2012/03/16 - 2012/03/16
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TMBSさん
長野市近郊を走るローカル私鉄・長野電鉄。同社には長野と温泉地・湯田中を結ぶ長野線と、長野線の須坂駅から分岐し、しなの鉄道(旧信越本線)との接続駅・屋代駅まで走る屋代線の2つの路線がありました。
しかし、このうちの屋代線は、長期にわたり乗客数が減少傾向にあったため、平成23年3月31日を以て惜しまれつつ廃止されることに。
ここでは、千曲川に沿って走る風情あるローカル線だった屋代線の廃止を惜しんで撮影した写真を公開します。
- 同行者
- 一人旅
- 一人あたり費用
- 3万円 - 5万円
- 交通手段
- 高速・路線バス タクシー 新幹線 JRローカル 私鉄 徒歩
- 旅行の手配内容
- 個別手配
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引退間際の2000系特急型電車による普通列車で、須坂駅に降り立ちました。
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独特な書体で書かれた「屋代方面のりば」の表記も、間もなく見おさめです。
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イチオシ
9時25分発の屋代線屋代行きに乗り継ぎます。
車両は元営団地下鉄日比谷線で走っていた3000系を譲り受けた3500系。
長野電鉄移籍後は、林檎をイメージした赤い帯が貼られていましたが、屋代線の廃線に合わせて帯が外され、日比谷線時代の装いに戻りました。 -
この駅名板も、役目を終える日が近そうです。
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「須坂発屋代行」間もなく発車します。
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車内の路線図、屋代線が表記されているうちに撮影しておきます。
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「日本車輛会社 昭和41年」の銘板。東京オリンピック直後、高度経済成長まっただ中の東京でデビューしたこの電車は、長野オリンピックの直前に長野に活躍の場所を移しました。
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最初の停車駅は井上。人の名前によくありそうな駅名です。
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屋代線は行き違い駅を除き、ほとんどの区間が単線です。
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井上駅。
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井上の次は綿内。
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井上と綿内の間で、上信越自動車道の須坂長野東インターチェンジの近くを通ります。
上信越自動車道は更埴JCT〜須坂長野東ICの間、屋代線に並行して敷設されています。 -
次は若穂です。若穂とは「綿内」、「川田」、「保科」の合成地名とのこと。
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信濃川田駅。ここにはまた後ほど来ることになります。
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大室駅。鉄道ファン御用達の日帰り温泉の最寄り駅でした。
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金井山駅。文字通り山肌が迫る場所にあります。
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次は松代。屋代線の中間駅では最も大きな駅です。
ここにはまた後ほど来ることにして、もう少し先まで乗車します。 -
象山口。動物の象とは関係なく、近くにある象山恵明禅寺や象山神社から取られた駅名です。
ちなみにこの象山は幕末の志士・佐久間象山の号の由来にもなっています。 -
松代と象山口の間では、架線柱がコンクリートのものに取り換えられている区間もありました。
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象山口駅付近から茶臼山方向を望んだ1枚。雪をかぶった山々が綺麗です。
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象山口駅に到着。
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象山口駅の駅名標。
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駅周辺案内。大正時代の流行歌「カチューシャの唄」を歌っていた松井須磨子の生誕地が近くにあるそうです。
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待合室とホームだけの象山口駅。ここから1駅歩いて松代駅まで戻ります。
象山口駅から松代駅までは約1キロ。優に歩ける距離です。 -
この松代は、江戸時代には真田氏の城下町として栄え、太平洋戦争末期には大本営と皇居の移転が計画されるなど、歴史の舞台になった町です。
町の中には今も江戸時代の城跡や藩校、武家屋敷、戦時中の大本営の遺構などが残っており、今度時間が取れたらじっくり観光したいと思いました。 -
松代の古い落ち着いた街並み。
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長野市指定文化財の旧白井家表門。
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史跡の旧文武学校。松代藩の藩校でした。
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こちらは武家屋敷の旧樋口家住宅。
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イチオシ
城下町の史跡を見ながらのんびり歩いたので、松代駅に着いたのは乗車予定の須坂行きが発車する数分前でした。
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松代駅前に建つ「汽車ポッポ」の歌碑。
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大正時代に建てられた木造駅舎が現役の松代駅。
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松代駅舎の内部。
屋代線の中間駅では唯一の有人駅。今では珍しくなった硬券を売っていました。
せっかくだから入場券を買い求めたかったのですが、時間がギリギリだったこと、窓口が混み合っていたことから断念。 -
手書きの注意書がまた泣かせます。
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須坂行きの発車時刻が近づいたためホームへ。ホームの屋根もまた味があります。
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ホームの柱にはもともとホーロー製の駅名標が貼り付けられていましたが、盗難防止のためかパソコンやプリンターで急造されたものに差し替えられていました。
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松代駅の駅名標。
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須坂行き電車が到着。屋代方面の線路には試運転でしょうか?通常屋代線には入線しない特急「スノーモンキー」が停車していました。
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千曲川の堤防に沿って、電車は須坂を目指して走ります。
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大室駅の駅名標。
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間もなく信濃川田駅に到着します。朝ラッシュ時には上下の電車が行き違う駅です。
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信濃川田駅に停車する須坂行きの3500系。
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信濃川田駅も味のある木造駅舎が自慢の駅でした。
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信濃川田駅のホーム柱の駅名標も、ホーロー製のものから仮のものに取り換えられていました。
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信濃川田駅の駅名標。
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駅舎内にて。30年近く前に作られたと思われる運賃表。
駅が新設されたり、支線が廃止になった際は、その都度上から紙を貼って対応していたみたいです。 -
駅舎内には、地元の人たちが屋代線の廃線を惜しんで作った絵手紙が展示されていました。
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信濃川田駅舎を正面から撮影。
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駅前に立っていた幟。絵手紙もそうでしたが、幟を見ていると長野市若穂地区に住む方の屋代線廃止を惜しむ気持ちが伝わってきました。
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信濃川田駅の駅前通り。それとなく地方の駅前らしい雰囲気が漂っています。
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駅前通りと幹線道路の交差点にて。屋代線が廃止されたら、この標識も取り換えられるのでしょうか?
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再び信濃川田駅前にて。観光地によくある写真撮影用のパネルが準備されていました。
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屋代線営業最終日の3月31日、若穂地区の人たちが開催するファイナルイベントを告知するポスター。
旧型電車を描いた手書きのポスターには、地元の人たちの熱い思いが込められているように感じられました。 -
イチオシ
ホームに戻ると、カメラを持った鉄道ファンの方をたくさん見かけました。
実は信濃川田駅の構内に、以前長野線の小布施駅に保存されていた長野電鉄の古い電気機関車と電車が運び込まれており、それを目当てに集まっておられたようです。
写真は電気機関車のED502。 -
こちらは電車のモハ1003。戦後復興期に製造され、平成初期まで同型車が屋代線で活躍していました。
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イチオシ
屋代方面行きホームから見た信濃川田駅の駅舎。いい絵になります。
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綺麗に整備された保存車両を横目に、屋代行き電車が到着します。
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大室〜金井山間でトンネルをくぐります。
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特産のリンゴを栽培する果樹園を見つつ、電車は単線の線路を走ります。
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上信越自動車道の長野ICの横を走ります。ここに隣接して駅があれば、大阪や東京からの高速バスとの接続が便利だったろうにと思いました。
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長野ICのそばを過ぎると、まもなく松代駅です。
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松代駅にて。こんなところに懐かしのホーロー看板が残っていました。
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つい1時間ほど前までいた味のある松代駅舎を車内から。
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屋代線の廃止に合わせて、フリー切符も多数発売されていました。
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松代駅から出発進行!
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1時間前に下車した象山口を発車。次は岩野。
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岩野と雨宮の間で、上信越自動車道をくぐります。
昔は上野発の信越本線の急行列車が、屋代線経由で湯田中まで乗り入れていた時代もありましたが、今やその役割は上信越道を走るバスやマイカーに移ってしまいました。 -
まもなく雨宮。
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千曲川の堤防に沿ってカーブします。
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次は東屋代。
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東屋代駅は長野新幹線との交差点に近い駅。
ここもしくは屋代に長野新幹線の駅ができていれば、屋代線の運命も変わっていたのかもしれません。 -
東屋代駅の駅名標。
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まもなく終点屋代です。しなの鉄道線はお乗り換えです。
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屋代駅ホームの駅名標。
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天井から吊り下げられている駅名標。
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年季の入った木造の待合室。
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お昼前の屋代駅に静かにたたずむ3500系。このアングルで記念撮影を楽しむ人が多かったです。
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駅舎へと続く跨線橋にて。屋代線の廃止を惜しんで開催される写真のPRポスター。
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屋代駅から長野電鉄の線路が無くなることを惜しみ、接続するしなの鉄道も記念入場券や記念連絡切符を出していました。
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しなの鉄道側から長野電鉄屋代駅を望む。
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長野電鉄屋代駅の駅名標。
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跨線橋の案内板。
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屋代線をテーマにした演歌があるそうです。一度聴いてみなければ。
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屋代駅の時刻表。末期は1〜2時間に1本と利用しづらい本数でした。
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屋代駅の駅舎。かつては信越本線と長野電鉄屋代線が連絡し、地元の人はもとより首都圏から温泉やスキー観光に来る人にとっても、重要な玄関口の役割を果たしていました。
信越本線がJRからしなの鉄道に移管され、長野電鉄の乗り入れが無くなってからも、地元の人たちの暮らしを支え続けて欲しいものです。
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