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 2004年に甲賀郡石部町と甲西町が合併して誕生した、まだ日が浅い湖南市ですが、歴史は悠久の時を刻んでいます。その南部を横切る東海道は、もともとは古代・中世・近世とその道筋を変えて畿内と関東を結んでいました。間の宿・六地蔵から東海道51宿目の石部宿への道筋は、中世以降の道ですが、近世を通じて長く利用されました。<br /> 今回訪ねた「石部宿場資料館」は宿場町を実物大で再現しており、当時の旅人気分を楽しめます。また、常楽寺、長寿寺、善水寺は「湖南三山」といわれ、国宝・重文級の仏像が拝観できます。紅葉には遅い季節になりましたが、その季節に訪ねればすばらしい紅葉が観賞できたでしょう。<br /> 写真は常楽寺三重塔です。

湖南三山と石部宿を訪ねて/滋賀県・湖南市

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2012/12/23 - 2012/12/23

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ひま人

ひま人さん

 2004年に甲賀郡石部町と甲西町が合併して誕生した、まだ日が浅い湖南市ですが、歴史は悠久の時を刻んでいます。その南部を横切る東海道は、もともとは古代・中世・近世とその道筋を変えて畿内と関東を結んでいました。間の宿・六地蔵から東海道51宿目の石部宿への道筋は、中世以降の道ですが、近世を通じて長く利用されました。
 今回訪ねた「石部宿場資料館」は宿場町を実物大で再現しており、当時の旅人気分を楽しめます。また、常楽寺、長寿寺、善水寺は「湖南三山」といわれ、国宝・重文級の仏像が拝観できます。紅葉には遅い季節になりましたが、その季節に訪ねればすばらしい紅葉が観賞できたでしょう。
 写真は常楽寺三重塔です。

同行者
友人
一人あたり費用
1万円未満
交通手段
観光バス JRローカル 私鉄 徒歩

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  •  天台宗・阿星山(あせいざん)常楽寺本堂。本尊・千手観世音菩薩(重文)。秘仏で、収められている須弥檀上の寄棟造り・板葺きの厨子は国宝です。和銅年間(708〜715年)元明天皇の勅命により、良弁が開基した阿星寺五千坊の中心寺院として、また紫香楽宮(742〜745年)の鬼門鎮護として栄えた。平安〜鎌倉時代には、皇室の帰依を受けて隆盛。延文5年(1360年)火災で全焼したが、同年、観慶らによって再興された。桁行7間、梁間6間、向拝3間、入母屋造、檜皮葺。国宝です。

     天台宗・阿星山(あせいざん)常楽寺本堂。本尊・千手観世音菩薩(重文)。秘仏で、収められている須弥檀上の寄棟造り・板葺きの厨子は国宝です。和銅年間(708〜715年)元明天皇の勅命により、良弁が開基した阿星寺五千坊の中心寺院として、また紫香楽宮(742〜745年)の鬼門鎮護として栄えた。平安〜鎌倉時代には、皇室の帰依を受けて隆盛。延文5年(1360年)火災で全焼したが、同年、観慶らによって再興された。桁行7間、梁間6間、向拝3間、入母屋造、檜皮葺。国宝です。

  •  常楽寺三重塔、国宝。応永7年(1400年)の丸瓦と平瓦があるので、この頃に建立と考えられています。三間四方(5m)、瓦葺き、高さ22.8m、釈迦如来座像(木造)を安置、来迎壁に釈迦説法図が描かれている。<br /> 塔は本来、仏舎利を安置する建物ですが、天台宗では法舎利(釈迦の根本経典の法華経を仏舎利の替わり)を安置して法華経の功徳による国家安穏、護国豊穣を願った。

     常楽寺三重塔、国宝。応永7年(1400年)の丸瓦と平瓦があるので、この頃に建立と考えられています。三間四方(5m)、瓦葺き、高さ22.8m、釈迦如来座像(木造)を安置、来迎壁に釈迦説法図が描かれている。
     塔は本来、仏舎利を安置する建物ですが、天台宗では法舎利(釈迦の根本経典の法華経を仏舎利の替わり)を安置して法華経の功徳による国家安穏、護国豊穣を願った。

  •  常楽寺三重塔。

     常楽寺三重塔。

  •  天台宗・阿星山長寿寺本堂(国宝)。檜皮葺・正面側面ともに五間の寄棟造り、和様の密教建築で、簡素な造りですが、屋根の反転曲線が美しく、藤原時代の古式を留めている鎌倉時代初期の建立です。内部に文明12年(1480年)に造られた、国宝の春日厨子(かすがずし)があり、秘仏の本尊木造地蔵菩薩を安置しています。秘仏のため御開帳は50年に一度だけです。本堂には常楽寺同様三重塔がありましたが、織田信長により安土城に移築されたという歴史もあります。

     天台宗・阿星山長寿寺本堂(国宝)。檜皮葺・正面側面ともに五間の寄棟造り、和様の密教建築で、簡素な造りですが、屋根の反転曲線が美しく、藤原時代の古式を留めている鎌倉時代初期の建立です。内部に文明12年(1480年)に造られた、国宝の春日厨子(かすがずし)があり、秘仏の本尊木造地蔵菩薩を安置しています。秘仏のため御開帳は50年に一度だけです。本堂には常楽寺同様三重塔がありましたが、織田信長により安土城に移築されたという歴史もあります。

  • 善水寺本堂(国宝)、木造平屋建、入母屋造り檜皮葺、桁行7間、梁間5間。本尊薬師如来はじめ30余の仏像を安置しています。奈良時代和銅年間(708〜715年)元明天皇勅命により鎮護国家の道場として草創され、和銅寺と号しました。

    善水寺本堂(国宝)、木造平屋建、入母屋造り檜皮葺、桁行7間、梁間5間。本尊薬師如来はじめ30余の仏像を安置しています。奈良時代和銅年間(708〜715年)元明天皇勅命により鎮護国家の道場として草創され、和銅寺と号しました。

  •  善水寺本堂。

     善水寺本堂。

  •  東海道石部宿民俗資料館。昭和60年(1985年)開館。石部の往時の姿を再現し、街道文化を今に伝えることを目的として、小島本陣の模型や開札や宿帳を展示しています。<br /> 東海道、伊勢参宮街道あるいは、紫香楽宮と金勝への街道に接する宿場として、早くから開けていた石部には、近世に入り、東海道が整備されると東海道の51番目の宿場が設けられた。京都石部間は9里4町(約38km)で京都を朝出発すると夕刻には石部に到着することから、「京発ち石部初泊まり」といわれて大いに栄え、二つの本陣に宿泊した参勤交代の大名はじめ一般の人々の往来も多く見られた。<br />

     東海道石部宿民俗資料館。昭和60年(1985年)開館。石部の往時の姿を再現し、街道文化を今に伝えることを目的として、小島本陣の模型や開札や宿帳を展示しています。
     東海道、伊勢参宮街道あるいは、紫香楽宮と金勝への街道に接する宿場として、早くから開けていた石部には、近世に入り、東海道が整備されると東海道の51番目の宿場が設けられた。京都石部間は9里4町(約38km)で京都を朝出発すると夕刻には石部に到着することから、「京発ち石部初泊まり」といわれて大いに栄え、二つの本陣に宿泊した参勤交代の大名はじめ一般の人々の往来も多く見られた。

  •  石部宿場の里入口。当時の石部宿を再現しています。

     石部宿場の里入口。当時の石部宿を再現しています。

  •  石部宿場の里、当時の一里塚の再現。

     石部宿場の里、当時の一里塚の再現。

  •  石部宿場の里、当時の商家を再現。

     石部宿場の里、当時の商家を再現。

  •  石部宿場の里、当時の旅籠を再現。

     石部宿場の里、当時の旅籠を再現。

  •  石部宿場の里、当時の茶店の再現。

     石部宿場の里、当時の茶店の再現。

  •  石部宿場の里、当時の農家を再現。

     石部宿場の里、当時の農家を再現。

  •  旧東海道石部宿を歩きましたが、面影は殆んどありません。

     旧東海道石部宿を歩きましたが、面影は殆んどありません。

  •  歌川広重「東海道五十三次・石部」では田楽茶屋を画きました。

     歌川広重「東海道五十三次・石部」では田楽茶屋を画きました。

  •  歌川広重描く「東海道五十三次・石部」の田楽茶屋が旧石部宿に再現されていました。

     歌川広重描く「東海道五十三次・石部」の田楽茶屋が旧石部宿に再現されていました。

  •  旧東海道石部宿御高札場再現。当時の政府(幕府)のお知らせ看板です。

     旧東海道石部宿御高札場再現。当時の政府(幕府)のお知らせ看板です。

  •  六地蔵・旧和中散本舗大角家住宅(重文)。<br /> 六地蔵は、草津と石部の間の東海道筋の中間地点で「間(合い)の宿」でした。その茶屋本舗(天皇や大名が休憩する施設)でもあった大角家の建物は、癪(腹痛)の道中薬「和中散」を商っていた大角右衛門の店舗兼住宅で、現在も江戸時代の建物がそのまま保存されており、一部見学できるようになっています。<br /> かつて徳川家康が腹痛をおこした際に、この「和中散」を服用してすぐに治ったことから一躍その名が知られるようになったとか。<br /> 現在の建物は寛永年間(1624〜44年)の建物で、大きな白壁、贅を尽くした玄関や欄間など目を引きます。

     六地蔵・旧和中散本舗大角家住宅(重文)。
     六地蔵は、草津と石部の間の東海道筋の中間地点で「間(合い)の宿」でした。その茶屋本舗(天皇や大名が休憩する施設)でもあった大角家の建物は、癪(腹痛)の道中薬「和中散」を商っていた大角右衛門の店舗兼住宅で、現在も江戸時代の建物がそのまま保存されており、一部見学できるようになっています。
     かつて徳川家康が腹痛をおこした際に、この「和中散」を服用してすぐに治ったことから一躍その名が知られるようになったとか。
     現在の建物は寛永年間(1624〜44年)の建物で、大きな白壁、贅を尽くした玄関や欄間など目を引きます。

  •  旧和中散本舗大角家住宅。

     旧和中散本舗大角家住宅。

  •  大角家住宅、高塀造りで両端に防火用の卯建壁(うだちかべ)が設置されています。

     大角家住宅、高塀造りで両端に防火用の卯建壁(うだちかべ)が設置されています。

  •  玄関の松竹梅鶴亀の豪華な欄間。

     玄関の松竹梅鶴亀の豪華な欄間。

  •  旧和中散本舗、明治中頃まで使われていた木製製薬機と石臼。<br />直径4mの木製動輪で、樫の木で造られ、その中に入って足を踏むと廻り、歯車と連なり石臼が回転し、薬草を粉末になる仕掛けです。

     旧和中散本舗、明治中頃まで使われていた木製製薬機と石臼。
    直径4mの木製動輪で、樫の木で造られ、その中に入って足を踏むと廻り、歯車と連なり石臼が回転し、薬草を粉末になる仕掛けです。

  •  小堀遠州作庭の大角家住宅庭園(国指定)。

     小堀遠州作庭の大角家住宅庭園(国指定)。

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