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 中世の城郭は織田信長が建てた安土城がその定式化された最初の城郭となる。石垣を積み、最上段には五層の天守閣を建て、一段低いところに御殿を建てるのである。天守閣が四層であったり三層であったり、まれに二層であたりしても、一段高い石垣を積んで天守台とし、天守の下に本丸御殿を建てる。残念ながら、中世の天守と本丸御殿がそのまま残っているのは高知城だけではあるが、最近になってここ熊本城でも本丸御殿が再建され、それを多少なりとも実感できるようになってきている。<br /> 日本の伝統建築を代表する城郭建築ではあるが、昭和の時代に天守閣の再建ブームが起こったときに、多くは鉄筋コンクリートで建設された。名城と呼ばれたここ熊本城でさえも天守閣は鉄筋コンクリート製である。鉄筋コンクリート製の天守閣は無機質であり、見た目には無味乾燥に映り、全く情緒がない。私は鉄筋コンクリート製の天守閣は嫌いだ。<br /> 平成になって、隅櫓や天守閣を木造で再建する例が増えてきた。喜ばしいことである。建設から70年を経て大阪城天守閣が有形文化財に指定されるようになったが、いかがなものであろう。木造で再々建ということになっても取り壊せないのだ。<br /> 最近では名古屋城天守閣の老朽化が進み、木造での再建話も出てきているようだ。これまでは、鉄筋コンクリートの寿命は60年から100年と言われてきたが、1999年6月の山陽新幹線における福岡トンネルのコンクリート崩落事故以来、鉄筋コンクリートの劣化が注目されるようになった。100年も持たないのでは文化財には成り得ない。大阪城天守閣は特殊な例であろう。一方、明治期に建てられた善通寺五重塔は100年を越えており、風格が増してきた。ようやく登録文化財に指定されようとしている。このように、伝統的な木造建築でしっかりしたものを建てならば、1世紀以上経てば文化財になるのだ。しっかりした木造建築を建てたならば100年や200年では解体修理は必要ない。100年持つかどうか分からない鉄筋コンクリートよりは、火事さえ出さなければ何百年かは持つ木造も捨てたものではない。孫の世代に文化財を残せるとしたら夢のある話ではないか。<br /> 熊本城は本丸御殿や隅櫓などの復興が進んでいる。しかし、天守閣が鉄筋コンクリート製ではかつての威容は再現出来まい。木造天守閣であれば将来的には世界遺産にも名乗りを揚げられようものが。<br />(表紙写真は熊本城大天守)

熊本城-2004年

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2004/03/13 - 2004/03/14

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ドクターキムル

ドクターキムルさん

 中世の城郭は織田信長が建てた安土城がその定式化された最初の城郭となる。石垣を積み、最上段には五層の天守閣を建て、一段低いところに御殿を建てるのである。天守閣が四層であったり三層であったり、まれに二層であたりしても、一段高い石垣を積んで天守台とし、天守の下に本丸御殿を建てる。残念ながら、中世の天守と本丸御殿がそのまま残っているのは高知城だけではあるが、最近になってここ熊本城でも本丸御殿が再建され、それを多少なりとも実感できるようになってきている。
 日本の伝統建築を代表する城郭建築ではあるが、昭和の時代に天守閣の再建ブームが起こったときに、多くは鉄筋コンクリートで建設された。名城と呼ばれたここ熊本城でさえも天守閣は鉄筋コンクリート製である。鉄筋コンクリート製の天守閣は無機質であり、見た目には無味乾燥に映り、全く情緒がない。私は鉄筋コンクリート製の天守閣は嫌いだ。
 平成になって、隅櫓や天守閣を木造で再建する例が増えてきた。喜ばしいことである。建設から70年を経て大阪城天守閣が有形文化財に指定されるようになったが、いかがなものであろう。木造で再々建ということになっても取り壊せないのだ。
 最近では名古屋城天守閣の老朽化が進み、木造での再建話も出てきているようだ。これまでは、鉄筋コンクリートの寿命は60年から100年と言われてきたが、1999年6月の山陽新幹線における福岡トンネルのコンクリート崩落事故以来、鉄筋コンクリートの劣化が注目されるようになった。100年も持たないのでは文化財には成り得ない。大阪城天守閣は特殊な例であろう。一方、明治期に建てられた善通寺五重塔は100年を越えており、風格が増してきた。ようやく登録文化財に指定されようとしている。このように、伝統的な木造建築でしっかりしたものを建てならば、1世紀以上経てば文化財になるのだ。しっかりした木造建築を建てたならば100年や200年では解体修理は必要ない。100年持つかどうか分からない鉄筋コンクリートよりは、火事さえ出さなければ何百年かは持つ木造も捨てたものではない。孫の世代に文化財を残せるとしたら夢のある話ではないか。
 熊本城は本丸御殿や隅櫓などの復興が進んでいる。しかし、天守閣が鉄筋コンクリート製ではかつての威容は再現出来まい。木造天守閣であれば将来的には世界遺産にも名乗りを揚げられようものが。
(表紙写真は熊本城大天守)

  • 熊本城近く。

    熊本城近く。

  • 道路から熊本城大天守が見える。

    道路から熊本城大天守が見える。

  • 加藤清正公の銅像。

    加藤清正公の銅像。

  • 加藤清正公の銅像。

    加藤清正公の銅像。

  • 加藤清正公の銅像。

    加藤清正公の銅像。

  • 「熊本城復元予想図」。かつての熊本城がこの絵のようだったということではなく、この絵のように復元するということなのか。

    「熊本城復元予想図」。かつての熊本城がこの絵のようだったということではなく、この絵のように復元するということなのか。

  • 「特別史跡 熊本城」の標石。

    「特別史跡 熊本城」の標石。

  • 「立入禁止区域」。飯田丸と本丸御殿の復元工事のために立入禁止区域が設けられている。

    「立入禁止区域」。飯田丸と本丸御殿の復元工事のために立入禁止区域が設けられている。

  • 馬具櫓。

    馬具櫓。

  • 馬具櫓脇の枡形石垣(櫨(はぜ)方門前)。

    馬具櫓脇の枡形石垣(櫨(はぜ)方門前)。

  • お堀の石垣。

    お堀の石垣。

  • 狭間。

    狭間。

  • 馬具櫓。

    馬具櫓。

  • 明治初期の熊本城の写真。

    明治初期の熊本城の写真。

  • 熊本城大天守。

    熊本城大天守。

  • 戌亥櫓(いぬいやぐら)。平成15年(2003年)8月に復元。

    戌亥櫓(いぬいやぐら)。平成15年(2003年)8月に復元。

  • 戌亥櫓。

    戌亥櫓。

  • 戌亥櫓。

    戌亥櫓。

  • 戌亥櫓。

    戌亥櫓。

  • 西出丸の石垣。

    西出丸の石垣。

  • 「熊本城跡飯田丸五階櫓復元整備・その他工事」看板。

    「熊本城跡飯田丸五階櫓復元整備・その他工事」看板。

  • 頬当御門下。

    頬当御門下。

  • 南大手門。平成14年(2002年)10月に復元。

    南大手門。平成14年(2002年)10月に復元。

  • 南大手門。

    南大手門。

  • 頬当御門横の石垣。

    頬当御門横の石垣。

  • 宇土櫓。

    宇土櫓。

  • 頬当御門と脇の櫓、宇土櫓。

    頬当御門と脇の櫓、宇土櫓。

  • 頬当御門と脇の櫓。

    頬当御門と脇の櫓。

  • 西大手門。

    西大手門。

  • 西大手門。

    西大手門。

  • 西大手門。

    西大手門。

  • 未申櫓(ひつじさるやぐら)。平成15年(2003年)8月に復元。

    未申櫓(ひつじさるやぐら)。平成15年(2003年)8月に復元。

  • 元太鼓櫓(もとたいこやぐら)。平成15年(2003年)12月に復元。

    元太鼓櫓(もとたいこやぐら)。平成15年(2003年)12月に復元。

  • 宇土櫓。

    宇土櫓。

  • 戌亥櫓。

    戌亥櫓。

  • 頬当御門脇の櫓。

    頬当御門脇の櫓。

  • 頬当御門から見る大天守。

    頬当御門から見る大天守。

  • 大天守。

    大天守。

  • 大天守。

    大天守。

  • 頬当御門脇の櫓。

    頬当御門脇の櫓。

  • 頬当御門脇の櫓。

    頬当御門脇の櫓。

  • 小天守。

    小天守。

  • 宇土櫓。

    宇土櫓。

  • 宇土櫓。

    宇土櫓。

  • 大天守。

    大天守。

  • 大天守。

    大天守。

  • 小天守。

    小天守。

  • 小天守。

    小天守。

  • 大天守。

    大天守。

  • 大天守。

    大天守。

  • 「篭城準備中の熊本城」(明治10年頃の写真)。

    「篭城準備中の熊本城」(明治10年頃の写真)。

  • 宇土櫓。

    宇土櫓。

  • 戌亥櫓。

    戌亥櫓。

  • 小天守。

    小天守。

  • 西大手櫓門。

    西大手櫓門。

  • 大天守の鳩。

    大天守の鳩。

  • 大天守の鳩。

    大天守の鳩。

  • 大天守。

    大天守。

  • 大天守。

    大天守。

  • 大天守と小天守。

    大天守と小天守。

  • 大天守と宇土櫓。

    大天守と宇土櫓。

  • 宇土櫓。

    宇土櫓。

  • 戌亥櫓に続く長塀。

    戌亥櫓に続く長塀。

  • お堀の水鳥。

    お堀の水鳥。

  • 大天守。

    大天守。

  • 大天守と宇土櫓。

    大天守と宇土櫓。

  • 宇土櫓と大天守。

    宇土櫓と大天守。

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