2012/03/15 - 2012/03/17
126位(同エリア226件中)
TMBSさん
長野駅から温泉の町湯田中まで走るローカル私鉄の雄・長野電鉄。
この長野電鉄で昭和32年以来、湯田中温泉や志賀高原へのアクセスとして55年間走り続けた2000系特急電車が、平成24年の春を以て長い活躍にピリオドを打ちます。
惜しまれつつ姿を消す2000系と、その思いを受け継ぐべくはるばる首都圏からやってきた元小田急HISEロマンスカーの1000系「ゆけむり」、元JR東日本成田エクスプレスの2100系「スノーモンキー」。
この3つの電車を、早春の信濃路に訪ねてきました。
- 同行者
- 一人旅
- 一人あたり費用
- 3万円 - 5万円
- 交通手段
- 高速・路線バス タクシー 新幹線 JRローカル 私鉄 徒歩
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旅の始まりは大阪梅田、阪急三番街高速バスターミナル。
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平日の夜でしたが、各地へ向かう夜行高速バスは軒並み満席でした。
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21時40分過ぎ、乗車予定の長野行き高速バス「アルペン長野号」の改札が始まりました。
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「アルペン長野号」は阪急バスと川中島バスの共同運行ですが、この便は阪急バスが担当でした。
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初めて乗る阪急高速バスの車内は、木目調の床に3列シートが並び落ち着いた内装でした。
私の座席は8番C席。春休みの関西旅行から帰る学生さんで賑う車内でしたが、早めに休むことにします。21時50分に発車。 -
翌朝6時半少し前に長野駅前に到着。
まずはホテルに荷物を置き、朝食を取ることにします。 -
ホテルまでの道中には、わずかながら雪が残っていました。
盆地にはさほど雪が積もっていないようです。 -
長野駅ビルのマクドナルドにて、ツナマフィンとハッシュドポテトで軽く朝食。
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早朝とあり、人影もまばらな長野駅前。
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長野電鉄の長野駅は、長野駅善光寺口(西口)の地下にあります。
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駅の地上出入り口には長野電鉄が誇る特急「スノーモンキー」と「ゆけむり」のPR広告が。
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長野電鉄長野駅の窓口では数多くの鉄道グッズを取りそろえていますが、その中にこんなユニークな物が。
2000系をあしらった容器に入った「七味」です。
メーカーは地元の老舗「八幡屋礒五郎」。2012年イヤーモデルの図案に、長年長野市民に愛され、惜しまれつつ引退する2000系特急電車を採用しました。 -
七味を買い求めた後、取るものもとりあえず7時13分発の信州中野行き普通に乗車します。
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信州中野行き普通は、かつて東急田園都市線(と乗り入れ先の東京メトロ半蔵門線、東武伊勢崎線、東急大井町線ほか)で活躍していた8500系電車でした。
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地下ホームには特急「ゆけむり」の乗車位置を示すシールが。
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7時39分須坂駅に到着。長野線から屋代線が分岐し、車庫もある長野電鉄の要衝です。
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再び改札をくぐり、跨線橋に入ると残念なお知らせが。
今日は車両点検のため、特急「スノーモンキー」が運休になるとのこと。
明日は予定通り運転されるとのことで、明朝帰阪する前に出直すことになりました。 -
気を取り直してホームに降りると、留置線で名車2000系のD(第4)編成が出番を待っていました。
2000系は1957(昭和32)年から1964(昭和39)年にかけて製造された、長野電鉄の特急用車両です。地方私鉄屈指の名車で、子ども向けの図鑑でもよく見かけました。
ちなみに車体塗装は引退を記念し、1970年〜80年代に使われていたものに戻されています。 -
田の字型の窓枠から覗くボックスシートは、特急用車両であることの証です。
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ホームを挟んで反対側の留置線には、一足先に廃車になった2000系のA(第1)編成が留置されていました。
第1編成のカラーリングはマルーン。1957(昭和32)年デビュー当時の復刻塗装です。 -
2000系A編成の隣には、1980(昭和55)年に製造されたものの、実働23年で廃車された新OSカーが留置されていました。
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こちらは電気機関車のED5002。
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イチオシ
7時51分、3番線に先発の特急「ゆけむり」が到着。本来ならば「スノーモンキー」こと2100系で運転される列車です。
車両は元小田急HISEロマンスカー。長電では2年前に、小田急では12日前に乗ったばかりの車両です。 -
イチオシ
「ゆけむり」に続いて、2番線に2000系の長野行き普通が入線。
新旧特急車両の並びを撮影してから、2000系に乗り込みます。 -
イチオシ
鹿をあしらった2000系のヘッドマーク。かつて長野電鉄の特急には「志賀高原号」という愛称が付いていました。
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「ゆけむり」と「スノーモンキー」が出揃って以降、この方向幕に「特急」の文字が表示されることは基本的にありませんでした。
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運転室をすぐ後ろから撮影。
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「日本車両 昭和39年」の銘板。2000系は全車両日本車両で製造されました。
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座席は固定式のクロスシート。向きを変えることはできません。
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新幹線やJR特急の回転式クロスシートに慣れているお客さんが多いためか、窓枠にこのような注意書きが貼られていました。
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長野に向かう2000系車中より。雪をかぶった飯縄山が見えます。
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8時29分終点の長野に到着。この駅に2000系が出入りするのも、あと半月です。
蛇足ですが赤とクリーム、林檎を連想させる2000系のこのカラーリングは、1981(昭和56)年に長野駅が地下化された当時に使用されていたものです。
私が物心ついた頃は、このカラーリングの2000系が子ども向けの図鑑に掲載されていました。 -
折り返しまで時間があるので、隣の市役所前駅まで歩いてみました。
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10年前の2002(平成14)年に廃止された木島駅の名前が、消されずに残っているホームの案内。
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駅構内の広告。1981(昭和56)年の地下駅完成当時からまるで時が止まったかのような雰囲気です。
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二昔前の東京やソウルの地下鉄駅みたいな雰囲気のホームに、2000系の須坂行き普通電車が入って来ました。
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柳原と村山の間で、千曲川にかかる村山橋を渡ります。
鉄道橋と道路橋が一体となった、全国でも珍しい構造の橋として、鉄道ファンには有名です。 -
イチオシ
9時13分、終点の須坂駅に到着。
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須坂から乗り継いだ屋代線電車の車内で、長野駅で購入した八幡屋礒五郎の七味を取り出してみました。
2000系特急電車の緻密なイラストが嬉しい一品です。 -
翌朝、宿泊していた「東横イン長野駅善光寺口」を出発。
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今日こそ特急「スノーモンキー」に乗車します。
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元東急田園都市線の8500系と、元JR東日本253系「成田エクスプレス」の2100系。現役時代はニアミス(注)こそすれ、顔を合わせることのなかった2形式が信州の地で同僚同士になりました。
(注)8500系と253系はかつてともに渋谷駅に乗り入れていましたが、8500系が地下の田園都市線・半蔵門線ホーム、253系が高架の埼京線ホームに発着していたため顔合わせの機会はありませんでした。 -
年季の入った地下ホームに停まる「スノーモンキー」を見ていると、あたかも東京駅の総武線・横須賀線ホームにいるかのような錯覚を覚えます。
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温泉に入るニホンザルをイメージした「スノーモンキー」のシンボルマーク。
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NERは「Nagano Electric Railway」の略。
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方向幕は成田エクスプレス時代のデザインを踏襲。
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約20年前に登場した車両ですが、斬新なデザインは決して色あせていないように思います。(現在成田エクスプレスとして使われているE259系もこのカラーリングを踏襲。)
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デッキの行き先表示器も、成田エクスプレス時代と同様に使われていました。
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253系の特徴だった赤く塗られたドア。
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旅客機を連想させる内装もほとんどそのまま。長野寄り2両の荷物棚は飛行機の荷物棚そっくりでした。
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電光案内表示も、停車駅案内などに使われていました。地方のローカル私鉄で、電光案内表示器の付いた特急を走らせているのはおそらく長野電鉄だけでしょう。
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座席の枕カバーの裏には、栗菓子の「小布施堂」の広告が。
2000系や「ゆけむり」に付いているものと同様です。 -
雨の村山橋を通過。
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湯田中寄り先頭車の座席はリクライニングします。
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洗面所はステンレスの板で塞がれ、使用できなくなっていました。
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汚物処理施設が無いためか、トイレは施錠され「機器室」として扱われていました。
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本当は湯田中まで行きたいのですが、時間の関係で須坂で下車。
湯田中寄り先頭車の行先表示はLED式。 -
イチオシ
須坂駅1番線にて。
次こそは「スノーモンキー」で湯田中まで行き、楓の湯で一風呂浴びたいなあと思いつつ、折り返しの電車に向かいました。
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この旅行記へのコメント (2)
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- ムロろ~んさん 2012/04/02 23:31:04
- 懐かしい思いで拝見しました。
- ムロろ〜んです。
長野電鉄旅行記を拝見しました。
私は1995年の3月に一人旅で長野電鉄に乗ったことがあります。長野新幹線ができる前の頃でした。高校時代でした。当時は15分に一本の間隔で走っていたのでとても利用しやすかったです。
木島の駅もありましたし、松代駅で降りて観光したこともありました。今はその屋代線も廃線ですか、淋しいです。
スモーキートレインもやはり今でも使える車両ですよね。スキー客にもあの荷物棚は利用しやすいよなぁと思っていますが、いかがでしょうか?
- TMBSさん からの返信 2012/04/02 23:59:11
- RE: 懐かしい思いで拝見しました。
- ムロろ〜ん様
こんばんは。
昔長野電鉄に乗られたことがあるのですね。今でも湯田中に行く本線は、須坂までそこそこの本数が確保されていますが、当時は今よりさらに本数が多く使いやすいダイヤだったんですね。
木島線は私は乗れずじまいでした。そして今回屋代線も廃止と言うわけで寂しい限りです。松代ではお城や武家屋敷を見て歩かれたのですか?
スノーモンキーはまだまだ活躍できる車両です。あの荷物棚は旅行鞄を置くだけでなく、スキー板を立て掛けるにもちょうど良さそうな感じなので、
意外に重宝しそうだなと思います。
TMBS
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