![電車を乗り過ごした後、逆に郊外の景色を楽しんでしまった経験ないでしょうか。私はよくあります。これがもし日本なら、広々とした田園風景や農家の大邸宅に目を奪われることでしょう。では、クアラルンプールで同じことをすると、どうなるか? さあ、どうなるんでしょうね~(笑)。それを確かめるべく、約2時間の車窓の旅に出発です。<br /><br /><br />**情報は、2013年8月のもの。1リンギット=32円で計算。<br /><br />==クアラルンプール ウォーカーズ シリーズ一覧==<br />①チャイナタウンでまったり<br />http://4travel.jp/travelogue/10794525<br />②歴史ある建造物編<br />http://4travel.jp/travelogue/10794545<br />③多様な民族マーケット編<br />http://4travel.jp/travelogue/10939353<br />④大人の社会派観光<br />http://4travel.jp/travelogue/10942110<br />⑤電車でGO - モノレール・ループ編<br />http://4travel.jp/travelogue/10802253<br />⑥電車でGO - 郊外住宅見学編<br />http://4travel.jp/travelogue/10806703<br />⑦クアラルンプール両替 虎の巻 <==<br />http://4travel.jp/travelogue/10797388<br />⑧マレーシアの安ビール事情<br />http://4travel.jp/travelogue/10942190<br />⑨バルセロナ vs マレーシア選抜 生観戦<br />http://4travel.jp/travelogue/10801004<br />⑩-⑪ 執筆予定<br /><br />== KL関係 ==<br />ペトロナス・ツインタワーの見え方研究 全4作<br />http://4travel.jp/travelogue/10804350<br />== 鉄道関係 ==<br />[インド]インド鉄道達人の予約術<br />http://4travel.jp/travelogue/10438828<br />[インド]ダージリン トイ・トレインの取説<br />http://4travel.jp/travelogue/10744815<br />[インド]カングラ鉄道 世界遺産への遠い道のり<br />http://4travel.jp/travelogue/10437820<br />[マレーシア] 電車でGO - モノレール・ループ編<br />http://4travel.jp/travelogue/10802253<br />[マレーシア] 電車でGO - 郊外住宅見学編 <br />http://4travel.jp/travelogue/10806703<br /><br />==マニアックな自作ツアー==<br />[ネパール] ポカラ 市バスで近郊巡り http://4travel.jp/travelogue/10764799<br />[インド] ラダック バイクでゴンパ巡り http://4travel.jp/travelogue/10641487<br />[日本] レンタカーで東日本被災地巡り http://4travel.jp/travelogue/10670277<br /><br /><br />更新:<br />2014/6/29 写真拡大<br />](https://cdn.4travel.jp/img/thumbnails/imk/travelogue_album/10/80/67/650x_10806703.jpg?updated_at=1421005111)
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電車を乗り過ごした後、逆に郊外の景色を楽しんでしまった経験ないでしょうか。私はよくあります。これがもし日本なら、広々とした田園風景や農家の大邸宅に目を奪われることでしょう。では、クアラルンプールで同じことをすると、どうなるか? さあ、どうなるんでしょうね~(笑)。それを確かめるべく、約2時間の車窓の旅に出発です。
**情報は、2013年8月のもの。1リンギット=32円で計算。
==クアラルンプール ウォーカーズ シリーズ一覧==
①チャイナタウンでまったり
http://4travel.jp/travelogue/10794525
②歴史ある建造物編
http://4travel.jp/travelogue/10794545
③多様な民族マーケット編
http://4travel.jp/travelogue/10939353
④大人の社会派観光
http://4travel.jp/travelogue/10942110
⑤電車でGO - モノレール・ループ編
http://4travel.jp/travelogue/10802253
⑥電車でGO - 郊外住宅見学編
http://4travel.jp/travelogue/10806703
⑦クアラルンプール両替 虎の巻 <==
http://4travel.jp/travelogue/10797388
⑧マレーシアの安ビール事情
http://4travel.jp/travelogue/10942190
⑨バルセロナ vs マレーシア選抜 生観戦
http://4travel.jp/travelogue/10801004
⑩-⑪ 執筆予定
== KL関係 ==
ペトロナス・ツインタワーの見え方研究 全4作
http://4travel.jp/travelogue/10804350
== 鉄道関係 ==
[インド]インド鉄道達人の予約術
http://4travel.jp/travelogue/10438828
[インド]ダージリン トイ・トレインの取説
http://4travel.jp/travelogue/10744815
[インド]カングラ鉄道 世界遺産への遠い道のり
http://4travel.jp/travelogue/10437820
[マレーシア] 電車でGO - モノレール・ループ編
http://4travel.jp/travelogue/10802253
[マレーシア] 電車でGO - 郊外住宅見学編
http://4travel.jp/travelogue/10806703
==マニアックな自作ツアー==
[ネパール] ポカラ 市バスで近郊巡り http://4travel.jp/travelogue/10764799
[インド] ラダック バイクでゴンパ巡り http://4travel.jp/travelogue/10641487
[日本] レンタカーで東日本被災地巡り http://4travel.jp/travelogue/10670277
更新:
2014/6/29 写真拡大
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[目次]
クラナジャヤ線
パサルスニ駅
車輌
北側部分 - 地下鉄ライド
北側部分 - 郊外でお部屋探し
北側部分 - 丘を越えて
北側部分 - ワンサマジュ駅
北側部分 - 平地がある限り
北側部分 - 落ち葉拾いとモスク巡り
北側部分 - 大都市ワープ
南側部分 - KLセントラルの南
南側部分 - 西へ伸びる道
南側部分 - 再び、民家見学
KLセントラルへ
ルート
まとめ -
[クラナジャヤ線]
線路は続くよどこまでも。モノレール・ループを終えた私は、次なる旅を求めて駅の路線図を眺めていた。見ての通り、日々拡張を続けるKL電車網の中では、モノレール・ループ(水色)なんてごく一部。まだまだ修行が足りません。
さて、次はどの路線を攻めるべきか..。いろいろ考えた結果、LRTのクラナジャヤ線(紫の線)がいいのでは、という結論に至りました。クラナジャヤ線は、全長29キロ24駅。北部と西部の郊外を結ぶ、東京で例えるなら、京浜東北線のような通勤路線です。主に市内中心部を走るモノレールと違い、こちらは旅行者が普段行かないような場所にまで、線路を伸ばしています。このルートを使って、KL郊外の景色を見学しようというのが、私のゲームプラン。果たして期待通りの風景が見られるのかどうか。さあ、どうなんでしょうね〜(笑)。
参考: クラナジャヤ線(英語版ウィキペディア)
http://en.wikipedia.org/wiki/Kelana_Jaya_Line -
[パサルスニ駅]
私はチャイナタウンに滞在しているため、最寄り駅はクラナジャヤ線のパサルスニ駅。部屋の窓から見えるくらい、すぐ近くにあります。現在、駅周辺では、新たに開業するMRT線の地下駅を建設中。そのため、日夜騒音を撒き散らしています。 -
この駅があるのは、クラン川のすぐ東側。プラットフォームからは、川を挟んで、郵便局や国立モスク、国鉄クアラルンプール駅などが見えています。
どうも、この川沿いのコンクリート壁は地元アーチスト達に開放されているようで、いくつも興味深いスプレー・アートを見ることができます。 -
ちなみに、私のお気に入りはコレ。二人の建国の父を描いた「マラヤ・ヒーローズ」。上の歩道は、国鉄クアラルンプール駅への連絡通路になっています。
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今回も、初乗り分(1RM=32円)のチケットで入場しています。まずは、北に向かう電車に乗車。
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[車輌]
ここで、クラナジャヤ線を走る列車について、簡単に紹介しておきましょう。線路は標準軌道で、給電はサードレイル。ここまでは、アンパン線と同じです。列車及び運行システムはカナダの鉄道大手、ボンバルディア社が製造しています。新しい車輌が多く、座席はすべて横向きのプラスチック製。2輌編成または4輌編成で、すべての車輌は中でつながっています。 -
クラナジャヤ線が、KLを走る他の路線と決定的に違うもの。それは、この路線の列車が、自動運転システムで運行されているということです。
無人運転なので、車輌に運転室はなし。そのため、先頭車両は、ほらこの通り。正面の窓を通して、前方の景色を楽しめます。 -
だから、窓の手前は一番の特等席。そこには、マニュアル運転用の器材が入った台があるのですが、都合がいいことに、子供が乗るのにちょうどいい広さ。「ここに腰掛けるな」の注意書きを無視して、たいてい両親が子供をここに座らせています。私も窓後ろの好位置をキープしながら、北の終点ゴンバックまで向かいます。
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[北側部分 - 地下鉄ライド]
パサルスニ駅を出るとすぐ、右側にセントラルマーケット(写真)が見えてきます。「セントラルマーケット」をマレー語に訳すと、パサルスニ(Paser Seni)。そのまんまです。列車は、この青い建物を右に見ながら、地下トンネルの中に進入していきます。 -
ここからダマイまでの5駅、都心部を経由するため地下の中を走ります。日本では珍しくもない地下鉄ですが、マレーシアでは1999年に開通したこの路線が、地下鉄第一号。現在建設中のMRT路線が完成するまでは、マレーシアで唯一の地下鉄になります。
写真は、先頭車両からの眺め。何かのアトラクションみたいですね。無人地下鉄のない日本では、ここまで完全な眺めは期待できません。写真をよく見ると、私の上半身が窓に映りこんでいます。実はこうやって、先頭パネルの上にもたれかかると、楽なのです。 -
最初の地下鉄駅、マスジッド・ジャメに到着です。アンパン線と違い、クラナジャヤ線のホームは地下。この後、カンポンバル、KLCCなど馴染みのある駅が続きます。
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[北側部分 - 郊外でお部屋探し]
マスジッド・ジャメ駅を出発して8分後、再び地上の高架線路に戻りました。この先、観光客が訪れるような場所はないので、ほとんどの人にとっては耳慣れない駅名が続きます。景色は、正面または左側がいいでしょう。
最初の地上駅ダマイに到着。ここには左側に宗教施設のようなショッピングモールがあります。クラン川沿いにさらに一駅走り、ダト・クラマッ駅へ。駅のすぐ北側は、平屋のマーケットが広がりいい感じです(写真)。この後すぐに線路は左に旋回し、最終的には矢印の高層マンション横を通過します。 -
私はこの路線を走るにあたり、何をテーマに見物すればいいのか、まだ決めかねていました。しかし、少し走っただけで、すぐにテーマを発見。それは、「郊外の住宅巡り」です。ここ2駅だけでも、下町風オンボロ一軒家集落、その向こうに見える丘の上のマンション群、などとまったく違った種類の住まいが見ることができます。さらに決定的だったのが、唐突に現れたこの4階建ての家屋(写真)。4階建ての民家なぞ、KLではここしか見ていません。
列車はこの後、どんどん郊外へと進んでいきます。モノレール線と違って、クラナジャヤ線は倍以上長い長距離ルート。しかも開けた場所を通るため、住宅見学にはもってこいなのです。きっと、多種多様な住居に出会えることでしょう。 -
ダト・クラマッ駅の後、これまで東向きに走ってきた列車は、北向きに方向転換。左の窓からは、すでに2キロほど離れたKL都心部の姿が目に入ります。と同時に、手前の大型住宅とテニスコートも..。
私は前々から、マレーシアは大家族のわりに家が狭いと感じていました。でも、これくらい部屋数の多い家なら、問題なし。三世帯くらい住めるでしょう。結局は、詰め込みかよ! このように、古い集落の後、何の前触れもなくハイソな住宅街が出てくるから油断なりません。 -
[北側部分 - 丘を越えて]
列車はジュラテック通りを北上。ジュラテック駅の後方に、丘の端にある高層マンションが見えてきました。どうも、これらの高い建物があるのは、すべて丘の上。 高い場所=優良物件なのか、土地が安いから開発しやすいのか。いずれにせよ、金持ちが高い場所を好むのは、世界共通です。 -
その高級そうなマンション(写真)を通過して、スティワンサ駅へ。ここから、隣の道路はスティワンサ通りに名前を変えます。しかし、香港や上海ほど人口密度の高くないKLで、高層マンションの需要なんてあるんですかね。同じお金で家一軒買えそうな気がします。
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スティワンサ駅の後、少々起伏の激しいエリアを通過します。写真は、そんなアップダウン・コースを走る上り列車。クラナジャヤ線は、毎日20万人の乗客を運ぶKLの基幹路線。本数も多く、頻繁に対向列車とすれ違います。
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隣の丘には、マンション以外の建物もあります。写真は、大通りを挟んで丘のふもとにある古びた団地。道路沿いにある実用第一の団地です。そしてその奥、団地住民を見下ろすように建つのが、選ばれし者の高級住宅。金持ちが高い場所を好むのは、ここでも証明済みです。
この後、線路はまわりの土地より低い場所を走り、スリランパイ駅へ。ここは、クラナジャヤ線で唯一、高架でも地下鉄でもない駅。かといって深い場所にあるので、地上って感じもしません。 -
[北側部分 - ワンサマジュ駅]
ハイウェイの下をくぐった後、再び高架に戻り、ワンサマジュ駅に到着です。この辺りは、団地や分譲住宅が特に多いエリア。大きなイオンなどもあり、独立した郊外の生活圏を築いています。東京で例えるなら、八王子。ここは見所が多いので、ホームに途中下車することにします。
写真: ワンサマジュ駅。写真のように、クラナジャヤ線の北側にある駅舎は、すべて伝統様式の屋根を模したデザインになっています。 -
まずは、左側のプラットホームから景色をチェック。南西側にある都心部が、遠いながらもよく見えます。距離的には、だいたい6-7キロくらい。その間、高い建物がほとんどないのがポイントです。
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続いて、プラットホームの逆側もチェック。駅のすぐ横には、KLでは珍しい三階建ての家屋が10列以上並んでいます(写真)。三階建てと聞くと、何か高級そうなイメージですが、例によって幅の狭い家がつながっただけのタウンハウス・スタイル。階段を除いたら、各フロアの面積なんてごくわずかです。
どうも、持ち主が増築するのは自由なようで、写真のように道路いっぱいまで建物を伸ばす家も何軒か見られます。日本では、このように屋根や壁がつながった家といえば、古い市営住宅くらい。それゆえ、この不揃いな集合住宅の姿に、何か違和感を感じるのでした。 -
[北側部分 - 平地がある限り]
このクラナジャヤ線北部の特徴は、近くに山があること。突如として現れるゴツゴツした岩山が、他の路線にはない、自然の彩りを与えてくれます。
ワンサマジュ駅の後、終点まであと2駅。高架上の線路が、さらに奥の山へと伸びています。そこに平地がある限り、住宅地の開発は続きます。 -
再び列車に乗り、車窓の旅を再開します。少し走ると、左側に社宅のような広々とした集合住宅が見えてきます。これは、一体何でしょう。残念ながら、わかりません。外から見る限り、ひとつの家が横4部屋占めています。後ろの団地と比べても、明らかに格上。
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続いてタマン・メラティ駅に到着。駅の左側にはオーソドックスな団地があり、列車や駅のホームからよく見えます。
各家2部屋づつ外に向いていて、その内ひとつは、内側に凹んだベランダのようになっています。これは、KLの団地では、比較的ポピュラーなスタイルで、それ以外だと、鳥かごのような丸いバルコニーが突き出たようなものもあります。そういえば、日本のマンションにあるような横長のベランダ、めったに見かけませんね。泥棒対策なのかな。 -
団地の後、右にカーブ。ほとんど森のような場所ですが、高級住宅が何軒か建っています。例えば、この家。大変凝ってますね。マレーシアでよく見かける傾斜のある大きな屋根と採光窓のデザイン。それを、わざわざ高級住宅で再現すると、こうなります。
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線路は、岩山に向かって直進。すでに、周辺には行き止まり感が漂っています。最後、正面の山を避けるように左にカーブして、終点ゴンバック駅に到着です。ここから先は、基本的に山があるだけ。道路は通っていますが、線路が延長されることはないでしょう。
これと同様に、KTMコミューターのバトゥ・ケーブ線も、KL北側の山の麓まで線路を伸ばしたところで終点。もともと近郊向けに開発されたこれらの路線には、明らかな「森林限界」が存在します。
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[北側部分 - ゴンバック駅]
終点のゴンバック駅(写真奥)は、立体駐車場があるだけの何もない場所。少し戻れば、団地やマンションなど、それなりに人は住んでいます。この駅からは、ゲンティン・ハイランド行きのバスも発着。
LRT駅というのは、たいていすぐそばに広い駐車場が用意されています。ここゴンバック駅の場合、、土地に余裕がないためか立体駐車場。ところで、マレーシアでは自転車の駐輪場ってほとんど見かけませんね。あるにはあるんですが、利用者は少なめ。そもそも、自転車乗ってる人自体見かけません。 -
パサルスニからここまで13駅28分(途中下車除く)。ということは、だいたい1時間あれば、クラナジャヤ線の北側を往復できることになります。
電車は、すこし停車してから、折り返し運転スタート。自動運転なので、他の路線のような、運転手の車輌移動はありません。その代わり、眺めにこだわる私自身が、先頭車両に移動していきます。しかし、車掌はもちろん、運転手もホームの係員もいないって、何か自由な感じがしますよね。一日中車内で過ごしても問題ないかも(車輌によっては監視カメラがあります)。 -
[北側部分 - 落ち葉拾いとモスク巡り]
ここまでの写真は、主に正面または左側の窓から撮ったものです。復路も左側が高架の端になるのは同じですが、景色が線路の逆側になります。というわけで、戻りは、往路で見過ごした、または気づかなかった景色を中心に見ていきましょう。
ゴンバック駅を出発後、まずはタマン・メラティ駅手前のカーブで、左側に大きなドーム型モスクが現れます。郊外には中華系の人も多く住んでますが、やはり宗教的な存在感はモスリムが圧倒的です。 -
ワンサマジュ駅を過ぎると、今度は左側に茶色い屋根のモスク(ウサマビン・ザイド)が出てきます。私がここで気になったのは、モスクではなくその手前にある6階建ての建物。その外観やパラボラアンテナの位置から判断して、横同士は別の家です。でも、6階建てはどう考えても高すぎる。ひょっとして、上下3階ずつに分けてメゾネット形式にしてるのかな。繰り返しになりますが、こんな変なマンションに住むくらいなら、同じお金で一軒家を借りたほうがましです。
なぜだか知りませんがが、線路のこちら側はモスクばかり出てきます。この後、セティワンサ駅の手前でも、黄色のドーム型モスクを見かけました。 -
スリランパイ駅の後、ハイウェイを越えた左側に、茶色屋根の建売住宅が現れます。日本にもありそうなモダンなデザインで、広さ的にもちょうどいい感じ。ただ、やはりこれも隣家と壁が繋がったタウンハウスの一種。完全な新築一軒家ってのは、かなりハードルが高いようです。隣家と接した住宅環境に、もう慣れっこなのでしょう。
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[南側部分 - 大都市部ワープ]
さらに電車は走り、ジュラテック駅を通過。ダト・クラマッ駅を過ぎたあたりから、都心部の建物が大きく見えてきます。感覚的には、中央線で新宿副都心にアプローチする感じ。途中に高い建物がない分、よりダイナミックです。 -
ダマイ駅の後、左にカーブして地下の中へ。再び、都心部の地下を走ります。
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ま、ワープですね。早い話。
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トンネルを抜けると、そこはパサルスニだった。引き続き乗車して、クラナジャヤ線の残り半分を走ります。正確に言えば、クラナジャヤ線は、2段階に分けて建設されました。パサルスニから南側の駅が第一期で、1998年9月に営業スタート。残りの北部分は、9ヶ月遅れて1999年6月にスタート。ここから先は、一番最初に営業開始したセクションを走ることになります。
パサルスニを過ぎると、右に青い屋根の国立モスクと白い駅舎のクアラルンプール駅(紫右)が見えてきます。その後、左側に白いカトリック教会(紫左)も。 -
[南側部分 - KLセントラルの南]
パサルスニから2分ほどで、KLセントラル駅に到着。高架のまま、駅の建物内に入っていきます。通常、観光客が利用するのは、このKLセントラルあたりまで。ここから先は、ほとんどの旅行者にとって未知のゾーンになります(相変わらず、大げさな!)。 -
KLセントラルの後、一つ目のバンサー駅を通過すると、ミッドバレーのビル群が正面に見えてきます。黄色い点が、KTMミッドバレー駅前にあるイオンの看板。メガモールへの入り口です。しかし、ミッドバレーって、それだけで独立した都市みたいですね。オフィスビルにマンション、団地、ホテルに巨大モール。そりゃ、イオンが儲かるはずだ。
線路がたくさん見えてますが、左側にそれて行くのは、KTMコミューターのスレンバン線と空港行きの路線。さらに、今走っている高架の下にも、ポートクラン行きのKTMコミューター線があります。クラナジャヤ線は、そのまま高架を走り、ミッドバレー右側を通過していきます。 -
ミッドバレーの後、次の主要ランドマークは右前方に見えているTMタワー(2001年、310m、55階)。現在、クアラルンプールで、ペトロナスタワーに次いで2番目に高いビルです。ここから線路は、ぐるっと右に曲がってTMタワーの裏側を通過していきます。
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カーブする少し前、アブドゥラ・フクム駅(写真)に停車。ところで話は変わりますが、マレーシアの鉄道は、日本のものと比べ、クリーンであっさりしたイメージがあります。それは、食事禁止などの車内ルールに加え、「広告の少なさ」も影響している気がします。ラッピング広告を除けば、車内広告はごくわずか。それに加え、沿線の宣伝看板も、ほとんどないのです。1日20万人も乗っているのに、もったいない話です。ただ、広告ではなくても、「広告のようなもの」はあります。
例えば、駅の向こうに見えている情報省のビル。政府のスローガン、「1 マレーシア(ひとつのマレーシア)」を効果的に宣伝しています。線路がカーブする絶好のロケーションで、私ならここに「シャープ アクオス」と書かせます。 -
[南側部分 - 西へ伸びる道]
線路が右にカーブした後は、ひたすら西へと延びるルート。このクラナジャヤ線は、KLから見て南西側に住む住民を主要ターゲットにしています。
方向転換後、最初に出てくるのがクリンチ駅。その後、TMタワーの横を通ってユニバーシティ駅へ。その名が示すとおり、ここから1.5キロほど北の丘にマレーシアの最高学府、マラヤ大学があります。 -
その後、道路から少しそれ、丘を回りこむように走行。クラナジャヤ線は、地下鉄部分を除けば、基本的に北も南もすべて高架。見晴らしがいいため、写真のように先頭車両は子供らの指定席になっています。
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丘を過ぎると、左側に大きな邸宅が並ぶエリアが出てきます。ここでは、隣家と壁を共有しない庭付き一軒家が主流。北側で見たものより、ずっと広範囲に並んでいます。KL版ビバリーヒルズ? 金持ちだって、やっぱり広々とした平地が好きなんです。どおりで、イオンが儲かるはずだ!
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さらに走り、タマンジャヤ駅に到着。ここには、大きな池のある公園と巨大なAM銀行のビルがあります(共に、右側)。その後ハイウェイを越え、アジア・ジャヤ駅を過ぎてからは、気持ちのいい直線コース。写真は、タマンジャヤ方面を振り返ったところ。
あれ、写真右側に何か宣伝看板らしきものが見えてますね。これは、宣伝というよりは、日野自動車オフィスの上に建てられた社名看板。まわりに大きな建物がないため、上りも下りも相当目立っています。私なら、「HINO」の文字を、こっそり「SHARP」に書き換えておきます。プラズマクラスター万歳! -
[南側部分 - 再び、民家見学]
列車はKL中心部から遠ざかり、さらに西へと進みます。このあたりになると、高いビルがほとんどなくなり、基本的に郊外の住宅地。最初に見た北側エリアと違って、近くに山や丘はありません。ついでに言えば、団地もほとんどなし。そのため、高架の上から眺めれば、広大な民家の海が遠くまで広がっています。
ここまで見通しがいいってのも、珍しいかもね。日本(例えばJR中央線)なら、沿線に並ぶマンションが邪魔で、眺めはかなり限定的です。ただし、この民家密集エリアは、終点までの3駅ほどしか続きません。 -
せっかくなので、ここでも住宅チェック。最後の三駅(タマン・パラマウント、タマン・バハギア、クラナジャヤ)周辺でよく見かけるのが、私が言うところの、1.5階建て住宅。大きな傾斜の屋根の上に、採光窓のような、中二階のようなものがついています。これは、窓の少ないタウンハウス住宅ならではの知恵ですかね。
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その一方、1.5階から2階建てに進化した住宅もあります。写真は、その一例。道路側から見ると、普通に1.5階建て。でも、裏から見ると、ちゃんとした総二階。うーん、それなら最初から箱型の二階建てにすればいいのでは..。向かい側の日当たりでも心配してるのかな。
私の想像ですが、マレーシアの人達は、傾斜屋根の伝統スタイルに、ある種のこだわりがあるのだと思います。日本で言えば、田舎の人たちが瓦屋根を好むように。 -
そうこうしているうちに、終点のクラナジャヤ駅(写真)に到着です。パサルスニから数えて、10駅22分ほど。この町は特に面白そうでもないので、そのままKLセントラル方面に戻ります。
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現在は終点のクラナジャヤですが、この先も高架の線路が伸びています(写真)。計画では、スバンジャヤ経由でプトラ・ハイツまで、さらに12駅延長される予定とか。KLを中心としたクラン盆地は、中心部から見て西と南に長いので、まだまだ住宅地開拓、線路延長の余地があるようです。
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[KLセントラルへ]
さて、あとはパサルスニに戻るだけ。帰りも、やはり民家を観察し、HINOの看板に気づき、TMタワーの横を通って、KL中心部に戻りました。写真は、南側から見たKLセントラルのビル群。 -
KLセントラルの建物内に入線。何だかヨーロッパの駅みたい。行ったことないけど。
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さて、私は今回も1リンギットのコインチケットを持ってます。パサルスニ駅で降りても、ここで降りても同じ。さーどうする!
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誘惑に負けて降りちゃいました。やはり、乗車した駅で下りるのはどこか違和感あります。
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駅のコンコースでは、KL版スイカであるタッチアンドゴー・カードが売られていました。キャンペーン中で、通常10RMのところ、4RM分のチャージが付いて10RM(320円)据え置き。実質6RM(190円)での購入です。これがあれば、券売機で並ぶこともなければ、バスの運転手に行き先を伝える必要もありません。せこいところだと、KTMで車内検札をスルーすることができます。KTM、ラピドKLなど、すべての近郊列車はこの一枚でOK。チャージできる場所が限られているのを除けば、大変便利なカードといえるでしょう。逆にこれを持っていなかったおかげで、気に入った駅で途中下車するかどうか葛藤しなくて済みました。
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[ルート]
乗車ルートを地図にすると、こうなります。オレンジ色の線がLRTクラナジャヤ線(赤はKTMコミューター)。今回は、パサルシニ駅を起点として、クラナジャヤ線の両端を訪れる単純往復のコースでした。所要時間は パサルシニ --28分--> 北の終点(ゴンバック) --29分--> パサルシニ --22分--> 西の終点(クラナジャヤ) --21分--> パサルシニで、合計100分。両端での出発待ち時間10分を加えて110分。約2時間の行程になります。少々長いので、南北二回に分けて回るのもありでしょう。
地図:
ピンクの点が駅: 下から、1. クラナジャヤ、2.タマンジャヤ、3.ユニバーシティ、4.KLセントラル、5.パサルスニ、6.KLCC、7.ダマイ、8.ジュラテック、9.ワンサマジュ、10.ゴンバック
黄色い点が建物: 下から、 1. 日野自動車、2.TMタワー、3.ミッドバレー・メガモール、4.4階建て民家、5.丘の端の高層マンション、6.茶色のモスクとメゾネット・マンション。(数字が読みづらいのは、4トラベル側で追加の圧縮をかますから) -
[まとめ]
今回は、市内観光ではなく、郊外の町並み拝見というやや通好みの旅を紹介しました。これで、クラナジャヤ線、モノレール線、アンパン線(西半分)を完全制覇。これに気を良くした私は、アンパン線の残り半分、KTMの2本の近郊路線にも挑戦するのですが、「乗りつぶし」の夢半ばにして、途中でやめてしましました。理由は単に飽きたから。高架でない路線は、どうも景色が面白くない。私が紹介したモノレール・ループとクラナジャヤ線が有意義なのは、高架ゆえの眺めのよさ。これに尽きます。
さて、最初の質問に戻りましょう。KLで郊外行きの列車に乗ってみたら、どうなるか。答えは、「まーまー楽しめる」。私のように街を注意深く観察するもよし、テレ東の旅番組のように、のんびり景色を眺めるもよし。晴れた日に乗車したならば、きっとさわやかな町の景色に出会えることでしょう。 -
一昔前まで、マレーシアで鉄道といえば、タイ-シンガポールを結ぶ半島縦断鉄道が唯一の見どころでした。たいして眺めも良くない、どちらかと言えば移動するたけの古典的ルートです。その一方、LRTやモノレール線などの新しい鉄道網には、いくつも見どころが隠されていた(マニアックだけど..)。
私たち旅人は、時代に合わせて旅を進化させていかなくてはなりません。なぜなら、21世紀には、21世紀なりの旅の仕方があるからです。この電車でGOシリーズは、ある意味、私からのささやかな提案。マニアでない人も、ぜひ試してみてください。今、旅をしているのは、沢木耕太郎ではなく、あなた自身。深夜特急の幻影を追うのではなく、今のクララルンプールを楽しもうではありませんか。 -
[リンク集]
==マレーシア旅行記一覧==
http://4travel.jp/traveler/sekai_koryaku/album?dmos=os&level1=1&level2=499&level3=&sort=when
==国内旅行記一覧==
http://4travel.jp/traveler/sekai_koryaku/album?dmos=dm&sort=when
==海外旅行記一覧==
http://4travel.jp/traveler/sekai_koryaku/album?dmos=os&sort=when
==鉄道関連==
[インド]インド鉄道達人の予約術
http://4travel.jp/travelogue/10438828
[インド]ダージリン トイ・トレインの取説
http://4travel.jp/travelogue/10744815
[インド]カングラ鉄道 世界遺産への遠い道のり
http://4travel.jp/travelogue/10437820
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