秋のドロミテ・エンガディン～チンクエ・テッレのツアー旅　４．エンガディンの村とコルバッチ展望台

2011/10/11 - 2011/10/12

2時間余りのベルニナ線沿線の絶景を堪能したのち、サンモリッツ駅前からエンガディンの村、シルス湖の東側にあるシルス･マリアと西端にあるマローヤの２つの村を訪れた。限られた時間のうち、マローヤでは高台にあるベルヴェデーレの搭に登って展望を楽しむ。バスだとあっという間だが、好天の車窓からの湖畔風景も素晴らしく、この一帯の美しさはとても印象深かった。

翌朝も晴れて絶好の展望日和。まずサンモリッツ周辺で一番高台にあるコルヴァッチ展望台に行く。すっかり雪化粧した３０００ｍを越える山々と蒼い湖の絶景は最高に素晴らしく感動的。遠くの山々までクッキリ見えるほどの展望に恵まれたのは本当に幸運だった。

この日展望後はマローヤ峠を下り、再びイタリア領へ入ってコモ湖～西リビエラ海岸のラ・スペツィアまで400Kmほどもの長い移動になる。この旅行記はエンガディンの村とコルヴァッチ展望台からの風景～マローヤ峠までを写真多めでアップ。

実はこの村巡りと展望台の行程は予定では順序が逆だったが、光の加減でいえば実際行ったこちらのほうで良かったと思う。ツアーではほんの短い時間だったけれど、機会があればぜひ再訪してゆっくり滞在してみたいなぁと思う。

エリア サンモリッツ(スイス)

• 旅行の満足度: 5.0

車窓風景。
下車後すぐ、サンモリッツ駅前からバスに乗りエンガディンの村シルス･マリアに向かう。車窓は湖とベルニナアルプスの美しい風景が続く。

真っ白なベルニナ山群と蒼い湖と空のコントラストが美しい。

湖はサンモリッツ湖〜チャンプフェール湖〜シルヴァ―プラーナ湖〜シルス湖と続き、湖畔周辺には小さな村々が点在する絵のような風景が続く。

車窓景色に見とれていたらあっという間にシルス･マリアに着いた。この村はシルヴァープラーナ湖とシルス湖に挟まれた所にあり、2つの湖は水路でつながっている。村は住民以外の車は入れず、村内は観光馬車が走っている。

バスは山側のマリア地区に着きちょっと自由散策。ニーチェが夏を過ごして記念館になっているニーチェハウスを横目に、、

中心部辺りから北側へ向かう通りを行く。左のこの建物にインフォがあり、さらに左地下にトイレがあったかな、と。

北側の山並み。

振り返って南側の山が見える風景。

通りを抜けると広々とした草地が広がっている。

西側にはシルス湖が見える。湖畔まで行きたかったが往復するだけの時間はなさそうで途中までで引き返した。

こちらは東側方面風景。遠くにベルニナの高峰がのぞいている。ホントに広々、気持ちがいい所だった。この村での滞在もいいな。

ゆっくりできなくて心残りだが次に湖畔を西に、マローヤへと向かう。この道中の風景にもうっとり。

湖西端からマローヤの村に入った。マローヤはエンガディンの一番奥にあり、この先がマローヤ峠。峠からはブレガリアの谷となりつづら折りの道がイタリア国境へと続いている。

セガンティーニが晩年を過ごした家とアトリエ。
バスはこのすぐ近くのバス停あたりに着いた。ここのそばの小道から高台のベルヴェデーレまでちょっと登る。

イン川の源流はここに見える辺りの山中、標高2500mほどにあるルンギーン湖だとか。急流の小川は途中大小の滝となりシルス湖に流れ込む。それと思われる大きな滝が断崖に見えている。

小道は途中で左右に分かれるがどちらもベルヴェデーレに通じている。行きは右に行ったがこちらは水のたまった氷河の穴・グレッチャーミュールや小さな沼などがあった。

20分そこそこ？で搭のあるベルヴェデーレに着いた。この搭からエンガディンからブレガリアの谷筋まで、360度の展望が広がっている。行った時は他には誰もいなかった。

廃墟の古城のように見えるが、実は19世紀の中ごろにベルギーの資産家がカジノにするつもりで作り始めて途中で挫折、そのままになっているのだとか。

ベルヴェデーレ＝美しい眺め、という名の通り、東側は順光で素晴らしい展望が広がっている。

ズームしたシルス湖とマローヤの村あたり。

マローヤ南の山。

西のブレガリアの谷方面もよく見えるが午後は逆光でまぶしい。

搭の屋上出入り口。搭への出入りは自由だが、ドアにはカギがあるので最後は閉めておく。

搭を降りて帰りは違う小道を下った。

マローヤのバス停のある広場。

この一角にインパクトのある外観のホテルがある。

マローヤからバスは30分余りでサンモリッツ、バード地区北側にあるホテルへ着いた。ミュンヘンからお世話になったドライバーはここまで。そのままチロルまで戻るのだという。長距離で大変なドライブをありがとう！気をつけて、とお別れ。

翌朝9時前、ホテル前より。

快晴で絶好の展望日和になった。今日はまずコルバッチのロープウエイ乗り場へ向かうが、出発が遅いのはこの日朝、ロープウエイ駅前で撮影（TV?)があるとかで始発が9時半すぎだったため。時間があったので朝食後に周辺を歩いてみたが、ここから湖畔は遠い。

今日からのバスはミラノからやってきたイタリア人ドライバーに交代した。

シルヴァープラーナから橋を渡り、スールレイSurlejのコルヴァッチロープウエイ駅に着いた。ここの標高は1809m。3303mの展望台まで、途中ムルテルで一度乗り換えて行く。

＊2011年コルヴァッチﾛｰﾌﾟｳｪｲ運行期間：6/18〜10/16
ちなみにピッツ・ネイルは6/25〜10/09で運行終了。

高度を上げて見えてくる景色がすでに感動モノ！

途中駅のムルテル(2702m)で乗り換え、かなり高度があがりすっかり雪山に。

ロープウエイ駅を降りて外に出るとまず目の前にあるのがこの2つの山。右ピッツ・コルバッチ(3451m)、左ピッツ・ムルテル(3433m)。駅の温度表示は0.8℃だった。

写真にある屋上展望台まで上がれたが、最初ここはダメ、とか（雪かきが済んでなかったから？）問答があったようだ。確かに一部を除いて雪が積もっていたし、風も少し吹きつけていたけれど、絶景を前に寒さも気にならないという感じ。

氷雪が輝くムルテルの奥にピッツ・セッラなど3500m前後の山々。セッラ氷河がある。ここから左へ少しずつカメラを動かして、、

右奥のセッラ氷河に続いてベルニナ山群の高峰たち。

セッラ氷河

逆光で右からピッツ・ロゼック(3937m)、ベルニナ最高峰のピッツ・ベルニナ(4049m)、ピッツ・モルラッチ(3751m)か。こちらはさらにピッツ・パリュなど4000m近い高峰がいくつも続いているはず。

ピッツ・ロゼック

ピッツ・ベルニナ

ピッツ・モルラッチ

ここからさらに左へ、反対の南西方面の大展望を。

サンモリッツ方向の南方面。以下少しずつ西のほうへ移動させて、、

シルヴァープラーナ湖

ズームして。湖に突き出た集落がシルヴァプラーナ(1815m)。橋を渡った対岸がロープウエイ駅のあるスールレイ(1809m)。

奥に見えている山々は3000m前後かそれ以上の高峰たち。

西のシルス湖方面。2つの湖の間にシルス･マリアが見える。

シルス湖。

西端のマローヤ村あたりも。

遠くの稜線までたくさんの山々がはっきり見えている。

2階の展望台とコルバッチの一部が見える。以上絶景の360度の大パノラマでした！

下の展望台で。
時間は１時間あったけどまだ名残惜しい。この絶景もあと数日でクローズとはもったいないような、、

下りのﾛｰﾌﾟｳｪｲからも陽がさして明るくなった景色を堪能。中間駅のムルテルが見えている。

麓はシルヴァープラーナの集落。

カラマツの黄葉と湖がとってもきれい。でもカラマツの黄葉最盛期もう少し先みたい。

スールレイから。

11時発でここから次のコモ湖まで３時間くらいの長い移動になる。ここまでお腹が空かないうちに昼になり朝は控えめにしてたが、今日は昼食が遅くなるので十分食べて備えた。

麓は広々と緑の放牧地。

明るくなったシルス湖畔を通りマローヤに向かい、、

村を過ぎ峠を越え、、

急峻なブレガリアの谷をいろは坂のようにつづら折りで下っていく。

この旅行記へのコメント （2）

• ショコラさん 2011/11/29 12:30:31

  エンガディンの村々の風景にうっとり♪

  makiさん、こんにちは。
  
  エンガディンの村々、すっごく綺麗ですね〜。展望台からの眺めも息を呑むような美しさ！　スイスというと夏をイメージしてしまいますが、秋の眺めも素晴らしいものですね。しっとりと落ち着た雰囲気で、空気の澄み切った感じが写真から伝わってきます。
  
  2005年の夏にスイス鉄道の旅をしたときに、わたしもベル二ナに乗りました。そのときはmakiさんとは逆方向で、サンモリッツからティラノまで乗って、バスでルガノへ行きました。そのとき、旅の途中で出会った日本人の男性が（スイスには20回くらい来ているというスイスの達人さん）、エンガディンの村を薦めてくださったのですが、日程的に無理であきらめました。旅行記を拝見して、村並みを見られただけでもうれしいです。いつかぜひ訪れて、数日過ごしてみたいものです。
  
  続きも楽しみにしています。
  
  ショコラ

  maki5963さん からの返信 2011/11/30 23:20:50

  RE: エンガディンの村々の風景にうっとり♪

  ショコラさん、こんにちわ。
  
  いつもご無礼してばかりなのにありがとうございます♪
  今回行ったのは主に山岳地帯だったので旅の成否は天気次第、それこそ賭けみたいな気持でしたから結果にはホントに大満足。美しい写真が撮れたのもそのおかげ、というわけで。エンガディンあたりは湖水と山々と田園風景と、どこを撮ってもスイスの美しい風景を額にはめ込んだようになります。こんな美しい所でのんびりできたら最高だろうなと、みなさんが勧めるのも納得です。
  
  今回は短い時間しかありませんでしたが、予想以上の素晴らしさに花の頃にぜひまた旅ができるよう願ってます。サンモリッツは晴天率が高いそうなのでハイキングも楽しめそうです。このシーズン終間近の黄葉頃もで静かで良かったですよ。
  
  ショコラさんのカナディアンロッキーの写真も湖の色が素晴らしいですね！ロッキーの雄大さと自然の豊かさ、コメントでは旅の楽しさが伝わってきてとても楽しませていただいてます。
  以前ショコラさんが紹介してくださっていたリビエラに今回行くチャンスがありましたが、その時は写真の同じティンクエテッレの小道や町に行けるとは思いもせず、実現したのはびっくりで夢のようです。
  
  旅の続きはこのリビエラです。馴染みのないイタリアでツアーで、というので細部はすぐ忘れてしまいそうで記録だけでもと先にアップしました。メモ調のそっけないコメントでスミマセン。
  
  maki