行あり）
• 利用旅行会社: 読売旅行

スプリットに着いて最初に眼にしたのがこの豪華客船。
今日は観光客が多そうです。
写真のお二人がもっとサマになっていれば素敵な写真になったのに。

スプリットの観光パンフ（英語版）です。

裏は観光案内図ですが英語版です。

これはプロムナードにあった観光案内板です。

光線が反射して見難いですが、上図は建築した当時のディオクレティアヌス宮殿と周囲の様子が絵ががれています。
下２枚は昔の写真です。

宮殿の城壁と宮殿の上に築かれた街です。

スプリットの史跡群とディオクレティアヌス宮殿 史跡・遺跡

城壁の奥に大聖堂の尖塔が見えます。城壁の前の建物は１階が店舗やカフェですが２階が城壁と繋がっています。
このプロムナードの城壁沿いにはこのような独特の風景が続いているそうです。

スプリットの史跡群とディオクレティアヌス宮殿 史跡・遺跡

ディオクレティアヌス宮殿の創建時の全景見取り図です。宮殿は南側が海に面しています。

城壁と青銅の門（南門）です。（人が集まっている所が青銅の門です。）
ここがかつての宮殿への入り口で、旧市街や地下宮殿への入り口です。

青銅の門をくぐり、門の下の階段を下りていくと地下ホールがある。地下ホールは地下道になっていて、両側に土産物や工芸品を売る店が軒を並べています。
奥に進むと地下宮殿の入り口があります。

ディオクレティアヌス宮殿 城・宮殿

この先を右に曲がれば地下宮殿です。

ディオクレティアヌス宮殿 城・宮殿

頑丈な石組の入り口わ抜ければそこは地下宮殿です。

ディオクレティアヌス宮殿 城・宮殿

ホールのような部屋です。ここでは大きな頑丈な柱が地上の建物を支えています。

ディオクレティアヌス宮殿 城・宮殿

天井には無数の穴が空いています。宮殿の跡地に住み着いたキリスト教徒の住民はキリスト教を迫害したディオクレティアヌス帝が築いた宮殿の地下ををゴミ捨て場にいたのでした。
ゴミを投機する方法は天井に空いている穴からゴミを下に落としたのです。
そうしてこの地下宮殿はゴミの山になりました。一部は倉庫やワイン・オリーブオイル造りに用いられた室もありますが、多くはゴミ捨て場になりました。
ところが皮肉なことに此の事が宮殿の地下遺跡を守る事になりました。だれもゴミ捨て場には手を出さなくなったからです。

ディオクレティアヌス宮殿 城・宮殿

この室も天井からゴミを落とされたのでしょう。

ディオクレティアヌス宮殿 城・宮殿

このように天井をキチンと仕上げた室もあります。

ディオクレティアヌス宮殿 城・宮殿

この室に展示されているのはローマ時代の木の柱で、この室で見つかりました。ここは図書館の地下だったでしょうか？
この木の柱は地下室の補強材として使われたと推測されているそうです。

ディオクレティアヌス宮殿 城・宮殿

これはスフィンクスです。宮殿から合計１１体のスフィンクスが見つかっていますがその１体がここにあります。これらのスフィンクスはディオクレティアヌス帝がエジプト遠征の際の持ち帰ったものです。
ペリスティル（広場）の列柱の間にあるスフィンクスは完全な形で残っています。

ディオクレティアヌス宮殿 城・宮殿

こちらはワイン製造所として使用された部屋です。

ディオクレティアヌス宮殿 城・宮殿

図のような仕組みでワインが作られたそうです。

ディオクレティアヌス宮殿 城・宮殿

こちらにもローマ時代の木材が展示されていました。こちらも地下室の補強材として使用されたのでしょう。

ディオクレティアヌス宮殿 城・宮殿

地下宮殿入り口近くにあった井戸です。

ディオクレティアヌス宮殿 城・宮殿

地下ホールの両側にはこのような店が軒を並べていました。

ディオクレティアヌス宮殿 城・宮殿

この店は貴石で作ったブレスレットやネックレスが多いですね。丘サンゴもあります。宝飾店でしょうか。

ディオクレティアヌス宮殿 城・宮殿

ここは宝飾店です。主力商品は丘サンゴのようですね。それとも海サンゴかな。

ディオクレティアヌス宮殿 城・宮殿

地下道を上がると突然左手に大聖堂と鐘楼が現れました。

聖ドムニウス大聖堂 寺院・教会

鐘楼です。

聖ドムニウス大聖堂 寺院・教会

そして右手には城壁がみえました。写真を撮ってる外国人さんのところは写真のアングルが良さそうですね。
でもツアーのため離れられません。残念です。あそこならいい写真がとれそうなのに。
こんな時フリーだったら良かったのにと思います。そんな事がしょっちゅうありますよね。

スプリットの史跡群とディオクレティアヌス宮殿 史跡・遺跡

細い通りに入って行きます。

スプリットの史跡群とディオクレティアヌス宮殿 史跡・遺跡

大聖堂の周りを回っている感じです。

スプリットの史跡群とディオクレティアヌス宮殿 史跡・遺跡

ローマ時代の宮殿の床です。幾何学的な文様が描かれています。

スプリットの史跡群とディオクレティアヌス宮殿 史跡・遺跡

文様はこちらの方が良く分かります。

スプリットの史跡群とディオクレティアヌス宮殿 史跡・遺跡

こちらは宮殿内のレストランです。
石に絡みついたツタや黒ずんだ石が時代の流れを感じさせます。

ディオクレティアヌス宮殿 城・宮殿

銀の門（東門）です。
こちらの石も年代の古さを感じさせてくれます。

スプリットの史跡群とディオクレティアヌス宮殿 史跡・遺跡

大聖堂と鐘楼です。
大聖堂は２４本の列柱に囲まれている八角形の建物です。ここはディオクレティアヌス帝の霊廟でしたが、キリスト教徒が７世紀に大聖堂に改築しました。
彼（皇帝）の死後ローマ帝国はキリスト教を国教としたため、キリスト教の迫害者であったディオクレティアヌス帝の霊廟は大聖堂として造り替えられ、遺体を安置した石棺は取り除かれてどこかへ持ちさられ、皇帝の遺体は今も行方不明だそうです。
また、皇帝が建てたジュピター神殿はキリスト今日の洗礼堂に造り替えられました。
隣の鐘楼は高さが６０ｍ、１７３段の階段で登ることができます。
私はツアー旅行の悲しさで登る時間が無く後ろ髪を引かれる思いでこの場を立ち去りました。
今度来たら絶対登るぞ！

聖ドムニウス大聖堂 寺院・教会

ここはペルスティル。広場です。正面は宮殿の玄関部分です。
左列柱の一番奥に黒いスフィンクスがあります。
ペルスティルから正面階段を上がって門をくぐると円形の形をした広間に出ます。ここが前庭で玄関広間です。天井は丸天井で穴があいていました。そして、その先が皇帝の住居跡です。
ペルスティルではローマ時代の衣装で寸劇をやっているそうですが、私達が訪問した時は何もありませんでした。

ディオクレティアヌス宮殿 城・宮殿

１３〜１６世紀にわたって造られた鐘楼です。

聖ドムニウス大聖堂 寺院・教会

宮殿の前提（玄関部分）の方からクラパの歌声が聞こえてきます。
後時間があったら行ってみよう。

ディオクレティアヌス宮殿 城・宮殿

左のアーチ門をくぐって真っ直ぐ進むと銀の門（東門）に行きます。
丁度ここは４つの門が十字に重なる場所です。
次は金の門（北門）へ行きましょう。

スプリットの史跡群とディオクレティアヌス宮殿 史跡・遺跡

金の門です。門をくぐると大きな銅像がありました。

ディオクレティアヌス宮殿 城・宮殿

グルグール・ニンスキ（グルグール司教）の銅像です。
グルグール・ニンスキは１０世紀に開かれたスプリットの宗教会議において、クロアチアの教会ではスラブ語を使用してはならないという決定に反対し、撤回を求めた人物です。（クロアチア教会内のラテン語化への反対）
左足の親指に触れると幸運が訪れるといわれています。正に親指はピッカピカ。
幸運が訪れるのか、これは触らないといけないと親指に触るというか、なで廻しました。（笑）
帰国後その結果は早く現れましたが願はかなえられませんでした。なで廻したのが悪かったのかもしれません。ほんの触る程度にしておけば良かったかもしれませんね。

Ａrniｒ教会です。

金の門と城壁です。門の所に２人のローマ兵がいます。
写真撮影用のモデルさんです。

ディオクレティアヌス宮殿 城・宮殿

一緒に写真を撮りたい人いないかな？
残念ながら皆素通りです。

スプリットの史跡群とディオクレティアヌス宮殿 史跡・遺跡

金の門と左側の城壁です。

ディオクレティアヌス宮殿 城・宮殿

金の門から旧市街に入るとさらにアーチ門があります。
この先の通り沿いには店舗が並んでいます。このようにローマ帝国滅亡後は宮殿内に異民族に追われてた近隣の住民が大挙して逃れてきて住み着き、既存の建物を取り壊して基礎の上にまた建物を建てていきました。
そうして宮殿がそのまま旧市街になった珍しい街なのです。

スプリットの史跡群とディオクレティアヌス宮殿 史跡・遺跡

前提（宮殿の玄関）です。
クラパは終わっていました。ここはカルテットですね。
ペルスティルにいた時歌声は聞こえていましたから良しとしましょう。
でも、トロギールの方が上手でしたね。

ディオクレティアヌス宮殿 城・宮殿

少し待ちましたが始まりません。
時間が無いので集合場所に戻ります。

ディオクレティアヌスの浴場跡 史跡・遺跡

前提の天井は丸い穴が空いていました。

ディオクレティアヌス宮殿 城・宮殿

ペルスティルにも撮影用のモデルのローマ兵がいました。もちろん有料です。

スプリットの史跡群とディオクレティアヌス宮殿 史跡・遺跡

ペルスティルには座布団を置いた座席がありますが、これは左奥のレストランの座席のようでした。

スプリットの史跡群とディオクレティアヌス宮殿 史跡・遺跡

ペルスティナをもう一度写真に収めて帰りましょう。

ディオクレティアヌス宮殿 城・宮殿

銀の門（東門）を抜けて外に出ます。

スプリットの史跡群とディオクレティアヌス宮殿 史跡・遺跡

城壁沿いに出店が並んでいます。

スプリットの史跡群とディオクレティアヌス宮殿 史跡・遺跡

道の両側に店が並んでいます。

この辺りは靴、帽子、服、カバンなど一般用品の他果物を売る店もありました。

再度海沿いのプロムナードです。城壁の融合した店舗が並んでいます。
さあ、バスに乗ってアドレア海の真珠ドブロブニクへいきましょう。
バスで４時間かかります。

スプリットの史跡群とディオクレティアヌス宮殿 史跡・遺跡

アドレア海沿いをドブロブニクに向けて南下します。

青い海と石灰岩の山。これがクロアチアの風景です。

ドブロブニクは飛び地のため一旦ボスニアヘルツェゴビナに入国し、さらにボスニアを出国しクロアチアに再入国するというルートをとります。
国境までもう少しです

どこまでも続く青い海。このような風景がバスの右側に延々と続きます。

この先が国境です。国境では絶対写真を撮らないようにと添乗員さんに言われていましたので写真はありません。

国境を越えました。もうすぐクロアチアにつきます。
今少しです。
それにしても紺碧の海ですね。

この旅行記へのコメント （1）

• 尚美さん 2015/10/05 09:09:42

  スプリットが大好きです

  ポポポ様
  
  スプリット、凄い！
  人も多い、観光地ですね。
  お友達の旅行記を見て、以前からスプリットだけは知っていて憧れていたのですが、ポポポさんの撮影場所や写真がお友達のと違っていて、大変興味深かったです。
  
  地下宮殿、絶対、行こう。
  大聖堂と鐘楼の周り、素敵な細い通りがありましたね。
  レストランのある場所や銀の門もかっこいいし、私は「列柱好き」というのをポポポさんのお写真で、気づきました。
  ペルスティル広場は、スプリットの紹介写真で出る場所ですね、何とも言えないほど好きです。
  旧市街のアーチ門などで、石の積み方が違う場所は、異教徒に追われた近隣住民が住居等を造ったからなのですね。
  
  スプリットの鐘楼に上れなかったのは心残りですねぇ、わかります。
  今、手持ちの建築本で鐘楼からの眺望写真を見ていますが、ペルスティル広場、洗礼堂、城壁、アドリア海(＆停泊している大型客船)、といろんなものが楽しめる眺めです、これはスゴイ。
  シベニクの城塞からの眺望も良さそうですが、てんこ盛りという点では、スプリットの方が勝りそうです。
  
  続きはドブロブニクですね、楽しみです。
  
  尚美より