真白き富士の嶺の歌碑といのちの碑－逗子開成高校（逗子市新宿2）

2013/12/01 - 2013/12/01

　逗子市新宿2にある逗子開成高校には海と山での遭難事故を追悼する「真白き富士の嶺」の歌碑と「いのちの碑」がある。正門を入って右側には、折れたオールを象ったボート遭難の碑があり、「真白き富士の嶺」の歌詞が刻まれている。12人全員が犠牲となった七里ケ浜でのボート遭難事故は明治43年（1910年）1月23日のことで１世紀余り前のことだ。
　また、体育館前には、山岳部遭難事故を追悼して「いのちの碑・山の頂を見上げる少年のレリーフ像」がある。6人が犠牲となった山岳部の八方尾根遭難事故は平成2年（1980年）12月のことである。
　犠牲者を追悼するとともにニ度とこのような悲しい出来事が起こらないようにと誓いを新たにするために毎年、全校生徒・教職員が参加して追悼集会が行われている。
　校門前で帰宅する3人連れの生徒に聞くと、「いのちの碑」は体育館前にあるが、「真白き富士の嶺」の歌碑は知らないという。「あそこにあるのがそうでは？」と3、4m近づいてLEDライトで石碑を照らすと刻まれた「真白き富士の嶺」の歌詞が浮かんだ。これが「真白き富士の嶺」の歌碑だよと3人の生徒に言ってやった。１世紀も経ってしまったことで、逗子開成高校の生徒の間でも七里ケ浜でボート遭難事故のことは風化してきているのだろう。ちなみに、稲村ケ崎公園には、兄弟が肩を寄せ合い真っ白な雪をまとった富士山と江ノ島を仰ぎ見ている姿の慰霊碑があり、ここにも「真白き富士の嶺」の歌詞が刻まれている。
（表紙写真は「真白き富士の嶺」の歌碑）

エリア 逗子・葉山(神奈川)

「真白き富士の嶺」の歌碑。右手前にオールがある。

「真白き富士の嶺」の歌詞。

「いのちの碑」。

山の頂を見上げる少年のレリーフ像。