2016/08/08 - 2016/08/12
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icyfireさん
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今年の夏は、南アルプスの塩見岳から間ノ岳を経て北岳、そして切り返して農鳥岳と3,000メートル峰をつなぐ縦走をしました。自分の山歩き史上最高の充実感を得られる旅であり、最高の絶景に出会うことができたと思います。その山旅で出会った風景をご紹介します。
なお、4Tは登山情報のサイトではないですし、この旅行記を見て万一初心者の方が準備不足でこうした山域に行かれると危険なので、あくまで風景と高山植物の写真をお見せすることを目的とした旅行記にしました。テントを担いで日本アルプスの本格的な縦走を行うには、それなりの準備(体力、経験、装備、情報収集など)が必要です。準備不足は最悪の場合遭難、そして死亡事故にもつながりかねません。この旅行記の情報だけではそもそも登山計画も立てられないとは思いますが、もしも挑戦される場合には十分な準備をされてから自己責任で臨まれるようお願いします。
- 旅行の満足度
- 5.0
- 同行者
- 一人旅
- 交通手段
- 高速・路線バス JR特急 JRローカル 徒歩
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8月11日、祝日になって初の山の日。夜明け前の雲海の上にそびえる富士山。南アルプスの稜線ならではの風景。
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北岳方面を振り返る。鳳凰三山の奥から太陽が上がりそう。
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北岳。ちなみに、この日は陵線上は西風がかなり強かったです。
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徐々に太陽が出てきた模様。間ノ岳の山頂まではまだかなり距離があるので、ご来光は稜線上から拝むことにします。
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完全にまん丸の太陽が昇るのとはちょっと違いました。雲海の上に少し薄い雲がかかっていて、そのせいで多少太陽が隠れているようです。まあ、それでも十分綺麗なご来光。
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富士山方面。
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北岳方面。
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間ノ岳にも朝日が当たり始めました。もう少しピンクかオレンジに染まればいいのに。さて、ご来光を拝んだので間ノ岳山頂を目指します。
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1日ぶりに間ノ岳の山頂に戻ってきました。西からの風が強かったので、レインウェアの上を羽織っていました。
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山頂から南側の眺め。左にこれから目指す農鳥岳、奥には2日前に登頂していた塩見岳。そしてその奥に荒川三山などの南アルプス南部の山々。
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東側を見るとケルンの先に富士山。前日は抜けるような青空でしたが、この日は少し霞んだ感じ。晴れは晴れでも感じが違います。
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仙丈ケ岳、甲斐駒ケ岳、そして北岳。これらの大きな山々の姿をこのアングルで眺めるのもこの日の朝が最後。来年以降また来ますかね。ここまで登ってくるのは大変だけど。
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ザ・北岳。やはり一番贔屓である。
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農鳥岳の左奥、雲海の上に富士山。
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農鳥岳の右奥には塩見岳や荒川三山。やはり南アルプスは大きい。間ノ岳から眺めると、今回の山旅で歩いてきた長大な仙塩尾根が南部の山々に続いていくのを完全に眼下に納められるので、非日常的な大きさが感じられますな。
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これから向かう農鳥岳。今回の山行では最後の3,000メートル峰。この稜線も、北岳~間ノ岳の稜線と同様に格好いい。
稜線を上りきったところが西農鳥岳ですかね。左側にこぶのように見えるピークが農鳥岳本体のピークでしょう。 -
稜線拡大。鞍部に赤い屋根の山小屋が見えます。農鳥小屋ですね。
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間ノ岳から農鳥小屋までの下りは、中くらいの大きさの石が多くて結構難儀するガレ場です。ストックに頼らずに膝のクッションを駆使して行くほうがいい感じの道ですね。この日は実質最終日で疲れもあったのか、風が強くて多少苦しんだせいか、標高3,000メートル付近で空気が薄いせいか、あまりペースが上がらずにゆっくり歩きました。
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農鳥小屋に到着。名物のおじさんは朝食中だったので会えず。それにしても、この稜線の小屋は位置的に使い勝手がよさそう。2泊目に使った熊ノ平からも3時間もあれば着くし、何より稜線の見晴らしがよい。テント場も大きくて張りやすそうでした。
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農鳥小屋からの富士山と太陽。少し霞んでいます。風は結構強いのですが、気温が高めなんですかね。
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こちらは北東の鳳凰三山方面。雲海の見事な朝でした。
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さて、ここからは再び登ります。次のターゲットは白峰三山の最後の一角である農鳥岳ですが、その前に西農鳥岳というピークを目指します。標高としてはこちらの方が高くて3,051メートル。農鳥岳本体は3,026メートル。まあ、両方立派な3,000メートル峰。
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西農鳥岳への登りで一息入れつつ間ノ岳を振り返って撮った図。この稜線はどちらから眺めても迫力満点。
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西農鳥岳に無事登頂。
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2時間ほど前とは逆に、農鳥岳からの稜線の先に間ノ岳を眺めます。さっきまであの山の頂上にいました。もちろん、その奥にはとんがった北岳。
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ここから農鳥岳本体の山頂への道。天空に続き、雲海を越えて富士山に向かうようだ。
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ここでイワヒバリ。まあ、結構疲れていて休み休み。鳥の声とかに癒されつつ。
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ここまで来ると、再び塩見岳がだんだん大きく見えるようになります。2日前の早朝に登頂して、いったんは北岳まで北上し、今度は農鳥岳まで南下。よく歩いたもんだ。
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山頂への最後の道。結構なだらかだと思いますが、この日はヒイヒイ言いながら歩いていました。
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ついに今回の山旅で最後の3,000メートル峰に登頂です。我ながらよくやった。山頂では30分ほど休みつつ景色を堪能しました。
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ケルン越しに塩見岳方面。
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富士山方面。
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白峰三山の縦走を果たしたと思うと感慨もありますが、この日は大門沢小屋までの長い下山が待っているので山頂を後にします。農鳥岳から下る先には、白峰何例方面が見えています。
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この山行で最後の高山植物たち。
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北岳に比べるとさすがに数は劣りますが、最後まで可愛い姿を楽しませてもらいました。
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そして大門沢方面への下山路を示す下降点に到着。10時くらいだったと思います。印象的な黄色の標識と鐘。
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雲海が見事な東側が開けています。韓国から来られた登山パーティの方がいて、お互いに写真を撮ったりしました。
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さて、体力的には多少は余裕がありそうなので、ここから往復1時間で白峰南嶺で一番北に位置する広河内岳を目指します。標高2,895メートル。地味な山ですが、北アルプスは後立山連峰の盟主とされる鹿島槍ヶ岳よりも高いという事実。八ヶ岳の赤岳より4メートル低いだけ。
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広河内岳山頂から見る白峰南嶺の陵線。山小屋はおろか水場もないために登山者の少ない、玄人向けのルートです。ルート自体もハイマツ漕ぎ、藪漕ぎの厳しいところらしいです。体力ある人にとっては、山深さを堪能できてよいらしいですけど。まあ、私は踏み込めません。
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白峰南嶺と並行するのは長大な仙塩尾根。これをずっと歩いてきたとは信じがたい。
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だって、上の写真から続いてこの写真までずっと続いている尾根ですから。
広河内岳に登って、白峰南嶺にちょっと足を踏み入れたという記念とともに、塩見岳から続く長大な道を歩いてきたことを思い返しました。 -
さて、大門沢下降点から下山ですが、これが今回の山旅で最大の難所でした。一般登山道とは思えないほど道が厳しい。この写真のところも相当の急斜面で、片側は切れ落ちています。つかまるところもなくて、申し訳程度にゆるいロープが右側にありますが、それを掴むくらいなら膝でバランスとるほうがいいくらい。足を滑らせたら大変です。
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倒木多いし。
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木の根の下が50センチくらいえぐれているので、ズドンと落ちないように気をつけて足を運びます。15キロ程度のテント泊装備を背負っており、山行4日目の疲労もあるので膝が笑わないように。
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体力的にも、神経的にもかなりすり減らす下山でしたが、大門沢が見えるところまで降りてきました。ここからは、斜面の傾斜がだいぶ緩やかになります。1,000メートル以上下ったので気温が上がって暑いですが。
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まあ、渡河地点では橋が壊れているなど、まだまだワイルドな道です。
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カニコウモリの群落が出てきた。かなり標高が下がった証拠だな。そろそろ大門沢小屋が近いはず。
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完全な樹林帯。山深い。
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やっとのこと大門沢小屋到着です。何とか1時半過ぎには受付できました。けど、ホントに厳しい下山道でしたよ。縦走の後にこの試練は凄かった。私が到着した時にはまだ余裕がありましたが、流石は山の日、結局テント場は満員でした。HPには50張可能とありますが、実際には35張程度がせいぜいでしょう。小屋の昼食時間は1時半キッカリで終わってしまったので仕方なく予備のフリーズドライ食を食べ、珍しくチューハイも飲みました。まあ、これまでの達成感&厳しい下山の後の一杯。
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テント場からの風景も山深い。軽食を食べた後はテントで昼寝しつつ、起きて隣でテントを張られていたベテラン登山者の方にいろいろと情報をいただいたり、5時過ぎには最後の夕食を準備したり。厳しく楽しかった山行も、翌日の短い下山でおしまいです。
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翌日は朝6時ごろ下山開始です。前日の悲惨なまでの厳しい道と比べれば、一般登山道として普通の道でした。とは言っても南アルプス。何回も沢を横切るなど飽きさせない道です。
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途中、道が小川になっている所がかなり長いです。赤いテープで登山道と示してくれなければ道とは認識しないレベル。
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沢沿いに咲く花も高山植物ではなく、里山のものに変化。
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タマアジサイ。
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広葉樹の樹林帯。木漏れ日が美しい。
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コケも結構あります。南アルプスや八ヶ岳、奥秩父の森深いところはコケが名物ですね。
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何度も沢を渡る。
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このつり橋が出てきたらついに終了です。電力会社の施設が沢沿いにあり、文明社会に戻ってきてしまった感につつまれます。残念なのか、安心なのか。
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奈良田第一発電所のバス停に下山。最終日は2時間の下山だけでしたが、それも入れれば4泊5日の南アルプスの山旅。しかもテント泊装備を担いで。無事に下山できたのは生還と言ってよいレベル。
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30分ほど歩いて、奈良田温泉の女帝の湯へ。4日ぶりのお風呂はとても気持ちがよい。達成感。奈良田温泉は一度行く価値ありですね。特に、厳しい縦走の後は本当に気持ちいいです。
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最後は甲府に出ていつものほうとうで締めです。
自分史上最長の縦走だった、2016年夏の南アルプス山行。お天気に恵まれて絶景を堪能しただけでなく、得るものが多かったです。この年でも自分の限界を広げられるし、いろんなスキルを学ぶことができるし、新しい発見に感動できます。
大らかで、懐深くて、暑くて、繊細で、いろんな形容詞が当てはまる南アルプス。今のところ、自分の一番贔屓の山域になっています。
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この旅行記へのコメント (2)
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- ラムロールちゃんさん 2017/01/02 21:30:27
- ワイルドな道♪
- icyfireさん
新年おめでとうございます☆
早々にご投票いただきまして、ありがとうございました!
ワイルドな道は、見る分にはとても好きです。
吊り橋とか、すごくラブ♪
でも、実際に行くのは…しんどそうで…(体力つけろって話ですね)
そんなヘタレな奴ですが、今年もよろしくお願いします)^o^(
ラムロール
- icyfireさん からの返信 2017/01/02 21:59:56
- RE: ワイルドな道♪
- ラムロールさん、いつもコメントありがとうございます。
旅行をしていないので旅行記を書くネタがなく、2016年は山行記録中心になってしまいました。そんな状態なのにちょくちょくご訪問いただいて恐縮であります。
私の場合、絶対的に行きたい目的地は南米中心に南半球ばかりなのですが、そこまで長い休暇は取れないですし、それ以外の候補地だと無理して行く気もなかなか起きないという状況が続いています。結局この冬もオーロラ見に行くのは実現しない感じだし。ホントは1週間くらいでサクッと行けばいいんですけどね。いろいろと。そうしないと旅行記も増えないし。
それに比べるとラムロールさんの行動力とインド愛は素晴らしい。引き続き興味深い旅行記を期待しています。
icyfire
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