2011/05/01 - 2011/05/08
2064位(同エリア4045件中)
ジール250さん
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- クチコミ1件
- Q&A回答8件
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家族旅行ヴェネツィア編。ヴェネツィア本島以外にも、ブラーノ島・ムラーノ島にも行きました。
- 旅行の満足度
- 5.0
- 観光
- 5.0
- ホテル
- 5.0
- グルメ
- 5.0
- ショッピング
- 4.5
- 交通
- 4.0
- 同行者
- 家族旅行
- 一人あたり費用
- 25万円 - 30万円
- 交通手段
- 鉄道
- 航空会社
- アエロフロート・ロシア航空
- 旅行の手配内容
- 個別手配
PR
-
一夜明け、時差ぼけのボケボケしさに悩まされながらも、気づけばここはもうMilano-ミラノ-です。
<ロンバルディア州の州都>である事以上に、<ファッションの都>として世界規模で知られているハイパーオシャレ都市。
世界遺産としては中心部に建つ白亜の『ドゥオモ』や、あの『最後の晩餐』の絵などが最も有名です。
そして有名ですが見に行きません。
何故なら時間がないからです。
この日はもう朝の6時50分の電車に乗ってヴェネツィアへ行かないといけないのです。
本当はちょっと興味あったんですけどね〜。
でも曲がりなりにも私は一度この地を訪れていますし、 他の家族も「どうせ時間を割くなら『ミラノ<ヴェネツィア』」という意見だったため、
せっかくミラノに降り立ったわりには完全スルー。
唯一見たのと言えば、このゴージャスなMilano Centrale=ミラノ中央駅の外観だけ。
ドゥオモと言いこれと言い、北イタリアは白建物が映えますな。 -
ちなみにこのミラノの地からヴェネツィアまでは、州をまたいで早ければ約3時間程(ヴェネツィアがあるのはヴェネト州です)。
一応日本で言う新幹線的な立ち位置にある特急列車を使用するべく、また希望時間の列車に問題なく乗り込めるべく、
念には念を入れて事前にネットで席の予約も華麗に済ませ、後はホームから列車に乗り込むのみ。
ここでさらに、今回の「旅行プランナー&運営実行委員会代表&通訳&身辺警備」を一手に任されている私の敏腕&用意周到っぷりを、引率され側である父母姉に見せつけるべく、
念には念を入れた上にさらなる念押しとして近くの駅員さんに自分の持ってきた『座席予約用紙』を見せて確認を取ってみたところ…
「この用紙だけじゃ乗れるわけねえよボンジョルノ」
との暖かいお返事が。
・・・おや?
話を聞いてみると、どうやら私のやったネット予約(Trenitaliaというイタリア国鉄のHPでできる座席予約。他にも時刻表とかも調べられて何かと便利 http://www.trenitalia.com/)の状態では、
予約は予約でも『仮予約』止まりだったとの事。
早い話がしかるべき時期までにしかるべき金を入れてないとキャンセル扱いにされてしまい、そしてその期限はとっくに過ぎてしまっていたとの事なのです。
おやまあ大失敗。
てっきりクレジット番号も入れ終えてたので勝手に引き落としてくれているもんだとばっかり思ってましたよ。
まあよく考えれば日本語で書かれた契約書云々ですら碌に読解できない私が現地語で金銭のやり取りを踏まえた契約をスムーズにできるわけはないか。
いやあ失敬失敬わっはっは。 -
…・・・というわけで、
とりあえずあれだ。朝食でも手に入れようじゃないの。
本場の朝のカプチーノは美味しいぞ、マイファミリー共よ。
結局、その場でもう一度列車の席を取りなおし、次の特急列車に無事乗る事が出来ましたとさ。
早速ヴェネツィア行きが1時間程の遅れになったがまあしょうがない。 -
そんなわけで1時間遅れで電車にGO.
すると出発してみれば何故か出てくる出てくる姉のバッグから大量の食べ物たち。
一体いつどこで増やしてきたんだよ。
いや多分だけど、私が電車の予約を取り損ねて慌ててその場で取り直したついでに本日泊まるホテルに予定時刻がずれる旨をギャイギャイ電話で報告してた時に何増やしてんだよ。 -
姉「はい、この緑のあげます」
……なんで?
姉「まずいから」
………。
不味いとにこやかに渡されたそのグミは、まるでヴィックスヴェポラップのような味でした。
鼻は通りそう。 -
なんとかヴェネツィアまで到着〜〜〜。
鉄道の改札を抜けた先にいきなり見えるこの異次元への入り口の前は、
この壮大なファーストインプレッションにがっつりやられてしまった世界中からの観光客で大混雑。
はやくあの遠くに見える細い橋を、あの水辺を滑るゴンドラを…とはやる気持ちを取りあえず抑えつけて、
まずはこの重いトランクケースをホテルに放り込むべく、ヴェネツィア全土を網羅する水上バス、Vaporetto-ヴァポレット-に乗って本土の中心地へと水を漕いで行きます。 -
そして水上バスから外を眺めて思い知らされるのは、あの駅前の景色が『このヴェネツィア内で一番俗世っぽい景色』だったという驚きの事実。
すべての建物が、うっかりするとセットかCGかとリアルに考えてしまう程の非日常世界です。
その世界観のありえ無さでいえば、TDLのファンタジーランドが現世に実在したんだ ぐらいのありえなさ。
というかTDSのあの世界観が本当にそのまんま。
いや、もともとこのベネツィアありきのそれの忠実模倣がTDSのアレなわけなんだけど、それは十分わかってるんだけど…。 -
でもいっそ、ディズニーの<夢の世界を>セットに起こしましたと言ってくれた方が納得出来るほどに、この景色は幻想的すぎる。
後に会ったゴンドリエーレ(ゴンドラを漕ぐ職人)に言わせると、
「ヴェネツィアは栄華を極めたかったのさ、だからここに『夢』を作ったんだ」
との事。
ふーん。
貪欲な繁栄への野望を『夢』で勝ち取ってみせたなんて。
なんだよ格好つけやがって、イカスじゃないか。 -
と、そんなこんなで川辺からの流れに見とれている内に、
いつの間にか水上バスはホテル前の駅まで到着。
さあ取りあえずはチェックインして荷物を部屋に放り込んだら、今度はこのヴェネツィアの大地を歩いてみましょう。そうしましょう。
……の、前に
取り合えず、昼飯だな。
何せ朝からクロワッサンとヴェポラップ味のグミしか食べてない。
昨日までは機内食のそれなりのテイストの物をそれなりにしか食べてないし…。 -
という事で、とりあえず適当に見つけた店に入ってみる事に。
前述した通り、何かと食の貪欲さに定評のある我らがファミリー。
もちろん日本にいる頃から観光予定地での食事の事前調査はかなり済ませていたのですが、
あいにく今日の食事のメインは夕飯一本に絞られていたため、『昼はごくごく適当に軽めにね☆』 という事でふらっと入ったのがこの店だったのです(お陰で名前も覚えていない)。
ちなみにここ、大通りを外れてふらっと歩いていた先に見つけたとはいえ、明らかに「観光客向け」と言った感じのお店でした。
まあお陰で入りやすくはあるんですが、こういった店の場合、何かと味も『観光用クオリティ』だったりする事が多いからねえ〜。 -
ちょ、全部旨いぞおい。
ビックリだ、旨いぞ。
どれもこれもボリューム満点でシンプルながらも味が美味しくて、っていうかそもそも魚貝自体が旨い。
ビックリした。
ぱっと見観光客目当てのわりかし適当な所だとたかをくくってたのに。
あれか?もうここに来れば魚貝は全部旨いのか?
北海道に行ったら100円皿の回転ずしですら美味しくってビビったあの時と同じ感じか??
価格に関してはまあそりゃ天下に名を馳せる観光スポットなだけあってそれなりの値段はしたけれど、
それでも日本でのいいところのレストランとかと比べたらむしろ安いくらいだ。
というか、そもそもあの高級エビのスカンピを一皿頼んであれだけの量がどっかり来るわけがない。
もう一皿目のあのスカンピの時点で、我々奇声、ウェイターびびるのコンボが完成していたからね。
もうあれだけでヴェネツィア来てよかったと、「一番好きなエビは手長エビ!」と公言してはばからない私の姉はもうしておりました。
いずれにしろ、最初に美味しいかどうか疑ってすまん。
おいしかったです。 -
ヴェネツィアでのお昼も大満足し、
いよいよ町の散策です。
綺麗な街中をあっちへフラフラこっちへフラフラしているうちに、
たどり着いたのはサン・マルコ広場とサン・マルコ寺院。
なんかここの寺院、イタリアにある他すべての聖堂と比べてもなんか異質。
と思っていたら、この建物はビザンティン建築の(東ローマ帝国時代のやつ)代表とされているとの事。
なあるほど、だから屋根部分とかも若干玉ねぎ気味なのね。
うむ。でっぷりして可愛いし、中の装飾もゴテゴテの中に赤が際立って格好いいじゃない。
ちなみにこの広場の中にある鐘楼は上る事ができ、母と姉と3人で登ってみる事に。 -
上った先では、ヴェネツィアの中心地からすべてを見渡す絶景が。
いやあ素敵。海風がすっごい寒かったけど。
嬉しかったのはこの鐘楼、珍しくエレベーターを備えた観光客の足に優しい施設だった事。
鐘楼の高さに地上待機を決め込んだ父残念。 -
後は王道のヴェネツィアの仮面屋さんも多数物色。
いやあ嬉しい。念願の仮面ゲットです。
前回の旅行はイタリア留学中の貧乏学生だったため、安いモノでは1個10ユーロもしないような仮面ですら買って帰れなかったんですよね。所得があるって素晴らしい。 -
なーんて事を思ったり思わなかったりしながら、
迷路のようなヴェネツィアの細道をふらりゆるりと歩いている内に夜。
さて、じゃあおまちかねの夕飯を食べましょうかね。
実は、この日のディナーは今回の旅行の中で一番ゴージャスなのです。
格式高いのです。
何せホテル付きのレストランですからね。
ミシュラン星を2つも取った事で有名ですからね。
そこが今回利用したMet Restaurant-メットレストラン-。
我々が泊まったホテルは(HotelMetropole-ホテルメトロポール-)に併設するレストランです。 -
出てくる料理はすべてコース。料理に関してはNoフォトプリーズ と言った、ちょいとした京都の御料理屋さん的なお作法のあるお店。
つけてくわえて我々の隣もそのまた隣の席も、座るは気品漂うマダムや初老のジェントル様ばかり。
あっぶないあぶない。こんな所、うっかりジーンズで入りでもしたら、隣の銀髪紳士に優雅にTボーンステーキでぶん殴られる所だった…。
で、肝心のお料理なのですが……
あいにく上記の理由で写真を残すことができなかったため、何をどう食べたのかを記憶を頼りに書くのが難しい。
というより、そもそもこのお店がミシュランに評価された理由は、その『挑戦的な創作料理への取り組み』だと言う事なので、
とにもかくにも知識の片隅にあるような<普通のイタリアン>が一品たりとも出てこない。
そして普通のイタリアンで無い以上、メニューを一見で読解することがほぼ不可能。
せめて材料を羅列してくれていれば多少なりとも手がかりがつかめるのだが、
日本の料亭お品書き風に言うところの 『春風の便り〜命の芽吹きを感じて〜』
みたいなプチポエムをメニュー表に優雅に記されてもこっちは完全にお手上げである。
いやむしろそんな風に書く日本料亭もまとめてお手上げである。
そしてこのレストラン、創作料理の意気込みっぷりも去ることながら、それよりも特筆すべきは、
その量。
正直尋常じゃない。
途中から…、いやもう半分ぐらいから「拷問か!?」と思うくらいの量に軽く窒息状態。
今回頼んだコースは各種あった中でも一番品数が少ないと紹介されたもっともミニマムなコースのはず(メイン5品にデザートと言われました)。
一番格式高い扱いを受けてた『クラシックスタイル』と名のついたコースなんぞはメインだけで11品を数えると言っていたから、多分あれを頼んだ人は途中で料理長に土下座してコースを止めてもらっているんじゃないだろうかと思うくらい。もうとにかくとにかく量が多い。
自分を必死に鼓舞しながらフォークとナイフを動かすも、
もう4品目・5品目ともなるとどうにもこうにも手が進まない。
言っちゃ何だがこちとらまだイタリア初日(昨夜着いたから正確には2日目)なのです。
当然まだ時差ボケ著しいのです。
加えて各皿に合ったワインとやらを毎回趣向を変えて注いでくれるので思わずかなりの量飲んじゃうのです。
そこに肉の塊はキツイのです。
こちらのレストランに行かれる際は、リアルに3日間ぐらい絶食してから行くことをおすすめします。 -
ヴェネツィア2日目。
本日はヴェネツィア本島を離れるため、バスで移動です。
ちなみに写真に見える黄色い建物は、水上バスvaporetto−ヴァポレット-の停留所。
岸壁に固定されずにプカプカ浮かんだ状態なので、この中でバスを待機していると思いの外揺れて三半規管がやられます。
しかも船が停まる時にはこの停留所に付いてる杭に車掌(?)さんが荒縄を手際よく巻きつけ、体当たりで停まるという大変海の男的なたくましいやり方なので、皆さん大体停留所の外で待機しています。
我々も停留所の前で半日有効の切符を持って待機、念の為酔い止めなども服用して準備万端で乗船。
そこから約1時間程アドリアの海を進んでいくと……。 -
ムラーノ島に到着です。
ムラーノ島とは泣く子も黙るガラス工芸の名産地。
こちらで言うところのvetro di Murano-ヴェートロ・ディ・ムラーノ-であり、つまりムラーノグラスのムラーノであり、ようするにあのヴェネツィアングラスのムラーノなのです。
島の外見自体は、ヴェネツィア本土を思いっきり縮小して若干ゴージャス感をなくした感じ。
しかしこの一見地味な島から、かつてヴェネツィアの財を支える柱の一つとなったガラス工芸品の数々が生まれ、ルネッサンス期のヨーロッパを絢爛豪華に席巻していったとなれば、ずいぶんロマン溢れる壮大な話じゃないですか。
技術漏えい防止のために軽い軟禁状態で島に集められたマエストロ(職人)たちの、しかしそれゆえに互いに競い合い磨き合った事によって一層優雅に・絢爛に躍進していった技術たち。
その波瀾の足跡と、そしてもちろん現在にわたって新たな作品を生み出し続けている職人たちのその姿をこの目でまじかに見れるなんて。
……とりあえず、お昼ですかね。 -
というわけで、現代のマエストロたちの妙技やら卓越した工芸品やらを見るのは後にしてとにもかくにも移動した先はココ。
Busa Alla Torre de Leleです。
このお店、母の事前調査によるお勧め店で、なんでも島で一番の有名店なんだとか。
さすがは母。こんな小さな島に関する食のリサーチまでも万全で素晴らしい。と、言おうとしましたが、その先を聞けばなんと名前を調べただけで行き方はおろか住所すら分からないというから驚いた。
一体どうやって行くつもりだったんだ…?
結局現地についてから通りにあるタバッキ(街にあるキオスクみたいな所)でムラーノ島の地図を購入し、ついでとばかりに店の場所を訪ねてみると、直ぐに心良く道順を教えてくれました。
「俺らも良く行くよ。皆が昼休みになったら混むだろうから早めに行きな」
と言いながら買ったばかりの地図にグリグリマークを書いてくれるお兄さん。
なんと、母の調べた『島で一番の有名店』は意外に伊達ではなかったようだ。住所知らなかったけどな。
そんなわけでタバッキのお兄さんのお陰で無事にたどり着けました。決して母のお陰ではありません。
ちなみにこちら、店内はあまり広くなさそうなんですが、お店がある広場いっぱいにテーブルを出しているので席数としてはかなりのもの。
ちょうど外での食事にもってこいの気候だったので、青空のした、ビールが大変美味しゅうございました。
そしてそんなLeleさんのお店で食べた料理はまあとにかく美味しい。
そしてヴェネツィア本島ではないせいか、そこそこのお値打ち価格。
これも合わせて嬉しいですね。 -
さあ。お腹も一杯になったので島を移動しましょう。
ここに来た本来の目的はあくまでもムラーノグラス。
とにもかくにもこの島にいる以上ガラス工芸を見ない事には何にもなりません。
だって正直それしかないわけなんですし。
というわけで再び街中散策です。
しかし目当ての店などの目星も特に着けず、「まあ歩けばムラーノグラスぐらいどこでも売ってるだろ」と言った軽い気持ちでこの島まで来た訳なのですが…。
確かにムラーノグラスのお店はいくらでもありました。ただ困ったのは、むしろムラーノグラスショップしかこの島には無い事。
こうなるともう何が何だかどこをどうしたもんかさっぱりです。
そして凄く入りにくいのです。
知っている方も多いでしょうが、ムラーノグラスと言うのは決して安いもんじゃないのです。
有田地方の伊万里焼がお高いように、ムラーノグラスだってお高いのです。
そりゃあまあ昔は貴族級のお金持ち様しか手に入れる事が出来なかった程のものですからね。
<手作り+伝統×芸術> といった数式を具現化したような手工芸品ですからね。
そんなわけなんで、中々おいそれと買う事が出来ないんですよ。
そしておいそれと買えない故に、気軽にひょいと店も覗けないのですよ。
ドアの前に目に見えない黒服スーツメンが立っている気がするのですよ。
てなわけで、街中を歩きながらも店舗内に入るきっかけがつかめず、フラフラとウィンドウショッピングに甘んじていた我らが家族。 -
しかし意を決して比較的大きな店構えの可愛らしい店に入ってみました。
それがここ、、『Mazzega-マッゼーガ-』
でも日本に帰ってから調べたらそこそこ大きなグループ企業らしい。へーびっくり。
中に入ってみると店内のアイテムは結構カジュアルでお値段も抑えめな物が豊富。
スーツをビシッと決めた恰幅良い紳士も、「適当に見ちゃいなよ」と見た目に反したフランクさで大変居心地が良かったです。
ちなみに店内だから撮影自粛。
ここで姉がブレスレットやらペンダントヘッドやらを購入。
母もネックレスやなんやらを色々買っていました。
ヴェネツィアにあったお店にももちろんガラス工芸品はたくさんあったのですが、なんだかムラーノ本島の店に並ぶガラスたちはもっとぐっとシンプル。
金細工やらカラフルな花の絵などが描かれている物も少なく、その分ガラスが生み出す色と流線形の美しさで勝負 と言った風合いの物がメインに置かれているようでした。
※Sede legale ed amministrativa
Fondamenta Da Mula, 147
30141 Murano Venezia
↑
日本に帰ってきてから調べた住所。多分ココで合っているはず。
扱っているのは本物のムラーノグラスなため決して安価ではありませんが、比較的手に取りやすい値段も多く、店も入りやすかったです。 -
さて、ガラスも買った事ですし、いよいよ次の島に移動しましょうか。
というわけで、ムラーノ島を出で向かった次なる島はブラーノ島です。
ムラーノじゃなくてブラーノです。
なんだかややこしいけど違うんです。
murano-ムラーノ島-は<ガラス>の島で、工芸品は豪華だが街自体は質素。
そしてBurano-ブラーノ島-は<レース編み>の島として有名で、コレ自体はまあ質素なんですが…、 -
街がまあすごい。
島の上に立つ建物全てがこんな感じの配色です。
どカラフル。
生で見ると軽く目に痛いほどに色まみれです。
ヴェネツィア本土のあの景色ですらCGかセットかと疑う程の異次元っぷりだったんですが、
このブラーノ島もまた違った趣の異世界です。例えるならばこちらはディズニーランドのトゥーンタウンか。 -
しかしこのカラープリンターのCM用みたいな島の風景、
何も昨日今日に始まった事ではないらしいのです。
元は漁業盛んな島であるこのブラーノ島。
島の父ちゃんたちはせっせと毎日漁に出掛けるのですが、あいにく冬の霧深い時期となると、曇った視界で自分の家どころか他人の家すら、…っていうか何も見えなくなってしまうそうなんです。
そこで少しでも目立つように、そして自分の家に無事帰れるようにとこんなレゴブロックみたいな配色の家だらけの不思議な島が出来上がったんだそうです。
ちなみにその漁で使う網を直す技術が、その後の産業である『レース編み』の文化へとつながったんだそうな。
へ〜。
しかしまあ凄いですな。
何が凄いって「目立たないなら家塗ればいいんじゃないの??」という発想はともかく、そこから一気にこんなファンキーな組み合わせのカラーリングで島の隅から隅までを塗りたくって、しかも何故か様になるというミラクル。
一体コツはなんなんだろう。
色自体は極めて派手だけど、模様をつけないのが良いのだろうか。
バラバラの色でも建物の形に統一感があるのもポイントなんだろうね。
ある日突然我が家だけがこの色になっても全く周囲と馴染めないんだろうね。
てことはこの景色は今からどう頑張っても我々はマネできないという事なんだろうね。
それならば、見に行かざるをえないだろうね。
聞けば、ヴェネツィアには近隣の島々が170以上もあるそうな。
イタリアに行ってもヴェネツィアだけに何日も何日も滞在できる人はそうはいない。
となれば、観光出来るのはヴェネツィア本土と、あともう1日余裕があれば近くの島を1〜2つ。
上記2つの島以外にも、映画「ベニスに死す」の舞台で有名なリド島、島のほぼ全部を使って1つの教会しか建ってないサン・ジョルジョ・マッジョーレ島など…、
見どころのある島は色々あります。
でも、どうしても1つしか行けないのなら、個人的にはこのブラーノ島をお勧めします。
「ここでしか見られない、ここにしか無いモノ」という意味では、これ以上の島は無いでしょう。 -
さてと、再びヴェネツィア本土に帰ってまいりました。
帰ってきた時間は夕方の6時ごろ。
こちらは季節柄サマータイムが始まっている事もあり、まだまだ空は明るいです。
そんな中、次に向かったのはココ。
ゴンドラ乗り場です。
今からゴンドラに乗るのです。
ゴンドラですよゴンドラ。
ああなんて素敵なんでしょう。
GONDOLA-ゴンドラ-。
それはヴェネツィアに古くからある手漕ぎボートであり、交通手段であり…、
そして何よりも、ヴェネツィアそのものを形容するに等しい乗り物です。
訪れた観光客たちの視線を掴んで離さない幻想的なそのたたずまい。
特にこのヴェネツィアの複雑怪奇な路地裏を、まるで歩くかの様に音も無く横切っていくゴンドラの姿は、まさに息を飲むような優雅さです。 -
ちなみに今回ゴンドラで利用したプランは<gondola serenade-ゴンドラセレナーデ->というもの。
別にこんなプランを使わずとも普通にその場にいるゴンドリエーレ達に「乗せて」と言えば喜んで乗せてくれるんですが、
このプランだと夕方→夜の一番見応えのある時間帯に必ず乗る事ができ、料金も少人数ならむしろお得(ただし乗り合い)。加えて40分のクルーズ中素敵な歌と演奏を生で堪能出来たりするのです。
さあ、そんなわけで夕暮れも差し迫ってきました。
夢にまで見たゴンドラクルージングです。 -
初ゴンドラの感想は、まず驚く程静かでした。
いや、もちろんエンジンなぞ付いていない完全な手漕ぎのボートなんだから当然なんですが、
とはいえ各国入り乱れた観光客共総勢6名を乗せた船というのは、どう考えたってかなりの重さのはず。
それを船尾のわずかな幅の上にヒラリと立つこのゴンドリエーレたちは、手にしたオール一本を使っていとも簡単に前へと進んでしまうのです。
波音すら殆ど立てず、滑るように進む船はまさに<優雅>を形にしたよう。 -
路地の細い水路を曲がる時だって、
軌道修正は、足で家の壁をポンと蹴ってリズムをつけるだけ
間違っても家の壁に船をガリゴリ押し付けたり、
ましてや「どっせい!」と掛け声一発かけたりもしません。
ああそうか、分かった。
さっきから、というか、初めて動くゴンドラの姿を見た時から感じていた、このゴンドラに対する『幻想的な憧れ』、言い方を変えれば『現実を感じさせない奇妙さ』の理由が少しわかった気がする。
この人たち、全然『リアルさ』を出さないんだ。
リアルさと言うのはこの場合、つまり『船を漕ぐリアルさ』の事。
本来出してしかるべきだろうオールの軋む音も、6人もの客を乗せて漕ぎだす時のファイト一発な掛け声も、
そして疲労がたまるはずの表情も、食いしばる歯も。
全てを出さず、見せずで飄々と船を進めて見せるのである。
おまけに、船の中には陽気に歌うミニ楽団なんて乗せちゃって。
それに合わせて自分たちも歌っちゃったりして。
なるほど、
だから「波をかきわける」と言うよりも、「水の上を滑って進む」ような不思議な感覚になるんだ。
船を進める時にかかるはずの水の抵抗、重力。
そんな物を忘れさせるような幻想的な錯覚。 -
そんな倒錯的な感覚に体を沈ませながら仰ぎ見る街並みのなんと美しい事。
もし、
これらすべてが、このゴンドリエーレ達の狙い澄まして仕組んだ演出だとしたら、もうたまったもんじゃない。
プロ根性お見事なり。エンターティナーとはかくあるべきかな。 -
ゴンドリエーレさん「船が重いだなんて言う奴はどこにもいねえよ。俺たちは格好つけるのが仕事だからな」
赤ら顔のおっさんが何を言うと笑ってしまうが、
そう堂々と言い放たれてはもう格好良いと言い返すより他の言葉が見当たらない。
ナルシスト上等。ダサい姿は死んでも見せない。
武士は食わねど高楊枝。
いいじゃないの粋じゃないの。
なんだか個人的な感想だけれども、
このヴェネツィアという都市にはべらんめぇ口調がよく似合う。
歴史も栄華も極めたプライド高き人々ではあるものの、
ミラノのようなツンと澄ました雰囲気よりもっと愛嬌のある、自国に対する絶対のプライドと、その伝統を維持でも守り通してやろうという気迫ある決意。
その思いを感じ取るに最適な場所が、もしかしたらこのゴンドラの上だったのかもしれないですね。
いや乗ってよかった。 -
さて、無事ゴンドラに乗っての夢のような時間も終わりました。
となるとあとやる事は一つですね。
飯ですね。
というわけで、
興奮さめやらないまま、次は夕食を予約したお店までトコトコヴェネツィアの夜道を歩いて行きましょう。
ちなみに、 うっかり慣れ始めてしまっていますが、夜のヴェネツィアってのがこれまた素敵でございます。
明るい昼時ですらミステリアスな雰囲気を持っていたというのに、
日が落ちるとより一層の妖しさでもって周りを包み込み、訪れる人々をさらに路地の奥へと誘いこんでしまいそう。
その証拠に、この妖しい魅力にすっかりやられてしまった観光客たちが、もう夜だと言うのにあらゆる細道をウロウロフラフラさまよっていました。
かく言う我々もそんな観光客の日本代表。
手にした地図と実際の道を見比べながらも、あっちへフラフラこっちへフラフラしながらのナイトウォーキングを楽しんでおりました。
つまりはすんげえ迷ってました。
だって本当に道が複雑なんだもん。
複雑だけならまだしも、どこからどう見ても「これ他人様の敷地の裏じゃないの?」
みたいな場所が、持ってる地図に正式に『大通り』として紹介されていたりしてビックリなんですもん。
地図にちょっと細めに書かれている道なんて、実際歩いてみたら大の大人が1人でギリぐらいの幅しかないんですもん。
とまあそんなわけで若干予約時間を遅刻気味になりながらも、どうにか無事に到着しました。 -
今回の夕飯場所は、OSTERIA AL MASCARON-オステリア・アル・マスカロン-
いかにも大衆向けな「地元居酒屋」感が良い味出ています。
オステリアってのは<食堂>みたいな意味合いになるので、つまりは大衆向け・おふくろの味系の料理を出す店の事を指します。
ちなみにイタリア料理屋の敷居としては≪・Ristorante-リストランテ-(高級)・Trattoria-トラットリア(ややカジュアル)-・Osteria-オステリア(居酒屋系)-≫の3つに大きく分かれているので、どんな感じの料理が食べたいかで店を選ぶのもいいかと思います。
※とは言え、自分の店をどう名乗るかは店主次第なのでこれはあくまで目安。
で、ちなみにこのマスカロンって店なんですが、
正直最初は母お勧め(事前調査済み)の美味い店とやらがあったようなんですが、
残念ながら前日に予約しようとして会えなく満席お断りの憂き目を見てしまいました。
で、この店はどうしたもんかとホテルの方に相談してみた時に紹介・予約してくれた、
『素朴系地元料理・ホテルから徒歩圏内・リズナボー』
の三拍子そろったお店だったのです。
ちなみに『素朴系地元料理』を強く希望に入れたのは、前日の2つ星創作ヘビーウェイトディナーからの反省です。
やっぱり「これぞ地元!」って感じのを食べないとね。
てなわけで 頼んだ魚貝パスタの美味い事美味い事。
考えてみたらこの2日間、基本魚と貝しか食べてない訳なんですが、そこは我ら海国仲間。飽きもせずにまあパクパクと美味しく頂きました。
やっぱり魚貝は美味しいですね。
特にイタリアにおいては味付けがシンプルな物が多く、一品でがつんとくる料理は少ないものの、
その代り毎日食べても全く飽きないようなそんな料理ばかりなんです。
いや満足満足。 -
そして夕飯の帰り道、気分良くワインの回った足でフラフラ家路を急ぐついでに、夜のサンマルコ広場とやらは相当美しいんじゃないかという話になり、そのまま4人そろって広場を通って帰る事になりました。
そしてそこで見たのは……。
サンマルコ広場水没の図。
えーー!?とビックリしていると、何の事はない。、ただの『満潮』だとの事です。
・・・いや満潮だからって広場水没してちゃだめだろ。
でもま、確かに考えてみれば海ってやつは潮の満ち引きがあるわけで、
通常状態ですら常に建物の端っこが水につかっているこの人工島の事、これで潮が一番満ちる時間になったらそりゃあ水没もしますわな。
というわけで、この景色はここヴェネツィアでは割と良くある事。
この時は水没と言ってもせいぜい雨の日にできる水たまり程度の物でしたが、
梅雨時の冬ともなると、もう完全に膝付近まで水につかるらしいです。
いやはや最後までとんでもない世界だ。
※次回からはフィレンツェ・シエナ編です。
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この旅行記へのコメント (1)
-
- tensobaさん 2011/11/08 19:09:58
- 色が綺麗ですね
- ジール250さん、はじめまして
たまたま貴女の旅行記を拝見しました。
ヴェネチアの旅行記のお写真の色がとても綺麗にでているので思わずコメントです。
ヴェネチアはわたくしめも行きましたがヴェネチア名物浸水でなかなかのんびり観光できなかったのを思い出します。
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