2013/10/25 - 2013/10/25
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たびたびさん
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太宰治の生家、斜陽館は五所川原から津軽鉄道に乗り換えて、金木という場所。太宰治のファンでもなければ、こんなところにはいかないだろうと思っていたのですが、いろんな情報を総合するとそうでもないような。もやもやしながらも、気になっていたので、今回はこの課題を解消すべく訪ねてみました。
結果は、意外に心に響くもの。一人の人間の複雑な心の内を覗いたとでもいうような感じ。こちらもふと敬虔な気持ちになってしまう不思議な感覚がありました。最後は自殺をした人ですし、なかなか言い表せないところがあるのですが、これはやはり間違いなく青森ではお勧めの場所の上位になるんでしょう。
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五所川原に到着。
金木までの待ち時間がけっこうあって、若山牧水歌碑を訪ねることに。 -
牧水公園という公園があって、その中にあるんだろうと思って、ずいぶん探したのですが、よくわからない。諦めかけた時に、少し川の方に離れた高い場所に、やっと若山牧水歌碑をみつけました。「橇の鈴戸の面に聞こゆ旅なれやつがるのくにの春のあけぼの」、「ひっそりと馬乗り入るる津軽野の五所川原町は雪小止みせり」の2首が刻まれています
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五所川原駅に戻ってきて、斜陽館のある金木へは津軽鉄道です。
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駅舎でもう少し待って、
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この列車。名前はメロスです。なるほど〜。
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金木駅に到着。
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さっそく斜陽館に向かいます。ただ、途中のお菓子屋さんは、やっぱり気になる。
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しらはる菓子店です。
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いただいたのは、雪国饅頭。包みを開けると焼き色のきれいなお菓子です。ただ、食べるとポロポロ壊れて、味もなんとも淡泊。正直おいしくはないんですが、これが雪国ってことなんでしょうね。不思議なお菓子です。
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さらに歩いて、斜陽館がもうすぐといったところにある小さなお菓子屋さんは、芦野屋です。
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バナナボートという看板の洋菓子をいただきました。
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生クリームに埋もれたバナナが一本、スポンジケーキに包まれた、本当にボリュームのある逸品。スイーツ好きの私も、この一個でさすがにお腹がいっぱいになりました。
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で、斜陽館に到着。
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一見して、大きいのと赤レンガの塀が重厚感を醸し出しています。こんなだったとは。予想外の建物ですね。
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入口を入って、
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イチオシ
中もかなりの広さです。
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太宰治の生家で、かつては旅館だった時期もあるようですが、今はこうして記念館になっているんですね。
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建物は太宰の父の津島源右衛門によって立てられたもの。
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津島は、この辺りの地主で、
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青森県では4番目に所得が多かったという富豪。
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源右衛門は
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衆議院議員でもあったそうです。
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ここから二階に上がります。
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太宰は、回想録の中で何の風情もなく、
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ただ大きなうちだったと書いていますが、
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それがかえって、
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何か感慨深くなるような雰囲気です。
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太宰は社会主義に関心を深めた時期もあるようですが、
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彼の人生観に大きな影響を与えたことは想像に難くないところです。
走れメロスとかの印象では、そんなに感じなかったんですが、自殺もしているし、やっぱりもっと複雑なものを抱えていた人であることが何となく想像できました。うまく言えませんが、ここは訪れた人それぞれに何かを感じさせてくれる場所だと思います。 -
斜陽館を出て雲祥院は、太宰治ゆかりの寺。太宰治は、生まれてすぐに乳母タケに育てられますが、そのタケの家の菩提寺。
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太宰はここによく連れてこられたりするのですが、この寺の地獄絵図「十王曼荼羅」も見せられ、道徳観を養ったともされます。
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イチオシ
絵は本堂に展示されていて、拝観可能。とても鮮やかな色彩で、緻密な描写。迫力もありますね。
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そばの南台寺は、金木にある東本願寺の末寺で、こちらは太宰治の生家である津島家の菩提寺です。この寺は、子どもたちのために「日曜学校」を開き、本の貸し出しを行っていました。太宰もそのことを書き残していて、「読む本がなくなれば、たけは村の日曜学校などから子供の本をどしどし借りて来て私に読ませた。」としています。
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こちら松しま菓子司は、雲祥寺の通り沿い。甘露梅が看板商品です。
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このお菓子は、餡と求肥を砂糖にまぶしたシソで包んだもの。餡子にまぶされた砂糖の甘さにシソの香りが絶妙のハーモニー。この味わいはなかったわけではないのですが、完成度がここまで高いとちょっと衝撃的。かなりうまいです。
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金木観光物産館マディニーは、金木の中心。斜陽館や津軽三味線会館も集まる一角にある地元の特産品を扱う立派な販売所です。
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内部にはなという食堂があって、そこの地元の名産馬肉寿司が食べたかったのですが、時間がなくて断念。ちょっと心残りとなりました。
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では、津軽三味線会館へ。三味線の公演が行われる時間に合わせて訪ねました。30分弱だったと思いますが、有名な津軽じょんがら節や津軽よされ節、津軽小原節など、数曲を聞きました。長く雪に閉ざされる津軽の土地柄が思われる調べはいつ聞いても感動的。資料展示室には、失明しながらも優れた才能で明治初期に津軽三味線の元祖となった「神原の仁太坊」の紹介もあって、これも心に残りました。
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金木では太宰治の生家である斜陽館が、一番の観光スポットになるのですが、斜陽館と金木駅の中間あたりにこの旧津島家新座敷はあります。この座敷は、大正11年、太宰の兄・文治夫婦の新居として建てられたもの。その後、この場所に移転されたのだそうです。そして、この建物は、疎開した太宰治が実際に暮らした家であり、唯一現存する建物なんだとか。500円でガイドが付いています。
駆け足でしたが、これで金木はおしまい。また、五所川原に戻ります。 -
五所川原観光案内所は、五所川原駅を出てすぐのところ。本当はシジミラーメンを食べたくて、どこか紹介してもらいたかったのですが、五所川原では、しじみ汁焼きそばをB級グルメで売出し中だということで、そっちの方を紹介してもらいました。金木では、シジミラーメンが有名なんですが、五所川原ではちょっと違うようです。
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五所川原の観光案内所で紹介を受けたのですが、駅から一番近いのがここ。おもてなしの店 So庵 でした。
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11時の開店を待って入りまして、目指すしじみ汁焼きそばをいただきました。しかし、シジミの殻を取るのがけっこう面倒臭い。味はいいのですが、微妙かもしれません。
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久しぶりの訪問です。
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ただ、前回の感動がまだ十分残っているので、本当は、立ち寄ろうかどうしようか迷ったのですが、まあ寄らないわけにはいかないでしょう。
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立佞武多です。
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初めて見た時はひたすら高いなあという印象だったのですが、
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博多の飾り山もそれなりに高いし、日田の屋台もかなり高かったんですよね。なので、今は冷静に見てしまいます。
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イチオシ
それでも、この光に浮かんだ絵の迫力は他にはない。やっぱり、この絵が命ですね。
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ところで、タチネブタは三つのネブタが三年で順番にお役御免となるので、
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イチオシ
前見たネブタはもうありません。
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イチオシ
そっくり入れ替わっているので、新鮮ではあります。
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イチオシ
高さ15mのネブタを、夜の街で引き回される姿も想像しながら、下から見たり、上から見たり。
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イチオシ
裏の飾りも、
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やっぱり、
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念が入っています。
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そして、この形相。
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イチオシ
睨み付けた表情に、
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イチオシ
ちょっと人を食ったような、陰陽師も。
それぞれが活き活きとしていて、たいしたものです。やっぱり、一度は祭りには来ないといけないのかなあ。また、そんなことを考えてしまいます。 -
美術展示ギャラリーも寄ってみました。地元のコレクターが所蔵している浮世絵。実はこれがまたすばらしいコレクション。美人画に名所を紹介する旅の風景画に、事件を題材にしたものなど。多彩で、迫真の表現には、ねぶたの迫力につながるものも感じました。
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これから弘前に移動するんですが、
カルネドールは、五所川原駅から立佞武多の館に行く途中。店構えもりっぱで、五所川原ではかなり重鎮の洋菓子屋さんだと思います。 -
少し小さいサイズのシュークリームをいただきました。まあるい形がかわいらしいんですが、小さい分、シューの割合が多くなるので、おとなしい仕上がりになっています。
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五所川原を後にして、
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弘前駅に到着。
弘前市観光案内所は、弘前駅ビルの一階。弘前駅は、弘前の観光スポットが集まる、弘前城周辺とは距離が離れているので、アクセス方法について聞きました。100円循環バスを教えてもらいこれを利用しましたが、乗り場はこの観光案内所のすぐ前。何ともすごい便利さです。 -
弘前市内循環100円バスは、弘前駅を出てすぐの2番乗り場です。土手町を通って行くのでちょっと遠回りのような気もしますが、その通りも賑やかな通りなので、それを確認したりして無駄にはならないと思います。
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弘前城に近い辺りで適当に下車。
弘前市内には、津軽塗のお店がいくつかあるのでしょうが、お勧めはこの田中屋さん。 -
通常のお店の売り場のほかに、隣は、職人さんの作業風景も見れたりする小スペース。二階には、高級品を展示する資料館風の作りになっていて、とても楽しめます。
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ご主人が気さくに商品の説明をしてくれました。
焼き物と塗り物の関係なんかは、ハッとさせられる指摘でした。こういう店は、いい店です。 -
続いて、青森銀行記念館へ。この日は無料でしたが、何だったんでしょうかね。
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さて、この建物は青森県で最初の銀行である旧第五十九銀行の本店。
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明治37年に建てられた、
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イチオシ
ルネッサンス様式の建物で、
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斜陽館の設計も手掛けた堀江佐吉の手によるものです。
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内部は、一階が古札やコインなど銀行らしいもの。二階は、モダンな会議室など保存状態も良くて、当時の雰囲気がそのままのような感じでした。
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続いて、追手門広場へ。ここは、弘前市の歴史的な建造物である、旧弘前市立図書館を中心に、市立観光館や郷土文学館、旧東奥義塾外人教師館、ミニチュア建造物群、山車展示館などが集まっていて、見所満載のエリアとなっています。
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まずは、旧東奥義塾外人教師館。
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東奥義塾は、明治5年に開校。外人宣教師が英語教師として招かれていたのですが、その宿舎は明治23年に建てられます。
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ただし、明治32年に焼失したため、現在の建物は明治36年に再建されたもの。内部は、当時の生活の様子がリアルに再現されていて、けっこう楽しめます。
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こちらのミニチュア建造物群は、明治、大正時代に建てられた弘前市内の建物を10分の1の大きさで再現したもの。14棟が一本の通りに面して配置されていて、それだけでモダンな街のようになっています。弘前が文化的な街であったことを記憶にとどめる記念碑といったところだと思います。
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こちらは山車展示館です。
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入口には、弘前ねぷたまつりの時に出陣する直径4メートルの「津軽剛情張大太鼓」が展示されているのですが、
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メインは、八幡宮祭礼の際に使われた山車。
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八幡宮祭礼が途絶えたため、
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今ではこうして保存展示されているだけ。
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しかし、飾りの人形たちはどれも迫真の表現があって、
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見応え十分。
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ねぷたのエネルギーと同じくらいの強烈なインパクトがあります。
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ちょっと離れた場所にあるのは松蔭室。ここは、吉田松陰が弘前を訪れた時に滞在していた建物。
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本来は見学には予約が必要なようでしたが、たまたま、どこかの専門家のような方が見学に来られていたので、傍らで邪魔にならないように見学させてもらいました。松陰に関係する掛け軸などもいくつか所蔵されているようで、いわば歴史の証拠品を垣間見たような気がしました。
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三の丸東門の方に移動して、これは津軽為信像。
津軽為信は、天下統一を間近にしていた豊臣秀吉にいち早く取り入り、津軽三郡の所領安堵に成功します。一方の南部家では、為信を逆臣として訴えますが、これを覆すことはできませんでした。津軽為信は、南部氏の出だという説もあるのですが、為信によって津軽に独自の風土が育まれたことは大きな功績と言っていいのではないかと思います。 -
そのまま弘前城の方に向かいます。
弘前城には、二の丸南門、二の丸東門、三の丸追手門、三の丸東門、北の郭北門の五つの門があり、いずれも国の重要文化財です。この三の丸東門は、弘前市中心部からだと一番近い門。他の門と同様、銅瓦葺で黒い本体に、青い屋根が乗るという渋い色調が印象的です。 -
弘前城の城内にある弘前城植物園は、菊と紅葉まつりをやっていました。
まあ、入ってみますか。 -
弘前城は、そもそも桜が有名ですし、それもあってどうしようか迷ったのですが、結果は、正解。
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菊人形は、八重の桜がテーマ。
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それぞれ、
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それなりに充実してます。
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菊の美しさも、場面、場面の雰囲気を盛り上げるうえで、大いに効果があるように思いました。
これは何気によかったです。 -
あとは、石場家住宅に向かいます。
途中の青森県護国神社は、弘前城内の北側。一段降りた低いところにあります。護国神社は、太平洋戦争の犠牲者を祀る神社で全国各地にあるのですが、ここは、明治3年、箱舘戦争の戦没者慰霊のために創建されたのだそうです。 -
仲町伝統的建造物群保存地区は、弘前城の北側一帯。津軽藩初代の津軽為信は、領内の開発を進めるため、弘前城本丸周辺の町割にも着手します。仲町重要伝統的建造物群保存地区は、追手門の守護に当たっていた津軽藩の武士の住まいである、武家屋敷が保存されている地区です。
そして、これが石場家住宅。この奥から保存地区は始まります。 -
石場屋は、弘前城の北。お堀端にある大きな酒販店です。津軽の地酒にこだわったというのですが、店内のレトロな雰囲気がむしろ見所。おばあさんが一人で店番をしていて、切り盛りしているようです。重要文化財の石場家住宅は、店の奥。有料となります。
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江戸時代は、弘前藩出入りの御用商人だったとのことですが、現在は酒屋さん。売り場の奥からが有料エリア。入ると、なんだかんだの道具類が置かれ雑然としていましたが、かなりの広さの土間。広い土間なんかあちこちで見たことがあるのですが、ちょっと途方もないような雰囲気がある空間に思えました。
そして、ここは、司馬遼太郎が街道を行くの北のまほろばの取材に訪れた場所なのだそうで、土間に向かって座敷に腰かけた司馬遼太郎の写真が飾ってありました。おばあさんが説明してくれましたが、一緒に写真に写っている女性は自分のおばさんなんだそうです。
さて、これで弘前の予定は無事終了。これで、弘前駅にバスで向かいます。 -
開運堂は、弘前にある羊羹のお店。本店は、土手町にあって、実はそっちに行きたかったのですが、スケジュールがタイトなので、弘前駅ビルに入っているこっちのお店で我慢します。
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いただいたのは当然羊羹。小さな小箱に入ったタイプを買って、列車の中でいただきます。なるほど。これは基本的な羊羹の滑らかさが印象的ですね。失礼ですけど、完成度が高くて、上品。
青森の地でこんな上質な羊羹がよくあったものだなあと感心するような味わいです。 -
御菓子司 緋炉弥はその隣り。
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りんご大福というのがあって、これをいただきました。地元ならではの大福なのですが、ただ、残念ながら、りんごと餡子はまだジャストフィットはしていないかなあという感じ。話の種といったレベルかもしれません。
すっかり日も暮れて、これから今夜の宿の日景温泉に向かいます。
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