2014/08/19 - 2014/08/25
12位(同エリア37件中)
Minty Pinkさん
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4日めは終日フィラデルフィアへ。
目的は美術館2つ。
ここでは2つめ、フィラデルフィア美術館をご紹介。
直前に、個人蔵のフェルメールが公開されていることを知り、楽しみ倍増!
- 旅行の満足度
- 5.0
- 同行者
- 一人旅
- 航空会社
- JAL
- 旅行の手配内容
- 個別手配
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バーンズ・コレクションから、バスで移動してきました。38のバスだと思うけど、32だったかも。
ともかく、午後1時ちょっとすぎに到着。 -
お約束のロッキー像。美術館の建物に向かって右側の階段下にありますよ。たくさんの人が集まってました。人気者だね〜。
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で、これがロッキーステップス。まあ、美術館に上がるただの階段なんですけども。ロッキーファンには「聖地」なのかな〜。
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市内の方面をふり返ると、こんな風景。
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足下にはこちら。ロッキーさんの足跡。
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ファンの方かな。
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いざ、中へ。
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3,4組ほどが並んでいますが、すぐチケットは買えました。
JAFの会員=AAAの会員。20ドルのところ1ドル引き。右上のバッジをつけて入ります。チケットは2日間有効で、ロダン美術館とも共通。半日じゃとても見て回れないということですねぇ。日帰りなのが残念。 -
2階と3階に展示室があります。それぞれ約100の展示室とか。
階段を上りましょう。
今回の訪問にあたっては、
吉岡正人『印象派から20世紀 名画に隠れた謎を解く! フィラデルフィア美術館の至宝から』中央公論新社、2007年
を大変参考にさせていただきました。 -
ローマ神話のダイアナ像。メトロポリタンにもありますね。
まずは、さらに上階の264室へ! -
なんだかもう、我知らず心臓ばくばく。
あった! 隣の壁の絵と比べたらなんて小さい。
あのほんのりと灯りに照らされたのが… -
ヨハネス・フェルメール《ヴァージナルの前に座る若い女》1670−72年
9月21日まで展示。「ニューヨークのライデンコレクションからの貸し出し」とあります。
運がよくなきゃ「見られなくて当たり前」の作品。 -
この作品は19世紀初めから知られていたが、近年、修復が施されて、何人かの研究者によりフェルメールの真作と見なされるようになった。2004年、サザビーズでフェルメール作品として売り出され、2700万ドルで落札された。この作品についてベン・ブロースは《ヴァージナルの前に立つ女》と《ヴァージナルの前に座る女》の趣味の悪い寄せ集めとしている。同感である。(小林頼子『もっと知りたいフェルメール 生涯と作品』東京美術、2007)
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小林頼子氏は、これをフェルメールの作品と見なすのに躊躇しているふう。
また、『フェルメール全点踏破の旅』で、朽木ゆり子氏は
「そして、ショールが問題だ。…上半身をすっぽり覆い隠しているこのショールのせいで、女性の特徴は隠れているし、姿勢も悪く見える。…眉毛がはっきりと描かれていて、これも他の絵と違っている。はっきり言えば魅力的な絵ではない。』と身も蓋もない。
朽木ゆり子『フェルメール全点踏破の旅』集英社新書、2006) -
特に左手の描き方が、なんだか変な感じがする。
でも、「手の描き方が変」なのは《2人の紳士と女》の女の左手もそうだしね。 -
彼女は何も語らない…。
朽木氏の『全点踏破の旅』でも、ちゃんとこの絵は出てきます。彼女は、この絵がフェルメール作品と認定されてからすぐの2004年9月から2005年4月まで、フィラデルフィア美術館に展示された時に見に行っています。
小林頼子氏によると、落札したのはラスヴェガス在住の個人コレクターとのことです。
「…その個人コレクターが誰なのかは、公表されていない。そしてこの絵が、なぜフィラデルフィア美術館に貸し出されたかも一切明らかにされていない。コレクターはフィラデルフィアに縁がある人物なのだとか、転売する前に美術館で展示して箔をつけるためだとか、理由はいろいろ推測されたが、真相は不明。(朽木ゆり子『フェルメール全点踏破の旅』) -
今回の展示ラベルには、「《ヴァージナルの前に座る若い女》は最後の作品の一つと考えられている。…この作品を展示できるこんなにレアな機会を与えてくれたLeiden Collectionにはとてもとても感謝感激。フェルメールの作品がフィラデルフィアに展示されるのは約10年ぶりですよ。」というようなことが書かれている。
Leiden Collection というのはいったい…? ライデンさんという個人コレクター?
今、気づいたのだが、私が持っている『全点踏破の旅』は第13刷で、2008年10月29日発行。その最終ページに付記があった。
「『芸術新潮』2008年9月号に執筆した「32億円絵画のいま」の取材で、専門家の間では『ヴァージナルの前に座る若い女』は真作だという見方が主流だと言うことを知ったので、ここに記しておきたい。これは『聖プラクセデス』と『フルートを持つ女』を除き、35枚がフェルメール作とされていることを意味する。もちろん、真作だから名作とは限らないことも、付け加えておきたい。」
と、あくまでも低い評価。わからなくもないけど。でも、あなたに会えて良かったと私は思っていますよ。縁がなければ会えなかったものね。 -
第264室の他の作品をご紹介。
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Nicolaes Maes, Dutch (active Amsterdam and Dordrecht), 1634 - 1693
Woman Plucking a Duck, Netherlands, c. 1655-1656 -
鳥の羽をむしる。これが当時のオランダの日常の風景だったんでしょう。
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ねこちゃんが鳥をねらってますよ。
公式サイトの解説では、この猫ちゃんは性的欲望を表しているんだとか。(ライフル銃とかグラスワインとかも、)うーん、うっかりしてせっかくの鳥を猫に持って行かれないようにね〜、なんていうのんきな絵ではないのかー。 -
怖い絵、ですな。
Judith Leyster, Dutch (active Haarlem and Amsterdam), 1609 - 1660
The Last Drop (The Gay Cavalier), Netherlands, c. 1639 -
この階は、チェックしておいた作品をピンポイントで見ていきます。
第283室にやってきました。
Louise-Elisabeth Vige-Lebrun, French, 1755 - 1842
Portrait of Madame Du Barry, France, 1781 -
マリー・アントワネットの肖像画で有名なヴィジェ・ルブランの手による《デュ・バリー夫人の肖像》。
「ベルサイユのばら」初期の敵役で有名なお方。 -
繊細なレースにロココの香り。
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次の目的地は第299室なのですが、向かっている途中で、目を惹かれる作品も。
ここは第290室。 -
Hubert Robert, French, 1733 - 1808
Ruins of a Roman Bath with Washerwomen, France, After 1766
「は!」と目にとまったこちらはユベール・ロベール。
《廃墟となったルーブルのグランド・ギャラリーの想像図》1796年
が有名かしら?作風が似てたんで、もしかしてと思ったらやっぱりそう。
「廃墟の画家」と呼ばれて人気。 -
細かいところをどうぞ。
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洗濯場で舟に乗って何をしているのでしょう。
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廃墟。
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Canaletto (Giovanni Antonio Canal), Italian, 1697 - 1768
The Bucintoro at the Molo on Ascension Day, Italy, c. 1745 -
きらきらととてもきれい。長男が好きそうな細かい絵。
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第299室に到着。おや、正面のあれは?
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Jacques-Louis David, French, 1748 - 1825
Portrait of Pope Pius VII and Cardinal Caprara, France, c. 1805
こんなのがあるんだ〜。これは、《ナポレオンの戴冠》の部分ですよね。
勝手にジョゼフィーヌに戴冠しちゃったナポレオンの後ろでしぶしぶ祝福のポーズをするローマ教皇ピウス7世。 -
第299室。目的の一つはこれ。
ジャン=バティスト=カミーユ・コロー《アンリ氏の家と工場》1833年
先述の吉岡氏の本で存在を知ったのですが、「え?これがコロー?銀灰色じゃないじゃん」という意外な作風。(…と、私は思いました。一瞬、「マグリット…?」とまで。) -
アンリ氏って、コローのお父さんのお友達だそうです。
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奧にある建物。これが「アンリ氏の家」かな。
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前景の建物の入り口に佇む人。全体的にちょっと寂しげな、…いや、でも明るい色調の不思議な絵。なんだか好きな感じでした。
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同じ部屋にこちらもあるんです。
ウジェーヌ・ドラクロワ《サルダナパールの死》1844年 -
よく知られているのはルーブル版のでっかい絵でしょうか。
(2013年にルーブルに行ったのに見てない。どこにあったんだ?)
じゃ、これは例によって習作ですか? と思うとこっちの方がずっと後で描かれている。 -
「1846年に大きい方を売っているので、その前に自分用に描いた」との解説。
この大きさならおうちに飾れるコンパクト版ね…って、こんなすごいのおうちに飾ってたら悪夢を見そうだけど。
私がもってるリムスキー・コルサコフの『シェエラザード』のCDジャケットがこれだった気がする。まあ、「イメージ画像」というやつなんでしょう。そういや2009年あたりにグラミー賞とったコールドプレイの『Viva La Vida』のジャケットは《民衆を導く自由の女神》だね…。 -
これは…シスレー? じゃ、ありません。
ジャン=バティスト=カミーユ・コロー《ジュネーブ湖》1839年 -
銀灰色時代(…というのかわかりませんが)に入る前はこんな画風だったのですねえ。
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第299室の様子。
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別角度から。一番奥が《サルダナパールの死》。
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2時を過ぎました。入館から1時間。お昼ご飯食べてません。そろそろ何か食べましょうか。ということで、ここはバルコニー・カフェ。
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マフィンとカプチーノで7ドル。
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2時半、鑑賞再開。
いよいよ、本丸(?!)。1st Floor(日本式2階)のヨーロッパ美術&近現代美術のコーナーへ。
ここは、第153室。3点ともマネ。 -
左端はこちら。
エドゥアール・マネ《カルメンに扮したエミリー・アンブルの肖像》1880年 -
「マネは古典的な画家と違い絵の具を混ぜ込みながら形態を描き出していった。マネ以前でこのような作画方法をとったのはフランス・ハルスとベラスケスくらいのものだ。このような方法ではよほど筆が立つ画家でないと絵の具は濁って汚い画面になってしまう。
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マネがこのような作品を描けるのは一度で決定的な絵の具を塗ることができる腕があるからだ。」(吉岡正人「印象派から20世紀 名画に隠れた謎を解く! フィラデルフィア美術館の至宝から」中央公論新書、2007)
むむむ、タッチが素早すぎて、手だかなんだか…。 -
ひとつおいて右側はこちら。
エドゥアール・マネ《キアサージ号とアラバマ号の海戦》1864年 -
いまにも波にのまれそう。
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この波の描写!
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第153室、本当に見どころ満載です(私にとっては)。
こちらもCurrently Not on View のはずだった作品。見つけたときは、「え?見せてくれるの?いいの?」って感じ。
ジャン=バティスト=カミーユ・コロー《テルニの山羊飼い》1871年頃
いよいよ銀灰色の時代。 -
帽子の赤が効いている。
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かわいらしい山羊。
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ウジェーヌ・ブーダン《トゥルーヴィルの眺め》1873年
下調べではCurrently Not on View だったので、思いがけずラッキー。
ブーダンはモネの最初のお師匠さん。 -
巨匠クールベから「空を知っているのは君だけだ」と絶賛された海の風景が得意の画家。…ほぼ独学で絵を学び、地元で地味に描いていたが、モネの才能を見抜き、最初の師匠となった。(杉全美帆子「イラストで読む印象派の画家たち」2013)
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モネを戸外での制作に誘い出したのもブーダン。このタッチはほとんど印象派。ブーダンは第一回印象派展にも出品している。
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くだもの2点。まずはマネ。
エドゥアール・マネ《くだもののかご》1864年
こういう果物とか花とかの静物画が好き。 -
りんご、柿…。上に見えるのは…いちじく??
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くだものシリーズもう1点。
ギュスターヴ・クールベ《りんごと洋なしのある静物》1871年 -
「私は天使を見たことがない。だから天使は描けないのだ。」
クールベは19世紀の写実の中心的役割を果たした。
つやつやでおいしそうなリンゴ。こんなクールベもあるんですね。 -
この第153室はいろいろなタイプの見どころが満載でございまして。
左はモネ、右はドガ。
(この部屋はどういうコンセプトなんだろう? 印象派とその周辺?) -
モネに寄ってみます。
クロード・モネ《ロンドンのグリーンパーク》1870または1871年
1870年、普仏戦争の徴兵を逃れるためにロンドンへ。1871年5月末にロンドンからアムステルダムへ。ロンドン滞在の間に描かれた作品としてはテムズ河畔の国会議事堂が有名ですが、こちらのようなものも。 -
画商のデュラン・リュエルとはロンドンで知り合いに。
寄ってみると「これは人か?」という筆さばき。 -
《印象・日の出》までもう少しって感じ…。
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遠くにぼんやりとロンドンの街並み。
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こちらの壁には、ドガ、ヨンキント、コロー。
コローは前出のとは別の絵。
Night Landscape with a Lioness,1857-1873 -
エドガー・ドガ《室内》1868年または1869年
踊り子が有名なドガですが、こんな絵も。怪しげな雰囲気の2人。 -
トランクに入っている物は何?
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意外にかわいらしい壁紙なの。
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ヨハン・バルトルド・ヨンキント《オンフルールの港、夕方》1863年
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ヨンキントって私今回の旅で初めて知りました。
「1862年にブーダンが親しいヨンキントをモネに紹介したんだね。その頃ヨンキントは写生の水彩画を得意とし、その光と水の揺らめく画風にすっかりモネは魅惑された。後にモネはヨンキントを『私の真の師匠』と呼んでいます。」(井出洋一郎『印象派の名画はなぜこんなにおもしろいのか』中経の文庫、2012) -
印象派風の雲。
前述の『印象派の名画は…』にはカラー写真がたくさん載っているのですが、この絵に関しては全然色合いが違う印刷(黄色い!)になっていて、最初はこの絵だとは思いませんでした。内容は軽く読めるしおもしろいです。 -
こちらは第154室。
クールベ、コロー。
右の大きいのはクールベ。 Gustave Courbet, Coast Scene, 1854
左の上段もクールベ。
ギュスターヴ・クールベ《海辺に横たわる裸婦》1868年
クールベはペインティングナイフの名手で、海の波部分や空の明るい雲部分に効果的に使われているとのこと。見えないけど…。 -
で、左の下段がこちら。
ジャン=バティスト=カミーユ・コロー《海辺の母と子》1860年頃 -
ジャン=バティスト=カミーユ・コロー《泉のそばのジプシー娘》1865ー70年
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吉岡氏曰く、「スカートの下の部分や背景の素描のようなタッチは形を探っているような印象がある。」
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そして、「この少し粗い塗りっぱなしの絵の具のあり方はそれまでの西洋絵画を印象派の直前まで進めることになった」と。
この絵を紹介するタイトルとして「静かだが揺るぎの無い品格」という言葉を使っています。 -
第155室です。
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ノーマークでしたが、これに釘付け〜!
Anton Mauve, The Return of the Flock, Laren, c. 1886-1887 -
羊のもけもけ! く〜。
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第155室にあったこちらもなかなか素敵だと思いました。例によって思いこみで「シスレーか?」と。いやいや。
Giovanni Boldini, Italian, 1842 - 1931
Highway of Combes-la-Ville, France, 1873 -
空が高いですね〜。きれい。
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右端の家の門をアップで。
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こんなふうに並んでいました。
左は
Eduard Charlemont, The Moorish Chief, 1878 -
白い衣装と褐色の肌の強烈な対比が印象的。
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この壁が155室だったかどうか、今となってはわからないのですが、目にとまったのは右端の作品。
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John Atkinson Grimshaw, Liverpool from Wapping, c,1885
イギリス人の画家さんで、On loan from a private collection となっていました。 -
灯りのきらめく美しい夜の街。
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馬車。街灯。
さて、ここでいったん区切って、次は印象派とその周辺がこれでもかと出てくる第152室へ。
絵ばっかりぞろぞろ出てくる旅行記にこんなところまでおつきあいくださった方、本当にありがとうございます。
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