ブラジルを最も代表する建築家:「オスカー・ニーマイヤー」（首都:ブラジリアやNY国連本部を設計した男）

2013/07/09 - 2013/07/09

オスカーニーマイヤー（ポルトガル語でオスカル・ニエマイエールと発音するらしい.....）。

ブラジルでは知らない人がいないほど有名なリオ出身の建築家です。もう死んでしまいましたが。

彼の名前を一躍有名にしたのは、ニューヨークの国連ビルやブラジルの首都ブラジリアを設計した事でしょう。


ブラジル中に彼の作品が点在しますが、その一部をご紹介します。

エリア リオデジャネイロ(ブラジル)

• 旅行の満足度: 3.0
• 観光: 3.0

• 交通手段: レンタカー 徒歩 飛行機
• 旅行の手配内容: 個別手配

詳細は、Wikiにでも譲るとしまして...

まず彼が凄いのは、１９０７年に生まれて、なんと２０１２年..昨年まで生き続け、 現役でバリバリと創作活動をしていたということでしょうか...１０４歳だったそうです。

昨年１２月５日にニーマイヤーの死去を伝えるニュースを聞いて、一般人たちは「え！？まだ生きてたの！？」と誰しもが驚きました。

やはり偉業を成し遂げる方は、凄まじい生命力...と言えます。

ブラジリア国立美術館 博物館・美術館・ギャラリー

ところで、奇抜で有名という意味では、スペインのガウディは１８５２年生まれで１９２６年に７４歳で死んでいますので...
その時ニーマイヤーが１９歳、つまり同じ時代に生きた建築家といえます。今の様な情報ツールが発達していなかった時代 少なくとも、ニーマイヤーがヨーロッパに移り住んだ晩年、ガウディの作品にも触れているはずです。

彼らの建築作品を比較できるかどうかはわかりませんが、共に後世にまで世界の遺産として、観光資源として生き続けている事では共通しています。

その彼は昨年まで生きていたのですから....彼の偉業は建築作品ではなくやはりその生命力も...といえます。

だって..１０４歳ですぜぇぇぇ...。

ブラジリア 文化・芸術・歴史

ちなみにニーマイヤーが生まれた１９０７年には何があったのか...？
まあ全然、全く関係無いのですが、ちょっと興味で.....つい..。

●トヨタ自動車の前身ともいえる豊田式織機を豊田佐吉が設立
●小林一三が阪急電鉄の前身会社を設立
●日本競馬会発足 （私は個人的に一番ここに興味があります.....）
●早稲田大学創立25年式典で校歌「都の西北」（作詞：相馬御風、作曲：東儀鉄笛）を発表
●仏の自動車製作者コルニュ、ヘリコプターを設計し、初めての試験飛行に成功

だからぁ？........という例ですが....。

ニテロイ現代美術館 博物館・美術館・ギャラリー

写真のニテロイ現代美術館（リオ・ニテロイ）は、リオの観光名所となり、普通に観光客が訪れていますが、１９９６年の作品なので.....なんと彼が８９歳の時の作品です..。

意外に新しい作品なんですね.....。

ポンテ・リオ・ニテロイ橋 建造物

彼が４５歳のときに１９５２年にル・コルビュジエという建築総監督と共にアメリカ・ニューヨークの国際連合本部ビルをデザインしました。

ブラジリア観光公社 (三権広場) 散歩・街歩き

ただ これは当時 世界中から有名建築家を一同に集めた混合チームによるプロジェクトであった為、それ程彼だけの名声を高めるものではなかったようです。

ブラジリア観光公社 (空港内) 散歩・街歩き

なんといいましても彼を有名にしたのはその後１９５６年から１９６０年（４０代後半から５０代前半）にかけて行われたブラジル首都（リオからブラジリアへ）の遷都です。

これはブラジルの大統領ジュッセリーノ・クビチェッキの下行われた壮大な計画でルシオ・コスタ（ニーマイヤーとは別の建築家）の総合監修の下、ブラジルの新首都・ブラジリア（首都移転は１９６０年）の国民会議議事堂や外務省、大聖堂などの主要建築物の設計を行った事が彼の名前を世界中に知らしめる事になりました。

ロイヤル チューリップ ブラジリア アルボラーダ ホテル

ブラジリアの街並みに関しては、ブラジルに少しでも関心のある方は殆どご存知だと思います。

現在のブラジリアの街並みは、１９８７年に世界遺産に登録されました。

オスカー ニーマイヤー美術館 博物館・美術館・ギャラリー

どの建築物にも、ニーマイヤーが大好きな「曲線」が多用されております。

一目見れば...ああ..彼の作品だ！と段々判ってきます。

まあ　ある意味　単純...です。

イビラプエラ公園 広場・公園

ところでニーマイヤーは政治活動を行っていた為、当時のブラジル軍政の時代にブラジルでの設計活動を禁止された期間が２０年近くあります。

１９６７年に亡命するような形でフランスのパリに住み着き、その後の２０年間程はフランスを活動の拠点として、フランス、イタリア、アルジェリアなどで設計を手がけ、フランス共産党に入党して党本部の設計も行った様です。

この海外滞在も彼のキャリアや名声を高める事に一役買った出来事といえます。この亡命の時期には既に彼は６０歳、普通のサラリーマンですと引退の歳ですぜ。

そこからバリバリと創作活動を続けているところが、彼の凄いところです。凡人の私には理解できないところです。

←（写真）ところでここからポンジアスーカルもコルコバードの丘も一望する事ができます。小さいですが...。フォトグラファーにはベスポジと言えます。

ブラジリア国際空港 / プレジデント ジュセリノ クビシェッキ国際空港 (BSB) 空港

リオデジャネイロ ニテロイ現代美術館（ＭＡＣ）の全貌です。

宇宙船？をイメージした建物といえます....。本人はなにかのインタビューで、「華」をイメージしていると述べていますが.....

ニテロイ現代美術館 博物館・美術館・ギャラリー

私には「冷酒用の御ちょこ」...に見えて仕方ありません…。

梵 和食

ほら....

なんか....似ていません？これ....。

日本人にしか判らないと思いますが....。

勘 すし

観光に来ていたお嬢さんですが、この建物からとことこ下りてきました。

彼女が宇宙人ぽく見えてしまうのは私だけでしょうか,,,,,。

コパカバーナ & レーメ ビーチ ビーチ

次に
写真は、首都：ブラジリアに移動します。

これはブラジリア大聖堂（１９５８年５１歳時の作品）です。聖堂にしては余りのも奇抜です。

中の彩光がすばらしい建物ですので、行かれた際には必ず中に入りましょう。　

※
ところで北朝鮮にある氷上館という建物は、この建物とデザインの酷似が指摘されています。(wikiより)
まあそんな事を気にするような国ではないですが..北朝鮮と言う国は...。

ブラジリア大聖堂 (カテドラル メトロポリターナ) 寺院・教会

ブラジル大統領府（１９５８年）です。

ブラジル史上初の女性大統領ジウマ現大統領もここで執務を行っています。

国会議事堂 (上院 / 下院) 現代・近代建築

これ....なんだったっけ？

大統領府 現代・近代建築

ブラジル国立美術館　１９５８年

こういう建物は世界中に結構たくさんある気が致しますが、全てがニーマイヤーの影響でしょうか？

※
今思い出しましたが、確か香港のペニンシュラホテルの前にも同じような形のプラネタリウムがあったような気が致します。あの一連の建物が折角の香港の夜景を台無しにしていて邪魔なんです....余談ですが....。

ブラジリア国立美術館 博物館・美術館・ギャラリー

ここからはサンパウロに所在するニーマイヤー作品です。

これは地下鉄バーハーフンダ駅に近いオープンした｢ラテンアメリカ記念公園（１９８９年建築）｣です。

これも何と彼が８２歳の時の作品でございます...。

※
軍事政権下、南米で流された血を表しているそうです。軍事政権への批判オブジェです。

ラテンアメリカ記念公園 広場・公園

でも、今の最悪の治安、貧富の差、汚職の惨状に、昔の軍事政権下の規律あるブラジルを懐かしむ人々もたくさんいます。

....これも余談ですが...。

ラテンアメリカ記念公園 広場・公園

サンパウロ：ラテンアメリカ公園はニーマイヤーの作品公園です。

大通りを越えて公園は二つに分かれた公園です。

このニーマイヤーのこだわった「曲線」橋を渡り隣の敷地に移動できます。

ラテンアメリカ記念公園 広場・公園

（サンパウロ：ラテンアメリカ公園）

ラテンアメリカ記念公園 広場・公園

（サンパウロ：ラテンアメリカ公園）

図書館があり、蔵書が保管されています。ただ日本の図書館の蔵書の数に慣れている我々にはガッカリする量です。

ラテンアメリカ記念公園 広場・公園

（サンパウロ：ラテンアメリカ公園）

ラテンアメリカ記念公園 広場・公園

（サンパウロ：ラテンアメリカ公園）

ニーマイヤーの作品は　今の時代では流石に奇抜さやインパクトが衰えており、どれを見ても斬新さは感じられない...というのが正直な感想です。

（サンパウロ：ラテンアメリカ公園）

ラテンアメリカ記念公園 広場・公園

（サンパウロ：ラテンアメリカ公園）

ラテンアメリカ記念公園 広場・公園

まとめ

●彼はブラジルを代表する南米一の有名建築家である事は疑いの余地がありません。
●当時彼の建築は斬新的で世界の注目を集めたに違いありません。
●フランスに６０歳−７８歳まで住んでいた時期もヨーロッパで精力的に活動を行い続けていました。
●ただ今の時代流石にデザインも古く感じ、また彼独特の真白なフォルムはメンテナンスが難しい為、どの作品もかなり汚れてしまっていて「老朽」という言葉がぴったりとなってしまっています。
●建築に興味の無い方にとって期待してブラジリアなどに行くとかなりガッカリします。またラテンアメリカ公園も相当残念な状態になっています。
●建築家を目指している方々には十分にインスピレーションを与えるとは思いますが、ただの芸術性や専門知識の無い観光客がこれら彼の作品を見てもたぶん　全く面白くないものだと思います。

と言う事で、建築や芸術に興味がない一般の方は、ニーマイヤーは…「ちら見」で十分というのが、私の独断と本音で…御座います…。

日本館 博物館・美術館・ギャラリー

この旅行記へのコメント （2）

• わんぱく大将さん 2014/02/12 08:07:01

  生命力！

  コタ１号さん
  
  うちのばあさんも１０３歳まで長生きしましたとさ。　記憶力抜群のばあさんで、　私も彼女のパワーを受け継いでるかも。死ぬまで長生きしまっしゃろ。
  
  　大将

  コタ(Kota)１号さん からの返信 2014/02/13 09:01:41

  RE: 生命力！

  
  そーなんです。オスカーニーマイヤー...。
  
  何かを成し遂げる方の最低条件は、よっぽど実力と運を兼ね揃えているか、う〜んと長生きするかしかないのでしょうね。
  
  でも　長生きしても、ボケちゃう可能性もありますね...。ボケない事も条件ですね。
  
  太く短く....などと、青臭い事を言っている時期は誰もが通り過ぎる道ですが、真の実力者というのは　実は太く長く生きる方の事なんですね。
  
  最近、細〜く長〜くということさえも　実はひじょ〜うに難しい〜んだなあ...こりゃ......って事に気がついてきたコタです。とほほ.....。
  
  
  大将さん、どうぞ長生きしてください。笑