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序章 第二次大戦前史 <br />1889年4月20日 独裁者の誕生(人物、オーストリア)<br /> オーストリアのザルツブルクからローカル列車に1時間ばかり乗ったドイツとの国境の町ブラウナウは、アドルフ・ヒトラーの生誕地。町の広場は可愛らしい。<br /><br />(このページを訪問してくださった方へ)<br /> ご訪問有難うございます。<br /> もし読者の方が根本的間違い、編集の際に発生したと思われる不整合、文法上の誤りなどを発見されたり、何か目新しい情報をお持ちの方、ご意見がおありの場合は、ご遠慮なく掲示板でもメールでも、ご一報くだされば幸いです。<br /><br /> 心からの感謝を込めて                          砂布巾

1889年4月20日 独裁者の誕生(砂布巾のLW 序章1) +お口直しにオーストリア旅の名場面集

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2018/11/16 - 2024/04/20

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砂布巾

砂布巾さん

序章 第二次大戦前史 
1889年4月20日 独裁者の誕生(人物、オーストリア)
オーストリアのザルツブルクからローカル列車に1時間ばかり乗ったドイツとの国境の町ブラウナウは、アドルフ・ヒトラーの生誕地。町の広場は可愛らしい。

(このページを訪問してくださった方へ)
 ご訪問有難うございます。
 もし読者の方が根本的間違い、編集の際に発生したと思われる不整合、文法上の誤りなどを発見されたり、何か目新しい情報をお持ちの方、ご意見がおありの場合は、ご遠慮なく掲示板でもメールでも、ご一報くだされば幸いです。

 心からの感謝を込めて                          砂布巾

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  •  生家は観光名所ではなく、地図にも載っていないので、探すのに少し苦労したが、昼食をとったレストランの黒人ウェイター(珍しい)が方向を教えてくれた。広場からすぐの家の前にあるマウトハウゼン強制収容所跡から運ばれた石に書いてある、「多くの人が亡くなったファシズムを、再び招かないよう自由と民主主義に警告する」の文字が、辛うじて生家であることを教えてくれる。

     生家は観光名所ではなく、地図にも載っていないので、探すのに少し苦労したが、昼食をとったレストランの黒人ウェイター(珍しい)が方向を教えてくれた。広場からすぐの家の前にあるマウトハウゼン強制収容所跡から運ばれた石に書いてある、「多くの人が亡くなったファシズムを、再び招かないよう自由と民主主義に警告する」の文字が、辛うじて生家であることを教えてくれる。

  •  1923年のミュンヘン一揆後、反逆罪で拘留されていたランツベルク刑務所で、後に片腕となるルドルフ・ヘスらに口述筆記させた著書「わが闘争」(角川文庫)(口述筆記できるくらいだから、待遇は良かった)は、次のように始まっている。<br /> 「今日わたしは、イン河畔のブラウナウが、まさしくわたしの誕生の地となった運命を、幸福なさだめだと考えている。というのは、この小さな町は、2つのドイツ人の国家の境に位置しており、少なくともこの両国家の再合併こそ、われわれ青年が、いかなる手段をもってしても実現しなければならない畢生(ひっせい)の事業、と考えられるからだ!」。<br /> ヒトラーは1923年のミュンヘン一揆で暴力路線から合法路線へ戦略転換を行い、十年後の1933年にドイツ首相となる。1938年3月には念願だった故郷オーストリアとの合併を強行した。この町に生まれていなかったら、普通の市民として生涯を終えていたかも知れず、歴史も変わっていただろう。そんなことを想像しながら学ぶと興味も尽きない。

     1923年のミュンヘン一揆後、反逆罪で拘留されていたランツベルク刑務所で、後に片腕となるルドルフ・ヘスらに口述筆記させた著書「わが闘争」(角川文庫)(口述筆記できるくらいだから、待遇は良かった)は、次のように始まっている。
     「今日わたしは、イン河畔のブラウナウが、まさしくわたしの誕生の地となった運命を、幸福なさだめだと考えている。というのは、この小さな町は、2つのドイツ人の国家の境に位置しており、少なくともこの両国家の再合併こそ、われわれ青年が、いかなる手段をもってしても実現しなければならない畢生(ひっせい)の事業、と考えられるからだ!」。
     ヒトラーは1923年のミュンヘン一揆で暴力路線から合法路線へ戦略転換を行い、十年後の1933年にドイツ首相となる。1938年3月には念願だった故郷オーストリアとの合併を強行した。この町に生まれていなかったら、普通の市民として生涯を終えていたかも知れず、歴史も変わっていただろう。そんなことを想像しながら学ぶと興味も尽きない。

  •  家から再び広場を通り、イン河を渡ってドイツには徒歩で入国。一部EU諸国間の国境審査廃止を定めたシェンゲン協定に基づいて、国境はフリーパス。橋の中央にあったドイツとバイエルン州の標識が辛うじてドイツ入国を感じさせた。<br /> ミュンヘンに向かう列車まで2時間近くあったので、対岸のズィンバッハを歩いてみた。ブラウナウ同様、2度の大戦における犠牲者の慰霊碑があった。<br /> ヒトラーが生まれた4日前に、ロンドンではチャップリンが生まれている。1940年10月にチャップリンがヒトラーを茶化した映画「独裁者」を公開した。ヒトラーは映画を喜んで観たともいう。<br />

     家から再び広場を通り、イン河を渡ってドイツには徒歩で入国。一部EU諸国間の国境審査廃止を定めたシェンゲン協定に基づいて、国境はフリーパス。橋の中央にあったドイツとバイエルン州の標識が辛うじてドイツ入国を感じさせた。
     ミュンヘンに向かう列車まで2時間近くあったので、対岸のズィンバッハを歩いてみた。ブラウナウ同様、2度の大戦における犠牲者の慰霊碑があった。
     ヒトラーが生まれた4日前に、ロンドンではチャップリンが生まれている。1940年10月にチャップリンがヒトラーを茶化した映画「独裁者」を公開した。ヒトラーは映画を喜んで観たともいう。

  •  第一次大戦までのヒトラーについて簡単に述べておく。6歳の時に父アロイスが税関上級事務官を退官し、その後一家はリンツ近郊に移った。1900年にはそこの実科学校に入学した。1年目に数学など2科目の不合格科目があり落第した。その後も学業成績は芳しくなく、転校を余儀なくされた。実科学校在学中に父を亡くしている。<br /> 1907年にはウィーンの造形美術大学の受験のため上京したが、2度失敗した。この間母クララが亡くなっている。かかりつけの医者は後に「私は四十年に及ぶ医者としての体験のうちで、若いアドルフのように悲しみで打ちひしがれ、悩みにみたされた人をみたことがない」と述べている。ウィーンでの浪人時代には浮浪者収容所にも収容されているが、貧困のためというより兵役忌避のためだった。当時ウィーンではユダヤ人の増大とともに反ユダヤ主義が高まっており、思想の形成に影響を与えた。<br /> 最後の2段落は、村瀬興雄著「アドルフ・ヒトラー」(中公新書)を参考にした。(1998年8月22日訪問)

     第一次大戦までのヒトラーについて簡単に述べておく。6歳の時に父アロイスが税関上級事務官を退官し、その後一家はリンツ近郊に移った。1900年にはそこの実科学校に入学した。1年目に数学など2科目の不合格科目があり落第した。その後も学業成績は芳しくなく、転校を余儀なくされた。実科学校在学中に父を亡くしている。
     1907年にはウィーンの造形美術大学の受験のため上京したが、2度失敗した。この間母クララが亡くなっている。かかりつけの医者は後に「私は四十年に及ぶ医者としての体験のうちで、若いアドルフのように悲しみで打ちひしがれ、悩みにみたされた人をみたことがない」と述べている。ウィーンでの浪人時代には浮浪者収容所にも収容されているが、貧困のためというより兵役忌避のためだった。当時ウィーンではユダヤ人の増大とともに反ユダヤ主義が高まっており、思想の形成に影響を与えた。
     最後の2段落は、村瀬興雄著「アドルフ・ヒトラー」(中公新書)を参考にした。(1998年8月22日訪問)

  • もくじへ http://4travel.jp/travelogue/10681693<br />主な関連項目 <br />「超インフレ下のミュンヘン一揆」http://4travel.jp/travelogue/10711486<br />「トラップ一家の実際」http://4travel.jp/travelogue/10918460<br />「ヒトラーが首相になった日」http://4travel.jp/travelogue/10918381A<br />ヨーロッパにおける大戦の実質的終結」http://4travel.jp/travelogue/10921385

    もくじへ http://4travel.jp/travelogue/10681693
    主な関連項目 
    「超インフレ下のミュンヘン一揆」http://4travel.jp/travelogue/10711486
    「トラップ一家の実際」http://4travel.jp/travelogue/10918460
    「ヒトラーが首相になった日」http://4travel.jp/travelogue/10918381A
    ヨーロッパにおける大戦の実質的終結」http://4travel.jp/travelogue/10921385

  • *ヒトラー誕生のページに貼り付けるのは気が進まないのですが、オーストリアの旅、名場面集です<br />*シェーンブルン宮殿<br /><br />*なおモーツァルトが住んだ建物やお墓、ザルツブルク、「サウンド・オブ・ミュージック」のロケ地は「トラップ一家」のコーナーです<br />     http://4travel.jp/travelogue/10918460

    *ヒトラー誕生のページに貼り付けるのは気が進まないのですが、オーストリアの旅、名場面集です
    *シェーンブルン宮殿

    *なおモーツァルトが住んだ建物やお墓、ザルツブルク、「サウンド・オブ・ミュージック」のロケ地は「トラップ一家」のコーナーです
         http://4travel.jp/travelogue/10918460

  • *宮殿からグロリエッテをのぞむ

    *宮殿からグロリエッテをのぞむ

  • *ヴェルヴェデーレ宮殿

    *ヴェルヴェデーレ宮殿

  • *映画「第三の男」に登場したプラター遊園地の観覧車

    *映画「第三の男」に登場したプラター遊園地の観覧車

  • *ベートーヴェンが遺書を書いたハイリゲンシュタットの家

    *ベートーヴェンが遺書を書いたハイリゲンシュタットの家

  • *ハイリゲンシュタットの像

    *ハイリゲンシュタットの像

  • *マリア・テレジアの像

    *マリア・テレジアの像

  • *ウィーン音楽の象徴ヨハン・シュトラウス像(現在は金ぴか)

    *ウィーン音楽の象徴ヨハン・シュトラウス像(現在は金ぴか)

  • *市役所前広場 夏にはフィルムコンサートが開かれる<br /> バーンスタインの「フィデリオ」を観ながら一生懸命指揮したことなどが蘇る

    *市役所前広場 夏にはフィルムコンサートが開かれる
     バーンスタインの「フィデリオ」を観ながら一生懸命指揮したことなどが蘇る

  • *南部の都市クラーゲンフルトの広場

    *南部の都市クラーゲンフルトの広場

  • *エアーヴァルトから登ったツークシュピーツ 頂上付近が国境となっており、ドイツ最高峰

    *エアーヴァルトから登ったツークシュピーツ 頂上付近が国境となっており、ドイツ最高峰

  • *ウィーンのシンボル、シュテファン寺院

    *ウィーンのシンボル、シュテファン寺院

  • *シュテファン寺院

    *シュテファン寺院

  • *大晦日のシュテファン

    *大晦日のシュテファン

  • *国立歌劇場(シュターツオーパー)

    *国立歌劇場(シュターツオーパー)

  • *オーパーの内部 小沢征爾指揮ヴェルディ「エルナーニ」<br />         ヨハン・シュトラウス「こうもり」を鑑賞

    *オーパーの内部 小沢征爾指揮ヴェルディ「エルナーニ」
             ヨハン・シュトラウス「こうもり」を鑑賞

  • *クリスマス・シーズンのウィーン

    *クリスマス・シーズンのウィーン

  • *ニューイヤーコンサートのライブで踊りだす人たち

    *ニューイヤーコンサートのライブで踊りだす人たち

  • *ウィーンフィルの本拠地、あの金ぴかのムジーク・フェラインザール<br /><br />1989年ニューイヤーコンサート カルロス・クライバーの指揮でどうぞ<br />「芸術家の生涯」の終盤のアクセントが実に独特(44分ごろから)<br />https://www.youtube.com/watch?v=9QX4lfl0Hmc&amp;index=1&amp;list=LLZEMvcWBnwptEbqdm3jI1Qg

    *ウィーンフィルの本拠地、あの金ぴかのムジーク・フェラインザール

    1989年ニューイヤーコンサート カルロス・クライバーの指揮でどうぞ
    「芸術家の生涯」の終盤のアクセントが実に独特(44分ごろから)
    https://www.youtube.com/watch?v=9QX4lfl0Hmc&index=1&list=LLZEMvcWBnwptEbqdm3jI1Qg

  • *左下に写っているのは絵の一部です

    *左下に写っているのは絵の一部です

  • *グリーヒェンバイスルの巨大シュニッツェル

    *グリーヒェンバイスルの巨大シュニッツェル

  • *ドナウの中州にある国連機関UNO-CITY IAEAはこの中にある 

    *ドナウの中州にある国連機関UNO-CITY IAEAはこの中にある 

  • *楽聖たちのお墓 一番左がベートーヴェン

    *楽聖たちのお墓 一番左がベートーヴェン

  • *右がブラームス、左はヨハン・シュトラウス

    *右がブラームス、左はヨハン・シュトラウス

  • *あの頃が懐かしいシリーズ

    *あの頃が懐かしいシリーズ

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