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多くの日本人にとって悲願でもあった、富士山の世界遺産登録が遂に決定しました。<br />本旅行記は、そんな訳で敢えて富士山に次ぐ標高を誇る北岳と、日本第四位の標高を誇る間ノ岳の2012年夏における登頂記を個人的に富士山に捧げる意味合いで作成してみました。<br />東京スカイツリーオープン時に東京タワー旅行記を書くようなもの、と捉えて頂ければ幸いです。大分違うけど…(汗)。

日本第二の高峰に登る旅

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2012/07/08 - 2012/07/11

8390位(同エリア12775件中)

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ケロケロマニア

ケロケロマニアさん

多くの日本人にとって悲願でもあった、富士山の世界遺産登録が遂に決定しました。
本旅行記は、そんな訳で敢えて富士山に次ぐ標高を誇る北岳と、日本第四位の標高を誇る間ノ岳の2012年夏における登頂記を個人的に富士山に捧げる意味合いで作成してみました。
東京スカイツリーオープン時に東京タワー旅行記を書くようなもの、と捉えて頂ければ幸いです。大分違うけど…(汗)。

旅行の満足度
5.0
観光
4.0
同行者
一人旅
一人あたり費用
3万円 - 5万円
交通手段
高速・路線バス JRローカル 私鉄 徒歩 AIR DO
旅行の手配内容
個別手配

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  • さて、スタートは北海道からとなりますが、せっかくなので”道民の翼”エアドゥに搭乗します。ベアドゥさんがお出迎え。ここで熊を登場させたのは、「熊で始まり熊で終わる」旅行記にするためです。<br /><br />何のこっちゃ…。

    さて、スタートは北海道からとなりますが、せっかくなので”道民の翼”エアドゥに搭乗します。ベアドゥさんがお出迎え。ここで熊を登場させたのは、「熊で始まり熊で終わる」旅行記にするためです。

    何のこっちゃ…。

  • 夜遅い便はちょっとだけ安いので、これに搭乗することにした訳です。(出発地は新千歳です(B737-500;JA8504)。

    夜遅い便はちょっとだけ安いので、これに搭乗することにした訳です。(出発地は新千歳です(B737-500;JA8504)。

  • エアドゥに乗るのも久しぶりでしたが、今ではこんな可愛らしい紙コップでドリンクがサーブされているんですね。この会社の黎明期に、経費削減からか某珈琲メーカーの紙コップを使用していたことを思い出します。(てか、そもそもは”ノンフリルサービス”という言い訳的なネーミングで、飲み物サービスそのものを削減していたような…(懐)。)

    エアドゥに乗るのも久しぶりでしたが、今ではこんな可愛らしい紙コップでドリンクがサーブされているんですね。この会社の黎明期に、経費削減からか某珈琲メーカーの紙コップを使用していたことを思い出します。(てか、そもそもは”ノンフリルサービス”という言い訳的なネーミングで、飲み物サービスそのものを削減していたような…(懐)。)

  • そして羽田に到着です。

    そして羽田に到着です。

  • 深夜到着なので、勿論(?)国際線に乗る予定もないのに国際線Tに移動し、ここで一夜を明かします。

    深夜到着なので、勿論(?)国際線に乗る予定もないのに国際線Tに移動し、ここで一夜を明かします。

  • さて翌日。北海道暮らしの田舎もんにとって、東京をいかに早く抜け出すかが一番大変な行程です。ラッシュに巻き込まれぬよう、やや時間をずらして出発します。<br /><br />高尾まで来ると漸く一息つけますね。<br />

    さて翌日。北海道暮らしの田舎もんにとって、東京をいかに早く抜け出すかが一番大変な行程です。ラッシュに巻き込まれぬよう、やや時間をずらして出発します。

    高尾まで来ると漸く一息つけますね。

  • ホーム上では天狗さんもお出迎え&お見送りです。

    ホーム上では天狗さんもお出迎え&お見送りです。

  • そして大月駅に到着しました。

    そして大月駅に到着しました。

    大月駅

  • 実はこの時の旅は1週間有効の北海道・東日本パスを利用していましたが、前半に道内の旅をしていて、この日が最終日の行程となります。甲府で宿泊予定でしたので、せっかくこの切符が使える富士急行線に乗ろうかな、とも思ったのですが、到着が遅くなるので、翌日の早出を考えて、泣く泣く諦めました。

    実はこの時の旅は1週間有効の北海道・東日本パスを利用していましたが、前半に道内の旅をしていて、この日が最終日の行程となります。甲府で宿泊予定でしたので、せっかくこの切符が使える富士急行線に乗ろうかな、とも思ったのですが、到着が遅くなるので、翌日の早出を考えて、泣く泣く諦めました。

  • なので中央線沿線にて途中下車。前々から気になっていた春日居町駅前にある足湯に寄ってみることにしました。

    なので中央線沿線にて途中下車。前々から気になっていた春日居町駅前にある足湯に寄ってみることにしました。

    春日居町駅

  • こんな様子で、地元の方がこまめに清掃されている感じで清潔感がありました。足を浸けた状態で上半身をベンチに寝そべらせていると、地元の”足湯奉行”の方に、寝そべらないで、と、注意されてしまいました。<br /><br />お行儀が悪くてすみませんでした…(謝)。

    こんな様子で、地元の方がこまめに清掃されている感じで清潔感がありました。足を浸けた状態で上半身をベンチに寝そべらせていると、地元の”足湯奉行”の方に、寝そべらないで、と、注意されてしまいました。

    お行儀が悪くてすみませんでした…(謝)。

  • 目指す山々は生憎雲の中で、下界から望むことは出来ませんでした。

    目指す山々は生憎雲の中で、下界から望むことは出来ませんでした。

  • そして本日の目的地である甲府に到着。宿に荷物だけ置いて、せっかくなのでフリー切符のある本日を有効利用するため、もう少しだけ汽車旅を続けます。

    そして本日の目的地である甲府に到着。宿に荷物だけ置いて、せっかくなのでフリー切符のある本日を有効利用するため、もう少しだけ汽車旅を続けます。

  • まず目指したのは竜王駅です。この駅の通路は南アルプスの山並みが望める展望台のようになっていますので、是非これから登る山々を眺めたかったのですが、この日は雲が多くて駄目でした…(涙)。

    まず目指したのは竜王駅です。この駅の通路は南アルプスの山並みが望める展望台のようになっていますので、是非これから登る山々を眺めたかったのですが、この日は雲が多くて駄目でした…(涙)。

    竜王駅

  • ついで向ったのが石和温泉駅です。実は宿泊した宿からこの駅の最寄にある健康ランドのチケット(経営が同系列らしい)を頂いた(というか、宿泊時の領収書を見せるだけですが…)ので、そこに行くことにしました。この駅から送迎バスが運行されています。

    ついで向ったのが石和温泉駅です。実は宿泊した宿からこの駅の最寄にある健康ランドのチケット(経営が同系列らしい)を頂いた(というか、宿泊時の領収書を見せるだけですが…)ので、そこに行くことにしました。この駅から送迎バスが運行されています。

    石和温泉駅

  • 石和温泉駅前にも、流石というか、このような立派な足湯がありました。春日居町駅とのはしご足湯(?)も楽しいですね。

    石和温泉駅前にも、流石というか、このような立派な足湯がありました。春日居町駅とのはしご足湯(?)も楽しいですね。

  • さて翌日。朝一番(とは言ってもこの時期はまだ本格的な夏山シーズンの少し前なので、9時発しかありませんが…)のバスに乗ってしまうと、荷物の配送などで郵便局に行く時間が取れないため、次のバスに乗ることにしました。(前日に送っておけば、と後悔…。)<br /><br />このバスで北岳のメイン登山口として知られる広河原へと向います。

    さて翌日。朝一番(とは言ってもこの時期はまだ本格的な夏山シーズンの少し前なので、9時発しかありませんが…)のバスに乗ってしまうと、荷物の配送などで郵便局に行く時間が取れないため、次のバスに乗ることにしました。(前日に送っておけば、と後悔…。)

    このバスで北岳のメイン登山口として知られる広河原へと向います。

    北岳 自然・景勝地

  • 流石にシーズン前の平日とあって、バスの車内はがらがらでした。

    流石にシーズン前の平日とあって、バスの車内はがらがらでした。

  • 途中芦安に寄ります。一般の車両は広河原まで入れませんので、自家用車の方はここからバスに乗車となります。(上高地の沢渡みたいな場所ですね。)<br /><br />でも、この日のお客さんはゼロでした。夏山シーズンって、ちょっとズレるだけで客足は全く違うんですね…。

    途中芦安に寄ります。一般の車両は広河原まで入れませんので、自家用車の方はここからバスに乗車となります。(上高地の沢渡みたいな場所ですね。)

    でも、この日のお客さんはゼロでした。夏山シーズンって、ちょっとズレるだけで客足は全く違うんですね…。

  • そして広河原には昼前に到着。これから北岳に登るのは時間的に無謀にも思われましたが、天気予報がが意外と快方に向うように変わってきたので、ビバーク覚悟で登り始めます。<br /><br />先人達のレリーフの前にて安全祈願をした後に出発します。

    そして広河原には昼前に到着。これから北岳に登るのは時間的に無謀にも思われましたが、天気予報がが意外と快方に向うように変わってきたので、ビバーク覚悟で登り始めます。

    先人達のレリーフの前にて安全祈願をした後に出発します。

    北岳 自然・景勝地

  • 登山口には立派な山域全体の案内板も設置されていました。

    登山口には立派な山域全体の案内板も設置されていました。

  • まずはこのような吊り橋を渡ります。

    まずはこのような吊り橋を渡ります。

  • 程なく広河原山荘に到着。ここでお水を頂いていよいよ本格的な登山道へと入ります。

    程なく広河原山荘に到着。ここでお水を頂いていよいよ本格的な登山道へと入ります。

    広河原山荘 宿・ホテル

  • 広河原から北岳に向うルートは白根御池小屋経由と大樺沢経由の二つがありますが、この日は自分の体調と相談しつつ、もしも駄目そうなら白根御池小屋泊まりも視野に入れつつ、前者のルートを進みます。

    広河原から北岳に向うルートは白根御池小屋経由と大樺沢経由の二つがありますが、この日は自分の体調と相談しつつ、もしも駄目そうなら白根御池小屋泊まりも視野に入れつつ、前者のルートを進みます。

  • 道はしっかりとしていますが、かなりの急勾配が続きました。

    道はしっかりとしていますが、かなりの急勾配が続きました。

  • 久しぶりの登山なので、体力の衰えを心配していましたが、意外とさくさく登れてしまい、白根御池小屋には予定より1時間以上早く到着してしまいました。<br /><br />まだ先に進めそうでしたので、小屋は素通りとなりました。

    久しぶりの登山なので、体力の衰えを心配していましたが、意外とさくさく登れてしまい、白根御池小屋には予定より1時間以上早く到着してしまいました。

    まだ先に進めそうでしたので、小屋は素通りとなりました。

    白根御池小屋 宿・ホテル

  • 池の標高は2230m。丁度、北海道最高峰の大雪山系旭岳と同程度の高さです。

    池の標高は2230m。丁度、北海道最高峰の大雪山系旭岳と同程度の高さです。

  • おおっ、お猿さんを発見。この辺りのお猿さんは下界で暴れまわっている連中と違って、とてもおっとりとしています。<br /><br />お猿さんに警戒されつつ、くしくも登山道がお猿さんを追いかけるような方向に続いているので、申し訳ないと思いつつ、お猿さん追跡登山がしばらく続きます。

    おおっ、お猿さんを発見。この辺りのお猿さんは下界で暴れまわっている連中と違って、とてもおっとりとしています。

    お猿さんに警戒されつつ、くしくも登山道がお猿さんを追いかけるような方向に続いているので、申し訳ないと思いつつ、お猿さん追跡登山がしばらく続きます。

  • お猿さんがしびれを切らして(?)藪の中へ消えていった後、後ろを振り返ると、丁度見下ろせる位置に白根御池を望むことができました。

    お猿さんがしびれを切らして(?)藪の中へ消えていった後、後ろを振り返ると、丁度見下ろせる位置に白根御池を望むことができました。

  • 程なく、大樺沢からのルートが合流します。ここまで来れば、北岳山頂はもう一息です。

    程なく、大樺沢からのルートが合流します。ここまで来れば、北岳山頂はもう一息です。

    北岳 自然・景勝地

  • ここまで来ると、高山植物も色々と見られるようになりました。

    ここまで来ると、高山植物も色々と見られるようになりました。

  • 野生動物の食害などもあるようで、至る所に電柵が張られている光景は、北海道のエゾシカ被害防止を髣髴とさせる雰囲気がありました。

    野生動物の食害などもあるようで、至る所に電柵が張られている光景は、北海道のエゾシカ被害防止を髣髴とさせる雰囲気がありました。

  • 綺麗なお花に癒されつつ、先を急ぎます。

    綺麗なお花に癒されつつ、先を急ぎます。

  • いよいよ稜線へと出ましたが、生憎のガス模様です。

    いよいよ稜線へと出ましたが、生憎のガス模様です。

  • 南アルプスといえども、7月上旬の季節ですとまだまだ大きな雪渓が残っていました。

    南アルプスといえども、7月上旬の季節ですとまだまだ大きな雪渓が残っていました。

  • そして北岳の最後の登りへの鞍部にある肩の小屋に到着。ここで丁度標高3000mという標識がありました。ただ、別段小屋に用事もないので、中には入りません。

    そして北岳の最後の登りへの鞍部にある肩の小屋に到着。ここで丁度標高3000mという標識がありました。ただ、別段小屋に用事もないので、中には入りません。

    北岳 自然・景勝地

  • 肩の小屋に到着すると、漸く本日の行程が見えてきたので、ここでちょっとお茶を沸かしつつ、広河原から通して初めての長めの休憩をとります。<br /><br />しばらく休んでいると北東方向のガスが晴れてきて、鳳凰三山が見え始めました。<br /><br />隣にいた山ガール達が、地蔵岳のオベリスクを見て、「槍だ槍だぁ〜」と歓声を挙げています。夢を壊してはいけないので(?)、「やっと見えましたねぇ〜」などと、山名には触れずにお茶を濁しつつ、再度出発の準備をします。

    肩の小屋に到着すると、漸く本日の行程が見えてきたので、ここでちょっとお茶を沸かしつつ、広河原から通して初めての長めの休憩をとります。

    しばらく休んでいると北東方向のガスが晴れてきて、鳳凰三山が見え始めました。

    隣にいた山ガール達が、地蔵岳のオベリスクを見て、「槍だ槍だぁ〜」と歓声を挙げています。夢を壊してはいけないので(?)、「やっと見えましたねぇ〜」などと、山名には触れずにお茶を濁しつつ、再度出発の準備をします。

    鳳凰山 自然・景勝地

  • 北海道の多くの山域と違って、日本アルプスの主脈というのは幾ら時期が早い、といっても、それなりのお客さんがいるもので、山小屋の関係者達もその職務の一環として登山客の安全管理に目を光らせています。<br /><br />従って、この時間帯に心配をかけずに出発するためには、次の北岳山荘泊まり、と、嘘をつく必要がありました。くれぐれも善民の皆様、特に悪天候時にはこういう不良登山者の真似はしないで下さいね。

    北海道の多くの山域と違って、日本アルプスの主脈というのは幾ら時期が早い、といっても、それなりのお客さんがいるもので、山小屋の関係者達もその職務の一環として登山客の安全管理に目を光らせています。

    従って、この時間帯に心配をかけずに出発するためには、次の北岳山荘泊まり、と、嘘をつく必要がありました。くれぐれも善民の皆様、特に悪天候時にはこういう不良登山者の真似はしないで下さいね。

    北岳山荘 宿・ホテル

  • 肩の小屋から北岳山頂までの最後の登りは、こんな岩礫地帯が続きます。

    肩の小屋から北岳山頂までの最後の登りは、こんな岩礫地帯が続きます。

    北岳 自然・景勝地

  • そして夕方17時20分、遂に日本第二の高峰ピークに到達しました。

    そして夕方17時20分、遂に日本第二の高峰ピークに到達しました。

  • 日本第二の高峰、つまり日本アルプスの最高峰の頂上には、さぞ立派な一等三角点があるのかと思いきや、意外なことにこのような三等三角点が設置されていました。<br /><br />まあ、三角点というのは”位置”情報ですから、意外とこうした場所でも一等ではないことが多いんですけどね…。

    日本第二の高峰、つまり日本アルプスの最高峰の頂上には、さぞ立派な一等三角点があるのかと思いきや、意外なことにこのような三等三角点が設置されていました。

    まあ、三角点というのは”位置”情報ですから、意外とこうした場所でも一等ではないことが多いんですけどね…。

  • 日の長い時期でしたので、北岳登頂後も暫く歩けそうな雰囲気でしたが、万が一、ということを考えて無理はしないことにしました。<br /><br />でもここで肩の小屋の反対側の鞍部にある北岳山荘まで下りてしまうと、その先にもう暫く山小屋がありません。つまり北岳山荘をこの時間に南に向って通過する、ということは、山小屋の関係者からあらぬ疑いをかけられかねませんので、北岳山頂と北岳山荘との間で、山荘側から誰にも見えなそうな所にビバークすることにしました。

    日の長い時期でしたので、北岳登頂後も暫く歩けそうな雰囲気でしたが、万が一、ということを考えて無理はしないことにしました。

    でもここで肩の小屋の反対側の鞍部にある北岳山荘まで下りてしまうと、その先にもう暫く山小屋がありません。つまり北岳山荘をこの時間に南に向って通過する、ということは、山小屋の関係者からあらぬ疑いをかけられかねませんので、北岳山頂と北岳山荘との間で、山荘側から誰にも見えなそうな所にビバークすることにしました。

  • 天候はだんだんと快方に向かい、行く手には明日の行程である間ノ岳方面も美しく望めるようになりました。この風景を肴に、ここで一晩を明かす決意をします。

    天候はだんだんと快方に向かい、行く手には明日の行程である間ノ岳方面も美しく望めるようになりました。この風景を肴に、ここで一晩を明かす決意をします。

    間ノ岳 自然・景勝地

  • とは言っても、南アルプスは国立公園ですので、キャンプ指定地以外でのテント幕営は禁止されています。なので、雑魚寝です。天候の良い夏山だけに許される無謀な行為ですが、別に雑魚寝の禁止、というルールはない筈なので、ここで寝袋にくるまって一夜を明かします。<br /><br />でもシュラフカバーを忘れたので、ビニル袋で代用し、しかもこのビニル袋が短いので、全然カバーの役目を果たしていない、というオチはつきますが…(汗)。<br />

    とは言っても、南アルプスは国立公園ですので、キャンプ指定地以外でのテント幕営は禁止されています。なので、雑魚寝です。天候の良い夏山だけに許される無謀な行為ですが、別に雑魚寝の禁止、というルールはない筈なので、ここで寝袋にくるまって一夜を明かします。

    でもシュラフカバーを忘れたので、ビニル袋で代用し、しかもこのビニル袋が短いので、全然カバーの役目を果たしていない、というオチはつきますが…(汗)。

  • 北岳付近にいる人間といえば、肩の小屋か北岳山荘が一番高所でしょうから、同じような酔狂な雑魚寝者が山頂付近にいなければ、この日の自分は日本アルプス上で一番高い位置に寝ている人類、ということになります。<br /><br />そう考えると、凄く自分が偉大な人間になったかのような錯覚に陥り、一人ほくそ笑むのですが、何せこのような状態で雑魚寝しているので、夜は意外と寒い…。<br /><br />でも、北海道の真冬も灯油を殆ど使わずに暮らして鍛えている(単にケチってるだけか…)わが身には、意外と大丈夫なのでした(笑)。<br /><br />雲の流れがダイナミックな水墨画のように展開するのを眺めつつ、ナイターを聴きながらひっそりと雑魚寝する一夜となりました。

    北岳付近にいる人間といえば、肩の小屋か北岳山荘が一番高所でしょうから、同じような酔狂な雑魚寝者が山頂付近にいなければ、この日の自分は日本アルプス上で一番高い位置に寝ている人類、ということになります。

    そう考えると、凄く自分が偉大な人間になったかのような錯覚に陥り、一人ほくそ笑むのですが、何せこのような状態で雑魚寝しているので、夜は意外と寒い…。

    でも、北海道の真冬も灯油を殆ど使わずに暮らして鍛えている(単にケチってるだけか…)わが身には、意外と大丈夫なのでした(笑)。

    雲の流れがダイナミックな水墨画のように展開するのを眺めつつ、ナイターを聴きながらひっそりと雑魚寝する一夜となりました。

  • さて翌朝。寒さ、というよりは寧ろ風の音で目を覚まします。ハイマツ帯の脇の風下になるような場所に雑魚寝していたのですが、流石に稜線上には強風が吹いていて、ハイマツガードがない高さに立つと、ちょっとよろけてしまうような風でした。<br /><br />ゆっくりと始まる朝焼けの彼方に、かの”世界遺産”が徐々に姿を現します。

    さて翌朝。寒さ、というよりは寧ろ風の音で目を覚まします。ハイマツ帯の脇の風下になるような場所に雑魚寝していたのですが、流石に稜線上には強風が吹いていて、ハイマツガードがない高さに立つと、ちょっとよろけてしまうような風でした。

    ゆっくりと始まる朝焼けの彼方に、かの”世界遺産”が徐々に姿を現します。

  • さて、山を歩く人達の朝はとても早いものです。こんな所でうかうかと雑魚寝していた様子を見つかるのは恥ずかしいので、誰よりも早く寝袋を片付けて、本日のスタートです。この程度まで明るくなれば、危険箇所でない限り十分に歩けます。

    さて、山を歩く人達の朝はとても早いものです。こんな所でうかうかと雑魚寝していた様子を見つかるのは恥ずかしいので、誰よりも早く寝袋を片付けて、本日のスタートです。この程度まで明るくなれば、危険箇所でない限り十分に歩けます。

  • そして北岳山荘に到着。この日は快晴でしたので、予想通り前夜北岳山荘泊の人々が”ご来光”を拝む様子が見られました。<br /><br />

    そして北岳山荘に到着。この日は快晴でしたので、予想通り前夜北岳山荘泊の人々が”ご来光”を拝む様子が見られました。

    北岳山荘 宿・ホテル

  • お洒落な人達は、こういう風景をモルゲンロートなどと呼ぶのでしょうか…。

    お洒落な人達は、こういう風景をモルゲンロートなどと呼ぶのでしょうか…。

  • この日は朝から快晴で、前日は見えなかった西側の風景も、すっきりと拝むことが出来ました。”南アルプスの女王”などという異名も持つ仙丈ケ岳の遥か彼方には、うっすらと北アルプスの山並みなども望むことが出来ました。

    この日は朝から快晴で、前日は見えなかった西側の風景も、すっきりと拝むことが出来ました。”南アルプスの女王”などという異名も持つ仙丈ケ岳の遥か彼方には、うっすらと北アルプスの山並みなども望むことが出来ました。

  • そして北岳と間ノ岳の中間にあるマニアックなピーク(中白峰などと呼ばれます)に到着。シーズンですとこの辺りは白峰三山縦走の登山客でそれなりの賑わいを見せる場所だとは思うのですが、期間的にも時刻的にもズレていて、360度のパノラマを独り占めして過ごす至福の時間となりました。

    そして北岳と間ノ岳の中間にあるマニアックなピーク(中白峰などと呼ばれます)に到着。シーズンですとこの辺りは白峰三山縦走の登山客でそれなりの賑わいを見せる場所だとは思うのですが、期間的にも時刻的にもズレていて、360度のパノラマを独り占めして過ごす至福の時間となりました。

  • 間ノ岳まではあと少しです。

    間ノ岳まではあと少しです。

    間ノ岳 自然・景勝地

  • 振り返ると、今来た道沿いに北岳もくっきりと望めました。更に、今までは丁度方角的に北岳が邪魔をして見えなかった、甲斐駒ケ岳の白い山容も望むことができました。

    振り返ると、今来た道沿いに北岳もくっきりと望めました。更に、今までは丁度方角的に北岳が邪魔をして見えなかった、甲斐駒ケ岳の白い山容も望むことができました。

    北岳 自然・景勝地

  • そして遂に、日本第4の高峰、間ノ岳に到着です。<br /><br />串団子みたいな味わい深い山名標が建っていました。

    そして遂に、日本第4の高峰、間ノ岳に到着です。

    串団子みたいな味わい深い山名標が建っていました。

    間ノ岳 自然・景勝地

  • 三角点に関しては、こちらも北岳同様三等三角点となります。

    三角点に関しては、こちらも北岳同様三等三角点となります。

    北岳 自然・景勝地

  • 中白峰からはちょっと距離も離れ、標高も上がる関係で、北岳にも甲斐駒ケ岳にも邪魔をされて八ヶ岳の山並みも、ここで初めて見ることが出来ました。

    中白峰からはちょっと距離も離れ、標高も上がる関係で、北岳にも甲斐駒ケ岳にも邪魔をされて八ヶ岳の山並みも、ここで初めて見ることが出来ました。

    北岳 自然・景勝地

  • さて、間ノ岳からは農鳥岳を目指すルートが人気コースだとは思いますが、ここでは敢えて西に進み、仙丈ケ岳と塩見岳を繋ぐ長大な仙塩尾根を目指します。間ノ岳から西進するバイパス道が仙塩尾根と合流する辺りにあるのがこの三峰(みぶ)岳で、ここが丁度長野県・山梨県・静岡県の三県境となっています。<br /><br />標高も2999mと、微妙に3000m峰でないのが渋い…。でも北岳も数年前に1m高くなったこと等を鑑みると、この山も3000m峰になれる日が来るのかもしれませんね(笑)。

    さて、間ノ岳からは農鳥岳を目指すルートが人気コースだとは思いますが、ここでは敢えて西に進み、仙丈ケ岳と塩見岳を繋ぐ長大な仙塩尾根を目指します。間ノ岳から西進するバイパス道が仙塩尾根と合流する辺りにあるのがこの三峰(みぶ)岳で、ここが丁度長野県・山梨県・静岡県の三県境となっています。

    標高も2999mと、微妙に3000m峰でないのが渋い…。でも北岳も数年前に1m高くなったこと等を鑑みると、この山も3000m峰になれる日が来るのかもしれませんね(笑)。

  • このピークからは、手前に威風堂々と聳える農鳥岳の山容が印象的でしたが、この山と間ノ岳との鞍部の遥か彼方には、あの”世界遺産”を望むこともできました。

    このピークからは、手前に威風堂々と聳える農鳥岳の山容が印象的でしたが、この山と間ノ岳との鞍部の遥か彼方には、あの”世界遺産”を望むこともできました。

  • そしてこの山まで来ると、南方の風景がダイナミックに望めるようになります。南アルプス中部に聳える3000m峰である塩見岳の美しいピラミダルな姿の遥か彼方には、悪沢岳・赤石岳など、南アルプス南部の山々も望めるようになります。

    そしてこの山まで来ると、南方の風景がダイナミックに望めるようになります。南アルプス中部に聳える3000m峰である塩見岳の美しいピラミダルな姿の遥か彼方には、悪沢岳・赤石岳など、南アルプス南部の山々も望めるようになります。

  • 三峰岳から仙塩尾根に沿って南方に下り、途中間ノ岳の下方を農鳥岳鞍部に向って続くトラバース道の分岐を経て、井川越と呼ばれる場所に出ます。ここのガレ場からは、仙丈ケ岳の美しい風景を望むことが出来ました。

    三峰岳から仙塩尾根に沿って南方に下り、途中間ノ岳の下方を農鳥岳鞍部に向って続くトラバース道の分岐を経て、井川越と呼ばれる場所に出ます。ここのガレ場からは、仙丈ケ岳の美しい風景を望むことが出来ました。

  • こうして、この夏に山篭りをすることになった熊の平小屋に到着します。この小屋の凄い所は、これ程山奥にありながら(標高約2600m)、県都である静岡市内(葵区)に位置している小屋である、ということです。

    こうして、この夏に山篭りをすることになった熊の平小屋に到着します。この小屋の凄い所は、これ程山奥にありながら(標高約2600m)、県都である静岡市内(葵区)に位置している小屋である、ということです。

  • 運が良ければ、ここではこんな光景も見られるかもしれませんね。これにて北岳・間ノ岳登頂をテーマとした本旅行記は終了となります。最後までご覧下さり有難うございました。

    運が良ければ、ここではこんな光景も見られるかもしれませんね。これにて北岳・間ノ岳登頂をテーマとした本旅行記は終了となります。最後までご覧下さり有難うございました。

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