2014/08/19 - 2014/08/25
6位(同エリア37件中)
Minty Pinkさん
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4日めは終日フィラデルフィアへ。
目的は美術館2つ。
ここでは1つめ、市内に移ってきて海外からの旅行者にとってもアクセスがよくなったバーンズ・コレクション。
こちらは写真撮影禁止なので、ポストカードや手持ちの資料を撮影したものを参考までに載せています。
フィラデルフィアまでの道のりや町の様子もご覧ください。
- 旅行の満足度
- 5.0
- 同行者
- 一人旅
- 航空会社
- JAL
- 旅行の手配内容
- 個別手配
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6時前には起床。いつものように天気予報をチェック。今日は曇りですね。
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窓から外を見ると、こんな感じ。はい、曇ってます。
でも、メインが美術館2つなので問題なしとしましょう。 -
ホテルの朝ご飯を食べていると間に合わないので、本日の朝食はこれ。
夕べの残りのチキンオーバーライスをチン。ポテトサラダと、部屋に備え付けの紅茶。…お見せするもんでもありませんけども…。 -
朝食後、ペンステーションへ歩いて向かいます。あら、青空。
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8Ave×34th St. のあたり。ペンステはすぐそこ。
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ペンステーションです。6時55分。
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1日目に空港からここに到着したのです。
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あの案内板を見て、どのプラットホームから出発するかを確認。
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下の方に7:17発のワシントン行きが ON TIME となっています。これに乗ります。
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7時になりましたが、まだトラックナンバーは発表されません。まあ、こんなもんでしょう。
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これに乗ります。
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車内の様子。実は隣にかなり体格のいいおじさんが座ったんだけど、圧迫感を感じることもなく、余裕のアムトラックの座席でありました。
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HOT SPOTとな。
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Free Wi-Fi につなげちゃう。
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現在地も確認可能。
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7時40分。特にすばらしい景色が広がるということもなく、淡々と進みます。
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8時15分。約1時間でニュージャージー州、トレントンに到着。
メトロポリタンにある「デラウェア川を渡るワシントン」というでっかい絵は、「トレントンの戦い」の様子を描いたものだそうでございます。 -
列車は自由席。検札がすむと、席の上にこういうのが挟まれる。
コンダクターさんが回ってきて、「フィラデルフィアで降りるんだね?あと、20分だよ」と教えてくれました。親切でありがたいですね。フィラデルフィアで降りる人にはみんなに言って回ってるのかな?それとも私が不案内そうな外国人風だからかな? -
どうということない風景が相変わらず続き…。
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「おお!」と思ったのはここくらいかなあ。これがデラウェア川?
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そろそろ到着。8時43分、定刻通り。少し手前のノース・フィラデルフィアのあたりは、建物にじゃんじゃん落書きがしてあったりして、あまり治安がよさそうには見えませんでしたが、ここら辺まで来ると普通の都会の風景。
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フィラデルフィアの駅です。正しくは 30th Street Station
ハリソン・フォード主演の「刑事ジョン・ブック」で最初に殺人事件が起こる駅。見た気がする。なかなか趣がある、たしかに映画のロケ地になりそうな雰囲気。 -
駅の外に出てみる。予報通りの曇り。
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駅自体が町の中心から少し離れており、第1目的地のバーンズ・ファウンデーションがあるのはパークウェイ・ミュージアム地区とやらで、これまた町の中心というわけではない。
いろいろ調べた結果、まずはSEPTA運営の地下鉄で、センターシティまで出ることに。アムトラックの駅を出て、マーケットストリートを横切ると、地下鉄の30th Station。 -
さすが歴史のあるフィラデルフィア?、地下鉄じゃいまだにトークンが使われているらしい。でも、2個以上とかおつりはダメとか、めんどくさそう。One-day Convenience Passというのが8ドルでバス・地下鉄共有で8回乗れるというので窓口で買う。
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で、これが ONE DAY PASS なんですけどね。下に1から8まで数字があって、改札を通るときやバスに乗る時にここをパチンとやるわけなんだけど、なんかテキトウ感がありました。最初に乗るときは「どうすんだろ?」と思っているうちに穴なしで済んじゃった。2回目の時にパチンされたので、「ああ、そうだよね」と思ったんだけど、結局6回乗って、あいた穴は3個。テキトウ。
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車内の様子。特に危なそうな様子はなし。
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もうすぐ9時になります。バーンズの開館は10時。アムトラックが定刻通りに到着してくれたので、その場合のプランを実行。地下鉄は15thで降りずに5thまで行って、ちょっとだけ歴史地区を見て来よう。
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地上へ出ました。真ん中の遠くに見えるのが、独立記念館の時計塔。ちょうど9時の鐘を打っていました。リバティ・ベルのレプリカということ?
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あくまでもプランBなので、あんまりじっくりは調べてこなかったため、「こっちかな?」という程度で歩く。でも、正解。この向こうがインディペンデンス国立歴史公園です。
ひと気が少ない感じに映ってますが、そうでもないです。アメリカ合衆国誕生の地ということで、たくさんの観光客らしい人たちが歩いていました。親子連れがおおかったかな。校外学習っぽいバスなんかも見かけました。 -
広い芝生の周りに主要な建物が並んでいます。これはさっき鐘の音を響かせていた塔のある独立記念館。1776年7月4日にジェファソン起草の独立宣言が採択され、1787年に憲法制定会議が行われた場所。
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中のツアーもあるようです。独立宣言が採択された部屋の見学もできるらしい。時間があれば入ってみたいものですが、今回は外から「ナショナル・トレジャーに出てきた塔だよね〜」程度。
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こちらの建物は何でしょう。入場待ちの列ができていますよ。
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リバティベル・センターでした。あら、チケットはいらないんですね。
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みなさん、うきうきと並んでいらっしゃいます。アメリカ国内の旅行者が多いのではないかと推察。私もちょっと並んでみましたが、本日の主目的ではないので、考え直して離脱。
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と、言うのも、中に入らずともリバティベルを見ることはできるから。
ここから見られそうだね。
独立記念館の塔に設置された鐘は独立宣言の時に高らかに打ち鳴らされ、以来アメリカ国民にとって自由の象徴として祀られてきた。その後、大きな亀裂が入り、1846年を最後にその音色を聞くことはできなくなった(地球の歩き方) -
外からだとその「亀裂」は見えないんですよね。そして、大人気の鐘ゆえに、ここから撮影すると必ず誰かの足と一緒に写っちゃう。ちゃんと撮影したい人は中に入りましょう。
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ストリートの表示はこのデザイン。
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歴史地区、いろいろ見どころがございます。
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9時20分。15th Street 駅に向かうために地下鉄駅へ。どなたかのクチコミに「上り下り入り口を間違えると中で行き来ができない」とあったので、気をつけて。
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ブルーラインで行き来しました。
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5th Street で降りて、センターシティに到着。中心は市庁舎。地下鉄駅から地上に出たらすぐ見えました。
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とりあえず、バーンズ・ファウンデーションに向かうバスに乗れる場所までは来ました。しかし、油断はできません。私の場合、こういう大きい町で実際に現地に立ってみると「え、どっちに行けばいいの?」となるのはこれまでの経験からわかっています。「ここらへんに行けば33番のバスがくるはずよ〜」などという甘い計画では動けないのです!
もっと賢いやり方はあるのかもしれないけど、べたにGoogle Mapだより。バス停の位置が出てくるまで拡大して、どっち向きがどこの角から出ているのか確認してあります。 -
で、その調べたバス停で待っていると、来ました!33番のバスです。
乗り込む時に「バーンズ・ファウンデーションに行きますか?」と聞くと、「バーンズ?何それ、行かないわねえ」というまさかの反応。でも、そんなはずはない。
「20th と Wood St.なんだけど?」と聞き直すと、「ああ、それなら行くわ!着いたら声をかけるわね!」とのこと。良かった。 -
ほっとして乗り込みます。10分たらずで着くはず。バーンズがダウンタウンに移るときはすごい反対運動があったと聞くのですが、フィラデルフィア市民なら誰でも知っているような美術館でもないのかな?
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9時50分。ばっちり目の前に停車しました。10時開館なので、タイミングとしては上々。
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はるばる行くなら予約必須との情報を得て、ネットで10時入場を予約したのが5月の半ば。10時入場のTimed ticket。22ドル。
実際には、こんな感じで全然混んでいるという感じではない。お昼頃にはだいぶ人が入っていたが、開館直後は実にゆったりしていました。 -
2012年にオープンしたばかりの建物。この中に、メリオンにあったバーンズ邸の24の部屋をできるだけそのまま内部に再現。
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ここから入ります。
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地下のラウンジ。混み合う様子もなくゆったり。左奧にカフェもあります。
この手前にクロークがあるので、荷物を預けて身軽になって鑑賞開始。コインロッカーもあるので、私はそちらを利用しました。 -
おっと、その前にお手洗い。きれいです。誰もいないのをみはからって一枚。
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展示室の手前には、ジョルジョ・デ・キリコ《アルバート・バーンズの肖像》1926年。(バーンズ・コレクション展図録より)
実物はカラーです。
バーンズの展示方法は独特。壁の中心にメインの絵。そして彼の考えによる関連性のある絵を左右対称に壁一面に飾っている。画家はごちゃまぜ。
絵の他に工芸品や調度品をこれまた絵との関連性(彼なりの)を考えて配置している。この飾り方を「アンサンブル」と呼ぶのだそうです。
私は出発前にブログ「クラバートの樹」さんからいろいろなことを学んで出かけました。 -
では、メインルームから。写真撮影可能ならどんなふうに「アンサンブル」になっているか見て頂けるのですが…。
ジョルジュ・スーラ《ポーズする女たち》1886−88年
画中画に《グランド・ジャット島の日曜日》という豪華版。こちらが目的でいらっしゃる方も多いのではないでしょうか。
この絵の下に… -
ポール・セザンヌ《カード遊びをする人たち》1890−92年
メトロポリタン、オルセーなど、いくつかバージョンがありますが、バーンズのは最多の5人登場版。
上のスーラとこのセザンヌはWest Wall に展示されていますが、スーラは「山型」の構図、セザンヌは「谷型」の構図。組み合わせるとダイヤ型。
こういうのが、アルバート・バーンズのこだわりか。 -
そして、セザンヌの右側にはこちら。
ポール・セザンヌ《レダと白鳥》1880−82年
画像はないのですが、セザンヌの左側にはりんごの絵があって、構図が対称的になっています。 -
反対側のEast Wallにはこちら。
ポール・セザンヌ《大水浴》1900−05年
図録の写真なので、中央がかなりゆがんでいますが…。
セザンヌが最晩年に3点《大水浴》を描いています。このあとフィラデルフィア美術館でもっと大きい《大水浴》を見ます。 -
《大水浴》の下にはこちら。
ピエール・オーギュスト・ルノワール《画家の家族》1896年
ルノワールのご家族です。バーンズ・コレクションはルノワールだらけ。181点あるそうですよ。
派手な帽子のお母さんがアリーヌさん。セーラー服が長男ピエール、白い服が二男のジャン(後の映画監督)。赤い服の女の子は近所の娘さんで家族ではありませんが。 -
同じ部屋の北側の壁にはこちら。
ポール・セザンヌ《赤いチョッキの少年》1888−90年
美術の資料集によく載ってる「腕の長いの」の別バージョン。 -
Room 2 へ。
どこのお部屋もバーンズさんの方針に合わせてぎっしりと絵が並んでいますが、私としては、「おお!」と惹かれたのがこちら。
フィンセント・ファン・ゴッホ《郵便配達夫ルーラン》1889年
ルーランさんの肖像画は6点。切れちゃってますが、左上にVincentと署名があるのです。 -
こちら、前日に見たMoMAのルーランさん。バーンズの方が素敵に描けているかしら?
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エドゥアール・マネ《洗濯》1875年
都会の様子を描くことが多かったマネにしてはめずらしい主題。 -
Room 7 です。
West Wall の真ん中は、ルノワールの初期作品のこちら。
ピエール・オーギュスト・ルノワール《女の半身像・入浴前》1875年
音声ガイドがなかなかおもしろい。オークションに初めて展示された時は人々の反応は激しく、つかみ合いのけんかが起こって警官が来る騒ぎだったとか。一見ギリシャ彫刻のように見えるけど、あまりにもリアルだったので。(脇の下に毛も!)
ちなみに、この絵の下にはジャン・ルノワールが制作した花瓶、上には1歳の頃のジャンの肖像画。 -
Room 8 の西の壁はセザンヌのりんごがメインなのですが、私が「これ!」と思ったのはその左側にかかっていたこちら。
Vincent Van Gogh, Houses and Figures, 1890
空がピンクなのが、私にはとても印象的でした。で、ポストカードも買いました。
ところがオフィシャルサイトを見ると、ゴッホの所蔵作品が6点になっていて、この作品がありません。バーンズコレクションの作品をどこかに貸し出すとか売っちゃうことはないですよね…?? -
こちらもゴッホ。同じ部屋で見たのかどうかさだかでないのですが。こちらは公式サイトで No Image になっています。
Vincent Van Gogh, The Factory, 1887 -
Room 9
ピエール・オーギュスト・ルノワール《イポールの浜辺の少年》1883年
1883年の夏、ノルマンディ地方の小さな漁港に滞在したときに、そこの町長に依頼されて描いた町長の息子。
ルノワールが描く子どもってとてもかわいいのだけど、子どもの肖像を描くのにはなかなか難儀したらしく、音声ガイドによると、パトロンへの手紙の中で「私を怒らせる2人のちびどもで忙しい」と書いたそうです。 -
同じく Room 9
クロード・モネ《アトリエ舟》1876年
ルノワール181点に対して、モネは4点。バーンズ・コレクションにあってはモネは影が薄い。
私、1994年に西洋美術館で行われた「バーンズ・コレクション展」に行ってるのです。現・夫の「本来、門外不出なんだ。ぜひ、行くべき!」との熱心なお誘いで行ったのですが、当時の私は「ふーん、そうなの。」程度の関心しかなく。でも、その時買ったたった1枚のポストカードがこれだったんですよ。「あ、この絵はいいな」と思ったんでしょうねえ。 -
Room 11
アンリ・ルソー《異国の森を散歩する女》1905年
西洋美術館の「バーンズ・コレクション展」の図録で表紙になった作品。
オレンジの実の色と、群青の花びらのコントラストが好き。 -
Room 13
ピエール・オーギュスト・ルノワール《母と子》1881年
イタリア旅行中の作品。ルノワールはこの旅行で、ルネサンスの巨匠たちの重要性を確信し、作風を変化させる。この絵はラファエロの聖母子像の影響が見られる。
輪郭線の試みはまだ見られないけどね。 -
Room 14
図録からなので、ゆがんじゃってますが、ご参考までに。
アンリ・ルソー《虎に襲われる偵察員》1904年 -
Room 14
ピエール・オーギュスト・ルノワール《ベルヌバルのムール貝とり》1880年
典型的印象派の絵画だが、サイズが実に大きい。印象派に批判的なサロン・ド・パリの壁で目立つようにとのことだったが、結局飾られることはなかった。
バーンズが手に入れた1942年には、巨匠の初期のすばらしい作品として認められていた。 -
Room 18
パブロ・ピカソ《苦行者》1903年
青の時代の中でも1903年は、ピカソの画面が最も強く青に支配された年。
(バーンズ・コレクション図録) -
同じ Room 18 には、こんな幸せいっぱいな絵もあります。
ピエール・オーギュスト・ルノワール《散歩》1906年
例によって、子どもは女の子の服を着ている男の子。 -
Room 19
パブロ・ピカソ《曲芸師と幼いアルルカン》1905年
音声ガイドによると、青の時代から脱却する過程の作品だと。
右側の子どもの老成した表情…。 -
Room 22
パブロ・ピカソ《女性の頭部》1907年
アフリカ彫刻の影響が見られる。対称の位置に《男性の頭部》あり。 -
Room 23
アンリ・ルソー《不愉快な出会い》1901年
右の女性は《蛇遣いの女》でも登場するモチーフ(バーンズ・コレクション図録)とのこと。うーん、確かにポーズは似ているけど。 -
12時半をまわっております。そろそろ移動しないと、フィラデルフィア美術館が消化不良に終わってしまう!
地下のショップでポストカードを買って。 -
急げ急げ。
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バーンズ財団の外観。
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Benjamin Franklin Parkwayと21st Street の角で待てば、32か38のバスが来るはず。
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おまけで、こちらはポストカード。夕闇迫るバーンズ財団外観。
思った以上にユニークで楽しめる美術館でありました。
さて、午後はフィラデルフィア美術館。全米屈指の大美術館。遅くとも午後6時には駅に向かわなければならない。どこまで見られるか?
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