2014/10/11 - 2014/10/11
1480位(同エリア6949件中)
naoさん
八坂神社の門前町としての起源を持ち、江戸時代には歌舞伎や人形浄瑠璃などの庶民文化を育むとともに、茶屋町として発展した歴史を有する祇園は、東大路と鴨川の間の、四条通りを挟んだ南北一帯に広がっています。
かつて6ケ所の茶屋町が存在した京都にあって、良好な状態を保持した、質の高い茶屋の建物がまとまって残っている所は少なくなる一方で、一抹の物足りなさを覚える中、祇園の一角を占める新橋界隈には、江戸末期から明治初期にかけて建てられた、華やかさの中にも品の良さがキラリと光る茶屋の建物が今もなお軒を連ね、洗練されたたたずまいを見せています。
寛文10年(1670年)の鴨川の堤防築造により、それまで川原に建っていた芝居小屋を四条河原町へ移転するのと時を同じくして、鴨川東岸の大和大路沿いに、祇園社、すなわち八坂神社の参拝客や芝居見物客相手の茶屋町が作られ、「祇園外六町」と呼ばれました。
その後、享保17年(1732年)には、新たに元吉町、橋本町、林下町、末吉町、清本町、富永町に幕府から正式な茶屋営業の許可が下り、「祇園内六町」が開発されました。
現在の祇園新橋は、この元吉町にあたります。
先の大戦後、祇園一帯は歓楽街として乱開発が進み、数多くの茶屋が近代的なビルに取って代わられてしまいましたが、祇園新橋界隈のお茶屋さんは頑ななまでにかつての町並みを守り続け、格子の美しい町家に簾が揺れ、石畳の舗道に柳の枝がそよぎ、白川の清らかな流れにソメイヨシノが花びらを散らす、風情ある町並みを今に伝えています。
祇園新橋の町家は、ほとんどが桟瓦葺の切妻屋根の平入り建物で、一階にはベンガラ塗の千本格子をはめ、接客のための座敷を二階に設けた関係で、二階部分を背の高い本二階建てにし、手摺の付いた縁側を張り出させ、目隠しの為の簾が掛けられています。
なお、二階への階段を上がった所に、芸妓が舞を舞う為の三畳程度の板間がしつらえてあるが、これが現在の階段の「踊り場」の語源だと云われています。
また、白川に架かる「巽橋」と呼ばれる木橋の南側に続く小路には、大正時代に建てられた数奇屋風の町屋が並んでおり、祇園新橋の趣とは一味違った町並みを見ることができます。
- 同行者
- 一人旅
- 交通手段
- 私鉄 徒歩
- 旅行の手配内容
- 個別手配
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この日は阪急電車で京都入りしました。
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四条大橋から鴨川の上流を望みます。
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四条通の東の突きあたりには、八坂神社があります。
祇園は、八坂神社の門前町として形成されました。 -
四条通から、大和大路を北に上がった東側に、今回訪れる祇園新橋の町並みが広がっています。
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ここは祇園新橋の南側を東西に延びる、白川南通の西の入口です。
かつて6ヶ所の茶屋町が存在した京都でも、良好な状態を保持した、質の高い茶屋の建物がまとまって残る場所は少なくなる一方ですが、この界隈には、今もなお華やかさの中にも品の良さがキラリと光る茶屋の建物が軒を連ねており、江戸時代以来の茶屋町「祇園」の姿を今に留める、貴重なものとなっています。 -
白川沿いに植えられたソメイヨシノは、桜のシーズンにはライトアップされ、夜桜見物の人気スポットになっています。
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和服姿で歩くお二人はこの町並みに「ピタッ」とはまっています。
歩いた後には、楚々とした風情がまるで残り香のように漂っています。 -
ソメイヨシノとともに、柳並木もこの町並みの景観を語るうえでなくてはならないものです。
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白川沿いの料理旅館へ渡る橋のたもとに鎮座する大黒様。
大黒様は金銀財宝を司る神様だと云われているので、「金銭に縁があるように」と大黒様を置く商売人は多いと云われています。
ちなみに、商売の神様として親しまれている戎様は、元々漁業の守護神だったものが時代の変遷とともに変化したものです。 -
その大黒様を置いている料理旅館さん。
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白川に面して客席を配した料理屋さん。
客室の窓外で揺れる簾が、茶屋町の風情を漂わせています。 -
そんな風情を楽しんでいるのか、一羽の青鷺が佇んでいます。
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川沿いに植えられた木々の緑も・・・
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そんな風情を掻き立てるのに一役かっています。
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叶うものなら、私もあの窓辺の椅子に座って、ライトアップされたソメイヨシノを見下したいものです。
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木目の活かされた外観の建物が続きます。
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こちらは、落ち着いたじゅらく壁の建物が折り重なっています。
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打掛姿も麗しい立ち姿。
真っ赤な番傘が、華やかさを盛り上げています。 -
石畳の舗道で揺れる柳。
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薄紫色の萩が、妖艶な茶屋町の風情を暗示しているようです。
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祇園新橋の周辺は、近代的なビル街に変貌しています。
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白川沿いのこの町並みにも・・・
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秋を告げるススキが揺れています。
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川端に軒を連ねるどのお店も・・・
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客室の手すりや簾掛に意匠を凝らしています。
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祇園のお茶屋さんでよく見かける、赤い提灯が見えます。
これは、元々鴨川の川原で客にお茶や団子を振舞っていた「茶店」を起源とする祇園の「お茶屋」さんが、自分たちのルーツを大切にする思いから「つなぎ団子」を模した提灯を使っているからだそうです。 -
打掛姿の女性が違ったポーズをとっているようです。
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右側でポーズをとっていたかと思えば、お付の者を引き連れて左側へ移動しています。
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おやすみのところ失礼します・・・。
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祇園新橋をこよなく愛し、『祇園歌人』や『伯爵歌人』と讃えられた歌人、吉井勇が詠んだ、「かにかくに 祇園はこひし 寝るときも 枕の下を 水のながるる」の歌碑が白川沿いに置かれています。
吉井の命日にあたる11月8日には、祇園のお茶屋組合により「かにかくに祭」が開かれ、芸妓や舞妓により花が手向けられます。 -
ソメイヨシノを透かして見たお茶屋さん。
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手を差し出せば川面に触れそうな白川のせせらぎが、品の良さを滲ませる洗練された茶屋のたたずまいと呼応して、しっとりとした水辺空間を創っています。
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お茶屋さんの建物に寄りそうモミジが・・・
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燃えるような紅葉時の姿を想像させてくれます。
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その頃にも訪れたいものです。
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思わず身を引き締めたくなるような、鮮やかな朱色の柵が目に入って来ました。
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これは新橋通りと白川南通りが交わる地点に鎮座する、辰巳大明神と云う小さな神社のものです。
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その先の白川には、「巽橋」と云う小橋が架けられ、「切通し」と呼ばれる小路が続いています。
白川 巽橋 名所・史跡
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木製の欄干の付いた小橋も・・・
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この町並みの景観を代表する一つとなっています。
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「巽橋」から見た白川の景観。
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「切通し」には大正時代に建てられた数奇屋風の町屋が並び、白川沿いの町並みとは、若干趣の異なる雰囲気を見せています。
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この小路の町家でも、窓に掛けられた簾が「用の美」を演出しています。
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「切通し」の南側の入口に建つ、3階建ての町家。
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「切通し」の名のとおり、町家が建て込んでいる場所を、まさに「スパッ」と切り取ったかのような道が延びています。
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和服姿も艶やかな女性陣の後に続いて祇園新橋へ戻ります。
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町家が覆いかぶさるような「切通し」から見た青空。
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自然石の石畳が、そぞろ歩きの楽しいひと時へ誘います。
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町家の足元にしつらえた犬矢来が、より一層風情を盛り上げます。
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店先に置かれた桧皮葺の看板や・・・
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枯れ穂が、元々そこに存在していたかのように、しっくりと町並みに溶け込んでいます。
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巽橋のたもとに植えられた柳が・・・
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さやさやと風に揺れています。
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橋の欄干と犬矢来。
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こちら側は、ひらがなで橋の名前を彫り込んであります。
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白川の川面に枝を伸ばすソメイヨシノ。
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「切通し」から巽橋を渡った右手に延びる朱色の柵の先が、祇園新橋の町並みへの、東の入口になります。
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巽橋の東側で南北に流れを変える白川には、その名のとおり「しんはし」が架かっています。
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橋の横の小さな植樹枡に植わっている柳ですが・・・
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町家の倍の高さがありそうです。
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「しんはし」の北側の眺めです。
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ここが、左手の白川南通と、右手の新橋通の合流地点です。
正面に見える小さな神社が辰巳大明神。 -
辰巳大明神は、その名が示すとおり、本来は建物の辰巳の方角(南東)を守る為のお社でしたが・・・
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祇園の芸妓さんや舞妓さんなどの信仰を集めているうちに、歌舞音曲などの芸事の上達を祈願する神社に変化したと云われています。
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いかにもお茶屋さんと云った風情を漂わせていますが、こちらはパンケーキのお店です。
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パンケーキ屋さんの店先を飾る外灯。
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この町並みの簾は、とても自己主張が激しいので、目について仕方ありません。
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新橋通の町並みです。
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お茶屋さんに挟まれた路地の奥にも、お店があるようです。
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こちらは個人住宅のようです。
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白川南通と新橋通を結ぶ、辰巳大明神裏の道路。
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ここの奥にもお店が・・・。
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通りにはベンガラ塗の建物も見えています。
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あれっ、町並みの向こうに見えるのは・・・
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舞妓さんじゃないですか・・・。
本物の舞妓さんと思いきや、実はこの方、舞妓姿を体験されている一般の方で、和服姿の彼氏さんと一緒に歩いておられたところを、お願いして写させていただきました。
でも、この艶やかさは本物にも負けていませんよね。 -
こちらは喫茶店です。
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先ほどの、舞妓さんと和服姿の彼氏さんの姿が見えています。
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こちらは町家を使った、京情緒が堪能できる旅館。
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僅かに祇園の一角を占めるに過ぎない狭い範囲に、よくもまあこれだけ質の高い茶屋の建物がまとまって残っているものだなと思います。
これもひとえに、祇園新橋界隈のお茶屋さんの、町並みを守ろうとする頑ななまでの信念があったればこそですね。 -
見越しの松のあるお茶屋さん。
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玄関に掛かる暖簾や・・・
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緑青のついた庇が、このお茶屋さん独特の風格を滲ませています。
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2階の腰壁に細かい格子を用い、短めの簾を掛けた町家。
ちょっと趣きが異なります。 -
こちらも、前の写真の町家と同じ手法を採っておられます。
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歩いて来た道を振り返って、東側の町並みを見たところです。
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格子の前に置かれたモミジが、そろそろ色づき始めています。
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このお二人も舞妓姿を体験されている方々です。
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これは何かのおまじないでしょうか・・・。
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こちらは超有名フレンチシェフのお店です。
ご本人も時々この店で腕をふるっておられるようです。 -
料理屋さんの店先で揺れるススキの穂。
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ここでも秋の訪れを伝えています。
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茎を垂直にのばす木賊(トクサ)。
格子と相まって縦線を強調しています。 -
玄関には、魔除けの木札の付いた注連縄を掛けてあります。
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舞妓姿の方だけなら良い絵になったのに・・・。
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石畳に意匠を凝らした路地の奥のお茶屋さん。
こういう風景を見ると、ついついそそられます。 -
こちらは新橋通のたたずまい。
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こちらは、違った場所にある路地から見た新橋通のたたずまい。
竹を壁に使った数寄屋風のしつらえが、お茶屋さんらしい「粋」を演出しています。
では、祇園新橋はこれくらいにして、次へ向かうのにバス停を探しに行きます。
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この旅行記へのコメント (2)
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- akikoさん 2014/11/23 21:47:41
- 祇園新橋再発見♪
- naoさん、こんにちは。
naoさんの素敵な写真と素敵なコメントの案内で、何度か訪れた祇園新橋界隈を改めて楽しませていただきました。
実は、私も京都が大好きで、娘が京都で下宿していますし、今春から月1回京都の路地裏歩きグループで訪れています。それでも祇園新橋界隈の歴史をあまり知らなかったところ、naoさんの説明でよく分かり・・・「切り通し」は建て込んだ場所を「スパっと」切り取ったような姿から来ていること、「赤い提灯」の模様は「つなぎ団子」を模していること(今までなんの形なんだろうと思っていました)など、いろいろ新しく知ることが出来ました。
どの写真も京都を代表する素敵な写真で、うっとりです!
祇園は後編もあるのですね。
楽しみにしています(*^_^*)
akiko
- naoさん からの返信 2014/11/23 23:07:42
- 恐縮です。
- akikoさん、こんばんは。
京都は何度訪れても飽きることのない、本当に良い所ですよね。
私のつたない説明文に、こんなにもお褒めの言葉をいただいて恐縮です。
私は町歩きが大好きなんですが、一応、その町の歴史的背景などを調べたうえで歩くようにしています。
そうすることで、漠然と歩いていては目につかないようなものまで見えてくるから不思議ですし、楽しくもあります。
祇園の次は、京都の北の方の、これまた素敵な町並みの旅行記を予定しています。
なお、akikoさんも京都の路地裏歩きグループでいろんな所を歩いておられるとのことですので、私はそちらの旅行記を楽しみにさせていただきます。
nao
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