2007/04/08 - 2007/04/23
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元カニ族さん
2007年4月10日、グランドキャニオンを出発し、昼前にモニュメント・バレーに着きました。
モニュメント・バレーといえば、オールド映画フアンにとっては「西部劇の聖地」です。ユタ州南部からアリゾナ州北部にかけて広がり、テーブル形の台地や浸食が進んだ岩山が点在し、あたかも記念碑(モニュメント)が並んでいるような景観を示しているので、この名がつています。しかし、ここは古くからナバホ族の居住地域で、その一部が現在ナバホ族管轄の下に一般に公開されていて、「ナバホ族の聖地」とも呼ばれています。
この旅行記では、私が実際に写して来た写真と、この景色を背景に映画に写しだされたシーンをネットで探して対比して紹介します。
さて、西部劇についてしらべているうちに、広瀬隆著「ジョン・ウェインはなぜ死んだか」という文庫本があることを知りました。ジョン・ウエインは、1907年生まれ、1979年(72歳)に亡くなった、ハリウッドの大スターです。本の内容は次のようです。
「アメリカは、1951年、52年、53年と立て続けにネバダ砂漠で核実験をした。それも80回以上も。その結果、ユタ州やアリゾナ州、ネバダ州など、ラスベガスの近くで大量の死の灰を降らせた。
1954年に「征服者」という映画のロケで、その死の灰がある砂漠に行った俳優やエキストラ、スタッフらは総勢1200人、三ヶ月も屋外、つまり砂漠の上で馬に乗ったりしながら、粉塵を浴びつつ、撮影をした。内容は、モンゴルのジンギスカンの話だった。主演はジョン・ウェイン、スーザン・ヘイワード。その結果、有名な俳優らは、以後10年から20年の間にガンや白血病を患って、30代、40代の若さで亡くなってしまった。現地のエキストラも多くが死亡した。
ゲイリー・クーパー、ジョン・ウェイン、スティーブ・マックイーン、ロック・ハドソン、ロバート・テイラー、ジョン・フォード、スーザン・ヘイワード、ユル・ブリンナー・・・名のある俳優女優らが、その映画ではなくとも、砂漠でロケをしたりした結果、ガンになり亡くなった。
インデアンが核実験の大被害を受けエキストラがいなくなった時、ウエスタン映画も衰退に向かった。ハリウッドの西部劇がイタリアで作られたマカロニー・ウエスタンに取って代わられ、ほとんど制作されなくなったのは、単に時代の流れだけではなかろう・・・・」
というものです。恐るべき核実験の実態、そして私が長年不思議に思っていた「西部劇」が復活しない理由を知ることが出来ました。
- 同行者
- 一人旅
- 交通手段
- 観光バス
- 旅行の手配内容
- ツアー(添乗員同行あり)
- 利用旅行会社
- 阪急交通社
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グランドキャニオンを出発して、最初の村は「キャメロン」です。
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キャメロンの郵便局です。星条旗がはためいていて、さすがアメリカです。
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川を渡りました。名前はわかりません。
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真直ぐに伸びた国道160号線です。
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アリゾナ沙漠です。岩山がなんとも言えない落ち着いた色彩を放っています。
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彼方に、小さな村が見えました。
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水をくみ上げているのでしょうか?牧歌的な風車が見えました。
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グランドキャニオンのノースリムとサウスリムの分岐点です。
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岩山の色が赤くなってきました。
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テューバ・シテに入ってきました。
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大きな町で、スーパーマーケットがありました。
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再び、アリゾナ沙漠です。灌木が生えています。
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民家がぱらぱらとあり、遠くに白い岩山が屏風のように連なっていました。
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牧場に馬がいました。西部劇に出てくるような、広い牧場にたくさんの家畜がいる風景を期待していましたが、そのような風景は見られませんでした。
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荒野を列車が走っていました。機関車4両で引っ張っていました。アメリカでは長い列車を4〜5輌の機関車で引っ張るのが普通のようです。
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道路沿いの岩山が赤みを帯びてきました。
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岩山は、ますます赤くなってきました。この町から国道160号線をそれてモニュメント・バレーに入って行きます。
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モニュメント・バレーの手前の「カエンタ」の町です。
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モニュメント・バレーっぽい岩が見えてきました。
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岩山の上にフクロウのような岩がそびえたっていました。
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フクロウの岩の横を通って行きます。
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道路の前に、赤い岩山が見えてきました。
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道路の両側にも岩山が見えてきました。
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しかし、道路は真直ぐに伸びて、目指すところはまだまだのようです。
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ようやく、西部劇の映画に出てくるような、岩山が見えてきました。
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やっと、バスが目的地「モニュメント・バレー」に着きました。正式名称は「モニュメントバレー ナバホ トライバル パーク」です。
モニュメントバレー ナバホ トライバル パーク 国立公園
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バスを降りて、階段を登りました。
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ここから、モニュメント・バレーがよく見渡せました。
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映画に使われたものか?モニュメント・バレーを背景に西部開拓時代の住居の庭の雰囲気を醸し出す演出がしてありました。
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断崖絶壁の下に、撮影に使われたと思われる駅馬車が残されていました。映画は白黒でしたが、この駅馬車は色鮮やかなカラーでした。
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映画監督ジョン・フォードが、撮影時に寝起きした小屋とのことです。この中には映画のシーンの写真や関連グッズが展示されていました。
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ここから、私が実際に写して来た写真と、この景色を背景に映画に写しだされたシーンをネットで探して対比してみます。
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まず映画は『駅馬車』です。監督ジョン・フオード、主演ジョン・ウエインの西部劇の古典的名作は1939年に公開されました。上と同じ景色をバックに駅馬車が疾走す
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映画「騎兵隊」のシーンです。背景は上の写真と同じです。
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この断崖を見た時、私はすぐに映画『黄色いリボン』を思い出しました。
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この映画もジョン・フード監督。ジョン・ウエイン主演の映画です。1949年公開です。下の映画のシーンのバックは、上の断崖ではないかと思います。
https://www.youtube.com/watch?v=0OcxLzcXTTw
She Wore a Yellow Ribbon
Round her neck She Wore A Yellow Ribbon
She wore it in the winter and the merry month of may
When I asked her why the yellow ribbon
She said “It’s for her lover in the US Cavalry” Cavalry, Cavalry
She said “It’s for her lover in the US Cavalry” Cavalry, Cavalry
She said “It’s for her lover in the US Cavalry” -
ビューポイントを移動しました。背景が変わりました。
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この背景の、映画のシーンを探しました。
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の景色をバックに駅馬車が疾走しているシーンを見つけました。馬の蹄の音が聞こえてきそうです
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上の写真の二つの岩をバックに、後方を騎兵隊に守られて、前方を駅馬車が疾走する下の写真の場面を見つけました。
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この背景とは、角度が少し異なりますが下の映画があります。、
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上の背景とは、角度が少し異なりますが、同じ二つの岩山を背景にした映画に『荒野の決闘』があります。監督はジョン・フォード。主演ヘンリー・フォンダです。1946年公開です。この映画の最後の名場面です。
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大きな平らな岩です。
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上の写真とよく似ています。「駅馬車」のシーンです。
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それにしても、私の撮って来た写真と、映画のバックとが余りにも一致します。ジョン・フオード監督は、好んで一定の場所に映画カメラを設置しました。そこはモニュメント・バレーを一望できる場所で、ジョン・フォードポイントと呼ばれます。この場所が現在のビュースポットとなっているからです。
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写真は、ビジターセンターだったと思います。
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次の目的地に向かって、バスが出発。「モニュメント・バレー」の見納めです。
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モニュメント・バレーを後にして、4つの州の境界が十字に交わる「フォー・コーナーズ」向かいました。
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<<参考>>
ジョン・ウエインの写真です。 -
核実験の場所と周辺の地図です。
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この旅行記へのコメント (5)
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- 横浜臨海公園さん 2015/07/10 16:35:41
- ジョン・ウェインと云えば
- 元カニ族さま、こんにちは。
旅行記を拝見させて頂きました。
ジョン・ウェインと云えば、西部劇か戦争映画の俳優としてはアメリカではビカイチ的存在でした。
特に、映画幌馬車は今見ても色褪せた感じが無く、あんな濃い演技をする俳優が、現在のアメリカでは皆無となってしまった事に、寧ろ奇異な感すらします。
横浜臨海公園
- 元カニ族さん からの返信 2015/07/11 11:16:33
- RE: ジョン・ウェインと云えば
横浜臨海公園さん
今回の、モニュメント・バレー観光と、帰国後の調べで、西部劇が、マカロニ―ウエスタンにとって代わられ、その後まったく復活しない理由が、単に時代の変化だけでないことを知りました。
私にとっては、大きな収穫でした。
元カニ族
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- PHOPHOCHANGさん 2015/07/10 10:15:56
- 納得
- 見たい景色を見せていただきました。
グランドキャニオンまでは出かけていますが、その先はいまだ行けずにおりました。
やっぱりこの目でみたい
- PHOPHOCHANGさん からの返信 2015/07/10 10:25:33
- 納得
- 途中で電話が入ってしまい、半端なメッセージが送られてしまいました。申し訳有りませんm(_ _)m
やはり見に行きたいとの想い新たです。
にしても、広瀬隆氏の著書は知りませんでした。確かに癌で亡くなってますね、ロック・ハドソンはエイズって事になってますが。
幾ら砂漠とは言え、国内の陸地で核実験が繰り返されるって信じられません。日本に対し原爆で成功したと言う過信でしょうか?怖さ知ってるはずじゃないかとも思いますが。
アメリカインディアンの血はナバホでは有りませんが16分の1息子に流れています。彼らもモンゴロイドですよね。居住地に遊びに行ったら、何も言わないのに息子はメチャクチャ歓待されました。
もう30年近く前の話です。
旅だけでなく、新しい知識をお分けいただき、本当に為になりました。
ありがとうございます!
- 元カニ族さん からの返信 2015/07/10 11:07:38
- RE: 納得
- PHOPHOCHANGさん
4トラの旅行記にここまで書いて良いものかどうか、迷いましたが、せっかく調べたことなので、思い切って表紙に書きました。
西部劇は 学生時代、京都の「名画座」で良く見ました。この撮影現場に将来行けるなどとは、当時想像もしていませんでしたが・・・・
時代が変わり、実際にこの撮影現場に行くことが出来ました。
今回の旅行で最も行きたかったところの一つでもあります。そのため帰ってから、この場所を映画のシーンと比較などもして楽しみました。
また、DVDの「西部劇シリーズ」も買い込み、鑑賞しました。
PHOPHOCHANGさんの息子さん、京都の旅行記で拝見しました。
お顔はわかりませんでしたが、堀が深くて、背が高くて、キットハンサムな青年でしょうね。成長を祈っています。
アメリカ横断はまだ、3日目の途中です。まだまだ続きますが、これからもよろしくお願いします。
元カニ族
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