2013/11/01 - 2013/11/01
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たびたびさん
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柳生の里は、長年の課題だった場所。半日を掛けて散策してみました。ただ、正直言えば、ちょっと、いいとこどりでつまみ食いをしたような感じ。奈良市内から歩く8キロくらいのコースもあったようで、時間があれば、この道を歩いてみるのがよかったんでしょう。奈良は、歩いて見ないとその良さはあまり分からないですから。
で、結果的にはメインは正倉院展。まあ、当然と言えば当然ですが、これ以上の企画展は日本には存在しません。宝物の数々は、美しさや歴史的な意味においてずば抜けているんですが、先日、NHKの日曜美術館を見ていたら、「こんなすばらしいものを生み出すエネルギーはどこから来たんでしょう」の質問。いい質問ですが、これに対し、解説者が「飢饉や疫病に自然災害など今では考えられない不安な時代が背景でしょう」と言っていましたが、これは大きな間違いです。天平の時代、日本は天皇制も固まり、中国も唐の時代で平和を謳歌して、アジアは安定期にありました。
そうではなくて、仏教の意味を理解しないといけません。この世のすべては毘盧遮那仏の光で照らされて、お互いに関係しているといった「一即一切・一切即一」の華厳経の世界観、ものはものではなく、見る側の心のありようが本質なんだという唯識論を説く法相宗の世界観。今の我々がちょっと考えても、素晴らしいスケール感のある考え方ですよね。こうした世界観に触れて、聖武天皇も、光明皇后も、豊かな国家を築くため、大いなる感動を持って仏教を鎮護国家の礎としたに違いありません。そして、その世界観は、おそらく、正倉院の御物より千倍も万倍も輝いていたんだと思います。
正倉院の御物の素晴らしさはその通りなんですが、天平の時代のこうした国家と仏教の関係を理解するとその味わいは尽きないものになるんだと思います。
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伊丹空港から近鉄奈良駅に到着。
あけぼの食堂は、近鉄奈良駅の向かいにあるちょっと目立たない食堂なんですが、前を通ると、店先にパック入りのお寿司やぼたもちが並べられて、これはいい感じです。名物というぼたもちをいただきまして、朝ごはん代わりにしました。ちょっと重量感があって、半殺しのご飯の加減もちょうどいい。何気にうまいぼたもちは、確かに名物というだけのことはあると思いました。
ここから、バスで柳生の里に向かいます。 -
柳生の里に到着。
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紅葉橋を渡って、
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まずは、芳徳寺を目指します。
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イチオシ
この寺は柳生の里にある柳生一族の菩提寺。
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この本堂の裏から
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回ったところに、
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初代の柳生宗矩の墓を中心に、代々の当主の墓が並んでいました。
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本堂に戻って、内部を拝観。
本堂には、正面に、宗矩と沢庵和尚の木像が並びます。
これは資料展示室。柳生新陰流に因むお宝が陳列されています。 -
イチオシ
正木坂剣禅道場は、芳徳寺を出て、少し坂を下りた場所。今でも使われている剣道場です。遠くから見ていた時はさほどでもなかったのですが、近づくとけっこう大きな建物。玄関に回ると、京都の大寺も真っ青になるくらい立派な構え。徳川将軍の指南役も仰せつかった柳生の里に恥ずかしくない、さすがの道場だと思います。
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天石立神社は、道場から回りましたが、15分くらいかかりました。
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この神社の奥にある一刀石が有名なのですが、この神社のご神体の花崗岩の巨岩「前伏磐」、「前立磐」、「後立磐」もとても見応えがあります。
柳生石舟斎は、当神社で剣術の修行をしたと伝えられ、柳生藩の歴代藩主から崇敬された神社です。 -
イチオシ
さて、これが有名な一刀石。柳生の里ではぜひ訪れたかった場所の一つです。巨岩の真ん中が、一刀両断、鋭い刃物で切ったように真っ二つになっています。
ちなみに、柳生石舟斎宗厳は、新陰流の祖、上泉信綱と出会い歯がたたず破れますが、その後、弟子入り。苦労を重ね、とうとう新陰流を継承するに至ります。その修業の際、天狗だと思い一刀のもとに切り捨てたところ、天狗はかき消え2つに割れた巨石が残ったという伝説を持つ岩なんです。 -
再び、中心部に戻って来まして、この辺りの位置関係を確認します。
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そして、これは柳生陣屋跡史跡公園。岡の上にある公園です。柳生宗矩が建てた陣屋の跡を公園にしたもので、正面には谷を挟んで、芳徳寺が見えて、その下手には、柳生の里全体が見渡せます。
城と比べれば小さいものですが、領主の館としてみれば、それなりの構えを感じさせるロケーションです。 -
旧柳生藩家老屋敷もここからすぐ。
それにしても今日はいい天気。足取りも軽やかです。 -
旧柳生藩家老屋敷です。
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ここは、柳生の里にある武家屋敷。柳生藩の財政再建に成功した家老小山田主鈴が藩主から賜った土地に造った隠居宅です。
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内部は、小山田主鈴と柳生藩の資料館となっていますが、
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かつて、作家山岡荘八が所有したということでも知られるよう。
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イチオシ
山岡荘八は、ここで柳生宗矩が主人公の小説「春の坂道」の構想を練ったと言われます。
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十兵衛食堂は、帰りのバス停すぐそば。いい場所にありますね。
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店内は、昭和の雰囲気。
バス待ちの時間があるので、ぜんざいをいただきましょう。 -
イチオシ
ちょっとあっさり系ですが、しっかり小豆のうまみが感じられるし、きちんとした味わいです。
最近、私的には奈良は砂糖の使い方がうまいような気がしていますが、ここもそんな感じです。 -
ついでに、柳生焼へも寄ってみます。
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ここは、柳生十兵衛の祖母、春桃御前が馬頭観音を焼いたのが始まりと言われる伝統の窯。
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柳生に一軒の窯元があって、渋い青地の陶器に辰砂を組み合わせたお父さんと薄い青の掛かった白磁を焼く息子さんという、全く異質の作品を扱う二人がやっていらっしゃいます。どちらも独特の美しさがある作品だと思います。
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奈良市内に帰る前に途中下車して円成寺を訪ねます。
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柳生の里からはバスで10分くらいでしょうか。バス停からは歩いてすぐです。
いきなり、名称にも指定されているという浄土式庭園から楼門が見えて、 -
イチオシ
これは平等院と同じ平安時代の面影を感じます。
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また、寝殿造風の本堂も変わっていて、
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堂々とした入母屋造の妻入です。
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傍らには、春日造りの国宝、春日堂・白山堂。
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多宝塔には、運慶の作、国宝・大日如来像もあって、正面に鎮座しています。
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本堂に入って、
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柱に掛かれた来迎図。かなりすすけてはいるんですが、荘厳な当時の雰囲気は十分感じられる。これは見応えのあるものでした。
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境内の続きにあるお店は、「里」。
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店先には、りっぱなマツタケが並んで、マツタケご飯の看板。これは今の季節にいただかないわけにはいきません。
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里定食というのを注文して、目当てのマツタケご飯が出てきました。香りもいいし、豊かな気持ち。
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一方で、最後の田楽まで含めた付け合せの料理の繊細な味わいもとってもいいですね。奈良の名刹にうまい料理の組み合わせ。円成寺に行ったら、ここは外せないお店だと思いました。
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奈良の市街に戻ってきて、転害門で下車。
この門は、大仏殿の西北にあって、吉祥の方角で害を転ずる意から転害門と呼ばれます。三間一戸八脚門の形式を持ち、平重衡の兵火や三好・松永の戦いでも焼け残り、天平時代の東大寺の伽藍建築を想像できる唯一の遺構とされます。
しめ縄が掛けてあって、ちょっと違和感もありますが、まあ、それはそれでいいでしょう。 -
で、行きたかったのは正倉院。こんなところを回って、
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やっと到着。ちょっと、遠回りしたみたいです。
正倉院は東大寺大仏殿の奥にあって、外観だけですが、見学が可能です。ただし、土日はお休み。そして、承知していたことですが、現在は工事中。来年の秋までは見れません。遠くからですが、今は工事中の覆いが眺められるだけです。
正倉院が高床の校倉造であることは有名ですが、私は、以前見た時、あまりの大きさに唖然としました。聖武天皇・光明皇后ゆかりの品等が少しずつ公開されていますが、膨大な量が伝えられていることがまざまざと実感できました。 -
遠くに、若草山、大仏殿も見えています。
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さらに戻って、まずは吉城園へ。
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東大寺の南側で、名勝依水園と隣り合わせにある日本庭園です。
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江戸時代までは、興福寺の子院の摩尼珠院(まにしゅいん)というお寺があったということです。
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大きな茶室もあって、ちょっとびっくり。
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それにしても、
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奈良市内なのに、けっこうな起伏があって、その起伏を利用した庭園構成が変化に富んでいます。
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なだらかな地形が印象的な奈良にあって、京都のどこかみたいな雰囲気。ちょっと珍しい庭園だと思います。
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隣りは依水園。
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イチオシ
いくつかのエリアに分かれているのですが、メインはこの後園。明治32年に、奈良の豪商、関藤次郎が築いたもの。
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借景庭園で、遠景には、若草山、春日山。中景には、東大寺南大門を望み、考えてみるとかなり贅沢な設計。
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庭の奥から芝生の小山を小川が緩やかに流れ下るところなどは、京都だと無鄰庵の雰囲気にとてもよく似ています。
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礎石を使った庭は、奈良風ですね。
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茶屋もあって、寛いでいる夫婦連れがいました。のんびり、いいですねえ。
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これは併設された美術館。初めて入りましたが、これは必見。中国の青銅器や宋時代の青磁など、コレクターの趣味の良さがにじみ出ています。陰青(インチン)という釉薬の焼き物は初めて見ましたが、とても参考になりました。
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さて、いよいよ正倉院展です。平成25年度は、第65回の正倉院展です。
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正倉院展は、今回3回目なんですが、まあ毎年行っている人もいるので、そういう意味ではまだまだ駆け出し者ですねえ。
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ただ、いずれにしても、正倉院の御物は今でも日本の最高峰。今回の目玉は、夜光貝(白)、琥珀(赤)、トルコ石(水色)、ラピスラズリ(藍)で埋め尽くされた平螺鈿背円鏡に、このポスターの漆金薄絵盤。漆金薄絵盤は意外に大きくて、圧倒的な存在感。取り巻いた四層の花弁は、下から基本色が赤、金、青、金と言う順の配色。色使いの力強さはただただため息が出るしかありませんでした。
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正倉院展を出て、興福寺の境内をぶらぶら。
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南円堂も、シルエットがきれいです。
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猿沢の池からならまちに向かう途中にあるのは、奈良市ならまちセンター。市の施設なのですが、「ならまちないとカルチャー開催中」の看板がありました。
なんだろうと思ったら。落語とか、この日は趣味の小物作りだとか、いろんな企画を順にやっているんですね。会場はロビーを使ってやっているので、気軽に参加できるのもいいところです。 -
クロネコならTABIって、何でしょう?
ここは、猿沢の池にほど近い、三条通り沿い。いつの間にこんなところに観光案内所ができたんだろうと思ったら、ここは奈良県内で身軽に自転車旅行を楽しんでもらおうと県と「ヤマト運輸」が連携協定を結んでできた施設だとか。手荷物を預かってくれるんだそうです。どっちにしても、午後6時までやっているので、観光案内所としても便利。女性二人のスタッフも感じがよかったです。 -
晩飯は、麺闘庵。中谷堂からもちいどの商店街の方に曲がったところです。マスコミにも紹介されたお店らしく、派手な感じの店構えですね。
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いただいたのは、カレーうどん。しかし、この麺はなんでしょう。全体がもっちりしていて、ちょっと不自然ですけど。練って仕込んだ麺なら、こんなに均等なもっちり感にはならないと思いますけどねえ。
まあ、気にしない、気にしない。
これで、一日目は終了。京都に移動して、定宿に向かいます。
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