2013/07/21 - 2013/07/22
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Fluegelさん
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片道4時間20分かかる道のりを単独ドライブして、扇沢へ(関電トロリーバスの始発に乗るため、途中泊)。立山黒部アルペンルートに乗車して、室堂にて下車。立山連峰〜別山〜別山乗越〜雷鳥平〜みくりが池まで、6時間半で縦走(山行記録はヤマレコ内のみ公開、ご免なさい)。この旅行記では、翌日、弥陀ヶ原へ行ったことを記します。
表紙写真:雷鳥沢〜雷鳥平で見かけた、コバイケイソウの群生(7月21日)。
- 旅行の満足度
- 5.0
- 観光
- 5.0
- ホテル
- 3.0
- 同行者
- 一人旅
- 一人あたり費用
- 3万円 - 5万円
- 交通手段
- 自家用車
- 旅行の手配内容
- 個別手配
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人生2度目の山小屋泊、前回は個室だったので、人生初めての相部屋体験(男女別)。やっぱり、連れさえあれば、ホテルに泊まりたいものだ。前日(表紙写真)とは打って変わって、雲(霧?)の立ち込める朝。北陸では、まだ梅雨が明けていない。山小屋の温泉で朝風呂。朝食バイキングは6時からだけれど、のんびり7時に頂く。夏休みに入っており、山小屋では子連れファミリー客が多い。
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みくりが池。前日は縦走で疲れきっており、池をちゃんと眺めたのは、これが初めて。
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みくりが池から室堂まで歩く。標高2,400m、高度のせいで、朝起きて、階段を登ると息が切れ、意外と遠く感じる。前日は、室堂から反時計回りに歩き、みくりが池に着いたので、この道も初めて。室堂平で、何やら人だかり。三脚を構え、望遠鏡を据える人々…「雷鳥がいるんですか?」と尋ねると、望遠鏡を覗かせてくれ、肉眼で、どこにいるかも教えてくれた。彼らは、ここ室堂平で4時間、雷鳥観察を続けるという。
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室堂駅で、弥陀ヶ原までのバス往復切符を購入(現金のみ、カード不可)。室堂発9:20のバスに乗車。美女平まで行かず途中下車する客を先に乗車させてくれるので、運転手のすぐ後ろに着席。発進して程なく、「雪の壁」。7月下旬で3m程。春先には10mの高さだったという。運転手さんが一時停止してくれたので、フロントガラス越しに撮影。
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9:35 弥陀ヶ原で下車。降りると、バスの係員が待ち構えているので、帰りのバスを予約。完全予約制で、基本的に、30分以上前に予約しないとバスに乗れない(室堂、美女平以外の途中駅の場合)。従って、乗客は全員着席、車内に席がなくて立っている客はいない。
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バス停前の小屋が集合場所。予約不要(参加無料)。小屋の外壁に「ナチュラリストの自然解説」という張り紙。左手は、弥陀ヶ原ホテル(標高1,930m)。日本海に沈む夕日が見えるホテルらしい。古稀に届くかというようなY女史が、この日の解説員。9:45、自然観察ツアーに出発。
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この辺りを偽高山帯とY女史は呼ぶ。亜高山帯にあるべき針葉樹は、直立的な樹形のため、多雪に弱い。針葉樹林が欠落し、針葉樹の中では多雪に強いオオシラビソや、落葉広葉樹のダケカンバといった木々だけが生えている森林帯が偽高山帯。偽高山帯は、日本海側の多雪地域に多い。写真は、木道に入る前、さっそく見つけた鬼下野。バラ科シモツケソウ属。北国の花で、日本では中部以北に分布。西日本では見られない。
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手形千鳥。ラン科テガタチドリ属。日本では、中部以北の亜高山帯〜高山帯に分布。
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花独活。セリ科ハナウド属。
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日光キスゲ。
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イタドリ。タデ科。もともと、この山にはなかったので、いわば「外来種」。山菜として食されるので、人が植えたのが始まりかも知れない。駆除しても、すぐどこかに生えてくるらしい。ここから、木道に入る。立山は、中部山岳国立公園の一部なので、木道は環境省の予算で整備されている。
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オオシラビソ。多雪に強いため、日本海側に多い。
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オオシラビソの松ぼっくりは、樹の上の方にしかつかない。
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チングルマ(バラ科の高山植物)の花がら。この花がらが、子供の風車(かざぐるま)に似ているから、稚児車。標高2,400mの室堂では、花が咲き終わっていなかったのに、2,000m未満の弥陀ヶ原では花が早いのか、多くの花がらが見られた。
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ワタスゲ。この群生を見たくて、弥陀ヶ原まで来たけれど、今年は花が少ない…
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岩銀杏。中部以北、多雪地の亜高山〜高山の湿原に自生。湿原といえば、弥陀ヶ原は2012年、ラムサール条約に登録された。渡り鳥(特に水鳥)の餌場確保が目的の条約だけれど、弥陀ヶ原に渡り鳥は来ないらしい。今年2月に訪ねた出水の鶴を思い出す(旅行記http://4travel.jp/traveler/fluegel/album/10750232/)。温暖な九州では、二毛作が出来るのに、越冬する鶴の餌場になるため、冬は休耕しているらしかった。日本では、ラムサール条約に田んぼを登録したら良いんじゃない?
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紅葉落葉松。キンポウゲ科モミジカラマツ属。高山植物。葉がモミジの形で、花がカラマツの葉に似ている。美しい名前だ。
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八甲田五葉松。
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モウセン苔。食虫植物。日本では全国の湿地帯に自生し、多くの都道府県で絶滅危惧種に指定されている。
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舞鶴草。スズラン亜科マイヅルソウ属。葉の形・模様が舞鶴紋に似ている。美しい名前だ。
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紅花苺。ピンボケ。前日、一ノ越近くで撮ったものの方が、綺麗に撮れた。蕾だったけど。日本特産、亜高山帯〜高山帯に生育。熊が食べるらしい。
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赤物。ツツジ科シラタマノキ属。Y女史は「この花は何ですか?」という問いに、全て答えられる。私には、アカモノ(実が赤い)とシロモノ(実が白い)の区別がつきませんが…花を見ただけでは。
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蝦夷塩釜。ゴマノハグサ科シオガマギク属。高山植物。ここから、木道を出て、車道(バス通り)へ。車道脇の方が、日当たりが良く、花が多いという。
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紅花一薬草。イチヤクソウ科。
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谷空木。スイカズラ科。田植えの時期に咲く。北陸では、7月下旬に田植え?
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立山靭草。シソ科。
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伊吹ジャコウソウ。シソ科。
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鳥足ショウマ。ユキノシタ科。若芽の頃に茎の先端から出る3枚の葉が、鳥の足に似ている。サラシナショウマに比べると、可愛くない名前。乳茸刺と花がちょっと似ている。私一人なら、区別がつかなかったでしょう…
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四葉ヒヨドリ。キク科フジバカマ属。葉が4枚ずつ付く。
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白花苦菜。ここまで来ると、雑草?
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トンボ草。ラン科。言われないと、そこにあることに気づかない位、地味な、黄緑色の花。
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能郷苺。高山植物。本州では北部から日本海側に分布。
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ハンノキ。Alnus japonica.カバノキ科。学名にjaponicaがつく植物は、覚えたい…
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水芭蕉。サトイモ科。冬眠から覚めた熊が、最初に食べて、便通を促すらしい。
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11:50、2時間コースのツアーが終了。12:10弥陀ヶ原発のバスで室堂に戻る。室堂平では、朝より近くに雷鳥がいた。日本の固有種ニホンライチョウLagopus muta japonicaは、国の特別天然記念物。江戸時代、立山を加賀藩が治めていた頃から、火難・雷難よけの信仰の対象として保護されていたとはいえ、キジの仲間で地上鳥。飛べないのに、人が近づいても逃げないなんて、呑気だ。キジなら、こんな近くからカメラを向けると、さっさと逃げているだろう。
2時間で30種類以上を愛で、八甲田から伊吹山まで、日本中を旅したような花巡りだった。
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