
主人を亡くした【セラロンの階段】、でもセラロンさんはブラジル人じゃない、この階段も実は「正式な観光地じゃなく、個人の趣味」に人が集まって来ているだけ...らしい...(リオデジャネイロ/ブラジル)
2014/03/04 - 2014/03/04
59位(同エリア452件中)
コタ(Kota)1号さん
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2013年1月10日に、ひとりの芸術家がこの世を去りました。
住み着いた異郷の地で、たまたま家の前にあった階段にインスピレーションを覚え......ただただ、タイルを貼り続けるという単純な作業を延々と20年も繰り返す事により、
今やユネスコ文化資産であるブラジル・リオデジャネイロの街並みに彩りを添え、
そのものが観光名所のひとつに数えられるほどの芸術作品になり.....
その作品、ひとつだけを残して.....名前までこの世に残し逝ってしまいました。
Jorge Selaron ホルヘ・セラロン チリ人。享年65歳
※
スペイン語でジョージの発音は ホルヘ......。へんなの.....。
- 旅行の満足度
- 4.0
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「エスカダリア・セラロン(セラロンの階段)」
住所:Rua Manuel Carneiro, Rio de Janeiroエスカダリア ド セラロン 散歩・街歩き
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以降、写真は全て、全体的に 白くボカシ気味です。ホテル ファザーノ リオデジャネイロ ホテル
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なぜなら....
この時のリオは街中がゴミだらけ.....
カーニバルで 出たゴミの山が 街中に散乱しており.......
.....直視に耐えがたいほど....。イット ビーチ (サントス ドゥモン空港店) 専門店
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カーニバルのその日に.....
世界中から人が集まり、最もこの街が注目を集める...その日に...な..なんと...
掃除しなければならないリシェイラ(つまり掃除夫やゴミの回収)達が、ストライキを強行......ポン ジ アスーカルのロープウェイ その他の交通機関
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さすがリオっこ(カリオカ)達も......
おい、おい......まじかよ〜〜と連発しまくる悲惨さ。ポン ジ アスーカル 山・渓谷
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ここセラロンの階段の上もその周りも小さい紙くずや塵が散乱し、ゴミの入ったポリ袋の山が グチャグチャに山積みで、異臭を放つ有様.....。
※
というオチの為、
散乱するゴミの画像を消し去る為に、写真が全体的に白くなっています。コルコバードの丘 自然・景勝地
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政府主導でもなく、どこからか公的なお金が出ている訳でもなく、パトロンがついているわけでもなく、歴史的なものでもないのに、
コルコバードの丘の登山電車 鉄道系(地下鉄・モノレールなど)
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ただ単に
ひとりの芸術家が、家の前の階段に......趣味で装飾をして行くうちに.....余りにもキレイなもんだから......
いつの間にか 有名になり、観光名所になっちゃったよ.....
という場所が、この階段です。コルコバードの丘行きのミニバス バス系
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私も初めての訪問ですが、
確かに、面白く.....美しい.....といえます。ガロータ・ダ・ウルカ 地元の料理
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お風呂とかの水色の淡白なタイルに慣れ親しんでいる我々日本人には、ただのタイルでしょ〜と、
なかなか 【タイル=美しい】という図式がありませんが、
スペインを始めとするラテン国家を宗主国に持つ国は、この【タイル】に物凄く思い入れがあるんです。ガロタ ジ イパネマ 地元の料理
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タイルは、「キレイに磨きさえすれば、何十年も何百年も輝き続ける....」と、
私の知り合いの奥様であるアンダルシア地方出身のスペイン人に(日本語で..笑)言われた事を思い出しました。アレーナ コパカバーナ ホテル ホテル
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このセラロンの階段は、どのような過程で誰によってこさえられて行ったのか。
ネット情報が山ほどありますので詳細は割愛しますが、以下概略だけ摘みますと....。マラカナン スタジアム スタジアム・スポーツ観戦
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イチオシ
場所は、リオのセントロ。
カリオカ水道の裏のほう(ラパ地区)にあります。イビス リオデジャネイロ ボタフォゴ ホテル
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イチオシ
日本のガイドブックには、この辺りには生演奏を聴けるライブハウスが沢山有り、お勧め◎(二重丸)などと書かれていたりしますが...
Novotel RJ Praia de Botafogo ホテル
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はっきり申しまして、
【滅茶苦茶、むちゃ…五重丸に.....危ない地域】
........でございます。
無闇やたらと物事を批判する事は禁物ですが、芸術や観光地でただただ感動を誘おうとするうたい文句・ガイドやネット情報には、本当に背筋が凍りつく思いが致します.....。
例えば..............
『【熱気あふれるラパのナイトライフ】
ラパでは、毎週末、ストリートパーティーが開かれています。地区全体をフォホー、ショーロ、サンバ、アシェのリズムが包み、だれもが外へ出て踊ります。通りが騒がしすぎると思ったら、地区にひしめく小さなバーやディスコに入ってみましょう。ラパで一番人気のクラブが、リオ・セナリウム(Rio Scenarium)。乳母車やカッコウ時計といった一風変わった装飾に囲まれ、ブラジル音楽を心ゆくまで楽しめます!!』
......って、ちょっと.....。
一風変わった人に囲まれちゃったり、襲われちゃったりしたら良い思い出が台無しでしょう......。
兎も角、皆様 ブラジルは 場所と時間に、気をつけてくださいね。ボタフォゴビーチ ビーチ
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↑
階段に沿って建つ家も....キレイには彩られていますが、住んでいる方々は...結構ヤバイ雰囲気…。
さてこの階段、
母国チリをスピンアウトし1983年からリオに住みついていたセラロンと言う芸術家が、
急にインスピレーションに目覚め、1990年から家の前にある階段にタイルを貼り始めたというのが始まりです。リオのカーニバル 祭り・イベント
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最初は、古いバスタブを植木鉢に変えたり、自宅前の階段をデコレーションしたのが始まりだそうですが、
近所の人たちの理解を得ながら....結果としてこのような壮大な階段が出来上がっちゃったよ....というストーリーのようです。幻想図書館 建造物
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1994年のワールドカップの時には、黄色、緑、そして青のタイルを巧みに使い、巨大なブラジル国旗を壁にデザインし、この階段の動員数を一気に上げたそうです。カリオカ水道橋 建造物
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イチオシ
「リオ旧市街ラパ区と坂の上サンタ・テレザ区を結ぶ階段で、全長125メートル、215段」
....とサラッとガイドには書いてありますが、リオ(いやブラジル)では、坂の上に行くと......リトル・ゼの世界、つまりファベーラ(貧民窟)にどんどん近づく事になります。苦笑リオ デ ジャネイロ: 山と海との間のカリオカの景観群 自然・景勝地
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↑
昨晩 下界で遊び明かした坂の上の住民たちが、このような格好で階段を上って行きます。
セラロン氏は最初の頃は、近所の住民から心づけや自分で描いた絵など売って生計を立てていたようですが、2000年前後に215段、125メートルの階段の装飾が終わると、
徐々に増えていた観光客の数が一気に増加し、(そこからどの様に収入を増やしたかは不明ですが)ますますアートワークに専念して行ったそうです。
また、 60カ国以上から2000個以上の異なるタイルを世界中のファン達から送られ、更にその階段に磨きが掛かっていったとのこと。Radisson Rio de Janeiro Barra ホテル
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世界の雑誌にも取り上げられるようになりミュージックビデオの舞台にもなったことがあるそーです。
でも そーは言っても、やはり場所柄か、
観光客が沢山いても「そ〜なの、関係ねぇ〜」みたいに我が物顔で座り込んだり、寝込んだりする地元の汚いおっさんやば〜さんもいましたし、
時間帯によっては麻薬密売現場と化しておりそのヤバサが地元の新聞にも取り上げられていたという事です。Sheraton Grand Rio Hotel and Resort ホテル
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↑
結構、登り切るのは老体にはきつかったりします...ひ〜ぃ〜
で 頑張ってこの階段の上まで上りきると.....
水売りのおばちゃんが待っていたりします。餌食です。上がってきた観光客達が水に群がっています。
....商売上手です。だって、上で待つだけです。カーニバル博物館 博物館・美術館・ギャラリー
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イチオシ
↑
でもね..その頂上には....
.......やっぱ........かなり やばい感じに.....
す....スラム....いえ 天国への入口が...広がっていました......。オニブス (市内バス) バス系
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観光客が大勢いる階段下と 荒廃しきった階段上の様相の違いに愕然とします....
まっ....マジかよぉ!?長距離バスターミナル (リオ) バス系
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速攻 踵(きびす)を返します....笑
下から観るとカラフルで鮮やかな階段も、上から眺め下ろすと.....
な〜んも変哲のない普通の階段です。
なんじゃ、この印象の落差は....!?リオのカーニバル 祭り・イベント
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本当に上から見ると、のっぺり...。
ポンテ・リオ・ニテロイ橋 建造物
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階段の派手さが全く見えなくなります。
このコントラストも考えた上での芸術かもしれません。ニテロイ現代美術館 博物館・美術館・ギャラリー
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ところでどっかこの辺に あの有名な阪神タイガースタイルがあるはずなんだけど....。
※
どうやら今は壊されてしまったようです.....。Praia do Forno ビーチ
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これらのタイルは、世界各地の名所が描かれたものが多く、この階段アートに魅了された海外からの旅行者からプレゼントされたものが中心になり、セラロン氏はその張替えに精を出していたようですが、
でも、もうプレゼントは集まりません.........。
なぜなら.....La Chimere Buzios Essence ホテル
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セラロン氏が自宅前(サンタテレサ修道院の階段)で焼死体で発見されたのは昨年の1月。
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10日午前7時20分ごろ、顔から肩にかけて激しく燃えたとみられる焼死体が発見された。死体付近には引火性溶剤の缶とライターも発見されており、警察は殺人事件の可能性も踏まえて捜査を進めている。近隣住民は「助けを求める男性の叫び声が聞こえ、直後に焦げ臭いにおいが漂った」と証言している。
セラロン氏は昨年11月から近隣住民でありアトリエの共同経営者であるパウロ・ラベロ氏から脅迫を受けていた。アトリエの販売管理を巡って意見が対立したためだとされている。
2013年1月12日付エスタード紙
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※
一年 経った 今でもその真相は闇の中.....。セレナ ブジオス ホテル
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全くおぞましい話ですが、(リオという)場所柄、起こりえる話です。
このファベーラに近い場所で起きた、ひとりの貧乏な芸術家の死(この作者が自ら命を絶ったのか、事件に巻き込まれたのかは、この場所では余り関係ないのです)は、きっと未解決のまま、永遠に時が過ぎて行くのだと思います。サワディー ビストロ (ブージオス店) アジア料理
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たった一人の個人の趣味で始められたこの芸術の階段は.......
......その主を失い.....
近い将来、今の統治力のないブラジル政府、また全く持って同罪の市・州政府のもと、きっと誰にも管理されず、メンテもされず.......
跡を継ぐ、希少な芸術家でも現れない限り、あっという間に汚れ朽果て、次第に周辺の治安も益々悪くなり......観光客の足も遠のいて行き......
.....もとのスラムの玄関に戻ってしまうのだと思います......。
そう思うのは、私だけではないはずです.....
それがブラジルです.....。
.......ああ〜ブラジル.....あああああぁぁぁ〜〜ぶらじる.........。
良い線行ってんのになぁぁぁ........。残念!!
........おわり......。コンゴーニャス空港 (CGH) 空港
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この旅行記へのコメント (2)
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- ウェンディさん 2014/04/09 06:45:15
- 美しい装飾とガイド本の表現に潜む影
- Jorge Selaronさんが手がけた階段と壁のタイル画。
鮮やかな色の組み合わせがブラジルらしく、見る人を圧倒させますね。
ブラジル人気質を絵として表現したら、こんな風になるのかも。と思いました。
そして、ガイドブックに書いてある記述に対するコタ1号さんのコメント。
同感です。
ガイドブックだけではなく、QA掲示板等でも同様の表現をたまに目にします。
その場所の良い面だけではなく負の面も書くことにより、より信頼性の高い情報になると思うのですが…。
お勧めの部分しか記載していないと、読んだ方がその情報のみを鵜呑みにして危険な状況に陥ることもあり得ます。
ガイドブックを読む時は、文章の裏に潜む危険情報を読み取る能力も必要なのかもしれません。
- コタ(Kota)1号さん からの返信 2014/04/13 09:14:38
- 外国の怖さを舐めたらあかん......。
- ウェンディ 様
今日は。
ご無沙汰で御座います。ウェンディさん旅行記ファンのコタです。
ヨルダンの旅、熟読させて頂きました。いつもにも増して神秘的な旅行記でした。素敵でした。でも、これが本来の中東の姿なんですね。
やはりドバイだけが....おかしい....という事が、よ〜く判りました。笑
ところで、以下独り言です....。
最近海外での日本人の....おかしい....ぶり.....が益々激しくなっている気がします。
それも そのおかしさ加減に、年齢は余り関係ないようです...。
駐在員達は いい歳して海外の飲み屋で一気して大騒ぎ、タクシーでゲロ吐くわ.......それを自慢しあう旅恥のかき捨てな風潮....しかも皆さん一流といわれている企業の社員の方々...。だからか?最近は本当に襲われる同胞達が非常に増えてきた気がします....
何でこんな方ばかりが増えてきてしまったんでしょうか...
昔は海外に出る日本人は、もっとちゃんとしていた気がします。
それに日本人旅行者の方の怖いものしらずぶり....日本のそのまんまの格好で、用心の微塵も無く...
やばいのでは....その格好でこんな場所で....みたいな事も..ちらほら..。
日本国内で必要以上にKY(もう死語?)を恐れる気持ちを、外国でもっと発揮してほしいものです......。
日本と違い、その代償が計り知れない程大きい国もあるんです....(もちろんアジアにはそうでもない国も多いので誤解してしまうんでしょうね....たぶん....)
...このような場面を見るにつけ...私も同じ?こうなってはいけないなぁぁ...と初心に戻り、気を引き締めるようにしています。
今は個々が大切にされ尊重される時代です。
あくまでも個人の自由ですし、他人がとやかく言う必要もなければ、それを忌み嫌い批判する必要もありませんが、反面教師にはしなければなりませんね。。苦笑
と、....一人ぼやいているコタです。
ぶつぶつ....。
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