2013/11/23 - 2013/11/27
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JIC旅行センターさん
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■乗客を乗せたまま台車交換
検査の間に、列車はゆっくりと大きな工場のような場所に移動していた。台車交換所だ。ここで列車は、ロシア・ベラルーシの線路幅1520mmの広軌台車から、1435mmの欧州標準台車に交換される。今回の鉄道の旅のハイライトの一つだ。ここでも、物売りの女性が乗り込んでくる。停車時間が長いのもあるのだろうが、やはりこの地域の貧しさのせいだろうか。切実なものが伝わってくる。
台車交換所では、乗客を乗せたまま車輌を一輌ずつ切り離し、巨大なジャッキで持ち上げる。これまで履いていた広軌の台車を外して、そのまま線路上をずらしていく。レールは広軌と標準軌両方の線路、合計4本が敷かれていて、ほどなく新しい標準軌の台車がレール上をころがって来る。こうして1つ1つ台車を履き替えさせるのだ。交換作業中は、トイレは施錠されていて使用できない。またデッキにつながる扉も施錠されている。台車の交換が完了すると、再び車両同士を繋ぎ直す。ずいぶん面倒なようだが、実際の作業は手際良く進み、1時間ちょっとで台車交換は終了する。
21時30分頃に作業が完了し、列車は徐行でブレスト駅構内に戻った。出入国審査の待機所で停車して20分ほどすると、車掌とともに出国係官が再び現れ、パスポートが返却された。ベラルーシのビザには出国スタンプが押されており、入出国(ミグレーション)カードは取られていた。22時20分頃に待機所から動き出した列車は、徐行のままベラルーシ・ポーランド国境を通過する。ここで時計の針を今度は2時間遅らせる。ポーランド時間の20時30分、定刻より3分早くポーランド側のテレスポール駅に到着した。
■ちょっと緊張、ポーランド入国審査
10分ほどして、ポーランドの入国係官たち(男性2名、女性1名)がコンパートメントを回ってくる。税関係員と思しき男性はコンパートメントのベッドを持ち上げたり、荷物をのぞいたりしている。パスポートを渡すと、最終目的地とポーランド入国が初めてかどうか尋ねられる。その後、パスポートの識別コードを機器で読み取ったり、ルーペ型の機器を使って顔写真を確認したりと入念にチェックされ、ようやくスタンプが押されて入国審査は完了した。
耳をそばだてると、隣のロシア人のお婆さんのコンパートメントでは、入国目的やら帰国のチケットの有無やら、かなりしつこく聞かれていた。ベラルーシでの検査に比べると、かなり威圧感ある印象だった。
40分ほど停車し、21時13分に列車はテレスポールを出発した。ポーランドの車窓を期待したが、車外は漆黒の闇の中。列車は速度を上げ、一路ワルシャワへ向かう。
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■シャワーを使ってみる
ここで、シャワーを使ってみることにする。車掌に声をかけ、隣の254号車へ同行してもらう。車掌の鍵で「シャワー」と書かれたコンパートメントのドアを解錠し、使用方法を教えてもらう。ワルシャワ側に向かって1番目のコンパートメント(253号車だと、ちょうど私のコンパートメントに当たる)を潰して、シャワーユニットが設置されている。しばらく使われたた様子はない。ガラスカーテンを開き、上下2つあるつまみを操作してみる。上のつまみを左に回すと、上方の固定のシャワーヘッドから、右に回すと可動のシャワーヘッドからお湯が出る。下のつまみは、左に回すと温度が上がり、右はその逆だ。シャワーユニット内には石鹸やシャンプー、タオルの備え付けはない。あらかじめ持参しておいたので事なきを得た。紙タオルは置いてあったので何枚か床に敷き、足拭きに使う。湯量はチョロチョロと少なめで、時間をかけて何とか洗い切った。給水が限られる列車だから、これは我慢するしかない。253号車に戻り、車掌に声をかけて、ひと仕事が終わった。
■ワルシャワは眠ったまま通過
コンパートメント内の机のふたをあけ、洗面台を出して歯磨き。不意に強烈な眠気に襲われ、23時42分のワルシャワ到着を待てずに寝入ってしまった。
午前4時54分、定刻より4分ほど早くポーランド最後の駅・ジェピンに到着。客車が停車の衝撃できしむ音で目が覚める。外は暗闇だが、屋根のないホームの明かりだけが煌々と周囲を照らしている。5時2分出発。早く到着した分だけ停車時間を長くとったようだ。目をこらして見ると、周囲は長大な貨車の列でいっぱいだった。
列車は徐行で走り続け、5時15分に一旦停車。9分間そのまま動かず、5時24分に再び走り出した。国境通過待ちだったのだろうか。暗闇のせいで国境を示す標識は何も見つけられない。 -
■ドイツ国境に到着
5時29分、列車はついにドイツ最初の駅、フランクフルト・アン・デル・オーデルに到着した。駅がカラフルに彩られているのに気づく。いよいよドイツに入ったのだ。わずかな停車時間のあいだに係員が何やら積み込んでいる。ドイツ国鉄の車掌も2名乗り込んできた。そういえば、あのベラルーシ国鉄の車掌はどこで降りたのだろうか。外は引き続き闇の中。
食堂車はブレストで切り離されたが、ワルシャワでポーランド国鉄の車両があらたに連結されると聞いていた。営業開始の朝6時を待って食堂車へ向かう。ブレストまでは私が乗車している253号車の隣の特等車の先に食堂車が繋がれていたが、その後にそのまま連結したのではなく、わざわざ253号車と特等車の間に食堂車が連結されていた。特等車に他の乗客を通さないようにするための配慮だろうが、凝ったことをするものだ。ブルーの色調でコーディネートされたモダンな内装。ポーランド風スクランブルエッグ、パン、コーヒーのモーニングメニューで450ルーブル(約1400円)。支払いはルーブルでもユーロでも可能だが、クレジットカードは利用できない。
■ベルリンに到着
列車はスピードを上げている。もうかなりベルリンに近付いているようだ。日の出前だというのに、通過する駅のプラットホームにはたくさんの通勤客が並んでいる。支払いを済ませ、コンパートメントに戻ると、列車は減速を始めた。定刻は6時53分着のはずだが、何のアナウンスもないまま、20分も早い6時30分に列車は超近代的な三重構造ビルのベルリン中央駅・地下ホームへとすべりこんだ。
列車はこの後さらにパリまで約13時間の旅を続けるが、私の乗車はここまで。ホームに降り立ち、モスクワからすっかり顔なじみになった2人の車掌に別れを告げる。機関車はベルリンで反対方向に付け替えられ、定刻7時15分に、発車ベルも鳴らないままパリに向けて静かに出発していった。
<国際寝台急行列車 TR23 の基本情報>
名称;TR23/24(通称;モスクワ・ベルリン・パリ号)
始発地;モスクワ(ロシア)
経由地;スモレンスク(ロシア)、ミンスク、ブレスト(ベラルーシ)、ワルシャワ、ボズナン(ポーランド)、フランクフルト・アン・デル・オーデル、ベルリン、ハノーバー、フランクフルト・マンハイム(ドイツ)
終着地;パリ(フランス)
総延長;3177km
運行曜日と所要時間(季節により変動あり);
モスクワ?パリ間:月・木・日曜日(夏季は火・土増便)
所要38時間47分
パリ?モスクワ間:火・水・土曜日(夏季は月・木増便)所要37時間30分
連結車両;リュクス3輌、1等車2輌、2等車3輌、食堂車1輌(季節により増減あり)
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