2014/04/02 - 2014/04/02
355位(同エリア1038件中)
ポジーさん
私が旅行する目的の一つは古建築巡り。自分が生まれるはるか前から時代を生き抜いた古い建築物を見ると、それだけで恐れ多い気持ちになり、この素敵な遺産をこれからも後世に伝えねば、って気持ちになります。
今回はそんな建築物にスポットを当てた街歩き。
ただ当てもなくうろうろしても無駄足になりかねないので、国の重要文化財に指定されている建築物を中心に歩こうと思いました。東京都内には74件の重文建築があります(うち2件は国宝)。これらを時間をかけて巡ってみようと思います。
久方ぶりの第四弾は東京屈指の文教地区である文京区に所在する6件の重要文化財建築物を中心に街歩き。東大をはじめとする教育施設が集中する文京区は閑静な住宅街の中にも様々な見どころがありました。
また、今回は桜の時期に合わせたため満開の桜を愛でながらのぶらぶら散歩をすることができました。特に播磨坂の桜は非常に圧巻でした!
◆今回の重文建築
根津神社(江戸時代の神社建築が今に残ります)
旧加賀屋敷御守殿門(赤門)(東京大学の象徴)
旧東京医学校本館(東大付属植物園内に残る大学最古の建築物)
旧磯野家住宅 (和風建築の粋を集めたまさに豪邸)
護国寺本堂(23区内有数の広大な境内に残る大本堂)
護国寺月光殿(旧日光院客殿)(京都から移築された桃山建築)
- 旅行の満足度
- 4.5
- 観光
- 4.5
- 同行者
- 一人旅
- 一人あたり費用
- 1万円未満
- 交通手段
- 徒歩
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今回の街歩きは根津駅で下車、こちらから護国寺方面まで歩いていきます。
根津駅から徒歩5分で早速最初の目的地、根津神社に到着。
東京十社の一つである根津神社は江戸時代に建てられた壮麗な権現造りの社殿を眺めることができます。根津神社 寺・神社・教会
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根津神社は本殿、幣殿、拝殿、唐門、西門、透塀、楼門が一体化され重要文化財に指定されています。
こちらはそのうちの一つ、楼門です。根津神社 寺・神社・教会
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桜の時期でしたのでとりあえず。取り立てて桜の綺麗な神社ということはありませんでしたがね。むしろこちらはツツジの名所です。
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こちらは唐門。本殿をぐるりと囲む透塀もしっかりと残り神社の格式を高めています。
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そしてご本殿。手前から拝殿、幣殿、本殿と一直線に並ぶ華麗な権現造の建築物です。雰囲気も厳かで都内の神社の中でもお勧めの一つです。
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青銅灯籠の前に西門を。この灯籠は藤堂高敏奉納の立派なものです。
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社務所前に一本だけ立派な桜がありました。
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透塀をバックに桜を、思いましたがイマイチですね。
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そろそろ次に行きましょう。狛犬さん、バイバイ。
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最後に西門と透塀を見ながら境内を後にします。
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根津神社裏の坂を登り東大方面に向かいます。道すがらに出会った願行寺。こじんまりとしたお寺です。
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東大キャンパスが見えてきた。キャンパス内に入っても大丈夫かな。
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特に警備員にも止められませんでしたので入っちゃいました。農学部1号館は築80年以上、厳かな雰囲気はさすがに最高学府の威厳でしょうか。
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チャペルがあるかは知りませんがチャペル風の入り口がありました。
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工学部6号館。入り口のアーケードが建物を引き締めていますよね。
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法文1号館はアーチ型のアーケードがとても印象的。このアーケードは向こう側の道路を横切って法文2号館まで一直線に続いています。東大の荘厳な建築物群の多くは内田祥三の設計で、ゴシック様式にまとめられた特徴から内田ゴシックと呼ばれているそうですね。
ちなみに歴史を感じるこの建築物は登録有形文化財に指定されています。 -
法文1号館を抜けると左手に見えるは有名な安田講堂。銀杏並木を抜けて見に行きましょう。
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大学闘争の象徴とも言えるあまりにも有名な安田講堂に初対面。ただ補修工事中らしく全面に工事用の衝立が張り巡らされていました。残念。
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内田祥三の代表作とも言える安田講堂の存在感は抜群ですね。
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工事用の衝立には安田講堂の歴史が写真付きで紹介されていました。
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桜と絡めて講堂をもう一枚。昔は私もこのキャンパスに通うことを夢見ました(ウソです)。
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講堂前の広場にはこれまた大きな楠が。
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この楠、侮れないくらいに立派です。
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最後にもう一度講堂を振り返ってみました。この安田講堂は国の登録有形文化財第一号として指定されています。
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文学部3号館のアーケード下から図書館方面の銀杏並木を望む景色。整然とした機械的な美を感じます。
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総合図書館裏手の風景は、ゴシック調の建物が連なってさながら外国を訪れたような錯覚に陥りました。
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どこを切り取っても絵になる。こんな恵まれた環境で勉強が出来るなんて羨ましいですね。
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だいぶ寄り道しましたが、東大に来た目的地がやっと見えてきました。
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旧加賀屋敷御守殿門、 通称である赤門の名前の方が有名ですよね。御守殿とは将軍家から大名家に嫁ぐお姫様の敬称、御守殿門とは嫁ぎ先で建てられる御守殿屋敷の門のことです。お嫁に行くたびにこんな立派な門を建てるなんてスケールが違いますね。こちらが今回2件目の重文建築です。
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赤門の説明文も赤かった。
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朱色がとても鮮やかですね。最高学府、東大のまさに狭き門です。
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もう少し近くから見てみましょう。大きさ、ディティールの細かさなどわざわざ東大に移築されたほどのことはあります。
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東大から離れ、次の目的地である小石川植物園に向かいましょう。その道すがらかなりの急坂を見つけました。
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新坂という坂です。坂の上にある旅館は石川啄木が一時移り住んだことがあるそうで、その他にも文人たちが多く住んだ地域だそう。
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小石川植物園の入り口近くまでやってきました。園内も桜が綺麗そうだなぁ。
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と思ったら開園時間になっておらず、入ることができませんでした(当時は8時半)。
9時からなので少し待ってもよかったのですが、この後に予定があったため入るのは諦めました。ここのレポートはまた後日。 -
植物園から茗荷谷方面に向かうと一段と美しい桜景色が見えてきました。
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文京区の桜スポットの一つ、播磨坂桜並木です。
播磨坂桜並木 花見
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片側2車線の広い道一面を桜に覆われています。これだけの桜並木、なかなかお目にかかることはできませんね。
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可愛いピンク色の濃い桜、品種はなんでしょう。
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片側2車線道路の中心には遊歩道もありますので車を気にせずお花見が楽しめるんです。
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朝早いので人混みもなく快適な花見散歩です。
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まさに満開!
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ちなみにこの播磨坂を登る道路は幅も広く、周囲の道の規格とは明らかに異なります。この道路は環状3号線として整備されていたんですが、用地買収などを進めることができず、播磨坂付近だけしか高規格整備ができていません。これからも環状3号線が全線開通すると思えませんので、桜並木の風景は今後も残されていくんでしょうね。
播磨坂 名所・史跡
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反対の車線もご覧ください。こちらもとても綺麗。
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車はほとんど走っておらず、路駐のみ。落ち着いた雰囲気です。
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桜のトンネルを思う存分楽しんで、次の目的地に向かいます。
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茗荷谷駅から徒歩数分、筑波大学を正面に臨み堂々たる門を備えるこの邸宅が旧磯野家住宅です。明治末期から大正初頭に実業家磯野敬によって建てられた近代和風建築で、主屋と表門が重要文化財に指定されています。
この表門を見ているだけでもその風格に圧倒されます。 -
ただ残念ながらこちらは通常は一般公開されておらず、秋の文化財ウィークなどの限られた期間でしか公開されていません。いつかタイミングを見計らって見学したいな。おそらく木立の向こう側に見える建物が主屋。
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筑波大学東京キャンパス。放送大学の看板もあるけど、実際のキャンパスもあるのかな?
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筑波大学前のちょっとした公園には妙なオブジェ群が。
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シュールレアリスムというかなんというか…。
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文京区は文教地区の名の通り様々な教育関連施設がたくさんあります。こちらは跡見学園。入り口の桜がお見事。
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跡見学園裏手の桜並木。こちらも素晴らしい雰囲気です。
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筑波大学付属中高もありました。道を挟んだ反対側にはお茶の水女子大もあります。本当に学校だらけ。
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音羽方面まで歩いてきました。こちらには講談社の本社屋がありました。
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本日最後の目的地、護国寺に到着しました。江戸時代に幕府の祈願寺として大いに栄えた寺院で、現在も広大な敷地を誇っています。こちらはお寺の表門といえる仁王門。
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金剛力士像二対が睨みを効かせています。
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もう一対。
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境内は春らしく華やいでいます。
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職人さんたちが松の手入れではしごの上に立っています。こういう人たちのおかげで綺麗な庭園などを楽しむことができるんですね。
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不老門。この門を抜けるといよいよ本堂とご対面です。
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護国寺本堂。1697年、元禄時代に建立された桁行七間の大きな本堂で、国の重要文化財に指定されています。
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少し下がったところから桜と一緒に。
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とても柔和な仏様が座っていました。
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少し角度を変えて。左の枝垂桜は満開までもう少し。これだけの大きさの本堂ですが、徳川綱吉の命によりわずか半年で建てられたそうです。
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右側の枝垂桜は見頃を迎えています。
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そして護国寺にあるもう一つの重要文化財建築、護国寺月光殿(旧日光院客殿)です。と言いたいところですが、月光殿自体はこの建物の裏にあり直接は見えません。
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裏に見える屋根がおそらく月光殿だなぁ。もともとは三井寺にあった建物を当地に移設したもので、建築は桃山時代までさかのぼります。
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護国寺は多数の著名人が眠る寺としても有名です。これは明治の元勲の一人、三条実美のお墓。その他にも大隈重信や山県有朋などのお墓があります。
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薬師堂。シンプルな禅宗様式のお堂です。
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都内のお寺は関東大震災や空襲などで古い建築物はほとんど損害を受けたため、これだけの規模で古建築が残る護国寺は非常に貴重な存在ですね。
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最後に手水舎。湧水が自噴する珍しい手水舎だったそうです。
今回はこれまで、駆け足での見学となりましたが、桜もたくさん見られて大満足の散策でした。お付き合いくださりありがとうございました。
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