2012/06/07 - 2012/06/17
768位(同エリア1811件中)
ハンクさん
5月23日~6月17日のサンクトペテルブルク滞在の間に、ヴァレリー・ゲルギエフの十八番中の十八番、ショスタコーヴィッチの交響曲第7番「レニングラード」と第5番「革命」、および今年の新しい取り組みの目玉であるブラームスの全交響曲チクルスのうち第1番と第2番を聴いた。このコンビはショスタコーヴィッチの5番他を携えて11月に来日する。チケットは5,000~26,000円とのこと、ここサンクトペテルブルクで私の買ったチケットは300~900ルーブル(1ルーブル=2.5円)、世界有数の物価の高いロシアの町であるが、コンサートについてはリーズナブルであるといえる。
サンクトペテルブルク白夜祭は1993年にマリインスキー劇場の芸術総監督であるゲルギエフの提唱によって創設され、今年で20回目を迎える。5月25日~7月15日の間、マリインスキー劇場とマリインスキー・コンサートホールを会場にして、連日オペラやバレエ、コンサートが開催される。サイトを見ると、ゲルギエフ自身がほぼ毎日登場する。日によってはコンサートを指揮した後、オペラを指揮するダブルヘッダーの日まであるが、実際のところ彼自身が登場しないこともしばしばあるようだ。
さて、まずはショスタコーヴィッチの5番、この曲は今年3月にテミルカーノフ指揮サンクトペテルブルクフィルハーモニー(SPPO)の圧倒的な名演を聴いた。そして7番はリハーサルを聴いた。
http://4travel.jp/traveler/hank4881/album/10656011/
テミルカーノフはゲルギエフの前にマリインスキー劇場の音楽監督を勤めており、師弟関係にある。4年前のテミルカーノフの70歳記念コンサートではゲルギエフを始め、マリス・ヤンソンス、ユーリ・バシュメットまで駆けつけている。
何といってもロシアの誇る作曲家ショスタコーヴィッチについては、大多数の初演をしたムラヴィンスキーの解釈がすでに伝統となっており、ゲルギエフの演奏もテミルカーノフと共通しているところは多い。もちろんオケの性能は圧倒的にSPPOの方が上だ。ムラヴィンスキー時代に磨かれた精緻なアンサンブル能力はテミルカーノフの時代になっても変わらない。また国際化してきており、トランペットやオーボエの独特のヴィブラートはなくなって、音のバランスは向上した代わりに、ロシアらしい土臭さは失われてきている。
マリインスキー歌劇場オケ(MTSO)はもともとオペラのオーケストラだが、ゲルギエフの時代になってコンサートと両刀使いになった。あえて言えば、テミルカーノフの演奏は十分に円熟しており、スイッチだけ入れてやれば、放っておいても音楽が流れ出す。ゲルギエフの方はもう渾身で指揮をし続ける。その分スリリングでハプニングも多い。いずれも本番の盛り上がりは凄まじく、いずれのコンサートもスタンディング・オべーションが延々と続く。
一方ゲルギエフのブラームスは始めて聴いた。一言で言えば発展途上にある。またロシアでは、ブラームスが演奏される機会はロシアの作曲家に比べてはるかに少ない。上記ショスタコーヴィッチのコンサートはほぼ完売、満席だったのに比較すると、空席が目立った。
いずれの曲もゲルギエフらしい個性が発揮された演奏である。メリハリのきいたリズム、強力な金管楽器と打楽器、低音のバランスもすばらしい。MTSOの性能は非常に向上しているが、ドイツ系のメジャーオケと比較すると、1番はホルン、トロンボーンを強奏させるあまり、マーラーのように聴こえる場面があり少々違和感があった。また2番のフィナーレは快適なテンポで突っ走ったが、オーボエが外したり、一瞬アインザッツが合わなかったり、発展途上にあると感じた。
いずれのコンサートも協奏曲が演奏されているが、それらに触れているときりがないのでここまでにしておく。ひとつだけ、ブロンフマンをソリストに迎えたブラームスのピアノ協奏曲第2番は圧倒的名演だった。この曲はギレリス・ヨッフム・ベルリンフィルのCDを長年愛聴している。情熱的な1楽章、チェロとオーボエとピアノが語り合う3楽章、優美なロンドの4楽章など「ブラームスはお好き」の極地にある。巨匠の域に達したブロンフマンの強力なタッチと情熱的な音楽作りに感銘を受けた。ゲルギエフのバックも申し分ない。
- 旅行の満足度
- 5.0
- 観光
- 5.0
- ホテル
- 4.0
- グルメ
- 5.0
- ショッピング
- 5.0
- 交通
- 4.0
- 同行者
- 一人旅
- 一人あたり費用
- 50万円 - 100万円
- 交通手段
- 鉄道 タクシー 徒歩 飛行機
- 航空会社
- フィンランド航空
- 旅行の手配内容
- 個別手配
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マリインスキーコンサートホールのファサード
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白夜祭のスターたち
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日本人の辻井伸行も初登場
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日本人とドイツ人のハーフ、アリス・サラ・オット
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日本でもおなじみのウィーンフィルのコンサートマスター、ライナー・ホーネック氏も登場する
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スクリャービンのピアノ協奏曲、ソロはイゴール・チェトゥエフ
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ショスタコーヴィッチ交響曲第7番の圧倒的名演終了後
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プロコフィエフのピアノ協奏曲第2番、ソロはニキタ・アブロシモフ
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ショスタコーヴィッチ交響曲第5番演奏終了後の延々と続くスタンディングオべーション
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ブロンフマンとのブラームスピアノ協奏曲第2番
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ブラームス交響曲第1番の演奏後
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ブラームスヴァイオリン協奏曲の演奏後、ソロはアリーナ・バエヴァ
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ブラームス交響曲第2番の演奏後
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外壁を張り始めた建設中の新マリインスキー歌劇場
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