青森：白神～下北半島～十和田ドライブ（青森秋田4泊5日800km）

2015/08/22 - 2015/08/25

休暇を利用して青森と秋田を４泊５日（プラスバス中泊１泊）で旅行する計画を思いついた。秋田県日本海側から北上し、青森を回って、また秋田に入って内陸を南下する。
ここでは青森編の白神山地～田舎館～下北半島周遊～奥入瀬～十和田までを供覧する。前後については秋田編を参照されたい。

エリア 青森

• 同行者: 一人旅
• 一人あたり費用: 5万円 - 10万円
• 交通手段: 高速・路線バス 観光バス 船 レンタカー JRローカル 私鉄 徒歩
• 旅行の手配内容: 個別手配

能代に宿泊し、日本海側を北上。56kmほどで黄金崎不老ふ死温泉に着く。
湯船は海ギリギリに作られており、水平線を見ながら入る熱めの湯は最高。

15kmほど内陸へ走り、白神山地へ入っていく。
訪問した時期はいわゆる世界遺産の範囲には立ち入りができず、西側の国定公園のウォーキングにとどめる。

日本キャニオンを展望台から眺める。
一部分のみ山肌がはがれ、凝灰岩が露出している。

日本キャニオン 自然・景勝地

さらに内陸へ進み、物産館の駐車場に車を停める（有料）。
青池に最寄りの駐車場だがここから少し歩く。

森の物産館「キョロロ」 美術館・博物館

物産館から徒歩約10分で、森の中に冷たくたたずむ青池が現れる。
カメラのレンズからはわからない独特のクリアダークブルーの色合いが印象的。
濃い青だが水底の沈木もはっきり見えるほど透き通っている。

十二湖 自然・景勝地

青池からさらに奥へ進み、ブナ自然林ハイキングコースへ入る。

十二湖おすすめ散策コース 公園・植物園

ブナの林の道を歩く。
吹きぬける風が心地よい。
聞こえるのは風と葉の擦れる音のみ。

十二湖おすすめ散策コース 公園・植物園

白神山地を後にし、45km北上して千畳敷へ。

千畳敷海岸 自然・景勝地

この辺りの海岸はやや緑がかっており、不思議な光景を作り出している。
潮が引いていたのであちこちに潮だまりができている。

千畳敷海岸 自然・景勝地

千畳敷から55km、鰺ヶ沢を経由して田舎館村へ。
ここは田んぼアートで有名な地域である。
この場所は田舎館村役場。写真右上の天守閣のような部分が展望台になっている（期間中有料）。

田舎館村 第1田んぼアート 名所・史跡

展望台から見た田んぼアート、十数種類のカラフルな稲で造られている。
晴天の霹靂とは、新しく開発されたコメのこと。

田舎館村 第1田んぼアート 名所・史跡

広大な面積を生かした田んぼアートにはただ驚かされる。

田舎館村 第1田んぼアート 名所・史跡

続いて3kmほど離れた場所にある。道の駅いなかだて。
近くにはそのまま「田んぼアート駅」がある（開催期間中の臨時駅）。

弘南鉄道では東急の通勤車両が第二の人生を送っている。

田んぼアート駅 駅

道の駅いなかだてにある展望台（有料）からの第二田んぼアート。
テーマはスターウォーズ！
もっとワイドだが、収まりきらなかった。

田舎館村 第2田んぼアート 名所・史跡

別方向にある健さんの砂利アート。

田舎館村 第2田んぼアート 名所・史跡

高速を使って47km、青森市にある青龍寺。
広大な敷地の奥には昭和大仏が鎮座している。
拝観目安は40分。
拝観受付で御朱印を頂ける。

青龍寺 (昭和大仏) 寺・神社・教会

昭和大仏は座像としては東大寺の大仏や鎌倉の大仏を凌ぐ日本一の大きさで、建立は昭和59年と比較的若い。
胎内めぐりができる。

青龍寺 (昭和大仏) 寺・神社・教会

青龍寺を後にし、青森市と下北半島の脇野沢をつなぐ船に乗る。
レンタカーとはいったんお別れ。

高速旅客船 ポーラスター 乗り物

ポーラスターに乗って約70分で脇野沢へ。
船内は暖房が利いていて、シートも座り心地がよく、大画面のテレビを見ながら快適に過ごせる。

高速旅客船 ポーラスター 乗り物

脇野沢港に到着。いよいよ風が冷たくなってきた。
ここから路線バスで約1時間、むつ市まで移動。車内はガラガラ。

本日の宿はこちら。
コインランドリーで洗濯し、明日に備える。

朝は能代にいたのか・・・　ずいぶん遠くまで来た気がする。

ホテルニューグリーン 宿・ホテル

翌日は、「ぐるりんしもき観光ルートバス」に乗って下北半島周遊ツアーに参加する。

事前申し込みなしの飛び入り参加で、参加者は全員で15人といったところ。
今までずっと運転だったが、今日は移動はすべてお任せ。

まずは大間崎。
ここはマグロ一本釣りの町。

マグロのオブジェの隣には本州最北端の地をあらわすモニュメントがある。
遠くには大間崎灯台が見える。

大間崎 自然・景勝地

このモニュメントの近くには有名な海鮮食堂がある。
すしざんまいに1億5千万越えのマグロを卸した店である。

大間ではこの店でマグロ刺身とほかの店で生うにを購入した。

魚喰いの大間んぞく グルメ・レストラン

次に向かったのは仏ヶ浦観光船。
バスを離れ、観光船に乗って下北半島の西岸の仏ヶ浦へ。

佐井～仏ヶ浦遊覧船(仏ヶ浦海上観光(株)) 乗り物

仏ヶ浦へは干潮の時に上陸する。
ここは浸食によってできた景勝地。
大きな岩の下に映る小さな人を見ると自然の雄大さをただただ感じる。

仏ヶ浦 自然・景勝地

仏の頭のような岩。その名も「如来の首」。神々しささえ感じる。

仏ヶ浦 自然・景勝地

鶏のような岩。
実物は相当大きい。

仏ヶ浦 自然・景勝地

観光に歩きまわれる範囲はそれほど広くないものの、浸食によってできたさまざまな形状の岩が驚きと感動を与える。

仏ヶ浦 自然・景勝地

バスの中で昼食タイム。
大間で買ったマグロ。赤味・中トロ・大トロ各１切れで1パック1000円。

生うに。ミョウバンに漬けていないので変なにおいがしない。
500円。

ツアーで頼める岩のり弁当。サケ・イカなどもおいしい。
700円。

次に着いたのは霊場恐山。
拝観時間を1時間取ってもらえる。
広大な境内（霊場）だが、ここから流れる風はこの世のものとは思えない。

恐山菩提寺 寺・神社・教会

山門の前にはたくさんの風車が奉納されている。
この風車は境内の至る所で見られ、水子の霊を弔うためのもの。

御朱印は山門右手にある寺務所にて頂ける。

恐山菩提寺 寺・神社・教会

恐山菩提寺の本堂。この左手から地獄・極楽と続く霊場へと入っていく。

恐山菩提寺 寺・神社・教会

まずはゴツゴツとした岩場が続く地獄ゾーン。硫黄のにおいが流れ、荒涼とした風景が続く。気温は下がり、空も曇ってきた。

恐山菩提寺 寺・神社・教会

ところどころに石が積まれ、水子の鎮魂のために風車が奉納されている。どこからか吹く風に風車がカラカラと回る音しか聞こえない。

恐山菩提寺 寺・神社・教会

やがて一面の白浜にたどり着く。ここは極楽浜と呼ばれ、大きなカルデラの宇曽利湖の湖岸である。浜には風車と数羽のカラスが。

恐山菩提寺 寺・神社・教会

恐山の境内にはいくつかの温泉があり、無料で入れる。
そのなかから薬師の湯に入った。この小屋に簡素な脱衣所と湯船があるのみ。
しかし酸性がかなりきつく、温度も高く、なかなか難易度が高い温泉である。
「5分以上入らないこと」のような張り紙があったが、2分程度しか入れない。入浴した瞬間に全身がつるつるになるような強酸性の湯である。

恐山菩提寺 寺・神社・教会

続いて尻屋埼灯台。ここは下北半島の北東に位置し、津軽海峡と太平洋の境目である。
尻屋崎には寒立馬（かんだちめ）という馬が放牧されていて、灯台前にいれば絵になったが、残念ながらこの日は不在。

尻屋埼灯台 名所・史跡

と思ったら、ゲート近くに寒立馬の群れがいた。吹雪に耐える姿がよく写真などで見られる。巨大な体躯と太くて短い脚が特徴。
寒立馬には触れるほど近くで見ることができるが、動物なので近づきすぎには注意（足元にも）。
このあと馬たちは、群れをなして森のほうへ歩いて行った・・・

大満足の志保北周遊バスツアーを終え、下北駅に到着。

下北駅 駅

青い森鉄道などを乗り継いで青森市へ戻る。

本日の宿はアートホテルカラー青森。
アーケード街に入口があり、ワンルームマンションのようなファサード。

アートホテル カラー 青森 宿・ホテル

翌日はまず、ねぶたの家ワ・ラッセへ。
ここでは祭で使ったねぶたがそのまま展示されている。
見学目安は40分。

ねぶたの家 ワ ラッセ 美術館・博物館

館内は公式に写真撮影OK。
巨大なねぶたを目の前で鑑賞することができる。

ねぶたは表も裏も違った造形が施されており、どこから見ても面白い。

平将門はテーマにしやすいようである。
どれも迫力がある。

ねぶたの家から車で6km、三内丸山遺跡へ。
展示館・公園とあわせて見学目安は1時間。

特別史跡 三内丸山遺跡 名所・史跡

広大な敷地には再建された竪穴住居跡が点在し、縄文時代の暮らしの跡を学ぶことができる。

特別史跡 三内丸山遺跡 名所・史跡

一際目立つのが大型掘立柱建物跡。
再建されたものだが、これだけの太さの柱が立っていたことを物語る建造物である。

特別史跡 三内丸山遺跡 名所・史跡

発掘作業は今も続き、その作業風景を見学することもできる。このように間近で作業中を見学できる施設は少ないのではないかと思う。

特別史跡 三内丸山遺跡 名所・史跡

展示館には発掘された文化財がぎっしりと並んでいる。
北東北は遺跡が多く、太古の人々の暮らしが各所で発掘されていることがよくわかる。

三内丸山遺跡から31km、酸ヶ湯温泉に到着。標高が高くなり霧が出てきた。
こちらの名物はヒバ造りの千人風呂。千人とまではいかないが、かなりの人数が入れる巨大の浴槽で、混浴ではあるが湯が濁っているのと、女性ゾーンがある。

酸ヶ湯温泉 温泉

さらに26kmほど南下し、奥入瀬渓流へ。
駐車場は少なく、渓流沿いを歩くのが基本だが、1時間に1本ぐらいバスがあるのでうまく利用すると効率的。

「石ヶ戸」とよばれるあたりから上流へ歩いていく。
車道から川沿いに入ると舗装されていない歩道が続く。かなりぬかるんでいるところもあるが、渓流を間近で感じながら歩くのは気持ちがいい。

三乱の流れ 自然・景勝地

雲井の滝までは約3km。
近くに車が数台停められる路肩スペースがある。

雲井の滝 自然・景勝地

十和田湖に最も近い銚子大滝。
写真では分かりにくいが、落ちる滝の水も青く見えるほど透き通っている。

銚子大滝 自然・景勝地

奥入瀬を抜けて十和田湖へ到着。
広大な湖なので遊覧船の数は多い。

車を停めた後、遊覧船までの時間を散策に利用。
乗り場から15分ほど歩いた場所にある乙女の像。
作者は高村光太郎で、記念碑が手前に置かれている。

乙女の像 名所・史跡

りんごマークの遊覧船に乗って十和田湖を遊覧。
コースは休屋から子ノ口までの50分で、レンタカーは回送してもらう（別料金）。

十和田湖遊覧船 乗り物

休屋を出発直後に、先ほどの乙女の像を湖側から眺めることができる。

中湖と呼ばれる南側の最も深い辺り。
水の色も深さを物語るが、季節によって微妙に違うという。

中湖を抜けると遊覧船は子ノ口港まで一直線。
日本有数のカルデラ湖であり、湖の大きさとしては日本で12番目。
周囲を山に囲まれた壮大な景色は、しっかり目に焼き付けておきたい。

十和田湖を離れて35km、新郷村にあるキリストの墓を参拝。
磔刑になったと思われたキリストは実は弟が入れ替わって身代わりになり、生き残ったキリストは青森に渡ったのである。
この辺りの地名は戸来（へらい）、ヘブライが由来なのだろうか？

キリストの墓 （キリストの里公園） 名所・史跡

ここが誰もが信じて疑わないキリストの墓である。
向かいには身代わりになった弟のイスキリの墓もあり、キリスト教にとって重要な聖地が、青森の山中にあるということになる。

キリストの墓 （キリストの里公園） 名所・史跡

キリストの参拝を終え、30km走って十和田市内のスマイルホテル十和田に到着。

スマイルホテル十和田 宿・ホテル

十和田の誇るB級グルメ「バラ焼き」を求めて、スマイルホテルから徒歩数分にある大昌園へ。

大昌園 グルメ・レストラン

一人分の鉄板は40cm四方で、玉ねぎがアメ色になった頃に箸をつける。
甘辛のタレと牛バラ肉、玉ねぎが絶妙に合わさってビールにもご飯にもよく合う。

翌日は朝一でホテルから1km弱にある十和田現代美術館に行く。
現代美術館だけあって、建物も独特なフォルムをしている。

入ってすぐにある（いる？）ロン・ミュエク作の「スタンディング・ウーマン」にはサイズとリアリティに圧倒される。

見学目安は1時間。

十和田市現代美術館 美術館・博物館

館外にも現代美術が点在していて、バス停のまわりもアートスポットになっている。

十和田市現代美術館 美術館・博物館

道向かいにある草間彌生の作品群。
子供たちも公園感覚でアートに触れられるのは素晴らしい。

十和田市現代美術館 美術館・博物館

柔らかい家と車。
これが街中で見れる十和田市のアートセンスには脱帽である。

このあとは内陸を走り、秋田の鹿角方面を目指す。
秋田編を高覧頂きたい。

十和田市現代美術館 美術館・博物館