2013/08/05 - 2013/08/05
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世界攻略者さん
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KLの街歩きには、LRTなどの都市型小型鉄道が便利です。そして、何度も利用しているうちに、私は気づいてしまった。これは、乗りつぶしに使える。そして、車窓観光にも使えると。そんな思いつきを実行に移したのが、今回紹介する、電車から降りない「見るだけ」市内ツアー。斬新すぎて意味不明。バカバカしいけど、素晴らしい。そんな風変わりな小旅行に、こっそりお連れいたしましょう。
**情報は、2013年8月のもの。1リンギット=32円で計算。
==クアラルンプール ウォーカーズ シリーズ一覧==
①チャイナタウンでまったり
http://4travel.jp/travelogue/10794525
②歴史ある建造物編
http://4travel.jp/travelogue/10794545
③多様な民族マーケット編
http://4travel.jp/travelogue/10939353
④大人の社会派観光
http://4travel.jp/travelogue/10942110
⑤電車でGO - モノレール・ループ編 <==
http://4travel.jp/travelogue/10802253
⑥電車でGO - 郊外住宅見学編
http://4travel.jp/travelogue/10806703
⑦クアラルンプール両替 虎の巻
http://4travel.jp/travelogue/10797388
⑧マレーシアの安ビール事情
http://4travel.jp/travelogue/10942190
⑨バルセロナ vs マレーシア選抜 生観戦
http://4travel.jp/travelogue/10801004
⑩-⑪ 執筆予定
== KL関係 ==
ペトロナス・ツインタワーの見え方研究 全4作
http://4travel.jp/travelogue/10804350
== 鉄道関係 ==
[インド]インド鉄道達人の予約術
http://4travel.jp/travelogue/10438828
[インド]ダージリン トイ・トレインの取説
http://4travel.jp/travelogue/10744815
[インド]カングラ鉄道 世界遺産への遠い道のり
http://4travel.jp/travelogue/10437820
==マニアックな自作ツアー==
[ネパール] ポカラ 市バスで近郊巡り http://4travel.jp/travelogue/10764799
[インド] ラダック バイクでゴンパ巡り http://4travel.jp/travelogue/10641487
[日本] レンタカーで東日本被災地巡り http://4travel.jp/travelogue/10670277
更新:
2014/6/28 写真拡大
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[目次]
モノレール・ループ
プドゥラヤ・バスターミナル
アンパン線
- マスジッド・ジャメ駅
- セントゥル・ティムール駅へ
- ティティワンサ駅
モノレール線
- 基本情報
- 都心へのアプローチ
- ホップ、ステップ、ビンタン
- ブキッビンタンからインビへ
- テンプル・ストリート
- ラストスパート
小休止 ラッピング広告
アンパン線 その2
- プラザ・ラキャット駅へ
- マスジッド・ジャメ駅へ
ルート
まとめ -
[モノレール・ループ]
まずは、KLの鉄道事情を簡単に紹介しておきます。クアラルンプールの鉄道網は、現在2つの会社により運営されています。1つは、いわゆる国鉄のKTM。主に、マレー半島の他都市や郊外に中・長距離の列車を走らせています。もうひとつは、LRTやモノレールなど、近距離の3路線を運行するラピドKL。ラピドKLの路線は、すでに相互接続が完了しているため、改札を経ずに乗り換えが可能です。私がこの旅行記で利用するのも、このラピドKLの電車網になります。
上の図が、ラピドKLの主な路線。緑のラインがモノレール。ピンクと黄色がLRT。黄色と緑の線が、ループを描くように接続されているの、わかるでしょうか。これを環状線のように利用して、電車の中から市内観光しようというのが、私のゲームプラン。概要がわかったところで、約1時間の車窓の旅に出発です。
ルート図: 赤い線が、今回の自作環状線ルート。見どころがモノレール線に集中しているので、「モノレール・ループ」と呼ばせてもらいます。 -
[プドゥラヤ・バスターミナル]
私はチャイナタウンに滞在しているので、プドゥラヤ・バスターミナル(写真)すぐ裏にあるプラザ・ラキャット駅から乗り込みます。この駅があるのは、LRTのアンパン線。先に紹介した路線図で言えば、黄色のルートになります。もし、ブキッビンタンに滞在しているのなら、ブキッビンタン駅やインビ駅でもかまいません。最終的には、同じ場所に戻ってくるわけですから。 -
ひと駅分のチケット(1RM=32円)を買い、改札をくぐります。なぜかって? だから、一周して帰ってくるだけだって、言ってるでしょ! 途中下車するつもりは、さらさらありません(きっぱり)。
切符は、写真のような磁気情報が埋め込まれたプラスチックのコイン。このような形式のため、車内で検札にあうことはありません。というか、そもそも車掌自体存在しません。
余談ですが、どうもラピドKLには、日本の鉄道のような「退出時間制限」がないようです。つまり、改札を通った後、夜まで電車乗りまくっても問題なし。これは事実上、初乗り運賃で「乗りつぶし」できることを意味します。良い子のみなさん、真似しちゃダメですよ〜。ちなみに、私の最長滞在記録は約4時間。 -
[アンパン線]
私がここで乗車するのは、アンパン線のセントゥル・ティムール行き。アンパン線は全長27キロ、1996年開業でラビドKLの中では最も古い路線になります。線路は標準軌道(1435mm)で、車輌は3ドア4両編成。
写真が、そのアンパン線を走る電車。うーん、この高架を走る黄色い車両、どこかで見覚えないでしょうか。安っぽいデザインといい、町を東西に横断するルートといい..。個人的には、「KLの総武線」と呼ばせてもらいます。実際には何の関係もないですけどね。
参考: アンパン線(英語版ウィキペディア)
http://en.wikipedia.org/wiki/Ampang_Line -
外観はややJR風ですが、内装は東南アジアにありがちな、シンプルなステンレス製。さて、この車両は、どの会社が製造しているのでしょう。川崎重工? それともシーメンス? 正解は、カナダ(本社はドイツ)のボンバルディア社で、車両自体は、オーストラリアで委託製造されています。もちろん、総武線関係なし!何が言いたいのかというと、世界の鉄道マーケットにおける日本企業のシェアは、私達が想像している以上に低いのです。
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==マスジッド・ジャメ駅==
電車に乗り込み、出発。まずは、チャイナタウンの北、リトルインディアの南側をサクッと通過します。このあたりは、新旧のビルが立ち並び、やや窮屈な感じ。わずか1分ほどでマスジッド・ジャメ駅に到着しました。こりゃ、歩ける距離でしたね。
確かにゴチャゴチャした場所を走りますが、架線やパンタグラフがないため、見た目はスッキリ。日本の地下鉄のように、線路脇の給電用レールから電気を得て走行する仕組みになっています。 -
マスジッド・ジャメ駅で一旦下車。その目的は、駅の上から、モスクを見るためです。アンパン線のプラットフォームからは、駅名の由来でもあるマスジッド・ジャメがよく見えるのです(写真)。
写真を撮るだけならHSBC銀行裏がベスト。でも、上から見下ろせる場所は、私の知る限りこの場所だけ。ちなみに、モスクの後ろで揺れている旗はムルディカ広場に掲揚されているマレーシア国旗です。
写真: マスジッド・ジャメ -
アンパン線は本数が多いので、気に入った駅があれば途中下車するのもありです。時刻表とかはありませんが、LRT、モノレール共に数分置きに電車があります。ただ、改札から出ちゃだめですよ。駅に精算機などないので、退出時非常に面倒なことになります。
この駅で次の電車を待っている時、あることに気づきました。線路の左奥に見えている建物、あれプドゥラヤ・バスターミナルじゃん! 壁に付いている「UTC」の看板でわかりました。近〜っ。 モノレールなんて特にそうですが、駅と駅の間隔はすごく短く、2駅くらいなら余裕で歩けちゃいます。 -
==セントゥル・ティムール駅へ==
再び電車に乗り込み、出発。マスジッド・ジャメ駅を出てすぐ、左にムルディカ広場と最高裁判所ビルが、「一瞬」見えます。ほんと一瞬です。ここから、右にカーブして北進。景色ですが、基本的にはKL中心部が見える右側の方がいいでしょう。 -
線路をまっすぐ北に走り、次のバンダラヤ駅でそごうデパートの裏を通過(写真)。ところで、このアンパン線を走る車両には、ある好ましくない特徴があります。それは...窓がめちゃくちゃ汚いこと。変な汚れが縦皺のようにこびりついていて、写真どころじゃありません。そのため、この旅行記では、別の日、または他の場所から撮った写真を使うこともあります。この写真は、すぐ東側を平行に走るKTMコミューター線から見た「そごう」とバンダラヤ駅。
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バンダラヤの次は、スルタン・イスマイル駅。駅の隣にあるのは、KL最古の小学校 - バトゥ通りボーズスクールになります。現在は未使用なのか、兵士が建国パレードの練習に使っていました(写真)。かつては、日本占領時の駐屯地として使われたこともあります。
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さらに走り、次のPWTC駅で再び途中下車。ここは比較的開けた場所にあるため、電車の撮影に最適です。列車が町の中心からどんどん遠ざかっていく様子、よくわかりますね。
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このアンパン線を一言でいうなら、「エリートから外れた路線」。マスジッド・ジャメ駅を除けば、繁華街の中心からやや外れた場所を走ります。私が今走っているのも、淀んだ川の上。
写真は、PWTC駅少し前からの風景。まず手前に住宅街があり、その向こうに賑やかなトゥンク・アブドゥル・ラーマン通り。さらに遠方にペトロナスタワーやKLタワーなどの都心部が見えます。華やかな世界を遠巻きに見つめる姿に、ローカル線風情を感じます。 -
マスジッド・ジャメから4駅。モノレール線に接続したティティワンサ駅に到着です。ここからアンパン線終点のセントゥル・ティムール駅までは、わずか2駅。そのまま乗車して戻ってくることにします。
この先、特に何かあるわけではあいません。ただ、郊外型の団地があるだけ。唯一面白そうなのは、左の車窓から見える、ヒンドゥー寺院と貯水タワー(写真)。この取ってつけたような並び、一体何なんでしょうね。まるで、万博会場跡地のようなアバウトな土地の使い方です。インド系住民は郊外にもいるようで、こうしてモスク以外の大きな建造物を見ることもあります。 -
==ティティワンサ駅==
終点のセントゥル・ティムール駅に到着。途中下車しなければ、プラザ・ラキャットから10-12分くらいで来れたでしょう。運転手は新聞片手に最後尾の車輌まで移動し、すぐに逆方向に向かって出発します。
3分ほどでティティワンサ駅に到着。ここには、すぐ南に長距離バスターミナルがあり、駅の周辺には団地やマンションも多く見られます。ただ、手前のデカイ団地(写真)は使用されておらず、廃墟のようになっています。 -
[モノレール線]
==基本情報==
すぐにモノレール乗り場に移動。通路で繋がっているので、途中に改札はありません。実は、モノレール線がLRT線と共通チケットになったのは、ここ2-3年の話。それまでは、乗り換える度に切符を買い直さなくてはなりませんでした。その名残は料金形態にも反映されており、路線を変えると、たった一駅でも初乗り料金相当の運賃が加算されます。
このモノレール線は、全長8.6キロ11駅。2003年に営業開始した、比較的新しい路線です。オーナー企業が倒産したため、2007年以降はラピドKLの経営。繁華街を中心に走るためか、車体は100%ラッピング広告がほどこされています。
参考: KLモノレール (英語版ウィキペディア)
http://en.wikipedia.org/wiki/KL_Monorail -
このモノレール線は、当初日立により建設が進んでいました。しかし、アジア通貨危機の際、プロジェクトは中断。その後、費用削減のため、現地企業が車両を製造することにより、運行開始にこぎつけました。
写真は内部の様子。基本的にすべて二両編成で、中はつながっています。車輌接続部分に近い席が島のよう配置されているのは、車輌のドアが広いため。すべて対面式レイアウトにしちゃうと、座席の数が減っちゃいますからね。 -
これが運転席。アンパン線同様、終点に着くと、運転手が逆側の運転席まで歩いて移動します。つまり、モノレールの場合、二両編成で、運転席も2つ。
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このモノレールは、見ての通り、タイヤ走行。太い軌道の上と、レールの側面にタイヤを接地して走ります。この駅は終点のためか、一本しかレールがつながっていません。車輌が通過する時、写真の黒い部分が移動して、上りか下りのレールに繋ぎ直すのです。
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==都心へのアプローチ==
少し客待ちした後、出発。車窓は左側がベストでしょう。まず、最初に目に飛び込んでくるのが、ティティワンサ湖近くにあるイスタナ・ブダヤという国立劇場。マレーシアを代表する演劇ホールです。この青い屋根の建物を左に見ながら、線路は右(南)にカーブしていきます。 -
少し開けた景色になり、遠くにペトロナスタワーが見えてきます。このモノレール線は、ペトロナスタワーのすぐ近くを通ってKLセントラルまで向かう都会派路線。前半は、都心までのアプローチを楽しみます。
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ティティワンサ駅から2分弱走り、チョーキット駅に到着です。ここから先は、トゥンク・アブドゥル・ラーマン通り沿いの繁華街を、まっすぐ南下していきます。車窓の景色は、主に高架から見下ろすショップハウスの並び。上から見るの、かなり新鮮です。
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チョーキット駅を過ぎてしばらくすると、左にチョーキット市場が見えてきます。写真の青い屋根の奥に果物市場があり、市価の半額以下の値段でマンゴーやランブータンが購入できます。
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市場の後、さらにショップハウスが続きます。中には、写真のように保存状態のいい建物もあります。
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このまままっすぐ進めばムルディカ広場の方に至るのですが、スルタン・イスマイル通りのところで、左に大きくターン。 この交差点には、エアアジアの経営するド派手なチューン・ホテルがあり、ちょっとしたランドマークになっています。
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この後ブキッビンタンまで、スルタン・イスマイル通り沿いの高架を走ります。しばらく西に走り、クラン川越え。写真中央に見えるのが、郊外のアンパン・ジャヤへと続く有料道路。その向こう側には、カンポンバルの集落が見えています。
ピンクの点が、カンポンバルモスク(左)と駅前の団地(右)。都会の中の田舎、カンポンバルについては、「ペトロナスタワーの見え方研究」で詳しく紹介する予定です。 -
==ホップ、ステップ、ビンタン==
川を越えたら、そこがブキッナナ駅。駅に着く直前、西側にペトロナスタワーが見えるはずです(写真)。ここからタワーまでは、アンパン通りを西に1キロ弱歩くだけ。途中に観光案内所もあります。
クラン川の後、電車はすでに都心部に入っており、あたり一面ビルだらけ。特に西側は高いビルが乱立しているため、452メートルのペトロナスタワーでさえ、時々ビルの間から見える程度です。 -
駅のすぐ後、右側にKLタワーが大きく見えます。そもそも、ブキッナナという駅名は、KLタワーのある小高い丘の名前。当然、このブキッナナ駅がKLタワーの最寄り駅になります。
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場所的には、すでにKL都心部のど真ん中。ここから、しばらく「都会」が続きます。とはいえ、ブキッビンタンまでは、わずか2駅。いくつか気になる建物があるのですが、あまりに距離が短いので、あっという間に通り過ぎてしまいます。
最初に気づくのが、駅の直後に出てくる日本食レストラン友禅とハーロドックカフェ(写真)。 -
その後、ラムリー通り(写真)を通過。この通りもペトロナスタワーに通じており、外国人好みのバーやレストランが並びます。写真左側は、知る人ぞ知る援交パブ「バナナ・ビーチ・カフェ」。
この後、日本食レストラン金魚やレクサスのショールームなども目に入ります。 -
ラジャ・チュラン駅を過ぎ、あっという間にブキッビンタンに到着です。おいおい、ここが一番の見どころなんだから、もう少し心の準備させてくれよ! 展開早すぎます。
ティティワンサを出発してから、ここまで10分弱。 ブキッビンタンは、各種大型デパートが建ち並ぶクアラルンプールで一番の繁華街。説明の必要もないですね。写真は、左側の眺め。手前右が、お馴染みのロットテン。道路奥にあるのが、大型ショッピングモールのパビリオンになります。 -
==ブキッビンタンからインビへ==
このブキッ・ビンタン駅は利用者が多いため、夕方以降はとても混雑します。それにも関わらず、券売機はたったの2台。夜は切符を買うだけで大変です。 -
ここでも、駅を出ずにそのまま乗車。この先は、右側の車窓の方がみどころが多いので、逆側の窓にサイドチェンジしておきます。ビンタンとインビ駅は乗り降りする人が多いので、立ち位置を変えるのにいいチャンス。
駅を出発後、最初に見えるはスンガイワン・プラザ。スーパーも入った庶民派デパートです。 -
その後、右にカーブし、インビプラザの前を通過。かつては海賊版ソフトの聖地として賑わったこのビルも、今はやや寂れた状態。ほとんどが立体駐車場として使われており、1階にパソコンの修理店が入居しているくらいです。
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そして、タイムズスクエア(写真)の前にあるインビ駅に到着。これは右側からの眺めですが、建物がでかすぎて写真に収まりきれません。
このタイムズスクエアは、とんでもなく大きなデパートで、中に遊園地なんかあったりします。 -
==テンプル・ストリート==
インビ駅の後、警察署ビルなどを経て、ハン・トゥア駅へ。ここで、アンパン線に乗り換え可能なのですが、このままモノレール線の終点まで乗車しすることにします。
駅のすぐ後、きれいな青色のモスク(写真、Al Bukhary Mosque)を通過。この後、やたらと寺やモスクが出てくるので、このルートを「テンプル・ストリート」と呼ぶことにしましょう。 -
しばらくハン・トゥア通りを南下した後、右にカーブしマハラジャレラ通りへ。ムルディカ競技場を過ぎた後、チャイナタウン南にあるマハラジャレラ駅を通過します。この駅のすぐそばには、観音寺(写真)と陳氏書院があり、やはり右側の窓からよく見えます。
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陳氏書院の反対側には、白亜の中華大会堂(写真)があります。この道をまっすぐ行けばクアラルンプール駅や国立モスクに至るのですが、モノレールの軌道はすぐに左にカーブし、南へと向かいます。
写真: JEEPのラッピング広告。 -
いつの間にかクラン川の対岸に渡った後、高速道路(写真)の上を通過。
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ここから先、KLセントラルにほど近いブリックフィード地区を川沿いに南下していきます。まず、最初に出てくるのが、タミル式ヒンドゥ寺院のスリ・カンダスワミ。普通は正面の山門から寺院を眺めるのですが、ここでは裏側から。
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==ラストスパート==
マレーシア盲人協会の建物を過ぎ、トゥン・サンバンタン駅に到着。駅のすぐ前がメソジスト大学(写真)になっており、正面奥にはKLセントラルのビル群が見えています。
あれ、あと一駅しかないなのに、こんな所走ってて大丈夫なの? -
と思ったら、急に右にカーブしてKLセントラルに一直線。
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最後、インド人モスクと中華寺院の三教堂を右に見ながら、終点KLセントラル駅に到着です。ティティワンサを出発してから、10駅目。約20分の上から目線の旅でした。
このモノレール線のKLセントラル駅は、他の路線が集まるメインの「KLセントラル駅」から200メートルほど離れています。これまで、レールの拡張が何度か検討されましたが、今のところ実現に至らず。もし、LRTのクラナジャヤ線とこのモノレール線が完全に接続されることになれば、かなり便利なんですけどね。その時は、今回紹介している「モノレール・ループ」も、完全な環状線になります。
写真: 駅前のミニ中華街から見たモノレール駅。ラッピング広告は、ジェットスター(格安航空会社)。 -
[小休止 - ラッピング広告]
ここで少し休憩。KLのモノレールと言えば、その派手なラッピング広告に目が行きます。下の道路からも車輌全体が見えるモノレールは、ラッピング広告にうってつけの媒体。そんな動く広告塔のコストパフォーマンスを、何の関係もない私が採点してみたいと思います。
まずは、この広告。TONTONは、映像・ビデオなどを配信する国内のポータルサイト。モノレールは団地の近くとかもよく通るので、宣伝効果はかなりありそうです。遠くから見ても読み取れるシンプルな広告がナイス。 -
これは、SOFTEC2013の宣伝。ソフテックとは、ソフトウェア・テストをテーマとしたアジアの展示会。今年9月にクアラルンプールで開かれます。正直、このモノレール走行区間で、ソフトウェア企業がオフィスを構えそうな場所は、そんなにありません。ブキッビンタンを通るから世間的な知名度は上がるでしょうけど、それだけじゃ意味ないしね。それ以前に、そのロゴ、ソフマップのパクリだろ!と指摘されたら何も言えません。
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こちらは、韓国発の携帯チャット・ソフト - カカオ・トーク。現在、ラインと共に東南アジアでし烈なシェア争いを繰り広げています。ブキッビンタン駅周辺でもプロモビデオを大量に流しており、宣伝効果はかなりあるといえます。
ブキッビンタンは、どちらかと言えば、お金に余裕のある人が集まる場所。そういう人達が商品を使い始めれば、いずれはその他の人達にも波及するはずです。実際、電車の中で、大画面のギャラクシー・ノートを使ってチャットしている若者をたくさん見かけました。
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車輌がラッピング広告される時は、車内の広告もやはり同じ商品の宣伝で埋められます。カカオトークのイメージキャラクターは、韓国のビッグバン(写真)。マレーシアでもそのまま通用すると判断したのでしょう。現在、マレーシアでは、ラインが優勢。あっちはあっちで、テレビやユーチューブにガンガン宣伝を流しています。
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では、モノレールではなくLRTの方はどうでしょう。こちらは4両編成が多いのですが、クラナジャヤ線、アンパン線、共にラッピング率は3割以下です。写真は、アンパン線のコニカ・ミノルタ広告。
こんなことをしているうちに、いつの間にかKLのラッピング車両全部把握しちゃいました。モノレール線でいえば、現在10種類のラッピング車輌が運行中。これは、同時に走っているモノレールの数が10台ということを意味します。全長8.6キロ11駅ということを考えると、多いのか少ないのか。 -
[アンパン線 その2]
==プラザ・ラキャット駅へ==
さて、モノレール・ループの残りを完成させることにしましょう。KLセントラル駅から、そのまま折り返して、ハン・トゥア駅へ(約9分)。ここで、アンパン線に乗り換えます。 -
セントゥル・ティムール行きの列車に乗り、北西方向に進みます。ご覧の通り、ここから次のプラザ・ラキャット駅までは、高架ではなく地上。この一帯、丘のようになっているようです。
この写真を見て改めて思うのですが、アンパン線ってやっぱり総武線ですよね。御茶ノ水や四谷あたりにありそうな景色です。 -
一駅走り、出発地点であるプラザ・ラキャット駅へ。ここには、駅名と同じ高層ビルが建つ予定でしたが、計画が頓挫して、ご覧のように廃墟のような状態になっています。たまに計画再開の話が出るので、そのまま残されているようです。
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列車は、本当にこの廃墟ビルの中を通って駅に到着します。
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==マスジッド・ジャメ駅へ==
本来なら、ここで降りてループ完了のはずなのですが、廃墟に注目しているうちに、降りるの忘れてしまいました。そのまま次のマスジッド・ジャメ駅に向かいます。
写真:アンパン線。左下の建物が、プドゥラヤ・バスターミナル。右上のあたりがチャイナタウン。 -
北側にリトルインディアの通りを見ながら、駅に到着。
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そういえば、私は初乗り運賃で乗車しています。つまり、このマスジッド・ジャメ駅で降りても全く問題ないわけです。せっかく払った1リンギット、ありがたく利用させてもらいましょう。
マスジッド・ジャメ駅は、クラナジャヤ線とアンパン線の2つのLRTが交わる大きな駅。総武線で言えば、秋葉原のような位置づけです。この駅では、現在、あらゆる場所を使って、サムスンのギャラクシー・ノートを宣伝しています。言ってみれば、駅全体がラッピング広告。 -
すでにシェアで圧勝状態のサムスンですが、あまり威圧感のないようポップなアニメ調の広告を展開しています。写真は、エレベーターをギャラクシーに見立てた壁画。よく見ると、携帯のフォルムやスピーカーの形にギャラクシーらしさが出ていますね。
この駅は、リトルインディアやムルディカ広場に近く、何かと訪問する機会が多い場所。すでにキャンペーンは終了しているかもしれませんが、一度覗いて見て下さい。最後、ここからチャイナタウンまで、のんびり歩いてホテルに戻りました。 -
[ルート]
以上が、私の考案した「モノレール・ループ」の内容です。乗車時間を振り返ってみると、プラザ・ラキャット - 9分 -> ティティワンサ - 20分 -> KLセントラル - 9分 -> ハン・トゥア - 1分 -> プラザ・ラキャット。合計16駅39分。これに3駅での乗り換え時間20分を加えて約1時間。寄り道や途中下車しなければ、たった1時間でKL中心部を一周できることになります。
実際には、景色を見過ごしたり写真を撮りそこねたりと、何度も下車したり同じ区間を戻ったりしていました。それでも、費用が1リンギット(32円)なのは変わりなし。もし、適当なところで下車する可能性があるのなら、マレーシア版スイカのタッチアンドゴー・カード(10RM=320円)を購入しておけば便利でしょう。
今回のルートを地図にすると、こうなります。薄緑の線 - モノレール・ループ。青い点 - 下からマスジッド・ジャメ・モスク、そごう、ボーイズスクール、ヒンドゥ寺院。ピンクの点 - 上から、国立劇場、チョーキット市場、チューン・ホテル、カンポンバル、ラムリー通り、スンガイワン・デパート、タイムズスクエア。赤い点 - 青いモスク、観音寺、スリ・カンダスワミ寺院。黄色いサークル - 左から、チャイナタウン、KLタワー、ペトロナスタワー。 -
[まとめ]
またマニアックな旅行記を書いてしまった..。これを読んで、「モノレール・ループ」に挑戦する人なんているのでしょうか。可能性があるとすれば、すでにKLの地理に詳しい人が、復習を兼ねて一周。または、KLに来たばかりの人が、町の概要を把握するために、予習を兼ねてで一周.. って感じくらいか。もちろん、鉄道オタクの人たちにとっては、乗車自体が有意義な体験になるはずです。
でも、モノレール・ループを楽しむのに、鉄道マニアである必要はありません。なぜなら、こんなことを嬉々として楽しんでいるあなた自身が、立派なKLマニアなのだから。1リンギットコインを握りしめ、今すぐ駅に向かいましょう。いつもと違った視線で町を眺めてみれば、きっと新たな「気づき」があるはずです。
[リンク集]
==マレーシア旅行記一覧==
http://4travel.jp/traveler/sekai_koryaku/album?dmos=os&level1=1&level2=499&level3=&sort=when
==国内旅行記一覧==
http://4travel.jp/traveler/sekai_koryaku/album?dmos=dm&sort=when
==海外旅行記一覧==
http://4travel.jp/traveler/sekai_koryaku/album?dmos=os&sort=when
==鉄道関連==
[インド]インド鉄道達人の予約術
http://4travel.jp/travelogue/10438828
[インド]ダージリン トイ・トレインの取説
http://4travel.jp/travelogue/10744815
[インド]カングラ鉄道 世界遺産への遠い道のり
http://4travel.jp/travelogue/10437820
[マレーシア] 電車でGO - モノレール・ループ編
http://4travel.jp/travelogue/10802253
[マレーシア] 電車でGO - 郊外住宅見学編
http://4travel.jp/travelogue/10806703
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