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紫式部 「源氏物語」 の主人公・光源氏の実在モデルと言われるのが、<br />源融 (みなもとのとおる)。<br /><br />源融が造った広大な邸宅 「六条河原院」 の跡地とされるのが、<br />ここ渉成園、通称・枳殻邸。<br /><br />源融は、百人一首では 「河原左大臣」 という名で登場します。<br /><br /><br />〔第14首/河原左大臣〕<br /> みちのくの しのぶもぢずり 誰ゆえに<br />  乱れそめにし われならなくに<br /><br />〔第47首/恵慶法師〕<br /> やへむぐら しげれる宿の さびしきに<br />  人こそ見えね 秋は来にけり

【百人一首歌枕巡り】 源融の邸宅跡1 ~渉成園(枳殻邸)~

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2012/02/20 - 2012/02/20

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京妓

京妓さん

紫式部 「源氏物語」 の主人公・光源氏の実在モデルと言われるのが、
源融 (みなもとのとおる)。

源融が造った広大な邸宅 「六条河原院」 の跡地とされるのが、
ここ渉成園、通称・枳殻邸。

源融は、百人一首では 「河原左大臣」 という名で登場します。


〔第14首/河原左大臣〕
 みちのくの しのぶもぢずり 誰ゆえに
  乱れそめにし われならなくに

〔第47首/恵慶法師〕
 やへむぐら しげれる宿の さびしきに
  人こそ見えね 秋は来にけり

交通手段
JALグループ 徒歩

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  • 【渉成園〜枳殻邸〜】<br /><br /><br />源融は嵯峨天皇の皇子ですが、<br />臣籍に下り、源氏姓を与えられています。<br /><br />光源氏は桐壺帝の皇子ですが、<br />諸々の事情で東宮(皇太子)にはなれず、<br />臣籍に下り、源氏姓を与えられています。

    【渉成園〜枳殻邸〜】


    源融は嵯峨天皇の皇子ですが、
    臣籍に下り、源氏姓を与えられています。

    光源氏は桐壺帝の皇子ですが、
    諸々の事情で東宮(皇太子)にはなれず、
    臣籍に下り、源氏姓を与えられています。

  • 【渉成園〜枳殻邸〜】<br /><br />陸奥国 (宮城県) の塩釜の景色がとても気に入っていた<br />源融は、その風景を模した 「六条河原院」 を造りました。<br /><br />そのため、わざわざ難波 (大阪) の海から<br />汐汲みまでさせたという、どえらい財力の持ち主。<br />そりゃ、物語の主人公にもなるってもんです。<br /><br />※後の調査で、六条河原院は、今の渉成園よりもやや東北寄りの位置に<br />造られていたらしいことが判明。詳しくは↓<br /><br />【百人一首歌枕巡り】 源融の河原院跡<br />http://4travel.jp/travelogue/11017666

    【渉成園〜枳殻邸〜】

    陸奥国 (宮城県) の塩釜の景色がとても気に入っていた
    源融は、その風景を模した 「六条河原院」 を造りました。

    そのため、わざわざ難波 (大阪) の海から
    汐汲みまでさせたという、どえらい財力の持ち主。
    そりゃ、物語の主人公にもなるってもんです。

    ※後の調査で、六条河原院は、今の渉成園よりもやや東北寄りの位置に
    造られていたらしいことが判明。詳しくは↓

    【百人一首歌枕巡り】 源融の河原院跡
    http://4travel.jp/travelogue/11017666

  • 【パンフレット】<br /><br /><br />入口で、庭園の維持保全のための<br />「参観者協力寄付金」500円をお支払いします。<br /><br />すると、このパンフレットを頂けます。

    【パンフレット】


    入口で、庭園の維持保全のための
    「参観者協力寄付金」500円をお支払いします。

    すると、このパンフレットを頂けます。

  • 【高石垣】

    【高石垣】

  • 【庭園入口】

    【庭園入口】

  • 【臨池邸 (りんちてい)・滴翠軒 (てきすいけん)】<br /><br /><br />左の建物が臨池邸。<br /><br />奥が滴翠軒。

    【臨池邸 (りんちてい)・滴翠軒 (てきすいけん)】


    左の建物が臨池邸。

    奥が滴翠軒。

  • 【滴 翠】<br /><br /><br />池に落ちる小滝(滴翠)。

    【滴 翠】


    池に落ちる小滝(滴翠)。

  • 【代笠席 (たいりつせき)】<br /><br /><br />煎茶席。

    【代笠席 (たいりつせき)】


    煎茶席。

  • 【茶 畑】<br /><br /><br />代笠席のそばには茶畑。<br /><br />チャノキ (茶の木) が植えられています。

    【茶 畑】


    代笠席のそばには茶畑。

    チャノキ (茶の木) が植えられています。

  • 【傍花閣 (ぼうかかく)】

    【傍花閣 (ぼうかかく)】

  • 【盧菴 (ろあん)入口】

    【盧菴 (ろあん)入口】

  • 【盧菴 (ろあん)】<br /><br /><br />二階建ての茶室。

    【盧菴 (ろあん)】


    二階建ての茶室。

  • 【ろう風亭 (ろうふうてい)】<br /><br /><br />ろう風とは、仙人が住むとされている<br />中国の山の名前。<br /><br />※「ろう」 は門がまえに良という字。<br />

    【ろう風亭 (ろうふうてい)】


    ろう風とは、仙人が住むとされている
    中国の山の名前。

    ※「ろう」 は門がまえに良という字。

  • 【ろう風亭 (ろうふうてい)】<br /><br /><br />1880(明治13)年7月14日、<br />ここの「嘉楽」というお部屋で、<br />明治天皇がご休息されたそうです。

    【ろう風亭 (ろうふうてい)】


    1880(明治13)年7月14日、
    ここの「嘉楽」というお部屋で、
    明治天皇がご休息されたそうです。

  • 【石 碑】<br /><br /><br />明治天皇御小休所枳殻邸。

    【石 碑】


    明治天皇御小休所枳殻邸。

  • 【印月池 (いんげつち)】<br /><br /><br />池泉回遊式庭園。

    【印月池 (いんげつち)】


    池泉回遊式庭園。

  • 【侵雪橋 (しんせつきょう)】<br /><br /><br />木造の反橋。

    【侵雪橋 (しんせつきょう)】


    木造の反橋。

  • 【侵雪橋 (しんせつきょう)】

    【侵雪橋 (しんせつきょう)】

  • 【印月池 (いんげつち)】<br /><br /><br />侵雪橋を渡ったところから見た印月池。<br /><br />池の向こう、画面中央には京都タワー。

    【印月池 (いんげつち)】


    侵雪橋を渡ったところから見た印月池。

    池の向こう、画面中央には京都タワー。

  • 【五松塢 (ごしょうう)】<br /><br /><br />

    【五松塢 (ごしょうう)】


  • 【縮遠亭 (しゅくえんてい)】<br /><br /><br />茶室 (抹茶席)。

    【縮遠亭 (しゅくえんてい)】


    茶室 (抹茶席)。

  • 【縮遠亭 (しゅくえんてい)】

    【縮遠亭 (しゅくえんてい)】

  • 【塩釜の手水鉢】<br /><br />渉成園は、かつて源融が、<br />陸奥国の塩釜を模して造らせたという<br />六条河原院の跡地。<br /><br /><br />←この「塩釜の手水鉢」は、<br />渉成園の景物として最も重要なものだそうです。<br /><br /><br /><br />奥に 「源融ゆかりの塔」 が小さく写りこんでいます。

    【塩釜の手水鉢】

    渉成園は、かつて源融が、
    陸奥国の塩釜を模して造らせたという
    六条河原院の跡地。


    ←この「塩釜の手水鉢」は、
    渉成園の景物として最も重要なものだそうです。



    奥に 「源融ゆかりの塔」 が小さく写りこんでいます。

  • 【塩 釜】<br /><br /><br />茶会が催される際の水源だったようですが、<br />今は水が枯れてしまって、この通り。<br />

    【塩 釜】


    茶会が催される際の水源だったようですが、
    今は水が枯れてしまって、この通り。

  • 【塩 釜】<br /><br /><br />塩釜の旅行記はまた後ほど。

    【塩 釜】


    塩釜の旅行記はまた後ほど。

  • 【源融ゆかりの塔】<br /><br /><br />ここまで引っ張ってきたのに、ごめんなさい。<br /><br />実は、百人一首の中の源融の歌は、<br />六条河原院や塩釜には全く関わりのない、<br />恋の歌なんです。<br /><br /><br />〔第14首/河原左大臣〕<br /> みちのくの しのぶもぢずり 誰ゆえに<br />  乱れそめにし われならなくに

    【源融ゆかりの塔】


    ここまで引っ張ってきたのに、ごめんなさい。

    実は、百人一首の中の源融の歌は、
    六条河原院や塩釜には全く関わりのない、
    恋の歌なんです。


    〔第14首/河原左大臣〕
     みちのくの しのぶもぢずり 誰ゆえに
      乱れそめにし われならなくに

  • 【源融ゆかりの塔】<br /><br />河原院に深く関係しているのは、恵慶法師の歌です。<br /><br />源融が活躍した時代から約100年後、<br />すっかりさびれてしまった六条河原院にて<br />詠まれたのがコレ↓。<br /><br />〔第47首/恵慶法師〕<br /> 八重むぐら しげれる宿の さびしきに<br />  人こそ見えね 秋は来にけり<br /><br />むぐら(雑草)が八重(幾重)に生い茂った寂しき屋敷。<br />それが、源融の死後約100年の六条河原院の姿。<br /><br />栄華を極めた屋敷に、もはや人は誰も寄りつかないけど、<br />秋は変わらず巡って来るという、世の無常を詠んだ歌。

    【源融ゆかりの塔】

    河原院に深く関係しているのは、恵慶法師の歌です。

    源融が活躍した時代から約100年後、
    すっかりさびれてしまった六条河原院にて
    詠まれたのがコレ↓。

    〔第47首/恵慶法師〕
     八重むぐら しげれる宿の さびしきに
      人こそ見えね 秋は来にけり

    むぐら(雑草)が八重(幾重)に生い茂った寂しき屋敷。
    それが、源融の死後約100年の六条河原院の姿。

    栄華を極めた屋敷に、もはや人は誰も寄りつかないけど、
    秋は変わらず巡って来るという、世の無常を詠んだ歌。

  • 【豪邸も100年後には荒屋敷】<br /><br />百人一首の歌は、<br />第1首・天智天皇(飛鳥時代)から、<br />第100首・順徳院(鎌倉時代)まで、<br />おおむね時代順に並んでいます。<br /><br /><br />第14首の河原左大臣(源融)の贅を尽くした豪邸も、<br />約100年後には、<br />第47首の恵慶法師によって<br />その荒れ果ててしまった様が伝えられる。<br /><br />百人一首の中に、<br />こんな時代の移り変わりが見てとれます。<br /><br /><br /><br />今2012年と、100年前の1912年を比べてみても、<br />やはり100年経つと、世の中まるで別世界ですしね。<br /><br />ちなみに、今から100年前、<br />1912年はタイタニック沈没の年。<br />第一次世界大戦すらまだ始まっていません…。

    【豪邸も100年後には荒屋敷】

    百人一首の歌は、
    第1首・天智天皇(飛鳥時代)から、
    第100首・順徳院(鎌倉時代)まで、
    おおむね時代順に並んでいます。


    第14首の河原左大臣(源融)の贅を尽くした豪邸も、
    約100年後には、
    第47首の恵慶法師によって
    その荒れ果ててしまった様が伝えられる。

    百人一首の中に、
    こんな時代の移り変わりが見てとれます。



    今2012年と、100年前の1912年を比べてみても、
    やはり100年経つと、世の中まるで別世界ですしね。

    ちなみに、今から100年前、
    1912年はタイタニック沈没の年。
    第一次世界大戦すらまだ始まっていません…。

  • 【回棹廊 (かいとうろう)】<br /><br />

    【回棹廊 (かいとうろう)】

  • 【回棹廊 (かいとうろう)】<br /><br />かつては、朱塗りの欄干の反橋だったそうです。<br /><br />残念ながら、安政の大火(1858年)に焼失。<br /><br /><br />私が宿泊した 「枳殻荘」 の赤い欄干の橋は、<br />もしかすると、これを模したのかな?

    【回棹廊 (かいとうろう)】

    かつては、朱塗りの欄干の反橋だったそうです。

    残念ながら、安政の大火(1858年)に焼失。


    私が宿泊した 「枳殻荘」 の赤い欄干の橋は、
    もしかすると、これを模したのかな?

  • 【木の上に鷺 (さぎ)!?】<br /><br /><br /><br /><br />池を眺めていたら、頭上を大きな鳥がバサバサッと。<br /><br /><br /><br /><br /><br /><br /><br /><br /><br />←ズームしてよく見たら、<br /> 鷺が木の上に巣を作っていました。

    【木の上に鷺 (さぎ)!?】




    池を眺めていたら、頭上を大きな鳥がバサバサッと。









    ←ズームしてよく見たら、
     鷺が木の上に巣を作っていました。

  • 【鷺 (さぎ)】<br /><br /><br /><br /><br />←池に鷺がいても驚きませんが、

    【鷺 (さぎ)】




    ←池に鷺がいても驚きませんが、

  • 【鷺 (さぎ)】<br /><br /><br />木の上の鷺は初めて見ました。<br /><br />しばし源融を忘れ、バード・ウォッチング。

    【鷺 (さぎ)】


    木の上の鷺は初めて見ました。

    しばし源融を忘れ、バード・ウォッチング。

  • 【鷺 (さぎ)】<br /><br />飛んでいる所は、ブレてうまく写せなかったのですが、<br />交代で木の枝を運んでいました。

    【鷺 (さぎ)】

    飛んでいる所は、ブレてうまく写せなかったのですが、
    交代で木の枝を運んでいました。

  • 【鷺 (さぎ)】<br /><br /><br />池に下りてきて、休憩中の鷺。

    【鷺 (さぎ)】


    池に下りてきて、休憩中の鷺。

  • 【鷺 (さぎ)】

    イチオシ

    【鷺 (さぎ)】

  • 【鷺 (さぎ)】<br /><br /><br />凛々しい立ち姿をもう少し見ていたかったのですが、<br />これから宇治へ行くので、さようなら “\(&gt;_&lt;)/”

    【鷺 (さぎ)】


    凛々しい立ち姿をもう少し見ていたかったのですが、
    これから宇治へ行くので、さようなら “\(>_<)/”

  • 【漱枕居 (そうちんきょ)】

    【漱枕居 (そうちんきょ)】

  • 【漱枕居 (そうちんきょ)】

    【漱枕居 (そうちんきょ)】

  • 【双梅檐 (そうばいえん)】<br /><br /><br />紅梅・白梅が20株ほど植えられた梅林。<br /><br /><br />例年2〜3月に開花とのことですが、<br />この日はまだつぼみ。<br />

    【双梅檐 (そうばいえん)】


    紅梅・白梅が20株ほど植えられた梅林。


    例年2〜3月に開花とのことですが、
    この日はまだつぼみ。

  • 【双梅檐 (そうばいえん)】<br /><br /><br />開きかけの白梅が2〜3つ。

    【双梅檐 (そうばいえん)】


    開きかけの白梅が2〜3つ。

  • 【双梅檐 (そうばいえん)】<br /><br />一番多く花をつけていた木でもこのくらい…。<br /><br />1〜2週間あとに来ていたら、<br />満開の梅を愛でることができたかな、残念!<br /><br /><br /><br />これから、宇治へ向かいます。<br /><br />宇治にある源融ゆかりの地とは、<br />実は誰でも知っている“あの”有名な場所です。<br /><br />【百人一首歌枕巡り】源融の邸宅跡2<br />http://4travel.jp/traveler/korinori/album/10650261/

    【双梅檐 (そうばいえん)】

    一番多く花をつけていた木でもこのくらい…。

    1〜2週間あとに来ていたら、
    満開の梅を愛でることができたかな、残念!



    これから、宇治へ向かいます。

    宇治にある源融ゆかりの地とは、
    実は誰でも知っている“あの”有名な場所です。

    【百人一首歌枕巡り】源融の邸宅跡2
    http://4travel.jp/traveler/korinori/album/10650261/

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