2013/06/26 - 2013/06/26
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papagenaさん
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エルミタージュ美術館、1日目はとにかく人だらけ。
日本で「〇〇美術館展」を見ているような気持ちがして楽しむ余裕もなく、「ここまで来た意味があるのかなぁ?」とまで感じていた。
さて始めの計画では、エルミタージュ美術館は2日目の午後の時間もたっぷりとって堪能できるはずだったが、ツァールスコエ・セローへの出発時間が3時間も後にずれた事で、せいぜい2時間ほどしかいられないことになった。
なので欲を出さず、見逃していたマティスを見るのとレンブラントの絵をもう一度ゆっくり見ることだけを目的にして入った。
- 旅行の満足度
- 5.0
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エルミタージュ劇場 入口
中の様子が見られず残念。
もしまた来る機会があったら、ここでコンサートを見たいな。 -
エルミタージュ美術館は何もかもが芸術品
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マティス「ダンス」
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レンブラント「ダナエ」
ギリシア神話の有名なお話。
ダナエの父アルゴス王アクリシオスは、娘が生んだ男の子の手で殺されるという予言を聞き、娘が男と出会わないよう塔の上に幽閉する。
が、そのダナエをオリンポスの主神ゼウスが見初め、黄金の雨に身を変えてやって来て、ダナエは男の子を身ごもる。今でもよくある話やね。
私の感想
この絵は、今しも金の雨が彼女に降りそそぎ彼女に新しい運命が開かれる瞬間が描かれているのね?
この「ダナエ」は他のギリシャ神話を題材にした絵となんかちがう。
お腹はなんだか中年のおばさんぽいし、顔もそんなに若い感じがしない。すごくリアルな人間の女を感じる。
それにこの人の表情。
「今まで父親に縛り付けられて来たけど、いよいよ自分の運命が動き出すんだわ!」と、期待感いっぱいでゼウスを受け入れようとしている女の顔。
キレイというよりとってもリアル。
有名な事件の現場を覗き見ているみたいな現実味たっぷりのワクワク感で私は惹きつけられる。 -
ダナエとキューピッド部分の拡大
以下はWikipediaより抜粋
「彼女の独立した意思を表現するダナエの右手。
エルヴィン・パノフスキーは、レンブラントの『ダナエ』には「驚き」「喜び」そして「防衛」という3つの感情があり、それは彼女に訪れた待望の瞬間に期待を膨らませていることを描写していると評した。これは特に、伝統的なダナエ画に無い掌を前に向けて右手を上げた独創的なポーズに見られる。この姿によって、ゼウスとダナエの交わりという物語中の事件において、ダナエ自らの意思が強く関わるように表現されている。実は、この右手は当初少し低い位置に手の甲を見せてカーテンを開けるようなしぐさで描かれていた。」
また、キューピッドの手が縛られているのは父親からの戒めが表現されているんだとか。
ダナエはゼウスの訪問がうれしい反面、父親への後ろめたい気持ちもあるということか?
キューピッドの顔が歪んでいるのは戒めの縄をなんとかとこうとしているのかしら?
なるほどね〜
そういう事がわかってみると絵はよりいっそう面白いものだ -
ティツィアーノ「ダナエ」
こちらのダナエさんはスマートだけど、やっぱりレンブラントのダナエがいい。 -
レンブラント「イサクの犠牲」
旧約聖書、創世記。
アブラハムは、神から長年待ち望んでやっと授かったひとり息子イサクを生け贄に捧げよと命じられる。
信仰深い彼が神に言われた通りイサクを山上に連れて行き殺そうとした時、神の使いが現れ彼を止めた。
まさにその瞬間に時間を止めたような臨場感。
「ダナエ」より好きかも。 -
アブラハムさんの顔、いいなぁ
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レンブラント「放蕩息子の帰還」
新約聖書でイエスのたとえ話に出て来るお話。
お金持ちの父親には二人の息子がいた。息子たちに同じだけ財産を分けてやると、ひとりは父親の元で真面目に父の手伝いをして暮らし、もうひとりはその金を持って家を出て行きやりたい放題。何年か後、息子は放蕩三昧の暮らしの果て無一文のよれよれの姿になって帰って来た。
父親は息子の帰還を喜び盛大な宴を開いて迎え入れようとするが、真面目に親の元にいた息子は「何で?」と抗議する。そりゃするわ。あたりまえやん。
そしたら「いなくなっていた者が帰って来たのだから、祝うのは当たり前だ」と父は言うのだ。
回心した息子をかき抱く父。
父の手が左は男の手、右は女の手なんだって。
これも一瞬を焼き付けたようなリアリティある絵だ。
ところで、わたしはこの話が大好きで、いっとき私自身を放蕩息子に投影していた時期もあった。
他にも「放蕩息子の帰還」を題材にしたりモチーフにした絵はたくさんあって、大好きなのでエルミタージュ所蔵ではないけど紹介します。 -
シャガール「放蕩息子」
こちらの方が好き。
なんかホッとするから。 -
イリヤ・レーピン「思いがけなく」(トレチャコフ美術館)
この絵も「放蕩息子の帰還」がモチーフになっているらしい。
こちらは迎え入れているのは女の人だ。 -
大使の階段を下りてエルミタージュ美術館に別れを告げる。
昨日は、オーディオガイドを持ちながらも現地ガイドと一緒に美術館を廻ることになった。
個人的な意見だけど、オーディオガイドを聞きながら自分のペースで廻るので充分。
でも機転のきくガイドさんで、私が動物好きであることを知って「猟師の裁判」の絵を紹介してくれたり、絵の中の猫探しゲームをしたり、適度に休憩を入れたりして他では出来ない愉快な時間を過ごせた。
2日間エルミタージュに通ったけど、でも、まだまだ見足りない。
また来たい。
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