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たつの市御津町にある室津は、奈良時代から江戸時代にかけて瀬戸内航路の海陸の交通拠点として栄華をきわめた港町。冬の味覚・カキの産地として、また今年は視聴率が低迷する大河ドラマ「清盛」の所縁ある場所として、多くの観光客が訪れています。

兵庫県・室津★悠久の歴史を刻む瀬戸内海の港町

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2012/03/18 - 2012/03/18

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ころっつ

ころっつさん

たつの市御津町にある室津は、奈良時代から江戸時代にかけて瀬戸内航路の海陸の交通拠点として栄華をきわめた港町。冬の味覚・カキの産地として、また今年は視聴率が低迷する大河ドラマ「清盛」の所縁ある場所として、多くの観光客が訪れています。

交通手段
自家用車

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  • 姫路市街地から国道250号を西に走ってたつの市に入り、海沿いを行くと港町・室津があります。地形的には半島状に囲まれた入江を擁する天然の良港で、「室の如く静かな津」ということが地名の由来となっています。<br />奈良時代には「摂播五泊」のひとつとして栄え、古くから瀬戸内航路の要衝となった地でもあります。

    姫路市街地から国道250号を西に走ってたつの市に入り、海沿いを行くと港町・室津があります。地形的には半島状に囲まれた入江を擁する天然の良港で、「室の如く静かな津」ということが地名の由来となっています。
    奈良時代には「摂播五泊」のひとつとして栄え、古くから瀬戸内航路の要衝となった地でもあります。

  • この時期の室津はカキの直売でも有名です。阪神都市部から多くの人が舌鼓を打ちに、また購入を目的にやって来ます。直売する水産会社が狭いまちの中に立ち並んでいます。

    この時期の室津はカキの直売でも有名です。阪神都市部から多くの人が舌鼓を打ちに、また購入を目的にやって来ます。直売する水産会社が狭いまちの中に立ち並んでいます。

  • 海沿いにはカキ(カキ殻?)が山積みされています。

    海沿いにはカキ(カキ殻?)が山積みされています。

  • ある水産物の直売所の店頭ではカキが網焼きされており、何と無料で食べさせてくれます。

    ある水産物の直売所の店頭ではカキが網焼きされており、何と無料で食べさせてくれます。

  • 写真は小さめのものですが、大ぶりの身のものも多く、レモン汁をかけていただきましたが、プリプリした食感がめちゃくちゃおいしい〜♪

    写真は小さめのものですが、大ぶりの身のものも多く、レモン汁をかけていただきましたが、プリプリした食感がめちゃくちゃおいしい〜♪

  • うるめも虚しそうに、クシ刺しにされて売られています。1串300円也。

    うるめも虚しそうに、クシ刺しにされて売られています。1串300円也。

  • キロ単位で殻付きのカキが売られており、この辺りの相場は1キロ当たり800円です。もちろん土産に買って行き、自宅で夜に焼いて食べましたが、大ぶりの身は、塩味が効き、甘さもある抜群の美味しさでした。

    キロ単位で殻付きのカキが売られており、この辺りの相場は1キロ当たり800円です。もちろん土産に買って行き、自宅で夜に焼いて食べましたが、大ぶりの身は、塩味が効き、甘さもある抜群の美味しさでした。

  • カキを購入した後、漁協近くの海沿いに車を止めて、室津のまちなみを散策します。<br />室津の市街地は入江に沿った狭い平地に沿って弧状に広がっており、古くからの家並みが続くことから、兵庫県の景観形成地区にも指定されています。<br /><br />

    カキを購入した後、漁協近くの海沿いに車を止めて、室津のまちなみを散策します。
    室津の市街地は入江に沿った狭い平地に沿って弧状に広がっており、古くからの家並みが続くことから、兵庫県の景観形成地区にも指定されています。

  • 海に近い家には、津波・高潮対策として玄関前に締切門扉を備えた防潮堤が最近になって整備されているようです。

    海に近い家には、津波・高潮対策として玄関前に締切門扉を備えた防潮堤が最近になって整備されているようです。

  • 室津は漁業と水産業が主産業の町。港には多くの漁船が停泊しています。

    室津は漁業と水産業が主産業の町。港には多くの漁船が停泊しています。

  • こちらは「室津海駅館」。かつての回船問屋の建物です。<br />室津は江戸時代には、参勤交代を行う西国大名の上陸地として栄え、「室津千軒」といわれるほど栄華をきわめました。通常は1軒か2軒しか宿場町内で置かれない本陣も6軒置かれていました。

    こちらは「室津海駅館」。かつての回船問屋の建物です。
    室津は江戸時代には、参勤交代を行う西国大名の上陸地として栄え、「室津千軒」といわれるほど栄華をきわめました。通常は1軒か2軒しか宿場町内で置かれない本陣も6軒置かれていました。

  • 内部が公開されているので、入館料200円を支払い、見学します。<br />こちらは羽鰊(はにしん)。内臓などを除去した後に天日で干し、さらに身を取り、頭と背骨になったユーモラスな姿となったニシンをいいますが、江戸時代には綿作などの魚肥として全国的に利用されたそうです。

    内部が公開されているので、入館料200円を支払い、見学します。
    こちらは羽鰊(はにしん)。内臓などを除去した後に天日で干し、さらに身を取り、頭と背骨になったユーモラスな姿となったニシンをいいますが、江戸時代には綿作などの魚肥として全国的に利用されたそうです。

  • 参勤交代が制度化された後、多くの西国大名は室津まで瀬戸内海を船に乗って行き、そしてここで上陸し、江戸に向かいました。そのため、室津は海と陸をつなぐ宿場町として大いに栄えたそうです。また、長崎のオランダ商館長の毎年の江戸参府の際にもここに立ち寄ったことから、その歴史資料が展示されています。

    参勤交代が制度化された後、多くの西国大名は室津まで瀬戸内海を船に乗って行き、そしてここで上陸し、江戸に向かいました。そのため、室津は海と陸をつなぐ宿場町として大いに栄えたそうです。また、長崎のオランダ商館長の毎年の江戸参府の際にもここに立ち寄ったことから、その歴史資料が展示されています。

  • 室津の本陣で出された大名向けの献立。

    室津の本陣で出された大名向けの献立。

  • 参勤交代の大名のほかにも江戸に向かう朝鮮通信使の寄港地ともなっていました。その使節団一行の様子が再現された展示もあります。

    参勤交代の大名のほかにも江戸に向かう朝鮮通信使の寄港地ともなっていました。その使節団一行の様子が再現された展示もあります。

  • 海駅館の2階から見たまちなみ。明治時代に入り、鉄道や道路が内陸部に敷かれたため室津は急速に衰退しました。<br />

    海駅館の2階から見たまちなみ。明治時代に入り、鉄道や道路が内陸部に敷かれたため室津は急速に衰退しました。

  • 海駅館は、江戸時代後期に建てられた廻船問屋「嶋屋」の遺構で、切妻平入の2階建てという室津の町家の特徴をあらわしています。屋形舟の間と呼ばれ、天井は船のように湾曲しています。

    海駅館は、江戸時代後期に建てられた廻船問屋「嶋屋」の遺構で、切妻平入の2階建てという室津の町家の特徴をあらわしています。屋形舟の間と呼ばれ、天井は船のように湾曲しています。

  • 2階には床違棚や書院を備えた部屋があります。

    2階には床違棚や書院を備えた部屋があります。

  • 庭園には、今年は遅れていてやっと開花時期を迎えた梅がかわいい花を咲かせています。

    庭園には、今年は遅れていてやっと開花時期を迎えた梅がかわいい花を咲かせています。

  • 庭園越しに見える室津の海。

    庭園越しに見える室津の海。

  • 海駅館では、隣の岡山県が生んだ近代画家・竹久夢二の叙情版画の展示がこの時期行われていました。

    海駅館では、隣の岡山県が生んだ近代画家・竹久夢二の叙情版画の展示がこの時期行われていました。

  • 戸棚の襖戸には不老長寿の亀の絵が描かれています。

    戸棚の襖戸には不老長寿の亀の絵が描かれています。

  • 段違いの戸棚と床の間にある華頂窓。

    段違いの戸棚と床の間にある華頂窓。

  • こちらが本来の玄関で、海側ではなく、陸側に設置されています。室津には駐車場が少ないので、漁協近くに駐車して歩いて来る必要があります。

    こちらが本来の玄関で、海側ではなく、陸側に設置されています。室津には駐車場が少ないので、漁協近くに駐車して歩いて来る必要があります。

  • 室津は江戸時代には姫路藩が治めていた地でした。まちなみを案内する石碑が建っています。

    室津は江戸時代には姫路藩が治めていた地でした。まちなみを案内する石碑が建っています。

  • 最近修景された建造物も多いようです。うだつが施された3階建ての木造民家もあります。

    最近修景された建造物も多いようです。うだつが施された3階建ての木造民家もあります。

  • 海駅館から東に歩いて行くと市立民俗館があります。旧海産物問屋で脇本陣を兼ねた江戸時代に建築された商家を保存・公開しています。室津最盛期の遺構のひとつで兵庫県の指定文化財となっています。

    海駅館から東に歩いて行くと市立民俗館があります。旧海産物問屋で脇本陣を兼ねた江戸時代に建築された商家を保存・公開しています。室津最盛期の遺構のひとつで兵庫県の指定文化財となっています。

  • 民俗館。<br />先日の地元新聞の記事によると、大河ドラマ「清盛」の放映後、厳島神社への参詣途中に立ち寄ったといわれる所縁の地である室津を訪ねる観光客が急激に増えているとのことです。この日もまちなみを散策する多くの観光客を見かけました。

    民俗館。
    先日の地元新聞の記事によると、大河ドラマ「清盛」の放映後、厳島神社への参詣途中に立ち寄ったといわれる所縁の地である室津を訪ねる観光客が急激に増えているとのことです。この日もまちなみを散策する多くの観光客を見かけました。

  • 石畳が敷かれた室津のまちなみ。<br />

    石畳が敷かれた室津のまちなみ。

  • まちなみの中にある見性寺。室津の長の娘・室君が建立したといわれるお寺のひとつです。古くから文人墨客が室津に寄港すると必ず訪れたといわれています。

    まちなみの中にある見性寺。室津の長の娘・室君が建立したといわれるお寺のひとつです。古くから文人墨客が室津に寄港すると必ず訪れたといわれています。

  • 室津のまちなみを後にします。少し東に走ると国道沿いに「道の駅みつ」があります。

    室津のまちなみを後にします。少し東に走ると国道沿いに「道の駅みつ」があります。

  • 室津の近く、海沿いを走る国道にある道の駅は、地元ではなかなか充実しているとの評判をオープン当初から聞いていましたので、立ち寄ってみました。

    室津の近く、海沿いを走る国道にある道の駅は、地元ではなかなか充実しているとの評判をオープン当初から聞いていましたので、立ち寄ってみました。

  • 地元漁港で水揚げされた新鮮な魚を提供するレストラン「魚菜屋(ととなや)」が人気です。今回はお昼も別に食べたので立ち寄っていませんが、海鮮バーベキューが楽しめるコーナーもあるので、次回は体験してみようと思いました。

    地元漁港で水揚げされた新鮮な魚を提供するレストラン「魚菜屋(ととなや)」が人気です。今回はお昼も別に食べたので立ち寄っていませんが、海鮮バーベキューが楽しめるコーナーもあるので、次回は体験してみようと思いました。

  • 「道の駅みつ」があるたつの市は、醤油醸造の地として西日本では有名ですが、土産物販売コーナーにはさまざまな醤油が取り揃えてありました。

    「道の駅みつ」があるたつの市は、醤油醸造の地として西日本では有名ですが、土産物販売コーナーにはさまざまな醤油が取り揃えてありました。

  • こちらも販売コーナー。地元特産の食材を使ったさまざまなアイスクリームがあるようです。赤穂の塩、揖保川のトマトなどのアイスは既に売り切れていたので、購入したのは…

    こちらも販売コーナー。地元特産の食材を使ったさまざまなアイスクリームがあるようです。赤穂の塩、揖保川のトマトなどのアイスは既に売り切れていたので、購入したのは…

  • 「播州龍野そうめんアイス」です。たつの市は旧龍野市域を中心に、醤油と並ぶ食の特産品が「揖保の糸」ブランドで知られるそうめんなのです。中身はというと…何だか塊が入ったこの食感…そう、細切れにしたそうめんそのものがアイスの中に含まれていました。何とも微妙なテイストでした…。

    「播州龍野そうめんアイス」です。たつの市は旧龍野市域を中心に、醤油と並ぶ食の特産品が「揖保の糸」ブランドで知られるそうめんなのです。中身はというと…何だか塊が入ったこの食感…そう、細切れにしたそうめんそのものがアイスの中に含まれていました。何とも微妙なテイストでした…。

  • 牡蠣の季節ということで、バーベキューコーナーでは牡蠣の食べ放題も実施されていました。道の駅からすぐ下にある砂浜に出ることができます。

    牡蠣の季節ということで、バーベキューコーナーでは牡蠣の食べ放題も実施されていました。道の駅からすぐ下にある砂浜に出ることができます。

  • 道の駅から見た眼下に広がるシーサイド。時期によっては地引網体験もできる場所で、施設の充実度やロケーション的には、評判どおりの抜群の道の駅だと感じました。

    道の駅から見た眼下に広がるシーサイド。時期によっては地引網体験もできる場所で、施設の充実度やロケーション的には、評判どおりの抜群の道の駅だと感じました。

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この旅行記へのコメント (4)

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  • morino296さん 2012/05/05 23:53:25
    趣のある街並み
    ころっつさん

    こんばんは。
    たつの市になったのですね。
    私の会社の後輩で、龍野出身の人がいるのですが、
    2005年に合併で、たつの市となったようですね。

    兵庫県の西部で、なかなか行く機会のない所ですが、良い町のようですね。

    室津は、他のトラベラーさんの旅行記で、牡蠣の産地と知りましたが、
    やはり、県内各地から牡蠣を求めに来られるのですね。

    また、室津は、江戸時代には、交通の要所だったのですね。
    街並み趣があっていいですね。

    一度、牡蠣を食べに出掛けてみたいものです。

    morino296

    ころっつ

    ころっつさん からの返信 2012/05/09 23:05:50
    RE: 趣のある街並み
    morino296さん、こんばんは。
    いつもありがとうございます。

    そうです。私たち地元民にとっても「たつの」と「龍野」はどうも違うまちのような気がして…海のない内陸部の城下町が「龍野=たつの」のイメージなのです。市町村合併で、違和感がある地名がグッと増えたような気がします。

    室津は小さな港町なのですが、結構古くから栄えていました。今は大河ドラマ「平清盛」のゆかりの地として観光客が増えています。

    しかしカキはプリプリして美味しかったです。試食用とはいえ無料でふるまっていた気前のいい店もありましたよ。

    それではまた〜♪
  • 横浜臨海公園さん 2012/05/01 03:58:01
    室津の町なみ
    ころっつさま、こんばんは。


    山口県室津の旅行記を篤と拝見させて頂きました。

    岡山下津井、広島鞆ノ津と共に、室津は江戸期に於ける帆船の湊の1つとして栄えた所でしたが、明治になり蒸気船の導入や鉄道開通に伴い、此れらの湊は衰退してしまい、廻船問屋も破綻してしまい、現在では町並に当時の名残を見せてます。
    因みに、第2次近衛内閣で外務大臣を務め日独伊三国同盟条約を締結させた松岡洋右は室津の出身で、実家は廻船問屋でしたが、明治中期に破綻してしまい、松岡の青年時代は苦労の連続だったと伝えられております。




    横尼臨海公園

    ころっつ

    ころっつさん からの返信 2012/05/01 23:21:20
    RE: 室津の町なみ
    横浜臨海公園さま、こんばんは。
    ご訪問いただき、ありがとうございます。

    山口県にも室津という場所があるのですか?
    今回私が訪問したのは、地元・兵庫県の室津という町なのです。

    あまり県外では知られた場所ではないのですが、なかなか風情あるまちなみが残っている場所です。「室津」という場所は海沿いでは多い地名なのかもしれませんね…。

    山口の歴史ある港町にもいずれ、旅して歩いてみたいものです。

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