<br />２０１１年６月１６日（木）<br /><br />見知らぬトラック運転士さんのお陰で、死んでいたカーナビが生き返った！<br /><br />これでナビの指示通り道を辿れば、必ずホテルに達するだろう。<br /><br />しかし暗闇の中、雨は依然として降り続き、車には不慣れ、今朝起きてからそろそろ24時間。<br /><br />もう体力は限界を超えている。<br /><br /><br />残りは精神力、「冷静に粘り強く」進もう。<br /><br />この経験が、これからの人生に大きな果実をもたらせるに違いない。<br /><br /><br />気を引き締めてカーナビをよく見れば、今晩のホテルまでの距離は、４６キロだった。<br /><br />空港からホテルまで３０キロと少しの筈だったから、１５キロほど遠ざかったことになる。<br /><br /><br />高速道路から下りてからの道は、次第にジュネーヴの中心に向かっているようだった。<br /><br />混雑が激しくなり、曲がり角が多くなる。<br /><br />雨が激しく、視野は悪いが、絶対に事故だけは避けよう。<br /><br /><br />だが何故か、工事中がやたらに多い。<br /><br />釘でも拾わなければいいのだが・・・。<br /><br /><br />やがて左手にレマン湖が現われ、救われた気持ちになる。<br /><br />この辺りで、残された距離は、３０キロを切る。<br /><br /><br />一般道路でも制限速度が、７０キロあるいは９０キロと、とても運転が早い。<br /><br />こんな高速に不慣れな私は、後続車をなるべく追い抜かせて、ゆっくり走る。<br /><br /><br />この時突然指示盤に「タイヤの空気圧不足」の警報が現われた。<br /><br />まさかパンクとは思わない私は、「誤報は困るな」「問題の多い車だ」と考えながら走る。<br /><br />しかし、本当にパンクだと気付いたのは、残り１７キロ当たりの地点だった。<br /><br /><br />「まあ冷静に対処しよう」「ひと先ず頭を冷やそう」と、私は道に沿ったコンビニらしい店の前に車を寄せる。<br /><br />対処法として幾つかの選択肢が考えられたが、結局選んだのは、「出来ればホテルまで突っ走ろう」だった。<br /><br /><br />「なんとかホテルまで行けますように」<br /><br />祈る心地で、私はアクセルを踏み続けた。<br /><br /><br />残り４キロの辺りから、ガリガリと車輪が舗装を掻く音が、聞こえ始めた。<br /><br />もうすぐ近くだ、頑張れないか・・・？<br /><br />残り１キロを切って、もうダメと覚悟する。<br /><br />ロータリーから間道に入って、空いている駐車スペースにつける。<br /><br /><br />運よく駐車した個所の真上に、「ＳＵＺＵＫＩ　ＡＵＴＯ」の看板が見える。<br /><br />ホテルまでカーナビの距離表示は、７００メートル。<br /><br />もう看板くらいは見えるのでは・・・。<br /><br />周囲を見回すと何たる幸運だろうか、遠からざる丘の上に「ＨＯＴＥＬ」の、青白いネオンサインが、私を招いているではないか！<br /><br /><br />添付の写真は三日後の６月１９日、コルドンの手前で高速道路を降り、最初の街「サラマンシュ」。<br /><br />そろそろ正午近くで、そろそろ朝市が終わりかけたところだったが、懐かしい朝市に出会えた幸運を喜びながら、雰囲気に浸った。<br /><br /><br />読み易い「片瀬貴文の記録」http://blog.alc.co.jp/d/2001114もご訪問下さい。<br /><br />「ソフィさんの旅行ブログ」http://4travel.jp/traveler/katase/には、この記事に関連した写真があります。<br /><br /><br />（2011.7.9　片瀬貴文）<br />

モンブランドライブ【Ａ07】パンクした車で何とかホテルに辿りつく

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2011/06/16 - 2011/06/16

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#ドライブ・ツーリング

ソフィさん

２０１１年６月１６日（木）

見知らぬトラック運転士さんのお陰で、死んでいたカーナビが生き返った！

これでナビの指示通り道を辿れば、必ずホテルに達するだろう。

しかし暗闇の中、雨は依然として降り続き、車には不慣れ、今朝起きてからそろそろ24時間。

もう体力は限界を超えている。

残りは精神力、「冷静に粘り強く」進もう。

この経験が、これからの人生に大きな果実をもたらせるに違いない。

気を引き締めてカーナビをよく見れば、今晩のホテルまでの距離は、４６キロだった。

空港からホテルまで３０キロと少しの筈だったから、１５キロほど遠ざかったことになる。

高速道路から下りてからの道は、次第にジュネーヴの中心に向かっているようだった。

混雑が激しくなり、曲がり角が多くなる。

雨が激しく、視野は悪いが、絶対に事故だけは避けよう。

だが何故か、工事中がやたらに多い。

釘でも拾わなければいいのだが・・・。

やがて左手にレマン湖が現われ、救われた気持ちになる。

この辺りで、残された距離は、３０キロを切る。

一般道路でも制限速度が、７０キロあるいは９０キロと、とても運転が早い。

こんな高速に不慣れな私は、後続車をなるべく追い抜かせて、ゆっくり走る。

この時突然指示盤に「タイヤの空気圧不足」の警報が現われた。

まさかパンクとは思わない私は、「誤報は困るな」「問題の多い車だ」と考えながら走る。

しかし、本当にパンクだと気付いたのは、残り１７キロ当たりの地点だった。

「まあ冷静に対処しよう」「ひと先ず頭を冷やそう」と、私は道に沿ったコンビニらしい店の前に車を寄せる。

対処法として幾つかの選択肢が考えられたが、結局選んだのは、「出来ればホテルまで突っ走ろう」だった。

「なんとかホテルまで行けますように」

祈る心地で、私はアクセルを踏み続けた。

残り４キロの辺りから、ガリガリと車輪が舗装を掻く音が、聞こえ始めた。

もうすぐ近くだ、頑張れないか・・・？

残り１キロを切って、もうダメと覚悟する。

ロータリーから間道に入って、空いている駐車スペースにつける。

運よく駐車した個所の真上に、「ＳＵＺＵＫＩ　ＡＵＴＯ」の看板が見える。

ホテルまでカーナビの距離表示は、７００メートル。

もう看板くらいは見えるのでは・・・。

周囲を見回すと何たる幸運だろうか、遠からざる丘の上に「ＨＯＴＥＬ」の、青白いネオンサインが、私を招いているではないか！

添付の写真は三日後の６月１９日、コルドンの手前で高速道路を降り、最初の街「サラマンシュ」。

そろそろ正午近くで、そろそろ朝市が終わりかけたところだったが、懐かしい朝市に出会えた幸運を喜びながら、雰囲気に浸った。

読み易い「片瀬貴文の記録」http://blog.alc.co.jp/d/2001114もご訪問下さい。

「ソフィさんの旅行ブログ」http://4travel.jp/traveler/katase/には、この記事に関連した写真があります。

（2011.7.9　片瀬貴文）