下関の歴史スポット、その２（追加版）

2015/03/31 - 2015/03/31

今日、「下関の幕末維新の歴史スポットを歩く」と題して、旅行記（！？）を書いたばかりだが、３月３１日の朝、カメラを持って、歩き回った時に、訪れたところがある。幕末から維新に詳しい歴史ファンなら、ご存知の方も多いだろうと思い、写真を追加しておく。実は私も最近までよくは知らなかったスポットなのだ。

最初は、下関の遊里があった昔の稲荷町に「大坂屋」という最大の妓楼があった場所。現在は、その場所に東京第一ホテルが建っている。そのホテルの入り口の歴史の説明版があり、私は、長年下関に住むくせに、初めて、この日、その場所を確認した。(言い訳としては、福岡県でずっと仕事をしていたということがある。）

というわけで、このところ、住んでいる町の探査をやりだした。私としてみれば、ウィーンやロンドンの知らない場所を歩くときと同じ発見があるわけだ。関連する歴史書も当然、読みながらである。

エリア 下関(山口)

• 旅行の満足度: 3.5

東京第一ホテルの歴史説明版

東京第一ホテル下関 宿・ホテル

東京第一ホテルの壁にある説明版は素晴らしい！大坂屋があったころの町の精密な地図がある。ここには龍馬も高杉晋作も伊藤博文も通ったのだ。

とくに面白いのは下関戦争で長州の代表、高杉晋作、伊藤博文、井上馨らと交渉した相手の英国の代表のなかにアーネスト・サトウがいた。実は、歴史ファンならご存知だろうが、アーネスト・サトウの「一外交官の見た明治維新」に伊藤博文がアーネスト・サトウを誘って飲みに行く。４カ国連合艦隊との敗戦後の会議や交渉が一通り片付いた後に、伊藤がサトウを誘うのだ。大坂屋では、この地方で初の洋食が振舞われたという記述がサトウの本に詳しく書いてある。ただし、サトウの本には大坂屋という名前は出てこないが、古川薫の本には名前がでてくる。

伊藤と井上は有名な長州ファイブのメンバーとして、ロンドン大学に留学していたが、下関戦争の起こりそうなことをロンドンの新聞でしり、急遽帰国し、横浜の英国領事館でサトウらと知り合う。サトウも同じロンドン大学出身であり、すぐに事情は分かり合えたに違いない。実際、英国の軍艦で、横浜から長州の近くまでふたりを送ってくれる。サトウと伊藤、井上の付き合いはそれから、ずっと日清戦争の後も続く。日英同盟をまとめ、英国から大量の最新の軍艦を購入できることになり、ちゃくちゃくと日露戦争開始の準備を整えていった歴史に彼等の交友がかなり大きく貢献したことは間違いないと私は考えている。

もうひとつ面白い話は伊藤博文が朝鮮総督として下関から釜山までフェリーに乗る前に、下関で時間のあった博文は、ひとりでこの大坂屋に行ったが、一見さんお断りと入れてもらえなかったそうだ。

地図全体。その横に次の説明がある。

細かい！

東京第一ホテルの全景

現在は西の端というところにこのような掲示がある。

次ぎの歴史スポットはこの東京第一ホテルから少し東にあるいたところにある。引接寺（いんじょうじ）という寺。説明版に内容はゆずる。

要するに、日清戦争の後の講和会議はこの近くの春帆楼で開かれたのだが、そのときの清の代表、李鴻章が長期滞在したのがこの寺だ。これも、今回私は初めてここを訪問した。

春帆楼の講和会議の場所、日清講和記念館は既に紹介している。
http://4travel.jp/travelogue/10820526

引接寺(山口県下関市) 寺・神社・教会

引接寺（いんじょうじ）

引接寺(山口県下関市) 寺・神社・教会

山門は第２次大戦での焼失を免れたそうだ。

追記：この竜は左甚五郎作との説があるそうだ。他の方のクチコミで知った。

山門は本当に立派。

昔の引接寺（いんじょうじ）の本堂ははるかに立派だったようだ。昔の本堂の写真を日清講和記念館で見つけたので、次に追加する。

引接寺(山口県下関市) 寺・神社・教会

日清講和館にあった消失前の引接寺の写真。

次に教法寺。「教法寺事件」で知られるところ。高杉晋作の身分を問わず編成されていた奇兵隊と長州の正式な藩兵の組が衝突したところ。wikipediaにも解説がある。

教法寺 寺・神社・教会

教法寺

教法寺 寺・神社・教会