2015/09/19 - 2015/09/20
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たびたびさん
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放生祭は、「ほうぜまつり」。小浜市内の八幡神社のお祭りで、300年の伝統を誇る若狭地方最大の秋祭りです。
その特徴は、お神輿をお迎えする時に奉納していた神事芸能が祭りの主役となったこと。八幡神社の氏子地区24区はそれぞれに芸能を持っているので、結果として「神興」「山車」「神楽」「大太鼓」「獅子」の5種類の異なる演し物が混在します。知らないと、なんか統一感というのがないように見えてしまいますが、その分、それぞれの個性が際立つのも、面白いところでしょう。
例えば大太鼓は、自分たちだけの時はとろんとした昼行燈のような風なのに、別の町内の大太鼓と出会うとトタンにお互いが激しくお囃子を叩き合って、大変身。ぼんやりした姿から突然、目いっぱいの大音量モードに入るのには、本当にびっくりしてしまいます。
獅子舞もなかなか。これは川越藩藩主だった酒井忠勝が小浜藩に国替えされた際に、故郷をしのんで川越から呼び寄せた獅子舞「ささら獅子」が起源。頭に見事な羽根飾りをつけた獅子が小さな締太鼓を打ちながら、笛と歌に合わせて踊ります。老若の雄獅子が雌獅子を取り合っている様だそうですが、これも何だか洗練されたものを感じます。
それぞれの芸能はお互いに競うわけでもなく、邪魔をするわけでもなく。仲良く同居しているといったことでしょうか。その不思議な感じをお伝えできればと思います。
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木之本から、昼過ぎに、東小浜に到着。今日はここで、ここでもうひと踏ん張りして回りたい寺があるんですよね。
東小浜駅サイクリングセンターで貸自転車を借りて、国宝の寺、明通寺から神宮寺、万徳寺、若狭彦神社など。 -
遠いと言えば、ちょっと遠いですが、レンタサクルならちょうどいい距離なんです。
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さて、出発。
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まずは、一番人気の明通寺です。山門がいい感じじゃないですかあ。
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近くで見ると、けっこう古びていますね。
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仁王さまも、傷みが激しいような。
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あれ、さらに先へはまた石段です。
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ほー。本堂が見えていますが、二つ道があって。
男坂と女坂みたいに、石段の道と緩い坂道の二つがあります。なるほどねえ。 -
私は、女坂の方を行ってみます。
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本堂は、悠々とした構え。想像以上にでかいです。
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この本堂も国宝なんですが、中へ入ると、これが圧巻。
本尊の薬師如来は、平安末から鎌倉初期頃の作なんですが、ずんぐりとした体つきと目力が素晴らしい。「どうだあ。達者でやっているかあ」と大きな目でぎょろり。声でも掛けられているような気持ちになりました。まったく、この仏様の前では、日ごろの小さな悩みなんか吹き飛んでしまいそうです。 -
高台にある三重塔も
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イチオシ
国宝です。
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特別拝観で、三重塔の内部の仏像が公開されていました。
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金色に輝く仏様が並んで、周囲は江戸時代に描かれたという極彩色の絵もあって、まさに浄土の世界が再現されていました。
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イチオシ
三重塔から本堂を見下ろします。ここからのアングルも、本堂の雄大さがよく分かりますね。
本堂と三重塔の位置関係に、予想外の本尊の迫力は、京都だと岩船寺に似た感覚かなあと思います。 -
続いては神宮寺。こちらは、毎年3月2日に行われる、奈良・東大寺二月堂への「お水送り」神事が有名な古刹です。
しかし、実は、タッチの差で拝観時間には間に合わず。 -
ただ、たぶんこれも重要文化財の山門があって、
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内部の仁王像とかの立派な姿が拝めました。
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太い眉に
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力強い目線。流れるような衣装の表現も悪くないでしょう。
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参道は芝生の小路って、変わってますが、ここを進んで。。
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本堂の方は門が閉まっていて、遠目にしか見れませんでした。
まあ、さっきの山門を見れただけでも十分価値があったかなあと思います。 -
この神社は、上社と下社があって、上社にあたるのがこの若狭彦神社。下社は若狭姫神社で、東小浜駅から歩いてでも行けるのですが、こちらの方は自転車じゃないと無理ですね。
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夫婦杉とかうっそうとした森のような境内。
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本殿もなんだか厳かな雰囲気。とっても印象的です。
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そして、最後は萬徳寺です。
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受付を済ませて、
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これは客殿でしょうか。
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上がると
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奥には涅槃図。
特別公開中だそうです。 -
イチオシ
聞くと自由に撮影していいということで、これはありがたい。
金色の仏様を中心に、その死を悲しむ弟子たち始め、動物や草木までもが描かれます。 -
嘆き悲しむ人々に、
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動物たちまでもが泣き叫ぶ。
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浄土の世界から迎えに来た雲の上の菩薩さえ、涙をぬぐっているようです。
仏教の教えだと輪廻ですから、人は何度も生まれ変わって、善行を積み修業を重ねて仏になる。しかし、お釈迦様はもう仏ですから、西方浄土に帰ってしまえば、この世に戻ることはないんでしょうね。
良いことをすれば、良い結果となるの因果応報や世の中で変わらないものはなく、人間は老いて死んでいく。お釈迦様が説いたことはシンプルなことなんですが、それから始まった仏教の思想はまったく多種多様の広がりを見せる。進歩したのは科学技術だけではないんですよね。人間のもっている創造力や結局は心に潜む宇宙のようなものが働いているとしか思えません。 -
ところで、こちらの寺は、樹齢500年とも言われる天然記念物の大山モミジを借景とする名勝枯山水庭園が有名です。
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緑豊かな築山の手前に砂地の広い空間があって、そのバランスが面白い。たぶん、後世にこういうことになったのだと思いますが、見るものとの距離をより置こうというのでしょうか。作者の意図は深遠です。
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そして、もう一つの見どころは、平安時代後期の作とされる本尊の阿弥陀如来坐像。長く下がった衣紋の装飾はちょっと過剰なほどの表現。鎌倉の仏像を彷彿とさせる素晴らしいものでした。
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本堂から振り返った景色です。
さて、気が付くと予定していた列車の時刻が迫ってきています。急いで駅に帰りましょう。 -
小浜駅に到着。
駅からすぐの商店街では、祭りがもう始まっているみたいですね。 -
しかし、この虚無僧姿の集団。赤い深編み笠に黄色い着物って、とっても怪しげ。これ以上ないってくらい怪しいですよ〜
獅子舞もちょこっと手始めですね。 -
イチオシ
こちらは、山車ですか。
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お囃子がなって、
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正面には子供が二人。
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太鼓を叩いて、
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祭りの始まりを告げています。
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ただ、通りは交通止めにもなっていないし、
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参加者はそう多くもないかなあ。
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なので、祭り一色という感じでもないような。
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山車はそれなりのものなんでしょうが、
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そうですねえ。やっぱり、全国の金をかけまくった山車とは違って、ローカルなレベルでしょう。
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虚無僧集団が移動し始めて、
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山車ばかりでもつまらないので、
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私も後を追ってみることにしました。
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提灯を持った先頭の二人に導かれて、
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どんどん歩いて行った先は、
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地元の大型ホテルでした。
玄関で役員らしき人が待ち構えていますね。 -
と。。
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いきなり、獅子舞が始まりました。
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虚無僧が笛や鐘を鳴らすのに合わせて、
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三人の踊り手が小さな太鼓を叩きながら軽やかに舞います。
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見事な羽根飾りが揺れて、獅子というより鶏みたいですね。
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イチオシ
獅子の顔もあるんですが、衣装に隠れてよく見えない。
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しかし、そんな細かいところよりも、頭に胴に足のバランスはとってもいいですよ。
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しゃがんだり、
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伸びあがったり、
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足をあげたりの
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動作が
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イチオシ
これだといっそう強調されるように思います。
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それにしても、こうやって、ホテルの役員さんの横に座らせてもらって、ここは特等席。
私は見るからに観光客なんですが、どうぞどうぞという感じ。小浜のいいところをしっかり見て行ってくださいねというようなことなのかもしれません。 -
いずれにしても、これだけ近いと踊り手の一生懸命さが
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ひしひしと伝わって来るようです。
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そして、踊りは
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イチオシ
意外に
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長く続きます。
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繰り返しの動きもあるので、
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三人が向き合ったり
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離れたりする
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タイミングも
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だんだんにわかってくると
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ちょっと余裕も出てきました。
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ハイハイ。
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ハイハイ。
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いいですね〜
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ハイハイ
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ハイハイ
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いいですね〜
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始めは田舎の祭りだと思ってましたけど、
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イチオシ
これは
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洗練された動きですよ。
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川越から伝わっただけではなくて、
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小浜でしっかり磨きこまれたものだと思います。
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それを受け継ぐ人たちもちゃんといて
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小浜の放生祭りって、
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素晴らしじゃないですか。
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うっとりと眺めるたびたびでした。
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さて、獅子舞が終わって、皆さん撤収です。この子たちも将来の獅子舞の舞い手でしょうか。先輩の踊りをまじかで見て勉強していたみたいですね。お疲れ様でした。
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さて中心部にまた戻って。
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これは大太鼓ですね。
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さっきの虚無僧ほど怪しくはないんですが、こっちも覆面をしたりして十分に怪しげ。
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ただ、大太鼓と言っても、太鼓の周りには太鼓1個にしては不釣り合いなほど人がいて、この人数でこの太鼓じゃあ持て余してしまいそうですけど。。
太鼓を叩いている人もドン・・ドンと適当な感じ。ですから、それ以外の人なんて、なんのためにいるのか分からないくらい、手持無沙汰ですよね。 -
大太鼓の集団にはこの棒を持った若者もいて、これは棒振りという踊り手です。相変わらずですが、これも怪しい、怪しい。
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と、間延びしたのんびり集団を見ていたはずだったのですが、あれれ。
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大太鼓の集団がすれ違うところで、突然、ジャンジャン、カンカン。大騒ぎが始まりました。
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カン、カン、カカカン。カン、カン、カカカン。
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カカカカカカカン、カン、カン、カン。カカカン、カカカン、カン、カン、カン。
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イチオシ
カン、カン、カカカン。カン、カン、カカカン。
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カカカカカカカン、カン、カン、カン。カカカン、カカカン、カン、カン、カン。
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カン、カン、カカカン。カン、カン、カカカン。
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カカカカカカカン、カン、カン、カン。カカカン、カカカン、カン、カン、カン。
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鐘もすごいし、太鼓も本領発揮。
ドドドドドド、ドン。ドドドドドド、ドン。 -
太鼓の叩き手は力任せ。ガンガン叩いて息が切れそうになると、すかさず新手の叩き手が取って代わる。常に活きのいい叩き手が力任せにバチを振り下ろします。
なるほど、これなら大人数じゃないとやってられませんね。やっと意味が分かりましたよ〜
それにしても、この極端な変わり身っていうのもこれまで見たことがない。やっぱり日本は広いですねえ。まったく感心するしかありませんでした。 -
さて、騒々しい大太鼓の叩き合いが終わって、こちらは静の世界。
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前の子供たちは大人の叩き手に代わっています。
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日もどっぷりくれてきて
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祭りの様子も飲み込めてきました。
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で、肝心な八幡神社の方に行っていなかったので、
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今度はそっちにも
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行ってみましょう。
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あ、これはさっきの獅子舞の衣装ですね。こちらの町内では今日の奉納は終わったようです。
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八幡神社です。
創建は、奈良時代までさかのぼるのではないかということですが、現在の建物は鎌倉時代の初めに建てられたものです。 -
さほど広くない境内では、大太鼓ですね。
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イチオシ
神事芸能の奉納です。たぶん、順次、それぞれの町内が奉納していくんでしょう。
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境内は大変な人だかりでしたが、何んとか撮影位置を確保。うまく奉納の現場が撮れました。
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さっきの棒振り。2人または3人の踊り手なんですが、六尺棒を手にして勇壮に踊ります。
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被り物は、明治維新の政府軍の軍管みたいですね。
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しかし、これで今日は十分かな。熱い放生祭りの神髄を見せてもらったように思います。ありがとうございました。
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そういえば、晩飯も食べずに見ていたのですが、ここに入ってみますか。
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米太は、八幡神社の門前町と言った場所にある老舗そば屋さん。三種類のそばを組み合わせた名物のそばがあって、それにしましょう。
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一つが辛み大根を使ったかなりの辛さのそば。これはちょっと難敵でしたが、それはご愛嬌。なお、お箸はそのまま持ち帰りができるので、お土産にしました。
さて、これで一日目は終了。明日も早起きして、小浜の街歩きをします。これだけの祭りがある街ですから、期待ができそうですね。楽しみです。
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