2013/09/17 - 2013/09/20
6714位(同エリア28092件中)
櫻さん
日本列島を縦断した台風18号は出発前日に通過。
無事に台北には到着出来たものの、新たに台風19号が台湾向かってまっしぐら。
旅の2日目。
この日は少し遠出をするので、早朝5時に起床。
夜明け前だからなのか曇っているからなのか、窓の外はまだ真っ暗。
生暖かい風も吹いてるし、いよいよ台風の影響が出てきたのかな?
テレビの天気予報も、相変わらず「北部・東部の海岸沿いは暴風雨に注意」みたいなことを言っています。
2日目の行程:
野柳をスタートして反時計回りに北海岸沿いをぶらり途中下車の旅
を予定してたんですが、実際は
野柳
二二八紀念館
淡水
美麗華周辺
でした。
とりあえず、天気がどうなるのか行ってみないことには分からなかったので、ひとまず朝食を食べがてら、野柳行きのバスに乗るため台北車站に向かいます。
- 旅行の満足度
- 3.5
- 同行者
- 一人旅
- 一人あたり費用
- 5万円 - 10万円
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-
朝の散歩も兼ねてホテルから歩くこと約15分、雙城美食街近くの豆漿店『洪記豆漿大王』にやって来ました。
この店は24時間営業です。 -
早朝過ぎてか客がいない。
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洒落た店のロゴ。
-
鹹豆漿と原味蛋餅とエッグタルト。
上手く発音できないから、紙に書いて注文しました。
しめて70元也。
なんだろう?
鹹豆漿と蛋餅は思ってたほど美味しいと思えなかった。
エッグタルトは甘過ぎず美味しかったです。
まぁこういうのはお店によって味も違うから、色々な店で食べ比べて自分好みを見つけるんでしょうね。
食べてる間、ザーッという音が聞こえてきたので外を見ると、スコールのようなダダ降りの雨。
じぇじぇじぇ。 -
外に出ると雨はやんでました。
雲の切れ間から青空ものぞいてます。
でも、雲の流れがとてつもなく早い…。 -
台北車站の西側にある台北西バスステーションA棟に到着。
国光客運1815番バスに乗ります。 -
野柳まで96元也。
乗車時間は約1時間半。
切符を買う時、それっぽく「イェーリュウ(野柳)」と言ってみたら、すんなり通じました。
中国語に自信が持てた瞬間。
外国人がよく行く観光地だし、頻繁に購入される方向の切符だからだろうけどね。 -
バスの車内。
豪勢にもテレビ付き。 -
台風状況。
日本風に言うとゲリラ豪雨でしょうか。 -
しばし市街地とはお別れ。
そしてまた雨が降ってきた。 -
ウトウトして目が覚めて、窓の外を見たらこの有り様。
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ちょうど1時間半後、野柳に到着。
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バス停から野柳へ。
雨の激しさ、分かりますでしょうか?
持ってきた折り畳み傘じゃまるで役に立たず、途中のファミマで雨ガッパ買いました。 -
雨ガッパ着て濡れガッパになりながら歩くこと約10分。
どうにかこうにか目的地に到着。 -
入場します。
これより天候は
暴風雨
雷
雨はやむが暴風
の繰り返し。 -
野柳地質公園:
長さ約1700mの岬に、海の侵蝕や風化によって出来た多くの奇岩怪石が見られる場所、とのこと。 -
奇岩怪石の数々。
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サンダルのかたち、らしい。
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大半は大陸から来たと思われる観光客ばかりでした。
右側の低い椰子みたいな木の傾き具合や、左下のオヤジの髪のなびき具合で風の強さがお分かりいただけると思います。 -
ここの名物“女王頭”との記念撮影待ちの人々。
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横からチョロっと入って撮らせていただきました。
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ご覧下さい。
この重々しく立ち込める黒雲を。
雷鳴をお聞かせできないのが残念です。 -
時化る海。
そして日本があると思われる方角。
この暴風雨に心が折れかかり、ちょっぴりホームシック気味。
おか〜さ〜ん。 -
あの岬の先端まで珍風景は続くんですが、もはやそんな根性もなく退散します。
-
バス停まで戻ります。
この辺りは漁港なんですね。
計画ではこの後、金山に行く予定でした。
しかし、あまりの悪天候に気持ちは既に投げやり状態。
更に、このバス停がある路線はそのまま金山方面に行くはずなんですが、天候のせいかたまたまなのか、この野柳バス停より先の道が通行止めとなっていました。
なにがなんだかよく分からないから、来たバスにとりあえず乗っちまえ、ということで乗ったバスが基陸行き。
基陸着いたら、これまたあり得ないほどのゲリラ豪雨。
のんびり街歩き、なんて余裕もありゃしない。
絶対どこかに落ちたよね、くらいのデッカい雷も鳴りました。
台鉄乗って、台北に戻ります。 -
やれやれ、台北市内に戻って来ました。
こちらはパラパラ雨が降る程度。
やっぱり海沿いとは天気が違うのね。
外で観光する気分が萎えている為、ココにやって来ました。
本当は3日目の計画に組み込んでいた場所です。 -
『二二八紀念館』。
今回の旅は“近代の台湾の歴史を学ぶ”もテーマにしております。 -
入ってまず、当時配られていたビラが床下に敷きつめられています。
-
日本の敗戦。
50年にわたる日本統治時代が終わりました。 -
そして台湾は中国へ“光復”。
最初は蒋介石率いる国民党を歓迎していました。 -
しかし、国民党は汚職・略奪・差別など悪政の限りを尽くします。
本省人(戦前から台湾にいた人々)と外省人(戦後大陸からやってきた人々)との軋轢もこの頃から生まれました。
「走了狗来了豚(犬が去って豚が来た)」。
犬(日本人)はうるさいが役に立った。
豚(中国人)は汚く食い荒らすだけ。
そんな言葉も生まれたそうです。 -
1947年2月27日、台北市内のとある路上で闇タバコを販売していた女性が取締官たちに暴行されました。
それを見ていた群集が抗議。
警察官がそのうちの1人の一般市民を射殺してしまいます。 -
この事件はたちまち台北市内に広がり、日頃から国民党の横暴に不満を抱えていた市民達が遂に爆発します。
翌28日、多くの市民が抗議のデモ隊となって市庁舎やタバコ専売局に押しかけました。
政府側はそんな非武装の市民達に向かって無差別発砲。
多くの市民が殺害されました。
これが二二八事件の始まりです。 -
ちなみにこちらが市民達が押しかけた場所の1つ。
元:台湾省専売局台北分局
現:彰化銀行台北分行
です。 -
この二二八紀念館は元はラジオ放送局でした。
市民達はここを占拠。
そしてマイクに向かって全島民に「台湾人よ、立ち上がれ」と日本語で呼びかけました。
日本語が喋れるのは、日本統治時代を過ごした本省人としての証だからです。 -
一方の政府側も市民との対話姿勢を示すふりをして、その間に大陸の蒋介石に「台湾人が反乱蜂起」と報告。
蒋介石は台湾に憲兵隊を派遣します。
この時に発令された戒厳令は、ほんの二十数年前の1987年まで敷かれていました。
こうやって今ノンビリ旅行に来られる台湾が、つい最近までそういう国だったことに驚きというか悲しいというか、なんとも言い表せない気持ちが湧き上がります。 -
台湾に上陸した憲兵隊たちは、日本統治時代の教育を受けたエリート達を無差別に逮捕・拷問・殺害します。
-
司法界・教育界・新聞関係者など、あらゆる人達がいわれのない罪で殺されました。
-
多数の一般市民も無差別に殺されました。
手に針金を刺し通し、何人も縛って束ねて、「粽」と称してそのまま海に投げ込む、という処刑方法もあったそうです。 -
そんな処刑方法から、かろうじて生き残った生存者の証言や手の傷跡の写真も展示されていました。
-
この事件の犠牲者は、いまだに正確な人数が把握されていません。
何万人とも言われています。
その犠牲者を追悼するためだと思われます。
白い百合が飾られていました。 -
二二八紀念公園内にある、犠牲者を追悼するモニュメントです。
-
この写真は今年の1月に撮ったものです。
初めて台湾に来た時で、台湾の歴史をまだ何一つ知らなかった時でもあります。
男性が写っています。
この時は「何してるんだろう?」としか思いませんでした。
今思うと、犠牲になった方の身内か関係者だったのかな?とも思います。
もしくは、台湾の悲しい過去を忘れまいと追悼の意を表しているのかもしれません。
台湾はこの二二八事件。
韓国だったら光州事件。
自由や民主化を手に入れるため、多くの人々が犠牲になって今の時代がある、という国が世界にはたくさんあります。
日本は、民主化に関しては自分達の犠牲を払っていません。
それが良かったのか悪かったのか、民主主義の時代しか知らない私には分かりません。
殺し合うことなく平和的に解決することが一番ですが、「自分の国のために」と頑張る気持ちを、世界を見習って日本人はもう少し持たなければいけないのではないのかなぁと、台湾に来て私は思いました。
とかなんとか語ってしまいましたが、後編に続きます。
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この旅行記へのコメント (3)
-
- TAKさん 2013/10/01 23:17:26
- こんばんは。
- お久しぶりです。
レポートありがとうございました。
知りたかった過去の壮絶さがよく分かりました。
ここまで書いてくださってお礼をしたいと思います。
思いつきで訪れた台湾に心惹かれ、過去を知ることも
また必要なのだと感じました。
自分もいつか訪れてみたいと思います。
- 櫻さん からの返信 2013/10/02 23:07:51
- RE: こんばんは。
- TAK様
ご無沙汰しております。
私も6月の高雄・台南旅行以来、「台湾の歴史を知りたい」と思って色々本を読み、そして知れば知るほど驚きの連続でした。
台湾はこんなに日本と近くて、そしてこんなに日本と深い関わりがある国なのに、私達日本人は台湾のことを知らない人が多すぎる事実。
戦後の日○組による学校教育のせいもあるんですが、あまりにも台湾の人達に失礼なことですよね。
なんの本かは忘れましたが、日本語世代のおじいさんの
「日本人が台湾に来たら、観光だけでなく、歴史的な部分も見て欲しい」
という言葉があったんです。
私は今後も台湾に通い続けると思いますが、観光するのは勿論ですが、同時に「台湾という国」について深く触れられる体験ができるような旅をしていきたいです。
-
- たまさん 2013/09/26 22:26:17
- 歴史
- 櫻さん
二二八公園のレポに涙しました。
昔から歴史が大きらいでして(苦笑)
好きな国の歴史くらいは勉強しておかないといけないと思いつつ、
やっぱり嫌いで・・
櫻さん、丁寧に説明してくださってありがとうございます。
真面目で丁寧な説明の半面、
時々出てくるななめ目線?のコメントがとてもツボです(笑)
2日目後半以降も楽しみにしていますね!
たま
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