2011/05/03 - 2011/05/03
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まみさん
この間の雨の週末、表参道にある岡本太郎記念館に行ってから、東京国立近代美術館で開催中の岡本太郎展に行きたくなってしまいました。
関連の旅行記
「子供の頃の記憶を占める「太陽の塔」の岡本太郎を訪ねて」(2011年4月23日)
http://4travel.jp/traveler/traveler-mami/album/10561683
それに東京国立近代美術館の常設展は撮影OKなので、一度、撮影散策を兼ねて再訪したいとずっと思っていました。
というわけで、雨の日のGW中の5月3日、会期終わり間近の岡本太郎展と近代日本の美術を見に竹橋の東京国立近代美術館に行ってきました。
ところが私は、岡本太郎の人気と会期間際の混雑を甘くみていました。
会場に着くと、チケット購入まで約40分待ち、それから入場制限をしているらしく、中に入るまでにさらに約20分待ち!
という看板を整理係の人が長蛇の列の最後尾で掲げていました。
つまり、中に入るまで1時間待ち、うげっ!
───よっぽど帰ってしまおうかと一瞬思いました。
でも、雨の中、コレを見るために自宅から片道一時間半かけて竹橋まで出てきたのです。
ここであきらめたら、なんのために風邪気味で具合が悪いのを我慢してまで(!)やって来たかわからなくなります。
結果的には、行列の進みは予想よりは速く、チケット購入待ちの最後尾に並んでから30分で入場できました。
その間は、読書が進みました(苦笑)。
幼い頃の私の原風景を大きく占める「太陽の塔」の作者の岡本太郎のことは、このあいだ記念館に行くまで、ほとんど知りませんでした。
でも、記念館訪問と、それからこの岡本太郎展、そして2週続けて放映されたテレビ東京の「美の巨人たち」の特集番組のおかげで、随分と岡本太郎に触れることができました。
昭和の戦時中、そして戦後の高度経済成長時代には、常識破り・型破りと思われたに違いない岡本太郎のアートと主張と叫びとエネルギー。
それは、すでに走り続けることに疲れた21世紀の私たち、経済成長と人間中心の開発と発展が本当に地球や人間自身にとって良いことばかりだったろうかと問い直すことを求められている私たちにとって、いろんな意味でたくさんのものをもたらしてくれると同時に、自己や周りを見つめ直すきっかけになりそうです。
常設展の日本の近代美術コーナーでは、日本美術史の紹介本やテレビなどで必ず出てくるような超有名人や超有名作品が、期待通り、目白押しでした。
だけど、よく知っているつもりだった作品も、その原画を眺めると、本やテレビによって他人に紹介されるだけでは気付けない、新たな発見があります。
それが原画を眺める楽しさでしょう。
それと、画材による画質の違い、いわゆるマチエールが良くわかることも。
そして撮影フェチの私は、気に入った作品の自分だけのカタログ作成でもするような気分と同時に、わざと一部だけ撮影して作品の印象を変えて撮ったりして楽しみました。
美術鑑賞しに来たんだか、写真を撮りに来たんだか。
東京国立近代美術館の公式サイト
http://www.momat.go.jp/
企画展:岡本太郎展の紹介ページ
http://www.momat.go.jp/Honkan/okamoto_taro/index.html
会期2011年3月8日〜5月8日
余談ですが、風邪っぴきだったのは、根性でGWが終わるまでには吹き飛ばしました。
のどの痛みだけは長引いて、出かけるときにはのどスプレーを必ず持参していましたが、GW中に予定していたお出かけを一つも中止しないですみました@
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東京国立近代美術館に到着
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チケット購入待ちの行列の中で
チケット購入だけで待ち時間が約40分! ぎょえ〜っ!
あきらめて本を読んで待ちました。
実際は半分の20分くらいで、チケットにありつけました。
当日券大人1,300円。 -
入場を待つ行列の中で
入場まで約20分との予測でしたが、チケット購入まで予測より半分の待ち時間で済んだので、こちらも、そこまでは待たないだろうと少し楽観することができました。
実際、10分くらいで入れました。
しかし、もし常設展にしか興味がない人がいたとしたら、こういう人気の企画展の会期中の祝日は避けた方がよさそうです。
確か入口は同じで、区別されていた様子はありませんでしたから。 -
入場待ちの行列の中から撮った、併設のミュージーアムショップ
私の「太陽の塔」のたっくんの出身地はここです。
関連の写真(こちらにたっくんもいます)
http://4travel.jp/traveler/traveler-mami/pict/21908780/
関連の旅行記
「子供の頃の記憶を占める「太陽の塔」の岡本太郎を訪ねて」(2011年4月26日)
http://4travel.jp/traveler/traveler-mami/album/10561683/ -
プロローグの「ノン!」の部屋の展示
表参道の岡本太郎記念館でも出会える彫刻たちが半分くらいありましたが、それでもとてもワクワクできました。 -
ハイライトの1つでもある「森の掟」の一部
第2章の「「きれいな芸術」との対決」にありました。
この第2章までがチョー混雑していました。
岡本太郎によると、芸術はきれいであってはいけないそうです。
えっ、でも、私は、きれいな芸術も私は好きですよ@
価値観の多様性が認められている(少なくとも建前では)現在、きれいなだけでたいして中身のない芸術も、癒しにはなると思います。
でも、きれいなだけでない、きれいとはいえない芸術も好きです。
鑑賞する側は、こんな風に八方美人でもいいですよね? -
岡本太郎展で一番感動した最後の圧巻の「眼」の部屋
壁四面ともこんなかんじで「眼力」の絵に囲まれていまし。
この部屋を味わうだけでも、入場までの30分待ちをした甲斐があったというものです。
岡本太郎の、追従やうわべだけを許さない確固たる意志がこもった彼の絵に残存するエネルギーのサウナ・ルームというかんじでした。 -
岡本太郎展のポスターと半券
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萩原守衛の彫刻「女」と、背景に萬鉄五郎の「裸体美人」(重要文化財)
ここから常設展です。
最上階の4階から始まって3階・2階へと進んでいきます。
撮影するには、チケットもぎりの受付で申し出ることになっています。
そうすると、注意事項の簡単な説明があり、撮影OKのシールが服に貼られます。
まずはチョー有名な作品2ついっぺんにパチリ。 -
アンリ・ルソー「第22回アンデパンダン展に参加するよう芸術家達を導く自由の女神」の一部
こういうプリミティブ・アートは大好きです。
画家が込めたメッセージとは別に、心の癒しを求めてしまいます。 -
中沢弘光の「まひる」の一部
画家の温かいまなざしが感じられるようで、惹かれました。 -
南薫造の「少女」の一部
一生懸命何かを書いている女の子の姿がいじらしくて。 -
原田直次郎の「騎龍観音」(重要文化財)
荘厳な観音の回りを少しだけ切り取って撮影しています。
観音様は窮屈そうになってしまったけれど、原画より親しみが湧くかな。 -
原田直次郎の「騎龍観音」(重要文化財)の龍の部分
つぶらなおめめと、美しい鱗に注目。 -
川合玉堂の「行く春」(重要文化財)の一部
もう桜の季節が終わってしまったなんて、いまひとつ信じられない気分……。 -
川合玉堂の「行く春」(重要文化財)の一部
渓谷に浮かぶ屋形船。
心象風景はこういう絵から積み重なっていくのかもしれません。 -
4階の休憩室でひと休み・その1
ここで缶ジュースのお茶を買ってひと休み。
4階だから見晴らしがよいです。
でも、窓の外の雨。 -
4階の休憩室でひと休み・その2
竹橋方面を望む。 -
高村光太郎の「手」と、岸田劉生の「麗子肖像」(左)と関根正二の「婦人像」(右)
眼は口ほどにものを言う───これは、手にも当てはまる言葉だと思います。 -
小川芋銭の「飼猿とカッパ争い」(河童百図の内、第25図)
描き込まずに余白を残してなお、自然の雄大さを表現する手法に感心してしまいます。 -
冨田渓仙の「紙漉き」の一部
邪魔してるのか、あるいは手伝っているようにも見えるウサギさんたちが愛らしいです@ -
ジョルジュ・ブラックの「女のトルソー」
日本アーティストだけでなく、チョー有名な西洋の画家の作品もいくつかありました。
ジョルジュ・ブラックのキュビズム会がは昔から結構好きでした。どこが、というのはうまく説明できないけれど。 -
ホアン・グリスの「円卓」
このくらい対象が分かる抽象画が昔から大好きです。
写真の登場で写実をめざす絵画に限界が来た後の、絵画だからこそできるこのくらいのデフォルメ具合が私の好みのツボにはまります。 -
仲田定之助の「首」
モデルの人間の何か内面がほとばしっているようです。 -
古賀春江の「海」
これもチョー有名@
原画を見るのは、たぶん初めてです。
前にこの国立東京近代美術館の常設展を見にきたときに展示されていなければ(ずいぶん昔のことなので、そのときにどんな絵画を見たかほとんど覚えていないものでして)。 -
ジャン・アルプの「地中海群像」と展示室の様子
-
国吉康雄の「村落」
進研ゼミのベネッセがきっかけで知った画家です。何かのプレゼントでもらっのが、この方のポストカードブックだったんです。
あいにく高校生当時はさほど好きになれなかったけれど、今はこういう色づかいと形態のデフォルメ具合がとても好みです。 -
国吉康雄の「村落」の一部
画家自身が投影されている少年かもしれません。 -
藤田嗣治の「猫」
ある意味、すさましい野生のエネルギーを感じさせる絵です。 -
つぶれるニャ〜助けてニャ〜
藤田嗣治の「猫」の一部です。 -
佐伯祐三の「ガス灯と広告」
とっても好きだったこの画家のパリ・シリーズ。なつかしい気分すらします。 -
岸田劉生の「道路と土手と塀」(切道之写生)
写真ではありえないくらい細密に描かれた絵です。
明るい景色なのに、画家の執念と孤独が感じられます。
って思うのは、実は半分以上、壁の解説に影響されているかもしれません。 -
須田国太郎の「書斎」
ここから3階です。
大きな原画で見た印象と、こうして写真に撮った後の印象は違ってしまいますが、物の無質感がぼやけて、ちぎれたパンのようにすらなっているあのあたりがなんともいえませんでした。
実はあれは、花瓶に生けられた花でした。 -
梅原龍三郎の「城山」
梅雨の新緑の美しさが感じられる、心象風景になりそうな風景画です。 -
安井曽太郎の「奥入瀬の渓流」
これもどこかほっとさせる風景です。 -
藤島武二の「港の朝陽」
赤い夕焼けがまぶしくて。 -
藤島武二の「港の朝陽」の一部
最小限の筆使いで描かれた船に惹かれて。
少し斜めから撮っています。 -
鏑木清方の「明治風俗十二ヶ月」のうち「菖蒲湯(5月)」の一部
うちも今年も菖蒲湯をやりました。
でも昔と違って葉っぱそのものを湯船に入れるのではなく、今年はパッケージになった粉ものを利用しました@ -
鏑木清方の「明治風俗十二ヶ月」のうち「花見(4月)」の一部
過ぎた梅の季節をこの絵でもなつかしみ。 -
松林桂月の「春宵花影図」
月が見ている……。
今年は節電で夜桜が見られなくて残念でしたが、こんな風に月明かりでも眺められたらいいのに。 -
小杉放菴(未醒)の「椿」の一部
花にそっぽ向いてる猫ちゃんに注目。 -
小杉放菴(未醒)の「椿」
実際にはこぉんなに椿がたくさん描かれていました。 -
跡見玉枝の「桜花図屏風」
山桜の赤い葉まじりの美しさ……。
今年は森林公園でたっぷりヤマザキを愛でられなかったのが残念です。 -
跡見玉枝の「桜花図屏風」
こんなアングルでもすばらしい……。 -
児玉希望の「仏蘭西山水絵巻(山・海・河)」
水墨画の絵巻のモチーフは、おフランス! -
児玉希望の「仏蘭西山水絵巻(山・海・河)」の一部
モノクロームの水墨タッチが意外に似合う、パリ郊外の景色。 -
児玉希望の「仏蘭西山水絵巻(山・海・河)」の一部
墨で描かれて落ち着いたたたずまいとなった、ノートル・ダム・ド・パリ。 -
児玉希望の「仏蘭西山水絵巻(山・海・河)」の一部
一見すると日本の風景に見えなくもない……(苦笑)。 -
児玉希望の「仏蘭西山水絵巻(山・海・河)」の一部
だけどやっぱりミレーやコローなどが描いた景色が目に浮かぶようです。 -
駒井哲郎の銅版画「思い出」
タイトルを知ってから、いいなぁと思った一枚。 -
浜田知明の銅板画「愛の歌」
シュールな魅力。 -
浜田知明の銅版画「かげ」
包帯の下には鬱屈してたまったエネルギーがあるのかも。 -
中村研一の「コタ・バル」と展示を見ている人のシルエット
ここから2階です。
2階は企画展用のギャラリーと1970年代以降の現代美術が展開します。 -
福沢一郎の「樹海」
パッと見て、うっ、ときました。
見方によってはグロテスクな想像をかきたてられそうです。 -
野村清六の「うつろ」の一部
心の叫びを描いたともいえるかも。 -
鳥海青児の「石ただみ」
土やセメントを塗りたくったように見える素材感もなんか気に入りました。 -
岡鹿之助の「群落(A)」
こういう街角の絵は文句なしに好きです。
俯瞰的な視点や屋根や煙突があるのが私の好みのツボにはまるのかもしれません。 -
岡鹿之助の「群落(A)」の一部
斜めに撮ると、びよーんと伸びます。
絵の具のごつごつしたでっぱりも分かりやすくなります。 -
杉山寧の「穹」
砂漠の熱の中に解けてしまいそうな錯覚がします。 -
杉山寧の「穹」の一部
表面ごつごつ@ -
吉岡堅二の「湿原」の一部
平面的なせいか、アールヌーヴォーチックに見える!? -
加山又造の「湖と鹿」
この方はこういう絵も描くんですねぇ。
随分昔に、同じく国立東京近代美術館で行われた加山又造展を見に行ったことがあります。
でも、彼の作品の圧巻は屏風絵だったので、いまでもそちらの記憶と印象の方が強くて、他にこういうタイプの絵もあったかどうかまで覚えていません。 -
そのスケールが大事な抽象画の展示室にて
手前は吉原治良の「黒地に白」、奥は白髪一雄・画の水滸伝豪傑を描いたもの。 -
今井俊満の「作品」
爆発的エネルギーそのまんま@
タイトルもそのまんま@ -
三上誠の「冥」
乾いた夢の世界というかんじ? -
三上誠の「冥」
近くで眺めるとすごい細部。 -
向井良吉の彫刻「蟻の城」(アルミニウム製)と、奥は吉原治良の「黒地に白」
洞窟都市にも、変わった素材のスカートにも見える素敵な彫刻と。 -
中西夏之の「韻」
迷路を上空から見たよう。
あるいは顕微鏡の中のゾウリムシ!? -
中村宏の「造山運動あるいは「モナリザ」の背景」
強いインパクトを持つシュールレアリスティックな世界の絵画。 -
【3321】
中村宏の「円環列車・B──飛行する蒸気機関車」
荒涼とした不思議な列車の中で大ビンの飲み物をぐいぐい飲む女の子。なんちゃって。 -
中村宏の「円環列車・B──飛行する蒸気機関車」の一部
ビン底に映る戦闘機と女の子の赤い後光は何を意味しているのかしら。 -
中村宏の「基地」
ぱっと見て分かる、戦争反対の趣旨。 -
中村宏の「基地」の一部
墓標のようなものが真ん中に林立。 -
石井茂雄の「タレント達A」
好みでないのに眼が話せない作品ってあるものです。 -
石井茂雄の「使者」
タイトルと合わせて伝わってくる皮肉がなんともいえません。 -
電光の「国道三百号線からみる本栖湖の富士山」
さわさわと揺れる映像でした。
2階の休憩スペースにありました。
おわり。
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