2013/09/21 - 2013/09/23
176位(同エリア625件中)
naoさん
9月の、後半の3連休を利用して福井を訪れました。
今回の旅のテーマは、福井に残る古い町並み散策と夕日鑑賞です。
旅の行程
9月21日 三国湊と東尋坊
9月22日 越前大野、勝山と平泉寺白山神社
9月23日 福井、一乗谷朝倉氏遺跡、越前和紙の里:五箇地区
2週連続する3連休のどちらかで旅に出ることを目論んでいたところ、前半は台風18号が直撃しそうだとのことなので、台風一過の晴天を狙って、後半の3連休に出かけることにしました。
この台風18号は各地に甚大な被害をもたらしましたが、最も身近に感じたのが、桂川の氾濫による京都嵐山の浸水被害です。
よく見知った老舗旅館や料理屋さんなどの被害状況を目のあたりにして、早期の復旧を祈る気持ちでいっぱいになりました。
それにしても、テレビニュースの映像を見ていて最もショックだったのが、桂川の濁流が渡月橋を襲う光景でした。
私の記憶の中で、こんな渡月橋の姿を見るのは初めてで、もしかすると流されるんじゃないかとひやひやさせられました。
では本題に入ります。
まず訪れたのが、北前船の寄港地として繁栄した三国湊です。
日々北前船が往来し、日本海有数の寄港地として繁栄した三国湊は、北前船がもたらした富や文物により、独特の文化を育んできました。
三国湊は、格式の高い芸者衆を抱えた花街として有名で、北前船交易で財を成した旦那衆や芸者衆が行き交う町並みには、どこからともなく「チントンシャン」という三味線の音色が流れる、情緒あふれる芸妓文化が開花しました。
また、町中を豪華で荘厳な武者人形が載った山車を曳きまわす、福井県の無形民俗文化財に指定されている三国祭があります。
この祭りの目玉である山車に散りばめられている工芸技術は、この町の木工・漆芸・彫金等の職人が互いに技を競い合い、三国細工と呼ばれるまでに熟練したもので、古社寺の再興や町並みの景観にも生かされています。
このように、独特の文化を育んできた三国湊ですが、この地を代表する豪商が起こした洋館建ての銀行の建物や、材木商として名をはせた豪商の屋敷跡などが連なる「きたまえ通り」には、花街特有の「粋」を反映した豪商たちの豊かな暮らしぶりや、熟練した三国細工を日常生活に取り入れた庶民の生活がしのばれる町並みが残っています。
「きたまえ通り」の北西には、江戸初期から日本海側有数の遊郭として賑わった「出村遊郭」がありましたが、町並みとして見るべき処はあるものの、遊郭としての風情はそれほど感じることができなくなっています。
古くから景勝地として名高い東尋坊は、地質学的にも珍しい「輝石安山岩の柱状節理」により生み出されたもので、海面上25mの高さから見下ろす断崖絶壁の景観は迫力満点です。
また、この辺り一帯の海岸は夕日の鑑賞スポットとしても素晴らしく、天気の良い日には水平線に沈む真っ赤な夕日を堪能することができます。
今回、この夕日を見るために東尋坊を訪れました。
- 同行者
- 一人旅
- 交通手段
- 自家用車
- 旅行の手配内容
- 個別手配
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休憩に立ち寄った、北陸自動車道下り線の杉津パーキングエリアから見た敦賀湾の眺望です。
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ここの展望台は、「ゆうひのアトリエ」という愛称がつけられているとおり、素晴らしい夕日が鑑賞できるスポットで、天気の良い日には敦賀湾を真っ赤に染める見事な夕日を見ることができます。
なお、私は上り線のパーキングエリアからですが、素晴らしい夕日に感動した経験があって、「2009 信州の旅 No3 白馬 (3日目)」という旅行記の中で紹介させていただいています。 -
この日の昼食は美味しい海鮮丼が食べたいと思い、東尋坊まで足を延ばして「すえひろ」さんでウニ・イクラ丼をいただきました。
丼とみそ汁という、いたってシンプルな取り合わせですが、新鮮なウニがあればそれに勝るものはなく、とっても美味しくいただきました。
では、東尋坊へは改めて夕日を見に訪れるとして、この日最初の目的地、三国湊の町へ向かいます。 -
三国湊へ向かう途中には、えちぜん鉄道:三国芦原線の終着駅、「三国港駅」があります。
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この「三国港駅」から、「三国駅」方面へ50mくらい行ったところに、国の登録有形文化財に指定されている眼鏡橋があります。
この橋は、上下の道路(又は線路)が斜めに立体交差する場合に用いられる、レンガ等をねじってアーチ状に積む「ねじりまんぽ」と呼ばれる工法で造られたものです。
ちょっと専門的になりますが、道路が直角に交差する場合は普通に水平に積めばいいんですが、斜めに交差する場合は、アーチ全体に力を配分させるため、その交差角度に応じてレンガ等を斜めにねじって積む必要があります。 -
三国湊へやって来ました。
観光駐車場に車を停めて、「きたまえ通り」から町歩きを始めます。 -
三国祭で曳きまわされる山車の一つ、下新区の山車蔵。
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提灯屋さんの作業場の前では、製作中の提灯が乾燥のために干されています。
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観光案内所にもなっている「三国湊座」です。
水上クルーズ、レンタサイクルなどの受け付けや、イベントを通じていろんな情報を発信しています。 -
町並みの中ほどの、趣のある建物が連なるところに差しかかりました。
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手前が、材木商として名をはせた豪商、旧岸名家住宅で、奥が三国湊町屋館です。
旧岸名家住宅は、妻入り建物の前面に平入り建物をつなぎ合わせる「かぐら建て」という三国湊独特の建築様式で建てられているそうです。 -
2層の破風がリズミカルです。
棟先には、懸魚でも、あるいは、鬼瓦でもない瓦がつけられています。 -
こちらのお宅は、建物の雰囲気を壊さないよう、自販機の置き場にも気を使っておられます。
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三国湊町屋館と旧岸名家住宅を反対側から見たところです。
三国湊町屋館も観光案内所になっており、ボランティアガイドが常駐されています。 -
町並みを進むと、西洋建築が見えてきました。
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旧森田銀行本店です。
森田銀行は、三国湊随一の廻船業、森田家が創業した銀行で、この建物は1920年に完成したそうです。 -
その後、森田銀行と福井銀行の合併により、福井銀行三国支店として使用されていましたが、1994年に三国町の所有となったのを機に復元工事が行われ、三国湊の繁栄を象徴する文化遺産として、保存・活用が図られています。
現在、展示会やコンサートなどの催しに利用され、地元の人から観光客に至る多くの人々に親しまれています。 -
人の顔のような装飾が銀行の堅いイメージを和らげています。
では、内部を見せていただきましょう。 -
この、木と漆喰塗の装飾が調和した吹抜け空間は、銀行の営業カウンターだったスペースです。
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それにしても、見事なまでの漆喰塗の装飾天井です。
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ギリシャ神殿に見られるエンタシスのついた大理石模様の柱と、柱頭の漆喰塗の装飾。
柱の大理石模様は左官屋さんが創り出したものだそうです。 -
営業カウンターからは見えない、壁の裏側についているベル。
多分、非常ベルだったんでしょうね。 -
窓枠の角の部分やカーテンボックスには、象嵌細工が施されています。
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2階の回廊を支える梁にも漆喰塗の装飾が施されています。
この建物に散りばめられている多様な職人技を見ると、いかに熟練された、優れた技量の持ち主達の手によって造られたかがうかがい知れます。
では、町歩きに戻ります。 -
旧三国大野屋の建物です。
大野屋とは、財政難にあえぐ越前大野藩が日本各地に作った物産店のことで、ここもその一つだそうです。 -
これは松ヶ下区の山車蔵です。
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扉のガラス越しに加藤清正の武者人形が覗いています。
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この町屋の方が、私が町並みの写真を撮り歩いているのを見ておられたようで、「この建物を見て行きませんか?」と声をかけてくださいました。
「それでは」ということで、ご厚意に甘えさせていただきました。 -
まず、使いこまれた箱階段が目につきました。
階段を上りかけると、「まず上を見てください」と背後から声が・・・。 -
なんだろうと思って見上げると、明りとりの天窓がありました。
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2階の座敷には、見事な六曲の屏風が掛けられています。
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この部屋は茶室のしつらえになっていて・・・
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にじり口が設けられています。
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虫食いだらけの敷居が、味があって面白いですね〜。
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物入れ襖の引き手はフクロウになっています。
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建てられてから相当経っているので古めかしさは否めませんが、この家の造作類には、まぎれもなく熟練した三国細工の職人技が散りばめられており、この町の人々の豊かな暮らしぶりがしのばれます。
声をかけていただいたお礼を言って、おいとまします。 -
では、引き続き町歩きに戻ります。
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宮太旅館さんです。
この建物も三国湊独特の「かぐら建て」様式になっています。 -
表具屋さんの前では、障子紙が貼られる前の雪見障子がその時を待っています。
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曲の手(かねのて=直角の意)に折れた2階の出窓が珍しいですね〜。
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建てられた当時は、さぞかし斬新だったでしょうね。
では、この辺でUターンします。 -
先ほどの表具屋さん。
雪見障子があるのにな〜、と思っていたら、やっぱり欄間の小障子もありました。 -
表具屋さんには、年季のはいった暖簾が掛けられています。
このお店の歴史が感じられます。 -
宮太旅館さん。
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ベンガラ色の壁が良い雰囲気を出しています。
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袖壁の錺金物。
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2重に掛けられた1階の庇。
下層の庇は桧皮葺きになっています。 -
この町屋からは、「チントンシャン」と三味線の音が流れています。
芸妓文化の情緒が、今も息づいています。
「きたまえ通り」はこれくらいにして、「出村」の町並みへ向かいます。 -
この町屋も「かぐら建て」の様式で建てられています。
妻入り建物の前面に平入り建物がつなぎ合わされている様子がわかります。 -
「出村」へ続く町並み。
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三国名物、酒饅頭の老舗「べにか」さん。
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出村遊郭の入り口に架かる思案橋です。
遊郭へ行くか、行くまいか、この橋のたもとで思案したところからこの名が付けられたそうです。 -
三国湊のほとんどの町屋の1階庇は金属板葺きだったのに、この町屋は、珍しく瓦葺きになっています。
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昔はどこの町角にもあった防火水槽。
これに水を貯めて火事に備えたものです。
いまは消火器にその座を譲ってしまいました。 -
片流れの大屋根がある町屋。
この後ろに妻入りの建物が取り付けば「かぐら建て」になるんですね。 -
ちょっと町並みを外れて三国港へやって来ました。
太陽の光が波頭に反射してキラキラ輝いています。
この分だと、きれいな夕日が期待できそうです。 -
漁船の船べりで揺らめく波模様。
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では、思案橋に引き返します。
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出村界隈は、古い町家がちらほら残ってはいるものの、遊郭としての風情はそれほど感じることができません。
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わずかな隙間に植えられた黒松。
がんばってね〜! -
思案橋に戻って来ました。
橋を渡って左の方へ向かいます。 -
典型的な「かぐら建て」の町屋がありました。
妻入り建物と平入り建物つながり方が最もよくわかる建物です。 -
立派な店構えのお蕎麦屋さんです。
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お店の前には、飾り物として石臼が置かれています。
昔はこれで蕎麦粉を引いていたんでしょうね。 -
この町屋は、昭和を代表する作家、高見順さんの生家です。
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説明文によると、高見順さんは数奇な星のもとに生まれてこられたようです。
三国湊の町はこれくらいにして、次は、みくに龍翔館へ向かいます。 -
みくに龍翔館です。
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この建物は、オランダ人技師、G.A.エッセルのデザインにより明治12年に建てられた龍翔小学校を模して三国湊の町を見下ろす高台に建てられたもので・・・
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三国町郷土資料館になっています。
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この建物は、5層で八角形のデザインが特徴的です。
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では、内部を見せてもらいましょう。
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入場券。
館内には、三国の歴史、自然、暮らしなどに関する展示コーナーが設けられ、写真や模型などにより詳細に紹介されています。 -
基本的に館内は撮影禁止なんですが、千石船の模型と三国祭の山車だけは撮影可能とのことなので、写真に収めました。
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この山車は、高さ11mあるそうです。
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京都五条大橋の、牛若丸と弁慶が再現されています。
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4階の展望台からは、日本海や三国の町が一望できます。
日本海側には、みくに龍翔館のモデルになった龍翔小学校をデザインしたG.A.エッセルの手になる三国突堤が望めます。 -
町の向こうには、九頭竜川に架かる新保橋が見えます。
では、そろそろ東尋坊へ向かいます。 -
この商店街を抜けたところに東尋坊があります。
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日本有数の景勝地として名高い東尋坊です。
地質学的にも珍しい「輝石安山岩の柱状節理」により生み出された、海面上25mの断崖絶壁は迫力満点です。 -
東尋坊の先には、越前海岸でもっとも大きな雄島が浮かんでいます。
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海上から東尋坊の景観が楽しめる遊覧船が運航しています。
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夕日を目当てに、たくさんの人が集まっています。
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水平線に沈むまでには、今しばらく時間がありそうです。
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遊覧船が、航跡を残して沖を目指して進んでいきます。
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奇岩を波が洗う姿はまさに絶景です。
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夕日は、徐々に赤みを増していきます。
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手すりの疑木も夕日に染まって来ました。
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人と岩と遊覧船の、きれいなシルエットを創り出す夕日。
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漂う遊覧船を見守る夕日。
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水平線を真っ赤に染める夕日。
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真一文字に海面にその姿を映す夕日。
このように、見る者の心にいろんな印象を抱かせる、こんなにロマンチックで感動的な夕日を見ることができて、訪れた甲斐がありました。 -
きれいな夕日も・・・
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そろそろ沈もうとしています。
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それに急かされるように、一艘・・・
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また一艘と、漁船が家路を急いでいます。
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ありがとう、夕日。
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さようなら、夕日。
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いずれ、またどこかで・・・。
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それぞれの思い出を胸に、集まった人々も家路につきます。
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帰路、通りがかった「三国港駅」では、電車が発車を待っています。
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時間の到来とともに走り去る電車。
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電車が走り去った駅舎には・・・
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人っ子一人残っていません。
改札口も寂しげです。 -
夕焼けの余韻が残る三国港では・・・
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一羽の鳥が、悠然とたたずんでいます。
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