【神戸建築散歩2011】気になった建築とか

2011/02/02 - 2011/02/04

神戸では北野異人館街、旧居留地や海岸通りの近代建築や南京町（中華街）、そしてポートタワーやポートアイランドあたりは誰もが行くところでしょうが、それらの近くにも意外な面白い建築が残っていたりします。

ここではそうした建築が密集したエリアから少し離れたところにあるけれども、注目に値すると思った建築を中心に、簡単にではありますが取り上げてみたいと思います。

表紙は地下鉄「みなと元町駅」の駅舎で、明治41年（1908年）竣工の旧第一銀行神戸支店（辰野金吾設計）の外壁を壮大なファサード保存により再利用したものです。このことは全く知らずに通りがかったのでこれを見たときは非常に驚きました。

エリア 兵庫

神戸国際会館

三宮の駅からフラワーロードを200-300メートルほど海側に行くと左手に見える建物です。

歴史的建造物ではないですが、ランドマークとして存在感があってちょっと気になったので撮影＆アップロードしてみました。

南京町（中華街）

ちょうど春節祭の前後に行ったので活気がありました。

南京町（中華街）

南京町は旧居留地のすぐ西に接する場所で、ここはかつて居留地の外国人の使用人などが住む雑居地だったそうです。神戸開港当時の中国（清朝）とは日本は国交がなかったため、中国の人々は西洋人の使用人などとして神戸に住むようになり、戦前はかなりの賑わいだったようですが、戦争で衰退しましたが、その後、かつての繁栄をもう一度取り戻そうという動きが生じて、現在のような活気のある街になったそうです。

このあたりの歴史については、海岸通りにある神戸華僑歴史博物館に行くと詳しく知ることができます。「海岸ビルヂング」のすぐ隣の建物の２階にあります。

南京町（中華街）にて。

自動販売機の上にパンダが。「コカコーラ」の表記（可口可楽）も中国語でした。

元町のアーケード街

神戸港震災メモリアルパーク

メリケンパークの片隅に、阪神大震災の際の港の被害状況をそのまま残した一角があります。岸壁が崩れてしまっている様はひどいものでした。

神戸ムスリムモスク

1935年、神戸在住のトルコ人、タタール人、インド人貿易商らの出資により建てられた日本で最初のモスク。

建物の中央にドームがあります。

神戸ムスリムモスク

ミナレットの形はエジプト型で、ミナレットがファサードの上部に２本立っているドゥ・ミナール形式なのはイランなどでよく見られる形式です。

兵庫県公館

明治35年（1902年）に兵庫県庁舎として建てられた歴史的建造物で、昭和60年（1985年）からは迎賓館と県政資料館の機能を持つ兵庫県公館として利用されています。

フランス・ルネッサンス様式とされており、フランスらしくマンサード屋根を戴いています。

兵庫県公館

平日は県政資料館しか入れませんでした。迎賓館部門の見学の際にはきっと、ここの１階に下りて見学できるのでしょう。（県政資料館側からは下には行けないようになっています。）

パンフレットによると迎賓館は土曜日の10-16時のみ見学可能です。今度は土曜日に行ってみたいと思います。

兵庫県公館

資料館は北側が入口になっています。アクセスはJR元町駅から徒歩3-5分くらいのほか、地下鉄「県庁前」は出口からすぐ到着できるところで、神戸に来た大抵の人が立ち寄るであろう中華街からも徒歩圏内です。

湊川神社

藤井康生さんの『神戸を読む』という本を読んで、神戸が皇国都市だったという側面があるという指摘を受け、そうした雰囲気の中で戦前はこの湊川神社が神戸を代表する場所の一つだったとのことで、ちょっと気になったので行ってみました。

敷地はそれなりに広いですが、見た目は比較的普通の神社という感じで、建物などはほとんど新しくなっていたようでした。

ナショナリズムの研究者・小熊英二さんはナショナリズムというものは非常に近代西洋的な価値観であり、かつてのナショナリストはその地域の最も近代化・西洋化した人だったと指摘していますが、まさに神戸は開港地として日本で最も近代西洋的な土地柄だった（神戸には多くの西洋人が住み、多くの洋館が立ち並んでいたことにもそれは反映しています）からこそ、皇国都市という側面も強く持っていたのでしょう。