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応仁の乱で功績を挙げ、越前の実権を握った朝倉孝景は、都の文化を積極的に取り入れた居城を一乗谷に築き、孝景以降、氏景、貞景、孝景、義景と五代に渡って越前守護として君臨し、栄華を極めます。<br /><br />下城戸から上城戸まで約1.7kmにも及ぶ城下町は、1万人が居住する戦国時代屈指の巨大都市で、全国にその名を知られるほどの規模を誇っていました。<br /><br />室町幕府最後の将軍、足利義昭を庇護する朝倉義景は、足利義昭をないがしろにする織田信長追討の一翼を担い、北近江の浅井長政とも結んで信長と戦いますが、結局信長に滅ぼされることとなり、信長が一乗谷に放った火により、栄華を極めた居城は灰燼に帰してしまいます。<br /><br />昭和42年から始まった発掘調査では、屋敷跡や町並みがほぼ当時のままの状態で出土し、これら「生きた歴史資料」により一乗谷の朝倉氏の居城や城下町の形態が明らかにされています。<br /><br />広大な遺跡の中でも、唐門のある朝倉館跡はその中心的存在で、朝倉氏当主の住居であるとともに、政治や儀式など様々な祀りごとを司っていた主殿を中心に、16の建物跡と5000点を越える生活用具が発見されています。<br /><br />また、一乗谷川を挟んだ西側に、出土した礎石や柱などから当時の町並みが復原されています。<br /><br />一乗谷川をさらに上流にさかのぼった、木々に囲まれた谷あいに、轟々と音をたてて流れ落ちる一乗滝があります。<br /><br />巌流島で宮本武蔵と決闘したことで知られる佐々木小次郎が、朝倉氏に仕えた剣の達人、冨田勢源の元で幼い頃から剣の修行に励み、「燕返し」をあみ出したのがここ一乗滝だと言われています。

2013 福井の旅 No5 一乗谷朝倉氏遺跡 (3日目)

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2013/09/21 - 2013/09/23

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nao

naoさん

応仁の乱で功績を挙げ、越前の実権を握った朝倉孝景は、都の文化を積極的に取り入れた居城を一乗谷に築き、孝景以降、氏景、貞景、孝景、義景と五代に渡って越前守護として君臨し、栄華を極めます。

下城戸から上城戸まで約1.7kmにも及ぶ城下町は、1万人が居住する戦国時代屈指の巨大都市で、全国にその名を知られるほどの規模を誇っていました。

室町幕府最後の将軍、足利義昭を庇護する朝倉義景は、足利義昭をないがしろにする織田信長追討の一翼を担い、北近江の浅井長政とも結んで信長と戦いますが、結局信長に滅ぼされることとなり、信長が一乗谷に放った火により、栄華を極めた居城は灰燼に帰してしまいます。

昭和42年から始まった発掘調査では、屋敷跡や町並みがほぼ当時のままの状態で出土し、これら「生きた歴史資料」により一乗谷の朝倉氏の居城や城下町の形態が明らかにされています。

広大な遺跡の中でも、唐門のある朝倉館跡はその中心的存在で、朝倉氏当主の住居であるとともに、政治や儀式など様々な祀りごとを司っていた主殿を中心に、16の建物跡と5000点を越える生活用具が発見されています。

また、一乗谷川を挟んだ西側に、出土した礎石や柱などから当時の町並みが復原されています。

一乗谷川をさらに上流にさかのぼった、木々に囲まれた谷あいに、轟々と音をたてて流れ落ちる一乗滝があります。

巌流島で宮本武蔵と決闘したことで知られる佐々木小次郎が、朝倉氏に仕えた剣の達人、冨田勢源の元で幼い頃から剣の修行に励み、「燕返し」をあみ出したのがここ一乗滝だと言われています。

同行者
一人旅
交通手段
自家用車
旅行の手配内容
個別手配
  • 一乗谷朝倉氏遺跡にやって来ました。<br />この遺跡は、南北約1.7kmにも及ぶ細長く広大なもので、一乗谷の谷筋が最も狭まるところに作られた北側の入口になります。

    一乗谷朝倉氏遺跡にやって来ました。
    この遺跡は、南北約1.7kmにも及ぶ細長く広大なもので、一乗谷の谷筋が最も狭まるところに作られた北側の入口になります。

  • ここは下城戸と呼ばれ、枡形状に土塁を築いた門があった所で、北の守りの要だった所だそうです。

    ここは下城戸と呼ばれ、枡形状に土塁を築いた門があった所で、北の守りの要だった所だそうです。

  • 巨石を積み上げた枡形が残っています。

    巨石を積み上げた枡形が残っています。

  • 駐車場に車を停めて、朝倉氏の朝倉館跡を訪れます。

    駐車場に車を停めて、朝倉氏の朝倉館跡を訪れます。

  • 一乗谷川を挟んだ西側に復原町並が見えます。

    一乗谷川を挟んだ西側に復原町並が見えます。

  • 発掘調査により出土した礎石や柱などを入念に分析し、当時の町並みを忠実に再現したそうです。

    発掘調査により出土した礎石や柱などを入念に分析し、当時の町並みを忠実に再現したそうです。

  • 朝倉館跡の正面に建つ唐門が見えてきました。

    朝倉館跡の正面に建つ唐門が見えてきました。

  • この門は、朝倉義景の善提を弔うために豊臣秀吉が寄進したものと伝えられています。

    この門は、朝倉義景の善提を弔うために豊臣秀吉が寄進したものと伝えられています。

  • 質素な門ですが、堂々とした気品が漂っています。

    質素な門ですが、堂々とした気品が漂っています。

  • 一乗谷川を挟んで見た唐門の遠景。

    一乗谷川を挟んで見た唐門の遠景。

  • 一乗谷川の土手に彼岸花が咲いています。

    一乗谷川の土手に彼岸花が咲いています。

  • ススキの穂が開くまでもう少しかかりそうです。

    ススキの穂が開くまでもう少しかかりそうです。

  • もう、赤とんぼの季節なんですね。<br />枝先に止まって、唐門を見ているようです。

    もう、赤とんぼの季節なんですね。
    枝先に止まって、唐門を見ているようです。

  • ここの彼岸花は今が見頃ですね。

    ここの彼岸花は今が見頃ですね。

  • 今使っているズームレンズではここまでが限界です。<br />こういう時には、つくづくマクロレンズが欲しいな〜と思います。

    今使っているズームレンズではここまでが限界です。
    こういう時には、つくづくマクロレンズが欲しいな〜と思います。

  • 唐門の内部には桜が植えられています。

    唐門の内部には桜が植えられています。

  • この桜は「薄墨桜」と名付けられ、朝倉館跡のシンボルとなっています。

    この桜は「薄墨桜」と名付けられ、朝倉館跡のシンボルとなっています。

  • 唐門は、元々豊臣秀吉が寄進したものですが、現在の門は江戸時代の中頃に建て替えられたものだそうです。

    唐門は、元々豊臣秀吉が寄進したものですが、現在の門は江戸時代の中頃に建て替えられたものだそうです。

  • 朝倉館は、防御上の観点から東側の山を背に築造されています。

    朝倉館は、防御上の観点から東側の山を背に築造されています。

  • このため、東側を除く館の三方には土塁を築き・・・

    このため、東側を除く館の三方には土塁を築き・・・

  • さらに土塁の周りに濠をめぐらして防御を固めています。

    さらに土塁の周りに濠をめぐらして防御を固めています。

  • この濠にはたくさんの鯉が泳いでいるので、鯉好きの観光客の方が覗きこんでいます。

    この濠にはたくさんの鯉が泳いでいるので、鯉好きの観光客の方が覗きこんでいます。

  • 波紋を残しながら鯉が泳いでいきます。

    波紋を残しながら鯉が泳いでいきます。

  • 今年の8月末、前線が本州付近に停滞した影響で、福井県も悪天候に見舞われる中、8月31日の強風で薄墨桜の枝が折れているのが発見されたそうです。

    今年の8月末、前線が本州付近に停滞した影響で、福井県も悪天候に見舞われる中、8月31日の強風で薄墨桜の枝が折れているのが発見されたそうです。

  • 折れた枝の跡が無残にも痛々しい姿をさらしています。

    折れた枝の跡が無残にも痛々しい姿をさらしています。

  • 折れた枝による怪我人も出ず、唐門に当たらなかったのが不幸中の幸いというものです。

    折れた枝による怪我人も出ず、唐門に当たらなかったのが不幸中の幸いというものです。

  • でも、木の大半が残っているので・・・

    でも、木の大半が残っているので・・・

  • 春にはまた素晴らしい花を見せてくれることでしょうね。

    春にはまた素晴らしい花を見せてくれることでしょうね。

  • では、朝倉館跡の内部を見ていきましょう。

    では、朝倉館跡の内部を見ていきましょう。

  • 館の東南隅にある朝倉義景墓所内に立つ石仏。

    館の東南隅にある朝倉義景墓所内に立つ石仏。

  • 館東側の高台に上って来ました。<br /><br />高台から見下ろした唐門。

    館東側の高台に上って来ました。

    高台から見下ろした唐門。

  • この高台からは発掘調査された朝倉館跡がほぼ見渡せます。<br /><br />調査の結果、館内で最大の「常御殿」とみられる建物を中心に、南側の主殿、会所、茶室などの接客施設や、北側の台所、厩、湯殿、蔵などの日常生活施設の、17棟もの建物が建ち並んでいたことが確認されています。

    この高台からは発掘調査された朝倉館跡がほぼ見渡せます。

    調査の結果、館内で最大の「常御殿」とみられる建物を中心に、南側の主殿、会所、茶室などの接客施設や、北側の台所、厩、湯殿、蔵などの日常生活施設の、17棟もの建物が建ち並んでいたことが確認されています。

  • 高台には、「湯殿跡庭園」が残っています。<br />今は枯山水のように見えますが、作庭当時は池に水が湛えられていたことが確認されているそうです。

    高台には、「湯殿跡庭園」が残っています。
    今は枯山水のように見えますが、作庭当時は池に水が湛えられていたことが確認されているそうです。

  • 庭園の岩の上で羽根をやすめる赤とんぼ。

    庭園の岩の上で羽根をやすめる赤とんぼ。

  • 次に、「湯殿跡庭園」の南側にある「諏訪館跡庭園」へ向かいます。

    次に、「湯殿跡庭園」の南側にある「諏訪館跡庭園」へ向かいます。

  • 「湯殿跡庭園」と「諏訪館跡庭園」の間にある道路は・・・

    「湯殿跡庭園」と「諏訪館跡庭園」の間にある道路は・・・

  • 館の西側を流れる一乗谷川へ通じています。

    館の西側を流れる一乗谷川へ通じています。

  • 道路に沿うように流れる水路。

    道路に沿うように流れる水路。

  • 「諏訪館跡庭園」です。

    「諏訪館跡庭園」です。

  • 諏訪館跡庭園は、上下2段に分けた高低差のある作庭がなされていて・・・

    諏訪館跡庭園は、上下2段に分けた高低差のある作庭がなされていて・・・

  • その高低差を滝のある石組がつないでいます。

    その高低差を滝のある石組がつないでいます。

  • 4段に落ちる滝。

    4段に落ちる滝。

  • さて、一乗谷朝倉氏遺跡はこれくらいにして、昼食に向かいます。

    さて、一乗谷朝倉氏遺跡はこれくらいにして、昼食に向かいます。

  • この日の昼食は、一乗谷朝倉氏遺跡から少し山間に走ったところにある「朝倉の里 利休庵」というお蕎麦屋さんでいただきました。

    この日の昼食は、一乗谷朝倉氏遺跡から少し山間に走ったところにある「朝倉の里 利休庵」というお蕎麦屋さんでいただきました。

  • 築130年になる、風情溢れる古民家の玄関を入れば、重厚な小屋組みが目に飛び込んできます。

    築130年になる、風情溢れる古民家の玄関を入れば、重厚な小屋組みが目に飛び込んできます。

  • 柱や梁に使われた欅材も、落ち着きのある飴色に変化していて、130年の歴史の重みを感じさせています。

    柱や梁に使われた欅材も、落ち着きのある飴色に変化していて、130年の歴史の重みを感じさせています。

  • 福井で蕎麦といえば、やっぱりおろし蕎麦ですよね。<br />何のてらいもない素朴なお蕎麦ですが、大変美味しくいただきました。

    福井で蕎麦といえば、やっぱりおろし蕎麦ですよね。
    何のてらいもない素朴なお蕎麦ですが、大変美味しくいただきました。

  • ところでこのお蕎麦屋さん、ソフトバンクモバイルのCMでおなじみの、白戸家のお父さんの実家としてCM撮影に使われたそうです。<br />お母さんを伴って実家に帰ってきたお父さんがここの玄関にたたずむ姿や、若尾文子さん扮する、お父さんの母親が登場するシーンなどが記憶に残っています。<br />空腹が満たされたので、もう少し奥にある一乗滝へ向かいます。

    ところでこのお蕎麦屋さん、ソフトバンクモバイルのCMでおなじみの、白戸家のお父さんの実家としてCM撮影に使われたそうです。
    お母さんを伴って実家に帰ってきたお父さんがここの玄関にたたずむ姿や、若尾文子さん扮する、お父さんの母親が登場するシーンなどが記憶に残っています。
    空腹が満たされたので、もう少し奥にある一乗滝へ向かいます。

  • 一乗谷川を上流にさかのぼると・・・

    一乗谷川を上流にさかのぼると・・・

  • 轟々と音をたてて流れ落ちる一乗滝があります。<br /><br />巌流島で宮本武蔵と決闘したことで知られる佐々木小次郎が、「燕返し」と呼ばれる剣の技をあみ出したのが、ここ一乗滝だと言われています。

    轟々と音をたてて流れ落ちる一乗滝があります。

    巌流島で宮本武蔵と決闘したことで知られる佐々木小次郎が、「燕返し」と呼ばれる剣の技をあみ出したのが、ここ一乗滝だと言われています。

  • この滝の落差は12mと、それほど高くないんですが、水量が多いので迫力はあります。

    この滝の落差は12mと、それほど高くないんですが、水量が多いので迫力はあります。

  • 滝口から流れ落ちた水は・・・

    滝口から流れ落ちた水は・・・

  • 岩にぶつかりながら滝壺に落ちて行きます。

    岩にぶつかりながら滝壺に落ちて行きます。

  • これだけの水量ですから、滝壺の足場さえよければ滝行も十分可能ですよね。

    これだけの水量ですから、滝壺の足場さえよければ滝行も十分可能ですよね。

  • では、一乗谷はこれくらいにして、この旅最後の訪問地、越前和紙の里:五箇地区を目指します。

    では、一乗谷はこれくらいにして、この旅最後の訪問地、越前和紙の里:五箇地区を目指します。

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