2010/08/27 - 2010/09/02
173位(同エリア373件中)
古真知さん
【旅行全体について】
2010年8月27日(金)から2週間の個人旅行に行ってきました。旅行の前半はフランスはブルゴーニュ地方の、中世の町並みの残る小さな町や、ロマネスク美術などを訪ねる旅行をしました。小さい町を数多く訪ねたため、ほぼ毎日移動の旅行になっていました。
このサイトでは、1日ずつ、もしくは訪問地1箇所ずつ、独立させて旅行記を作ろうと思います。
旅行全体のプランなどについては、別サイトに掲載してありますので、よろしければ参考にしてください。
http://tabisuke.arukikata.co.jp/schedule/40381/
後半については、また別途タイトルを付けて、この前半のブルゴーニュの旅の続きに掲載する予定です。
【これまでの訪問地】
(パリ)→フォントネー修道院 → スミュール・アン・オーソワ → ヴェズレー → アヴァロン → オータン → ディジョン
【クリュニー修道院】Abbaye de Cluny
今年はクリュニー修道院創設1100年記念年ということで、ディジョン滞在中に日帰りでクリュニー修道院に行ってきました。ただし、電車とバスを乗り継いで片道2時間余り、バス時間の都合上滞在時間は2時間ほどとなってしまいまいた。フォントネーのように周囲に何もなければ十分だったのかもしれませんが、予想以上に修道院は大きく、修道院周辺の小さな街も可愛らしく、滞在時間の短さが残念でした。日帰りではなく1泊してもよかったと思います。
クリュニー修道院はヨーロッパ中世~アンシャン・レジーム期にかけて繁栄した大きな修道院ですが、フランス革命で破壊され、以来荒廃していました。最近になってから大きな修道院の建物が一部だけ補修され始めたため、これまでに見てきたフォントネー修道院や中世の教会とは違い、建物自体は「新しい」印象でした。尤も近代まで力を持っていたため17世紀などにも改修されていたそうで、革命時点でも既に「中世の修道院」とは違っていたかもしれません。
私が行ったときは、偶然にも1100年記念イベントの1つとして、建物の1つを使って特別に中世ロマネスク時代の美術の展覧会を開催していました。おかげで丁度このブルゴーニュの旅行で見続けてきたロマネスク美術の作品を最後に纏めて見ることができました。
写真には殆ど他の観光客は写っていませんが、実際にはこれまで訪れたどこよりも観光客が多い場所でした。特に団体客が多く、アメリカ人(と思われる)を多く見かけました。時間がないのに加えあまりに人が多いため、入口付近のビデオ映像を見ることは諦めました。
全体としては、観光客が多いだけではなくそれほど魅力を感じられませんでした。理由は、建物自体があまりオリジナルの状態を保っておらず外観以外は現代的。また特に内装が殺風景で建築物としての魅力に欠ける。工事中などで殆ど中を見ることができない。などが挙げられます。勿論ヨーロッパ中世~近世にかけて非常な力を持った修道院でしたので、歴史的には訪れる価値はあるのだと思いますが…。特にキリスト教史や中世ヨーロッパなどに興味があるのでない限り、それほど行く価値はないように思えました。
ここの観光の後夜はディジョンに戻って夕飯を食べました。
翌日は朝ストラスブールに向かい、これにて今回の「ブルゴーニュの旅」は終了となりました。
- 旅行の満足度
- 3.0
- 観光
- 2.5
- 交通
- 3.0
- 同行者
- 一人旅
- 交通手段
- 鉄道 高速・路線バス
- 旅行の手配内容
- 個別手配
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-
バス停周辺。駐車場。
クリュニーに行くためにはディジョンから電車でマコンへ行き、そこからバスに乗り換えます。
バスは1日3本。朝、午後、夕方です。
私はディジョンを昼前に出発し、夕方のバスで戻りました。 -
クリュニーの街並み。
メインストリートに当たる修道院へ続く道です。この通りにはカフェやレストラン、観光局などもあります。
残念ながら時間がなかったため、通り過ぎただけでした。
観光局はこの道の奥、修道院の入口近くにあります。バス停からの地図がないため、バスから降りた当初は修道院の入口も観光局の場所もわからなくてうろうろしてしまいました。 -
修道院の建物の一部だと思います。
結構入口が分かりにくくて迷いました。 -
上記の写真の建物の前。広場のようになっていて、人々が休んでいました。
この日も晴れていて、日差しが暑かったです。 -
現在残って修復中なのは、かつての修道院の一部なので、このように廃墟的に残っている部分がたくさんありました。
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入口近くの街の様子。
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入口はかなり近代的に整備されていて、入ったところも美術館のように綺麗でした。そのため、入口周辺は写真に撮るような感じでもありませんでした。
これは、入場してすぐのところにあった修道院の建築模型。 -
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近代的な入口の奥の階段を下りると回廊に出ます。
回廊から中庭を撮ったもの。
回廊自体はフォントネーなどに較べるとずっと大きく天井も高いのですが、修復工事中で入れないところもあり、なんとなく無味乾燥で学校か役所の建物のようで、あまり面白くありませんでした。 -
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回廊を抜けると建物を出て、大きな庭に出ます。
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庭から建物を振り返った様子。
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庭から見た建物の入口。
多分こちらが本来正面入口だったのだと思います。 -
庭の反対側から建物を見た様子。
さすがフランス建築というか、シンメトリーにできていますね。 -
もうちょっと庭の中ほどから建物を振り返った図。
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庭は広くシンメトリーでした。
建物からだいぶ離れて、庭と建物の様子。 -
上の写真の地点で振り返ったところ。歩いている正面側になります。
こちらは入口の門と思われますが、観光客はこちらから入ることはできません。
小さく門の前に写っている、裾の長い服を着ている人は、この中にある国立職業学校の学生かなにかと思われます。 -
修道院の地図です。
中央の白い四角い部分が、今通ってきた建物の部分になります。向かって右側が庭と門。
白い四角のやや右下に、赤い丸が付いていますが、それが地図のある「現在地」と思われます。
この地図は庭の隅の建物に貼ってありましたが、地図の上に「Le Farinier」(粉屋?)と書いてあります。恐らく製粉所か小麦の貯蔵庫かそういう建物だったようです。 -
「製粉所」の正面入口。2階建てになっています。
私が行ったときは、この中で中世ロマネスク美術の展覧会を特別に行っていました。
まず、1階の入口に入ります。 -
聖母子像
12世紀前半。フランス南西部ボーリューの修道院のもの -
ヴェズレー他ロマネスク修道院や教会で見てきたような柱頭彫刻も数多く展示してありました。
何のモチーフかわかりませんが、天使が人間の鼻と顎を掴んで引っ張って行っているような、不思議な図像だと思いました。 -
こちらはヴェズレーの教会にあった柱頭彫刻の1つです。
19世紀に修復されたヴェズレーの彫刻のオリジナルの一部はこうやってどこかに保存されているのですね。
テーマは天使と悪魔が人間の魂の計量を巡って争っているところ。中世美術でよく見かけるテーマです。 -
柱頭彫刻。人がクマに襲われているところ。
1140年ごろ。 -
こちらは可愛かったので撮ったのですが、犬の彫刻です。
イギリス、サセックスのものだそうです。 -
会場の様子。
建物は修道院のものらしいですが、雰囲気は美術館のようになっていました。
カメラの感度で明るく見えますが、実際はかなり暗く、フラッシュを使えないため中の様子を撮るのは難しかったです。 -
脇の出口から出たところ。
今、建物から出てきた人たちが写っています。 -
次は2階の入口へ。
外の階段を上って庭を見下ろしたところ。
木が生い茂っていて、庭の中心部は見えません。 -
同じく2階の入口の階段上から。
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2階の展覧会場の様子。
柱を並べて修道院の様子を再現してあった他、写本なども展示してありました。 -
2階の会場を出ると、ミュージアムショップ(?)があり、それを出ると修道院の外に出ます。
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おまけ
クリュニー修道院跡の一部は、現在では国立職業学校となっています。この学校が何をするところなのか分かりませんが、不思議な服を着た人たちを多く見かけました。
学生の作品(?)などが展示してあった一角に、彼らが着ている服も飾ってありました。
消防士の服を派手にデザインしたような、なんとも奇妙な服でした。 -
同じく学生の作品展示の中にありました。
杖のような物の先に、ここの修道院の模型がはめ込んでありました。 -
修道院を出た後、バス時間まで若干あったため、街の別の中世の教会を見に行きました。
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とてもシンプルな古い教会でした。
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内陣の様子
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教会を出て、バス停に向かう街の様子
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バス停付近。
この建物は修道院の建物の一部だということが、帰りにはわかりました。 -
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先ほど庭側から見た門があったので、中を覗いてみました。
門は閉まっていて、もちろんここからは中に入れませんでした。 -
クリュニー修道院、見収め
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ディジョンに戻ってこの日の夕飯
前日は宮殿裏手のブラッスリーのどこかに行こうと思っていたのですが、駅からのメインストリートに、気になる店があったので入ることにしました。
名前は「L'Imprimerie」印刷所。
この雰囲気ですし、味はあまり期待しませんでしたが、面白そうでしたし入り易そうだったので興味半分で。 -
2階席に入りました。
観光客1人でも居心地が悪くない現代的雰囲気の店。
「印刷所」らしく、壁には古い本が積まれていました。 -
壁の本。
古いペーパーバックをインテリアとして積んであるため、読むことはできません。 -
席の後ろにも古い本が。
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1階との吹き抜け部分には、古い印刷機をイメージしたオブジェがありました。
空に浮いているのは、「印刷」された紙のようです。 -
窓辺にいくつも置いてあったオブジェ。店のロゴが入っています。
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店内の様子。
内装はとても現代的デザインです。
左脇に大きなテレビ画面がありました。 -
私の夕飯。
店の外観にかかわらず、前日の中央広場の観光客向けの店より美味しかったです。
因みに客の大部分は観光客ではない一般のフランス人に見えました。
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この旅行記へのコメント (3)
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- yquemさん 2011/02/27 22:06:30
- クリュニー
- 眠り猫さん
はじめまして
クリュニー修道院はどんなところ?と思っていたところ
旅行記を拝見できてよかったです!
ロマネスク建築に少し興味があり・・・
他にもいろいろ旅行記拝見させていただこうと思っています。
yquem
- 古真知さん からの返信 2011/03/06 17:30:58
- RE: クリュニー
- yquemさん
はじめまして。お返事が遅れてすみません。
コメントありがとうございます。
クリュニー修道院は、数年前まで廃墟だったそうですが、
今はかなり修復、という域を超えて「創作」(笑)されていました。
もはや現代のものなので、残念ながら建築は面白いものではなくなってしまっています…。
「行った」という満足だけでしょうか(苦笑)。
ロマネスクでしたら、今回行った中ではシトー会のフォントネー修道院の方がお勧めです。
私もロマネスク教会を回るようになったのは今回からなので、
まだまだ詳しくはないのですが…。
眠り猫
- yquemさん からの返信 2011/03/06 18:33:32
- RE: RE: クリュニー
- 眠り猫さん
返信ありがとうございました。
> ロマネスクでしたら、今回行った中ではシトー会のフォントネー修道院の方がお勧めです。
2010年11月私も訪れてとてもよかったです!
秋の寒い日でしたので、観光客もとても少なくのんびり見学できました。
実はシトー派の教会にも行きたかったのですが、見学は夏だけらしいです。
また、いろいろロマネスクのこと教えてくださいませ。
yquem
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