2011/10/21 - 2011/10/27
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おっちゃんさん
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前日の疲れが全身を覆い、ベッドから起き上がるのにかなりてこずった。
今日はランチに、アソークにあるフレンチ、ル・ボリューの予約を入れていたこともあって、早めに朝食を済ませておきたかった。
バンコクのフレンチはどんなものか。
隣国ベトナム、カンボジアは仏領であった歴史があり、フレンチもイメージとしてそれほど遠いものではない。
ベトナム、ホー・チミンの街角で売られるバケットは、パリのものよりよほど美味いという人がいるくらいだから、旧仏領インドシナの国々ではフレンチが食文化に根をおろしているような気がする。
それでは、それらの国に隣接するタイは、どうなのだろう。
そんな興味もあり、ランチに伺うことにしていた。
予約の時間は11時30分にしてある。
すでに8時を回り、朝食を取り過ぎると、せっかくのル・ボリューでの食事が美味しくいただけない。
とはいうものの、我々の宿、ルブア・アット・ステートタワーの朝食ビュッフェはつい食べ過ぎてしまうほど、多彩なメニューが揃えられていた。
卵料理を好みに応じて料理人にオーダーすることができる。
スチーマーで常に熱々が食べられる包子(肉まん)、エビシュウマイ、粽(ちまき)、お粥などの点心類が日替わりで楽しめる。
子豚の丸焼きのぱりぱりの皮をいただく、烤乳猪、または化皮乳猪といわれる料理を目の前で炙ってくれるサービスもある。
ピッツァの石窯を使って、パンをトーストしてくれたり、相方がお気に入りのパンケーキも焼きたてが供されたりもする。
寿司もスイーツもあり、竜眼(ロンガン)、ドラゴンフルーツなどのフルーツ類も充実している。
そのほかに日替わりの、タイ料理や中華料理がいつも4、5種類用意されている。
要するに、あれこれと取っていくうちに、つい食べ過ぎてしまうのだ。
あまり食べすぎないようにね、と相方にもコーションを発しつつ、自らもお粥で軽めに済ませることにした。
ここのお粥はなかなか美味しい。鶏ガラスープのだしが効いていて、エビ、ザーサイ、パクチィなどのトッピングも豊富にある。
お粥を啜りながら、ランチに出かける前に、どこに出かけたいかを聞いてみた。
相方は、忘れてしまったの? という視線をこちらに送りながら、「サイアム・ブータリーに行くって言ってたでしょ?」と言う。
買物にかける相方の情熱は並外れている。この点に関しては、僕はおとなしく従うしかない。
サイアム・ブータリーはマンダリン・オリエンタルの道を隔てた隣の、O.P.プレイス内にある皮革専門店だ。
ルブアからだと歩いて5分くらいの距離である。
11時開店を知らず、10時半にはすでに店の前を不審者のようにうろついていると、気の毒に思ったのか、はたまた追い払おうとしたのか、開店前にも関わらずドアを開けてくれた。
店主は中国系で、噂によれば、エルメスの仕事をしていたことがある人物らしい。
エルメスと同じ革を使い、同じデザインで作り上げる、ということで有名な店である。
棚にはケリーやバーキン、ピコタン、にとてもよく似たデザインのバッグが雑然と並べられている。
ブランド・ネームは入っていない。
その点でいえば、偽ブランド品ではないのかもしれない。
これはフェイクではなく、エルメスと同じデザイン、同じ革、同等のカッティング・縫製を施したサイアム・ブータリーのオリジナル商品というわけか?
しかし、デザインには知的財産権があり、国際条約でも取りきめがある。
どこか釈然としないものは残るけれど、ピコタン・タイプのバッグを熱心に見ている相方のお買いものモードに水を差すのはかわいそうだ。
中をよく見てほしいというように、縫製や革の質感を店主は指でなぞってみせる。
「日本で買ったら、20万円ね」
店主はどこかで、フェイクであることを認めているようだ。
相方は、決めあぐねている様子で、もう少し考えてみると言った。
慌てる必要はないよ、帰るまでにはあと2日あるし…。と僕。
そろそろル・ボリューに向かわないと、予約の時間に間に合わない。
- 同行者
- カップル・夫婦(シニア)
- 交通手段
- 鉄道 船 タクシー 徒歩
- 旅行の手配内容
- 個別手配
-
アソーク駅前に話題となっていた「ターミナル21」が出来ていた。
これはあとでゆっくりと見ることにして、ル・ボリューに向かうことにした。
駅からル・ボリューまでは徒歩で5、6分といったところだろうか。
レストランは長期滞在型ホテルのような外観の建物の1階に入っている。
南西の二面が窓になっているせいか、レストラン内はとても明るい。
客はまだ、我々だけのようだった。
ランチはビジネス・ランチ590baht、エグゼクティブ・ランチ890bahtの2種類で、悩んだ挙句、エグゼクティブ・ランチにした。
前菜、メイン、いずれもプリフィックスである。
我々はよほどの高級店でないかぎり、シェアして食べることを信条としているので、前菜にエビのクロケット・ブルーブランソースとブイヤベース・ガーリックトーストとルイユ添えを、メインにタルタルステーキ、リングイネ・蟹のサフランソース仕立て、デセールにサヴァラン、チョコムースのシャルロッテを頼んだ。
そして、ワインは相方がブルゴーニュのシャブリ、僕はローヌの赤を注文した。
ほどなくして、出てきたパンは焼き立てでなかなか美味しかった。
皮目が香ばしく、中はほどよくしっとりしている。
これは期待が持てそうだ。 -
ローヌの赤をひと口、すすりこんでみる。悪くはない。
しかし、ワインはグラスで700bahtほどと、日本と変わらないか、それ以上。
日本ではこの価格帯ならもう少しクオリティのよいワインがいただける。
そう考えると、こんなものかな、とも思う。
お得感を期待するのなら、タイではワインはのまないほうがいい。
(わかっていても、ワインを飲みたくなってしまうんですけどね)。
前菜が運ばれてくる。
僕の前にエビのクロケット・ブルーブランソース、相方にはブイヤベース・ガーリックトーストとルイユ添えが置かれる。
エビのクロケットはよくあるような、ベシャメル・ソースの中にエビを入れたようなものではなく(つまりカニクリームコロッケのようなものとも違って)、スープ・ド・ポワソン(ブイヤべースのスープ)に濃度を加え、クロケットに仕立てている。
クロケットを半分に切り、半分をそのまま、半分はブルーブランソースを付けて食べてみた。
クロケットの中のエビとサフランの風味が鼻に抜ける。
衣の香ばしさも手伝って、まずまずの出来だ。 -
相方のブイヤベースをシェアしてもらい、ひと口飲んでみた。
エビのうま味は確かに感じられるが、少しトマトが強く前に出ている。
魚はスズキが使われていた。
ここまで読んでいただければおわかりの通り、このふた皿にはブイヤベースのスープが使われている。
プリフィックスのメニューで、こうした構成は普通はあり得ないし、またあってはならない。
二つの料理のベースには、どうみても同じスープ・ド・ポワソンが使われている。
お店側からすれば材料費の節約のつもりだろうが、客側からすればあってはならない手抜きである。
シェフはきっとそんなことはたいしたことではないと思っているのだろう。
しかし、そうではない。
ある客が、トマトを使った料理が苦手だから、クロケットを頼んだのに、トマトを使ってあるスープ・ド・ポアソンが中に入っているとしたらどう思うだろう?
もうひとつ、驚くべきことがあとで判明する。 -
-
メインが出てくる。
牛のタルタルステーキ、と蒸したスズキのラタトゥーユ・ソースが運ばれてくる。
さっそくナイフを入れた。
タルタルステーキはよく叩いてあり、ねっとりとした舌触りはよいが、もう少しうま味がほしい。 -
蒸したスズキのラタトゥーユ・ソース。これについては相方も僕もまったく気づかず、またトマト・ベースだね、などと言って食べ始めた。
注文したのはリングイネ・蟹のサフランソース仕立てである。
まったく間抜けな話だが、どこにリングイネ(パスタ)が使ってあるのだろう、そんなことを考えながら食べ続けた。
スズキのラタトゥーユ・ソースはビジネス・ランチ590bahtのメニューで、エグゼクティブ・ランチ890bahtのメニューにはない。 -
フロアスタッフの女性は3人で、かろうじて英語ができる女性は1人にすぎない。あとの2名はまったく話せず、ワン、ツー、スリーもおぼつかない感じだった。
これでオーダーと違うものが出された、と抗議すればおおごとになる。
いまの気分を台無しにしたくなかった。だから、僕はこの事実を黙って飲み込んだ。
デセールのサヴァラン、チョコムースのシャルロッテをきれいに平らげ、チェックをお願いした。
4,000bahtを軽く超えている。
サービス料と外税が付いていた。
日本円に換算して、10,000円といったところだろう。
この料理、構成、サービスのレベルで判断するなら、CPはかなり悪いといってよいだろう。
東京のフレンチのほうが、よほどCPはよい。 -
シェフのHervé Frerard氏はフランス人であるようだ。
フランスの三ツ星レストランでも、修業したことがあるという。
日本人は「フランスの三ツ星レストランで修業」に弱い。
日本の有名フレンチのシェフの多くが、箔をつけるために「三ツ星修業」を肩書きにしているが、どのクラスまで上り詰めたのかが実は重要なのだ。
いわゆる総料理長(シェフ・ド・キュイジーヌ)なら文句なくすごいが、それに次ぐスー・シェフでも、大変な実力の持ち主だといえる。
だが、多くの料理人は日本料理店でいう追いまわしにあたるコミと呼ばれる下働き止まりで、三ツ星レストランで修業を看板にするケースがほとんどなのである。
コミでさえ、2、3年の修業期間を要するのだから、20代で三ツ星修行を肩書きにしているようなら、はなはだ怪しいといえるだろう。
シェフのHervé Frerard氏がきちんと三ツ星レストランで、修業をされたのなら、もう少し細部に目配せのある、繊細な気配りがあってもよさそうなのだが…。
少し厳しすぎるといわれるかもしれないが、これでもずいぶん手加減しているつもりだ。
食べることは主観が支配する世界である。僕が絶対であるはずがない。
だが、サービスや価格については、ある程度客観的な批評が可能だと考えている。
そこで参考になればと考え、厳しく書かせていただいた。
フレンチは世界的にみても、日本が一番充実しているし、満足できるレベルにあるような気がするのだが、いかがだろう。(洪水の前に―10/24バンコクその⑨バーン・カニタに続く) -
(以下)ルブア・アット・ステートタワーの朝食ブッフェの一例。
点心類も充実している。 -
相方の評価も高いパンケーキ類。目の前で焼いてくれる。
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サラダ・バーも充実している。
-
フルーツも、龍眼(ロンガン)、ドラゴンフルーツなど、トロピカルな物を中心にラインナップされている。
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