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 源頼朝像・実朝像(http://www.kai-zenkoji.or.jp/3/index.html)を見るために甲斐善光寺の宝物館を訪れた。しかし、階段には鎖が掛けられ、閉館中のようだ。本堂で聞いてみると、午後3時から開館するという。3時半から拝観した。<br /> 甲斐善光寺の源頼朝坐像と源実朝坐像とは全体的な顔のイメージが似ているという感じがした。源実朝坐像の細い目は乗蓮寺の北条政子座像(http://www.amashogun.co.jp/about.html)と同じ印象だ。しかし、源頼朝坐像は玉眼が取れ損傷が激しい。これらの源頼朝坐像と源実朝坐像は文化財(国指定重要文化財)になって補修がなされるべきであろう。さしずめ、乗蓮寺の北条政子座像は国宝に値しようか?<br /> 「源頼朝の真像」(角川選書)(黒田日出男著)では甲斐善光寺の源頼朝坐像をして「源頼朝の真顔」としている。しかし、Webで調べてみると眉唾だ。著者は、「これこそ、現存唯一の源頼朝像である。」(http://www.teikokushoin.co.jp/journals/bookmarker/pdf/201204/14_mssbl_2012_04_p40.pdf)としているが、明らかな間違いである。鎌倉・補陀洛寺にも源頼朝坐像(自刻像)が伝来しており、「鎌倉の古道と仏像」(原田寛著)の44ページに写真(http://books.google.co.jp/books?id=DeZnAAAAQBAJ&amp;pg=PA44&amp;lpg=PA44&amp;dq=%E8%A3%9C%E9%99%80%E8%90%BD%E5%AF%BA%E3%81%AE%E6%BA%90%E9%A0%BC%E6%9C%9D%E5%83%8F&amp;source=bl&amp;ots=9-B6MOzpnN&amp;sig=t7aHSszu695oZ1eWaGxCk5CPkYQ&amp;hl=ja&amp;sa=X&amp;ei=VRrxU-f1G4-78gW8ooDYBQ&amp;ved=0CCgQ6AEwBw#v=onepage&amp;q=%E8%A3%9C%E9%99%80%E8%90%BD%E5%AF%BA%E3%81%AE%E6%BA%90%E9%A0%BC%E6%9C%9D%E5%83%8F&amp;f=false)が掲載されている。写真を見ると保存状態はまずまずである。玉眼が取れた甲斐善光寺の源頼朝坐像よりも寺伝が間違いなければ、補陀洛寺の源頼朝坐像の方が生前の頼朝像をより正しく伝えていよう。<br /> 鎌倉の世界遺産は無残に終わった。これを長年に亘って指導・助言してきた五味先生は東大教授から名誉教授になっている。黒田氏も当時は東大教授だった。しかし、同じ東大教授でも、鎌倉史の権威として名が知られていた五味先生よりも黒田氏は一般には名は知られてはいない。五味先生の鎌倉史の集大成であったはずの鎌倉世界遺産の採点は「優」、「良」、「可」、「不可」の4段階評価に当てはめれば「不可」であった。黒田氏の本書も「源頼朝像の一研究」か「甲斐善光寺の源頼朝像」くらいの題名が相応しいのではないだろか?まあ、過大な期待はせずに参考程度に図書館ででも借りて読んでみようと思っている。<br />(表紙写真は源頼朝像・実朝像が展示されている甲斐善光寺宝物館)

源頼朝像・実朝像と北条政子像

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2014/08/15 - 2014/08/15

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ドクターキムル

ドクターキムルさん

 源頼朝像・実朝像(http://www.kai-zenkoji.or.jp/3/index.html)を見るために甲斐善光寺の宝物館を訪れた。しかし、階段には鎖が掛けられ、閉館中のようだ。本堂で聞いてみると、午後3時から開館するという。3時半から拝観した。
 甲斐善光寺の源頼朝坐像と源実朝坐像とは全体的な顔のイメージが似ているという感じがした。源実朝坐像の細い目は乗蓮寺の北条政子座像(http://www.amashogun.co.jp/about.html)と同じ印象だ。しかし、源頼朝坐像は玉眼が取れ損傷が激しい。これらの源頼朝坐像と源実朝坐像は文化財(国指定重要文化財)になって補修がなされるべきであろう。さしずめ、乗蓮寺の北条政子座像は国宝に値しようか?
 「源頼朝の真像」(角川選書)(黒田日出男著)では甲斐善光寺の源頼朝坐像をして「源頼朝の真顔」としている。しかし、Webで調べてみると眉唾だ。著者は、「これこそ、現存唯一の源頼朝像である。」(http://www.teikokushoin.co.jp/journals/bookmarker/pdf/201204/14_mssbl_2012_04_p40.pdf)としているが、明らかな間違いである。鎌倉・補陀洛寺にも源頼朝坐像(自刻像)が伝来しており、「鎌倉の古道と仏像」(原田寛著)の44ページに写真(http://books.google.co.jp/books?id=DeZnAAAAQBAJ&pg=PA44&lpg=PA44&dq=%E8%A3%9C%E9%99%80%E8%90%BD%E5%AF%BA%E3%81%AE%E6%BA%90%E9%A0%BC%E6%9C%9D%E5%83%8F&source=bl&ots=9-B6MOzpnN&sig=t7aHSszu695oZ1eWaGxCk5CPkYQ&hl=ja&sa=X&ei=VRrxU-f1G4-78gW8ooDYBQ&ved=0CCgQ6AEwBw#v=onepage&q=%E8%A3%9C%E9%99%80%E8%90%BD%E5%AF%BA%E3%81%AE%E6%BA%90%E9%A0%BC%E6%9C%9D%E5%83%8F&f=false)が掲載されている。写真を見ると保存状態はまずまずである。玉眼が取れた甲斐善光寺の源頼朝坐像よりも寺伝が間違いなければ、補陀洛寺の源頼朝坐像の方が生前の頼朝像をより正しく伝えていよう。
 鎌倉の世界遺産は無残に終わった。これを長年に亘って指導・助言してきた五味先生は東大教授から名誉教授になっている。黒田氏も当時は東大教授だった。しかし、同じ東大教授でも、鎌倉史の権威として名が知られていた五味先生よりも黒田氏は一般には名は知られてはいない。五味先生の鎌倉史の集大成であったはずの鎌倉世界遺産の採点は「優」、「良」、「可」、「不可」の4段階評価に当てはめれば「不可」であった。黒田氏の本書も「源頼朝像の一研究」か「甲斐善光寺の源頼朝像」くらいの題名が相応しいのではないだろか?まあ、過大な期待はせずに参考程度に図書館ででも借りて読んでみようと思っている。
(表紙写真は源頼朝像・実朝像が展示されている甲斐善光寺宝物館)

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  • 源頼朝像・実朝像が展示されている甲斐善光寺宝物館。閉館中だ。

    源頼朝像・実朝像が展示されている甲斐善光寺宝物館。閉館中だ。

  • 甲斐善光寺宝物館。多くの像が展示されていたが、どれも傷みが多く見られた。

    甲斐善光寺宝物館。多くの像が展示されていたが、どれも傷みが多く見られた。

  • 甲斐善光寺の頼朝坐像。

    甲斐善光寺の頼朝坐像。

  • 鎌倉・補陀洛寺の頼朝坐像。

    鎌倉・補陀洛寺の頼朝坐像。

  • 甲斐善光寺の実朝坐像。

    甲斐善光寺の実朝坐像。

  • 乗蓮寺の北条政子座像。

    乗蓮寺の北条政子座像。

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