2007/10/10 - 2007/10/19
376位(同エリア655件中)
タケさん
2006年から2009年にかけて、JICA(国際協力機構)のシニア海外ボランティア(ダイヤモンド探査他担当)として、赤道より南にある東南アフリカの内陸国マラウイに滞在した。 この間休暇を利用して任国外のザンビア,タンザニア,南アフリカおよびボツワナを順次訪れた。ここでは印象の強かった南アフリカのケープタウン周辺の旅行記を中心に報告する。
* マラウイでは日本のことはほとんど知られていなくて、赴任していた当地の地質調査所職員や近くにある大学の地理学科,観光専門学校の学生たち,滞在していたホテルの従業員たちに映像を用いて何度か、日本の文化や現状(天皇制についても)等を紹介した。ホテルでは「いただきます」「ごちそうさま」「どういたしまして」「行ってきます」「行ってらっしゃい」「ただいま」「お帰りなさい」等の日常使う日本語を覚えてもらって、周りが黒人の中で暮らしていたため日本語に飢えていた身が随分癒やされた。
- 旅行の満足度
- 5.0
- 同行者
- 一人旅
- 交通手段
- 高速・路線バス 観光バス 徒歩
- 旅行の手配内容
- 個別手配
PR
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ヨハネスブルグを経由して、国内便で南アの立法府ケープタウンへ。
[ケープタウンのバックパッカー宿]
中心街にあるバックパッカー宿では、2年間かけて自転車で中国から中央アジアを 通ってアフリカ大陸を縦断して来たという日本の若者や世界一周の航空券で旅を続 けているバイク好きの日本女性,文化人類学の研究でボツワナへ行く途中の京大の修士課程の学生(彼は2週間後、ナミビア~ボツワナ~ザンビア~ジンバブエをバスで乗り継いで 、マラウイ在住の当方を訪ねて来てくれた)や、Sushi-barでウエイターのアルバイトをしているという日本のバックパッカーたちとも出会い、色々情報をもらい気楽に過ごすことが出来た。
宿のすぐそばには24時間営業のコンビニがあり、重宝した。 -
[ケープタウンの通り]
ケープタウンは聞きしに勝る大都会で先進国並みに賑わっており、周辺の他のアフ リカ諸国の街とは比べものにならないほど。次々と建てられる新しい高層ビルの間には、銀行や市役所等時代物の重厚な建物があちこちに残っており、昔の威厳を誇っているようにも見受けられる。治安も一部を除いて特に問題なく、夜中でも街中を歩ける。海に面しているせいかいつも風が強くて(突風状態の時もよくある)、半袖では寒いくらい。物価は日本の7割ぐらい(?)で、日本を含めて世界各国のレストランが無数にあり、いかやたらのフライ,ケープロブスター,ムール貝,車海老等のシーフード料理や中国人経営のSushi- barでのにぎり寿司やさしみ等マラウイでは望むべくもない食事を満喫出来た。
ちなみに、ここケープタウンは往時 日本の南極捕鯨船の寄港地で、カラオケ付きの 日本人オーナーの寿司店もある。 -
[イタリア様式のケープタウン市役所]
監禁されていたネルソン・マンデラ氏が出所した際に、このバルコニーからスピーチ をした という。 -
[宿から見たケープタウンの町並み]
ちょうど、ラグビーのワールドカップで 南アが旧宗主国のイングランドを破って優勝した時に出会い、近くにある通りに面した中2階の屋根の上に登って 国旗を振り回した りして、夜遅くまで騒いでいた。 -
[ロベン島へ]
2日目に、ケープタウンの沖合い約14kmのところにある、アパルトヘイト時代 主に黒人の政治犯が収容されていた刑務所島を訪ねた。ネルソン・マンデラ元大統領もここで27年間幽閉されていた。 -
[収容所-1]
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[収容所-2]
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[収容所-3]
独房等のある牢獄跡では、反アパルトヘイトの政治犯として実際に収容されていた人の話を聞くことが出来た。 -
[ロベン島からテーブル・マウンテンを臨む]
ネルソン・マンデラ元大統領をはじめ島に監禁されていた人たちは、どのような思いでこの光景を眺めていたのだろうか? -
[ケープ半島一日ツアーに参加]
バスに乗っていると早速、半島東側のフォルス湾に面するミューゼンバーグで、紺碧 の海上に数頭の鯨が遊泳しているのが見られ、ここは長く連なるいい波が来るのでサーファーに人気があり、先のバックパッカー宿の同宿者たちもよくサーフィンに来るとのことだった。潮吹く鯨を眺めながらサーフィンが出来るという何とも雄大な光景。 -
[カーステンボッシュ植物園-1]
広大な温熱帯植物園で、日頃目にすることの無い特有の珍しい花々で一杯。 -
[カーステンボッシュ植物園-2]
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[ボルダーズ・ビーチのペンギン営巣地-1]
現地人の居住地のすぐそばに、多くの野生のアフリカン・ペンギンが生息している。 -
[ボルダーズ・ビーチのペンギン営巣地-2]
ヨチヨチ歩きの子供のペンギンも多く見られる。風が強いので、抜け落ちた羽毛がいっぱい飛んできて我々の顔に当たるのも愛嬌。ペンギンの泳ぐ姿を上から眺めながら、海上に突き出たレストランでシーフードのランチを摂る。
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喜望峰自然保護区への道中、子供を抱いたヒヒの群れや優雅なダチョウの姿が見られた。
[喜望峰にて-1]
あのポルトガル人のヴァスコ・ダ・ガマも見たという喜望峰(Cape of Good Hope)。三つ指のように分かれた先端岩肌の地表面は、風が強くて短い草が繁茂するだけの殺風景な眺めで、当日は風がやや強いものの晴れていて波は穏やかだったが、往時は常時強風で遭難する船が多くあったとのこと(発見時は「嵐の岬」と呼ばれていた)。 -
[喜望峰にて-2]
回り込んで車で崖下まで行くと、「アフリカ大陸の最南西端」と東経・南緯度を記した標識が立っている。 -
[バス・ツアーで一緒だったインド人の子供たちとテーブル湾にて]
☆ 今回のケープ半島ツアーでは、海の色のきれいだったのが強く印象に残っている。
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[テーブル・マウンテン-1]
テーブルマウンテンに登る予定をしていた日はあいにくの曇り空で、頂上は灰色の 雲を被ったテーブルクロス状態だった。街中の観光案内所を訪ね、ダメモトで「今日のテーブルマウンテンはどうだろう」と訊いてみたところ、以外にも「問題ない」という答えが返ってきた。 -
[テーブル・マウンテン-2]
早速5kmほど離れた山の麓にあるロープウエー乗り場に向かった。このロープウ エーは標高差1,000mのかなりの急勾配を高速で登って行くのであるが、なんと登るにつれて床がゆっくりと水平に回転するようになっていて、誰もが公平に外の景色が見られるようになっている。 -
[テーブル・マウンテン-3]
着いた頂上は風が強くて曇ってはいたが、流れる雲間からウォーターフロントを含むケープタウンの町並みがはるか下方に眺められ、港に面した街だなということがよく分かる。沖合いには先日訪れたロベン島も見える。 -
[テーブル・マウンテン-4]
下からは真っ平らに見えるテーブルマウンテンの表面は、短い草が生えている間に ゴツゴツした岩がむき出しになっていて、ちょうど山口県の秋吉台のような感じ。 遊歩道が整備されていて遠くまで続いているが、先端まで行ってみてもあいにく雲 がかかっていて喜望峰は見えなかった。一時間ほどゆっくりと散策して、再びロープウエーで急斜面を降りて行く。砂岩と頁岩で出来ていると言う切り立った岩肌は黒灰色で、近くでみると凹凸が多くロマンチックなイメージとはほど遠い感じ。 ラッキーな日だった。 -
途中3日間はケープタウンから100kmほど東に行った所にあるハマナス(Hermanus)という町を訪れて、うち2日間は浜辺でちょうど出産・子育てに来ている鯨を飽きもせず眺めて過ごした。
[ホエール・ウォッチングの町 ハマナスの宿泊ロッジ] -
[ホエール・ウォッチング-1]
次々と陸地近くまで寄って来る鯨はプオーという大きな音を出して潮を吹き上げ たり、独特の尻尾を見せてもぐったり、時にはバシャッと豪快にジャンプのパフォーマンスを見せてくれたりする。時間を忘れるぐらいに次から次へと現われ、悠々と遊泳する子連れの鯨も沢山見られる。お陰で手や顔がまた真っ黒に日焼けしてしまった。 -
[ホエール・ウォッチング-2]
鯨に300m以下に近づくことは禁じられているが、陸地からでも充分楽しめる。世 界各地からのウォッチャーもあちこちで 絶え間なくカメラのシャッターを押している。マーケット広場にはクジラ館があって、ビデオショー等が見られる。
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[ホエール・ウォッチング-3]
宿舎へ帰って、無粋にも鯨を食べられる所が無いか尋ねたところ、そんなもの日本人かノルウェー人しか食べないでしょ、と一蹴されてしまった。スーパー等ではベーコンは見かけたが……。そこでお薦めのバー兼用のシーフード・レストランで、車海老のフライやムール貝や野菜がいっぱいついている料理に合わせてワインも注文した。常連らしい夫婦や家族連れが訪れており、元気のよいウエイトレスが居たりして、気楽な店のようだった。海岸近くのこの店をほろ酔い機嫌で20:30頃出たが、歩いて15分ほどの宿舎間は治安上の問題のあるような感じはまったくなかった。 満足した一日だった。
☆ ハマナス湾の背面には小高い丘が広がり、見渡すと海沿いにも丘沿いにも瀟洒な別荘が建ち並んでいる。年間を通じて気候も温暖で、ケープ人の憧れの隠居地とのこと。ちなみに通りかかった不動産屋で張り紙を見てみると、一億円以上もする一軒家が目白押し !! -
[アフリカ大陸の最南端 アガラス岬へ]
中の1日は、ハマナスよりさらに150kmほど東南方にあるアガラス岬に、宿舎のオーナーの奥さん(カナダ人)が車で案内してくれた。道中の道路は完全に舗装されていて 制限速度は120km/h。北海道の富良野の景色を数倍大きくしたようなブドウ畑や、収穫前の麦畑の色とりどりにうねる雄大な景色を左右に眺めながら1時間半ほど快適に進むと、やがて潮の香りがして前方に赤い屋根と真っ白な壁を持つ灯台が見えてきた。アフリカ大陸最南端にあるアガラス岬灯台である(ちなみに喜望峰はアフリカ南西端)。
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[南アフリカの地図と国旗]
ハマナスは喜望峰とアガラス岬の間。 -
[アガラス岬灯台からの眺め]
灯台の狭い階段を登って一歩外に出ると強い風が吹きつけ、手摺りを持っても怖い ぐらい。
左にインド洋、右に大西洋と180度以上に婉曲して広がる水平線を眺めていると、 地球は丸いなあということが改めて実感できる。この水平線の先は南極大陸。
ここは底が浅すぎて、鯨は寄って来ないとのこと。 -
[アガラス岬にて]
「左 インド洋,右 大西洋」の表示あり。背後の水平線の彼方には南極大陸がある。 近くのレストランで、たらのフライや野菜のいっぱいついたシーフード料理の昼食後、再び雄大な景色を眺めながらの帰途、あちこちの草地では牛や羊の群れに混じっ て、南アの国鳥である優雅なBlue Craneの姿も見られた。 -
[旧監獄跡を改造したホテルに宿泊]
ケープタウンでもハマナスでもバックパッカー宿を利用したが、最後の2日間は はりこんで、ウォーターフロント沿いにある19世紀の旧監獄跡を改造したというホ テル(ケープタウン大学の構内にある)に宿を取った。窓に鉄格子が残っていたりしたが、静かで快適だった。 -
[ウオーター・フロントにて-1]
再開発されつつあるウォーターフロント(Victoria & Alfred Waterfront)は、ショ ッピングセンターや水族館、レストラン,ホテル等が集まったテーブル湾に面した港 地区で、夜遅くまで観光客で賑わっている。治安も良い。ウォーターフロントの象徴となっている赤い時計塔のそばには世界各国の都市に混じって「大阪まで14,330km」という矢印のついた表示板がある(姉妹地区になっているのだろうか?)。埠頭のベンチに座って、終日船の行き交うテーブル湾と、風が強くて頂上に張り出した雲が次々と流れていくテーブルマウンテンを眺めて過ごした。 -
[ウオーター・フロントにて-2]
色々な大道芸人や賑やかなミュージシャンのパフォーマンスを楽しめた。すぐそ ばで見ていた女学生たちがごく自然に身体を動かし始めたのには、アフリカ人の音楽に対する反応の良さを改めて認識させられた。
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[ダチョウの卵]
いくつかの民芸品の店頭では、直径15~20cmほどの中を取り出したダチョウの卵が山と積まれて売られている(右下にあるのは普通の鶏の卵)。 -
[シーフード・ディナー]
夕刻には、ケープタウンの夜景やライトアップされたテーブルマウンテンが見られる というサンセットクルーズを予定していたのであるが、曇り空だったためあきらめて、その分 埠頭に面したライブ演奏付きのシーフードレストランで、Crayfish(ケープ・ロブスター),車海老,ムール貝,たらのフライ,イカのフライ,野菜とライスそれにワインを夕食に選び、晩くまで満足して楽しむことが出来た。 -
[ワイン・ランドを見学]
気分を良くしての帰途、ヨハネスブルグ空港で国際線に乗り換える際のチェックイ ン時に、ツアーで訪れたワイン・ランドで買った南アワイン3本が引っかかり、持ち込めないので置いていけ と言う。うっかりしていたが、この3月から100ml以上の液体は機内へ持ち込めない、という規則になっていたのである(構内の免税店で買ったものは別)。友人へのお土産にせっかく買ったのだから何とかならないかと15分ほどねばったのが効を奏し、ようやくO.K.ということになり、その場で割れないように丁寧に梱包までしてくれて機内預けとなった。21:30過ぎに着いたマラウイの空港で無事このワインを受け取ることが出来た。ジャカランダはあらかた散ってしまっていたが、ヨハネスブルグ空港の係員には感謝,感謝 !!
☆ 南アではどこも楽しく過ごすことが出来て、充分リフレッシュして帰って来た。
ケープタウン周辺は諸々の意味で、多少治安の問題はあるものの気候は温暖で、我々の年代の者にとっても住み心地のよい魅力ある場所に感じられた。満天の星空も素晴らしい。しばらく滞在してみたい地区である。 -
[附-1; ダイヤモンド発掘跡(南ア)]
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[附-2; ダイヤモンドの胚胎鉱物キンバーライト(南ア)]
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[附-3; タンザナイト(左)とルビー(右)の原石(タンザニア)]
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[附-4; ジャカランダの並木(マラウイ)]
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[附-5; カバとアフリカ象の群れ(マラウイ)]
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[附-6; アフリカ大陸3番目の大きさを誇るマラウイ湖(マラウイ)]
世界自然遺産に登録されている東アジア大地溝帯の南端に位置する広大なマラウイ湖には、口の中で子供を育てるというカワスズメの仲間が生息している。
発見者リビングストンは「星の湖」と名づけた。
雄大なサバンナの中で、地平線360°に広がる満天の星空の眺めは感動的である。 -
[附-7; バオバブの木(マラウイ)]
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[附-8; バオバブの実(マラウイ)]
ジュース(あまり美味しくない)や油の原料となる。 -
[附-9; 人の背丈ほどもある大きな蟻塚(マラウイ)]
至る所で見られる。 -
[附-10; 川沿いの夕景(マラウイ)]
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[附-11; ビクトリアの滝を上空から眺める(ザンビア)]
発見者リビングストンによって名づけられたこの滝(幅≒1.7km,落差≒
108m)は、北米のナイヤガラの滝,南米のイグアスの滝とともに 世界三大瀑布と呼ばれる。 -
[附-12; 母が捕えた鹿を目の前にする子ライオン(タンザニア)]
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[附-13; ライオン(右側)が捕えた動物を狙うハイエナ(タンザニア)]
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[附-14; キリンの歩く姿は優雅(タンザニア)]
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[附-15; 万年雪を頂くキリマンジャロ山(タンザニア)]
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[附-16; チーターの兄弟と(ボツワナ)]
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[附-17; 甘くて口当たりのいいリキュール「アマルーラ」(ボツワナ)]
象が好んで食べる というアフリカ地域で自生するマルーラの木の果実から作られる。
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